社会問題小説・評論板

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その瞳に何かが映る時、私は何を感じるのだろうか。
日時: 2014/11/25 03:22
名前: ミム (ID: B594orir)

目次

挨拶>>1

1話>>3>>4


お客様

ショコラ様
みみぃ様
小説馬子様

Re: 世界はこんなにも——— ( No.7 )
日時: 2013/07/07 22:29
名前: ミム (ID: r1bonIQR)

5話


私はその場を立ち去ると思いっきり屋上への階段を駆け抜けた。


「はぁはぁはぁはぁ———」


疲れた…

あたりを見回すと今日は真っ青な青空でだけど私の心は曇っていた。


「こんな空無くなればいいのに…」


なんて———


「貴方も同じね。」

「え?」


思わず声が出てしまう。

後ろを振り向くとそこには朝私が声をかけようとしていた女の子がいた。


「あのっ、えっ…と、あ———」


言葉が詰まってしまう。
だって何をしゃべればいいのか分からないの。


「はぁー」


えっ、ため息つかれた?


「あのさ、そう言うの止めてくれない?うざいから」

「えっ…」


そういった頃にはもう彼女はいなかった。

まるで嵐みたいな人だ。
突然現れて突然消える。

それにしても綺麗だった。
真黒な長い髪にパッチリとした目、鼻筋の通った鼻、形の整った唇、まるで雪のように透き通った白い肌。
彼女そのものが人形だった。

だけど私は彼女の目に何も映っていない事にも気が付いていた。
だから人形だと思ったのかもしれない。

私はその瞳にいつか何かを映したいといつからか思っていた。


5話 完

Re: 世界はこんなにも【コメントください(泣)】 ( No.8 )
日時: 2013/07/07 22:51
名前: ミム (ID: r1bonIQR)

6話


———次の日


まだ慣れていない教室に一人で向かうと私は自分の席に着いた。

それにしても居心地が悪い。

朝から賑やかなのは良いけど聞こえてくるのは人の悪口ばかりだった。


「おっはよーん!柚葉!」

「お、おはよう!」


声をかけてきてくれたのは昨日少し話した優奈ちゃんだった。

優奈ちゃんの後ろには後4人の女の子もいた。
その中には昨日ぶつかった女の子もいた。


「今日暑いねーもう日焼けしちゃう。」


優奈ちゃんはそう言うと鞄から日焼け止めを出し自分の体に塗り始めた。

それを見ている事に気付いたのか優奈ちゃんは私に「塗る?」と聞いてくれた。


「大丈夫!」

「そっ。」


私はそう返事をすると優奈ちゃんは素っ気ない態度で自分の席に戻ってしまった。

もしかしたら嫌な事を言ってしまったのかもしれない。
そんなことが頭の中をグルグル回り朝の休み時間は過ぎていった。

チャイムが鳴ると担任の小方先生が出席を取り始めた。


「椎名ー」

「はい…」

「椎名ー?」

「はい…!」

「あっ、いたのか。もうちょっと大きな声で返事してくれ。」

「すみません…」


何だよっ…
心の中で言葉を吐き捨てると深呼吸をした。

周りからかすかにクスクスと嘲笑った声が聞こえてくる。

それとともに私の顔が赤くなってきている事に気付いた。

恥ずかしい…

多分この事は私の頭の中から消えない事を確信した。

出席を取り終えると1時間目が始まった。
そしてあっという間にお昼になっていく。

私は一人で屋上に向かおうとすると途中で愛に出会った。


「あっ、柚葉!」


愛は私に気付くと駆け寄ってきてくれた。

だけど私は知っている。
本当はうざいと思ってることくらい。


「今日から用があって一緒に食べれないの。ごめんね!」


そんな嘘つかなくていいのに…

冷たい目でにらんでる事に気付いたのか愛は少し私から一歩下がった。

その事を理解した私はなるべく早く話を終わらせると屋上に向かった。


6話 完

Re: 世界はこんなにも【コメントください(泣)】 ( No.9 )
日時: 2013/07/08 19:56
名前: ミム (ID: r1bonIQR)

7話


屋上に着くと私はコンクリートの地面に滑り込んでしまった。


「はぁー疲れた…」


心の中で呟いてるのか口に出して言っているのか、そんなことはもうどうでもよくなっていた。

それよりも疲れたのだ。


「愛のバカ…」

「ふーん。」


いきなり聞こえた声に振り向くとそこには昨日も屋上で会った彼女がいた。


「な、何ですか…!?」


少しイラッとしていた私はトーンを下げて言葉を放った。


「別に。」


彼女はそう言うと柵の方へと向かっていく。

もしかして自殺…?

私は体を一気に起こすと彼女を止めた。


「待って!」

「何?」


何って…
自殺するんじゃなかったのか…


「よかったー…!」


思わず声に出して言ってしまった。


「ふっ」


えっ?
もしかして笑った?

私は隣にいる彼女に視線を預けてみると顔をじーっと見た。


「何よ、そんな見て。」


彼女はムッとした声で私に言った。

きっと笑ってることに触れてほしくなかったのだろう。


「いえ、何でもありません…!」


急いで何事も無かったかのようにすると私は口笛を吹いた。


「〜〜〜〜♪」


口笛は昔から好きだった。
そして唯一の私の特技だった。

音は何もない大きな空に放たれると消えていった。


「その歌…知ってる。」


突然声を発した彼女を見てみるとその目には何も映ってはいなかったがかすかに口元は口角が上がっていた。

その事が私には嬉しくて思わず私も笑ってしまった。


7話 完

Re: 世界はこんなにも【コメントください(泣)】 ( No.10 )
日時: 2013/07/08 20:15
名前: ショコラ (ID: HijqWNdI)

ミム☆

面白いね(*^^*)
最後良いね〜♪( ´▽`)

Re: 世界はこんなにも【コメントください(泣)】 ( No.11 )
日時: 2014/11/25 03:27
名前: ミム (ID: B594orir)

コメントしてくれてありがとう。

まだまだ続くから良かったら見てね^^


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