社会問題小説・評論板
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- その瞳に何かが映る時、私は何を感じるのだろうか。
- 日時: 2014/11/25 03:22
- 名前: ミム (ID: B594orir)
- その瞳に何かが映る時、私は何を感じるのだろうか。 ( No.1 )
- 日時: 2014/11/25 02:03
- 名前: ミム (ID: B594orir)
挨拶
初めましての方も初めましてじゃない方も、こんにちは。
ミムです。
この作品は人間関係をテーマとしたお話です。
つまらない作品になるかもしれないですが、頑張って書くので、暇潰し程度に読んで頂けたら嬉しいです。
どうかよろしくお願いします。
- その瞳に何かが映る時、私は何を感じるのだろうか。 1話-1 ( No.3 )
- 日時: 2014/11/25 03:25
- 名前: ミム (ID: B594orir)
1話
何を得ることも無ければ、何も失うことも無い、そんな毎日。
普通に仲の良い友達も家族もいて、それが当たり前だと思ってた。
だから何も考えてなかったんだ。
それが「幸せだ」とか、「楽しい」だとか。
私にとっては普通のことだったし、周りも皆私と同じだと思っていたから。
————でもそれは違ったんだね。
———4月
「おはよ!柚葉!」
「おはよう!愛!」
とうとう4月が来てしまった。
そう。
今日はクラス替えの日だ。
「一緒のクラスになれるといいね〜」
「そうだね!」
私は友達、愛と同じクラスになれる事を心から願っていた。
愛は、昔からいつも私の傍にいてくれた大切な友達だった。
楽しいときも悲しいときも悔しいときもずっと一緒にいてくれた。
だから私はそんな愛が大好きだったんだ。
「では、クラスの紙を張り出すので後ろに下がっていてください!」
何となく気の弱そうな女の先生が張り出し板の前に立つと、大きな長い紙を2人係で慎重に貼りだした。
「それでは自分の教室を確認して、その教室の席に着くようお願いしますっ。」
女の先生は少しばかり緊張したような声で言うと、その場から少し離れた。
その瞬間、周りは一斉にクラス替えの紙の前に集まった。
勿論私も急いで貼りだしの前に行く。
「柚葉何組!?」
「えーっと…待って!!まだ見つけてない!愛は何組!?」
混雑で流されそうな中、私達は必死に自分のクラスを探し、伝えようとしていた。
「うちは1組だよ!」
「了解!私は……あっ、あった…!」
私は自分の名前を見つけると、少しずつ目線を上に変えていった。
どうか…どうか…愛と同じクラスでありますように…!
「あっ……!」
「柚葉あった!?」
「う、うん…」
思わず、目を逸らしてしまった。
だって愛と違うクラスだったから…
「何組だった?」
「4組だったよ。違ったね…アハハ…」
落ち込んでいる私を愛は心配そうに見つめると、人混みの中手を取り、その場から抜け出すように手を引っ張った。
人混みから解放されると、愛は私の両手を取り、必死な顔で言った。
「大丈夫だよ!クラスが変わっても、うち等は何も変わらないんだから!」
愛…
優しい愛の言葉に涙が出そうになる。
「うん!ありがとう!」
「何も良いって!!よしっ、教室に行こ!」
「そうだね!」
私達は何も迷うこと無く、教室に向かった。
- その瞳に何かが映る時、私は何を感じるのだろうか。 1話-2 ( No.4 )
- 日時: 2014/11/25 03:23
- 名前: ミム (ID: B594orir)
先に私のクラスに着いた。
「じゃあね、柚葉!お昼はお弁当一緒に食べようね!」
「うん!!」
何故かその一言で安心し、思わず笑みがこぼれる。
それにしてもクラスにはどんな子たちがいるんだろう?
派手な子たちじゃないと良いなぁ。
ドキドキしながら教室に足を踏み入れると、周りを見渡しながら自分の席に着いた。
周りは賑やかだ。
もう皆グループで固まっていた。
固まっていないのは私ぐらいだろうか?
隣から聞こえる笑い声、前から聞こえるヒソヒソ話。
私をどんどん不安に追い込んでいく。
一人なのは私だけか…
—————いや、違う。
そこにはもう一人私と同じように一人でいる子がいた。
その子は真黒な長い髪にとてもきれいな顔をしていた。
だけど雰囲気は暗かった。
そのせいだろうか?
彼女に近づくものは誰もいない。
その様子を見た私は勇気を出して話しかけてみることにした。
ゆっくりゆっくり彼女に近づいて行く。
———ドン!!
集中しすぎて周りが見えていなかったせいか、クラスの子にぶつかってしまった。
「いたた…ご、ごめんなさいっ。」
「あ、こっちこそごめんねー!それにしてもそんなところで何してんの?」
え…!?
彼女の席を恐る恐る見てみるとそこにもういなかった。
「いや、何でもない、です!」
「そ、そう…?」
明らかに相手は私のことを引いていた。
それもそうだろう。
私みたいに敬語で話す人なんてなかなかいないのだから。
しかもこの高校は少しレベルが平均に比べて低かった。
だから髪を染めてる子なんて当たり前だし、皆メイクだってしている。
その中で私は真黒なショートカットにメイクだってしていなかった。
ただでさえ友達を作るのが苦手で臆病な私は、いつも気を使って友達ができない。
「ねぇ、こっちきなよ!」
「え…良いの…!?」
嬉しくて敬語ではなくなっていた。
「良いに決まってんじゃん!!」
さっきぶつかった女の子は、私の手を引くと、グループに連れて行ってくれた。
しかしそこにはいかにも今時の女子と言う感じの子達がいた。
「え、あの………」
思わず言葉を詰まらせてしまう。
こんな私がこんな人達の中に混じっても良いのだろうか…
「大丈夫だから、そんな緊張しなくても!ねっ!」
「は、はい!」
そう言ってくれると女の子は、私を紹介してくれた。
「えっーと、この子はさっきそこでぶつかった子です!!」
「えー、何それーー??」
笑い声が響く。
馬鹿にされているのだろうか?
不安になっていく。
でもこれに置いてけぼりにされてはいけない。
「あ、あの!!」
思ったより、声が大きく出てしまい、自分でも驚いてしまう。
でもせっかく声を掛けてくれたんだ。
あの時もし声を掛けてくれなかったら、私は今クラス一の一人ぼっちだっただろう。
きっとこれで頑張れば———
「さっきそこでぶつかった子こと、椎名柚葉です…!よろしくお願いします…!!」
一秒が何分かのように感じるほど、一瞬静かになったが、それと同時に笑い声で溢れた。
「へぇー!!面白いじゃん!!うち優奈!よろしくねー!」
「は、はいっ!!」
優奈と言う女の子は私に手を出してくれると握手をしてくれた。
なんて可愛いくて明るい女の子だろう。
私の始めの印象はそう言う感じだった。
その他にも2人、香帆、凛子が自己紹介してくれた。
勇気を出してよかった…
今年はいい年になりそう!
そうこうしているうちにチャイムが鳴った。
- Re: 世界はこんなにも——— ( No.5 )
- 日時: 2013/07/07 18:25
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
3話
それにしても胸の中がザワザワしていた。
私がこんなところにいていいのだろうか。
「どうしたの、柚葉?」
ぼっーっとしていた私を甘い声で起こしたのは優奈ちゃんだった。
「何でも無いよ!」
「そう?それにしても柚葉はメイクとかオシャレしないの?」
それもそうだろう。
こんな地味な私がこんな今時の女子のグループの中にいたら目立つ。
「う、うん。私みたいな地味な子は似合わないし!」
急いで相手を傷つけないようにフォローした。
「そうかな?柚葉って案外可愛いしオシャレしたらもっと可愛くなると思うよ!ねっ、やってみない?」
「いやいや、大丈夫!ていうかごめんね!」
私は地味でいいのだ。
派手に生きていく気も無いし目立つ気も無い。
むしろ平凡以下でよかった。
誰かが「あーそういえばなんか柚…んーなんて言う名前だったけ?でもなんかそんな奴いたよね?」みたいな程度の知名度でよかった。
ただ平凡に暮らせたらいい。
いつもそう思って生きてきたのだから。
「ねぇ、今日お昼一緒に食べない?」
「ごめん。お昼は他の子と約束してて…」
「そうなんだ。また一緒に食べようね〜」
「うん!」
本当に優しい子だなー優奈グループの子達。
———昼
私は少し駆け足で愛の教室に向かうと愛を呼んでもらうようにドアの手前にいた子に声をかけた。
すると愛は私のもとに走ってきてくれた。
「ごめんねっ!待たせちゃって。」
「ううん、大丈夫!」
「あのさ柚葉…」
私はふと愛の隣に視線を預けてみるとそこには女の子が3人いた。
きっと愛にも友達ができたのだろう。
「この子たちも一緒に食べて良いかな?」
「え、うん!全然オーケーだよ!」
「そう、よかった!」
愛は少し安心したような表情を見せると隣にいた女の子に「よかったねー」と言っていた。
なぜか私の心がモヤモヤしていたのは言うまでも無かった。
3話 完
- Re: 世界はこんなにも——— ( No.6 )
- 日時: 2013/07/07 18:44
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
4話
私達は食堂に向かうと机の上にお弁当の並べた。
「わぁー!愛の美味しそうだね!」
「そう?早紀のもおいしそうじゃん!」
目の前で愛と他の友達がそんな風にやり取りをするのを私はなぜかじーっと見ていた。
「椎名さんだっけ?」
「うん!」
「私は由香!よろしくねっー」
「よろしくー!」
といったものの会話は弾まない。
由香ちゃんと私は会話がはずまなかったものの他の子たちは盛り上がっていた。
それをみた由香ちゃんはそっちに入って行きまるで私が一人取り残されたようになっていた。
「それにしても愛ってホント可愛いよね〜」
「そうかな///夏も可愛いじゃん!勿論由香も桃もね!」
「「「ありがと〜」」」
大してそんなに可愛くないのになに皆で褒め合ってるのさ———って私駄目だ!
性格悪くなってきてる。
「ちょっとトイレ行ってくるね…!」
「うん、了解ー」
愛は興味がなさそうに返事をすると夏ちゃんと由香ちゃんと桃ちゃんとまた話し始めた。
それが当たり前のことなのにものすごくモヤモヤしている私はどうなのだろうか。
なんて変な事を思ったままトイレに向かった。
トイレから出ると皆が居る場所に戻ろうと少し駆け足で向かった。
その時———
「それにしてもさー愛もよくあんな子とつるんでるよね〜」
「「ねー」」
「そ、そう?結構いい子だよ!」
必死に私の事をフォローしようとしてくれている愛を見て私は少し目に涙がにじんだ。
「愛は優しいねー。でもでも正直もう疲れたでしょ?」
「うーん…」
「ねぇ、どうなのよ〜?うちら絶対にあの子に言わないからさー」
「う、うん!」
「で、どうなの!?」
愛、お願い!
「まぁ、ちょっと疲れたかな?」
え…
「だよねー!さすが愛!ならさこれからうちらとご飯食べようよ〜」
「う、うん!そだねっ。」
「やったー!愛大好き〜!」
「うちもー!」
愛の裏切り者。
愛の嘘つき。
そんな言葉が私の頭の中をかき回していった。
4話 完