社会問題小説・評論板
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- 狂い始めた歯車が
- 日時: 2012/06/04 14:09
- 名前: ここ (ID: tkV8RM03)
—最初は皆、誰とも普通に接していて、特に良いところもなく、また悪いところもなかった。
—ところがある日、『何か』がそれを変貌させた。
—それから、歯車が狂って行った。
—そして、最後には、壊れてしまった。
—これは、古川小学校6−1が、徐々に歯車を狂わせて行く物語。
- Re: 狂い始めた歯車が ( No.3 )
- 日時: 2012/06/04 15:01
- 名前: ここ (ID: tkV8RM03)
3.そして「いじめ」は始まった
休み時間、教室。
先生は今日1時間目から出勤なので、とても都合がいい。
教室には、なんと全員が集まっていた。
やっぱり美月はうっとおしいし気持ち悪いし、皆に嫌われているようだ。
すると、いじめのリーダ的存在の、江口ほのかと山口友恵がやってきた。
どうやら朝私たちに「いじめ」の事を言ったのも、初めに美月をいじめたのもこの2人らしい。
ほのかは、全員集まったことを確認し、いじめに賛成かと聞いた。
もちろん全員「賛成」だった。
そして友恵が、私たちもある程度どんないじめをするかはここに書いてあるが、他にいいいじめはないか、と聞いた。
友恵が考えてきたいじめは、「体育の時間にあの固いバスケットボールをぶつける」とかいう肉体的なものから、「ノートに悪口を落書き」とかいう精神的なものまで、全部で15個そろっていた。
そして皆が色々な案を出し、そのバリエーションはおよそ50までにも達した。
皆、すごいもんだ。もちろん私も1個意見を出した。
何かは秘密。まあいつかその方法のいじめが実施される日も来るだろう。
で、次の3時間目は先生のいない体育なので、先ほど言った「バスケットボールをぶつける」とかいうのが実行される、と幸子は発表していた。
他にもいじめをするという。まだ発表はしないらしいが、きっと私たちを楽しませてくれる素敵なものだろう。
(全員わくわくしているのと裏腹に、歯車はどんどん狂っていく)
- Re: 狂い始めた歯車が ( No.4 )
- 日時: 2012/06/05 20:01
- 名前: ここ (ID: tkV8RM03)
4.「授業」はやがて「お楽しみ」へと
キーンコーンカーンコーン…
授業始まりのチャイム、だが6−1にとっては「お楽しみ」の開幕のお知らせでもあった。
チャイムが鳴ると、全員(美月以外)一斉に立ち上がり、全速力で体育館に走って行った。
美月は何が何だか分からなかったらしく、手惑いながらも追いつこうと息を切らせながら体育館に走って行った。
美月がこっち(体育館)に来たときは、もう皆既に集まっていて、皆一斉に美月を睨みつけた。
美月は怯えて、少し足を震わせながら整列に入って行こうとした。
美月は、突き飛ばされた。
結構突き飛ばす方の力が強かったのか、美月はダァン、という大きな音を体育館中に響かせて倒れた。
朝の事から、「私はいじめのターゲットになった」と認識したらしく、泣きそうな顔で起きあがった。
すると、皆次々に、
「何その顔。アホ面してんじゃねぇよ。キモいんだけど。」
「うざい。うわ、泣きそーだよーこの子ーw」
「何ぃ?アンタ、なんか文句あるのぉ?」
と、美月に暴言を次々に吐いていった。
勿論、私も。
美月はますます泣きそうになりながら、整列をした。
で、準備運動が始まるわけもなく、皆でバスケットボールを一人1個ずつ持ってきた。
無い人はそれ以外の固いボールを。
美月は「え?え?」と戸惑っている。
イライラする。
皆そう思ったらしく、ほのかを始めとし皆が美月に向けてボールを投げて行った。
上手い人は、遠くから顔を狙って投げた。
ボールは次々に美月の顔、お腹、足首に当たっていった。
私たちが高笑いしながら美月を見ていると、友恵が何やら閃いたらしく、長縄を持って来た。
何だろう?と思っていると、友恵は勢いよく美月に向かって縄を鞭のように使って、美月にカァン、と音がするほど激しく縄の掴み手をぶつけた。
(戸惑う犠牲者、喜ぶ鬼たち)
- Re: 狂い始めた歯車が ( No.5 )
- 日時: 2012/06/05 20:00
- 名前: ここ (ID: tkV8RM03)
5.鞭の刑
「っ…」
結構痛いらしく、美月は頬を抑えながら弱弱しく声を出した。
頬が赤くなっている。
友恵は構うわけもなくカァン、カァンと音を響かせながら美月に鞭をぶつけていった。
私たちが感心しながら見ていると、友恵は「倉庫に普通の縄跳びがあるでしょぉーっ、それぶつけなさぁーい、ない人はバスケットボールをぶつけるのを続けて」と言った。
私たちはその通りにして、私は縄跳びを使ったのだが、これもまた結構な爽快感。
楽しくなってきて、皆もヒートアップ。
縄の掴み手が頬、頭にぶつかる音、ボールが激しくお腹にぶつかる音、色々な音が体育館内に響いていた。
美月の頬は光っていた。
恐らく涙だろう。
それを見ると、私たちは隙無く
「うわ、泣いてるよwwwwきんもー★」
「鼻水出てね?うわw」
「ちょwwwもうだめwww」
と笑いだした。
美月はクゥクゥ唸りながら泣いているが、それを見て助けようとする者は当然いなく、ただただ空しくカァン、という音が響き渡った。
(痛みをひたすら色々な方法で与える鬼たち)
- Re: 狂い始めた歯車が ( No.6 )
- 日時: 2012/06/06 17:34
- 名前: ここ (ID: tkV8RM03)
5.「お楽しみ」は給食の時間でも続く
「うぁー、楽しかったーぁ」
「疲れたねえー。」
「…ねー、こんなに疲れたのも、あいつ(美月)の所為じゃなーい?」
「あ!そーいえば!じゃあ、罰…しよっかぁ。」
私とほのかの会話で、そんなアイディアが浮かんだ。
じゃあ、早速…
「ねーぇ、アンタの所為で疲れちゃったんだけどー」
「アンタは何にもしないでただ突っ立ってただけでしょぉー?」
「だからさあ、給食配るの全部やってねー♪」
美月は相変わらず戸惑っているが、だいぶ慣れたのかなにも言わずに給食のおばさんが持ってきた食管や食器を運んできて、すごい速さで配って行った。
そして配るのがあと1つと言う時に、美月はパンを床に落としてしまった。
それはなんと、私のものだった。
私は頭の中がストレスでいっぱいになり、それをすぐに美月にぶつけた。
「ねえ、責任とってよ。あ、そうだ、アンタのと取り換えればいいのか。」
そう言って、美月のモノと取り換えると、私はすぐに美月の落した美月の食べるパンを、思いっきり踏みつぶした。
少々砂がついた。
美月は急いで掃おうとしたが、私は容赦なく
「罰としてぇ、そのまま食べてよー。」
と言うと、美月は口に入れなかった。
口に押し込もうとしたが、到底無理だった。
なので、私は皆を呼んで、男子に美月の手と足と顔を押さえつけ、口を無理やり開かせた。
そのうちに、私が思いっきり砂の付いたパンを口に押し付けた。
美月はなにやらモゴモゴと言っていたが、知ったこっちゃない。
美月は泣きながら、パンを食べていた。
(いじめが酷くなると同時に、歯車も狂う)
- Re: 狂い始めた歯車が ( No.7 )
- 日時: 2012/06/06 17:53
- 名前: ここ (ID: tkV8RM03)
6.虐めは続くよ、いつまでも
いつもの帰り道。
いつもの通学路。
そこを通って、家に着く。
玄関口でバタン、と倒れて、そこに置いてあった服を着て、学校に向かう。
うちの学校は、放課後は自分たちの教室、校庭を1ぺん帰って着替える、という条件で開放するのだ。
さて、そんなわけで学校の教室前に着いたわけ、だが。
そこには、塾や習い事で忙しい人以外、6-1の皆が集まっていた。
実は、皆で計画を立てていたのである。
「係の仕事をしている美月(私たちの仕事を押し付けた)のやった仕事を台無しにして、皆で美月をボールとして使う名づけて『美月ボール遊び』で遊ぼう!」
と、いうものだった。
私たちはそれを確認して、美月のいる教室のドアをガラッ、と音を立てて開けた。
美月は驚いていた。
だが、しばらくして無視してそのまま仕事を進めていった。
すると、友恵がすかさず、
「無視すんじゃないわよ。ねぇアンタ、このフキン、ちょっと薄汚れてなぁい?やり直してよ!!」
と言って、美月の長時間かけて洗ったであろうフキン(5枚)を、1つのこらずあらかじめ準備してあったバケツ一杯の泥水につけた。
美月は泣きそうだったが、また泥水につけられたフキンを洗いだした。
それがすむと、今度は力の強い女子、恵美が美月の胸ぐらを掴んで、蹴りあげた。
それはまあ見事なもの、美月はダン、と音を響かせて倒れた。
それを皆で繰り返した後、皆で帰った。
美月は相変わらず泣きそうだった。
(歯車は止まることを知らず、狂いまくる)
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