社会問題小説・評論板
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- 死んでもいいかい?
- 日時: 2012/12/04 23:48
- 名前: カナリア ◆StaIqxr34U (ID: mJV9X4jr)
はじめまして‥‥‥‥‥もしくはお久しぶりです。
これまでいろんな名前で小説を書いてきたのですが、
途中であきて完結したことがありません‥‥‥‥なので、
今回はきちんとしようと思いこの小説を書くことにしました。
今回は最後まで書く予定です。
(また途中でやめてしまったらすみません)
*荒らしはご遠慮ください
*人を傷つける書き込みもご遠慮ください
*更新が遅れると思います
*文才などはありません
*コメント&アドバイスは大歓迎です
プロローグ
>>1
第一章 いじめ
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
>>7
第二章 リストカット
>>8 >>9 >>10 >>11 >>12
>>13 >>14 >>15
- 死んでもいいかい? ( No.1 )
- 日時: 2012/11/22 20:19
- 名前: カナリア ◆StaIqxr34U (ID: mJV9X4jr)
プロローグ
誰も私のことなんて好きじゃないから、死んでもいいかい?
みんな私のことなんて嫌いだから、死んでもいいかい?
みんな私の死を願ってるから、死んでもいいかい?
生きてるのがもう辛いから、死んでもいいかい?
誰も「死なないで」と言ってくれないから、もう死んでもいいんでしょ?
あの子が「死ね」って言ったから、もう死んでもいいんでしょ?
ねぇ、死んでもいいかい?
- 死んでもいいかい? 【いじめ】 ( No.2 )
- 日時: 2012/11/22 20:15
- 名前: カナリア ◆StaIqxr34U (ID: mJV9X4jr)
第一章 いじめ
とても寒い日だというのに、私は夏用の体操服でグラウンドの真ん中に立っていた。風がとにかく冷たく、死んでしまうのではないかと思うほどに寒かった。
そんな私の姿を見て、小市叶恵は笑っていた。とりまきたちと偉そうに叶恵は笑うが、何がそんなに面白いのか、理解できる人は頭が狂っていると思う。そう、小市叶恵は私、畑野枝沙夜をいじめているのだ。
「沙夜ちゃ〜ん、寒い?」
ふざけた口調で私にそう聞いてきた叶恵は冬の制服にジャンバーという、とてもあたたかそうな服を着ていた。
なぜ私がこんなに寒そうな服装なのかは、だいたいわかるだろう。小市叶恵がそうさせたのだ。
「早く冬用の制服、着たい?」
私を蹴りながらそう聞くとまた笑う叶恵。そんな時何をするべきかはわかっている。お願いするのだ。逆らったりして、ずっと寒くて震えているよりは、頭を下げる方がましだろう。
「お願いします」
私が頭を下げると叶恵は私の制服を投げた。その制服は私の頭に当たり、叶恵はまた笑ったが、寒くなってきたのか校舎の中へ入っていった。
グラウンドにはまたとても冷たい風が吹き、落ち葉をグラウンドの片隅へと運んでいた。私は涙を必死にこらえて校舎の中へ入っていった。
- 死んでもいいかい? 【いじめ】 ( No.3 )
- 日時: 2012/11/22 20:17
- 名前: カナリア ◆StaIqxr34U (ID: mJV9X4jr)
私が1年3組の教室に入ると、さっきまでにぎやかだった教室が静かになってしまった。私は自分の机を探したが、見つかることはなかった。さっきまで私の机があった場所には私のかばんが乱暴におかれていた。
「あんたに机は必要ねーし」
ある女子がそう言うと同時に、クラスメイト全員が私に暴言をはく。私はおいてあるかばんを持って教室を逃げるように出た。冬用の制服に着替えたが、まだ風が冷たく、寒かった。ふるえが止まらなかったが、何もなかったようにただ歩いた。まだ授業があるが、もう耐えれそうにない。
学校からの帰り道、近所の人に冷たい目で見られたが、ただ歩いた。
「ただいま」
そう言いながら家に入るが、家には誰もいなかった。母は私が小さい頃に亡くなり、父は仕事だ。
テレビをつけると、ちょうどお昼のニュースをやっていた。ニュースキャスターはにこやかに今日あったというお祭りの話をしている。私はニュースを見ながらお弁当を食べた。叶恵のせいでお弁当もまだ食べていないのだ。
「臨時ニュースです」
テレビからのその声に画面を見るが、私にとってはどうでもいいようなニュースだった。はっきり言うと、どのニュースもどうでもいいが、バラエティー番組よりはましだと思う。バラエティーでやっていることなど、半分はいじめと同じようなものじゃないか。と思いながらも自分が作ったお弁当を食べていた。
私以外誰もいない家にはテレビの音だけが響いた。少し耳障りだったが、私はそのままニュースを見た。
- 死んでもいいかい? 【いじめ】 ( No.4 )
- 日時: 2012/11/22 20:18
- 名前: カナリア ◆StaIqxr34U (ID: mJV9X4jr)
翌日、いつもより少し早く起きた私は、学校に行きたくないと考えながらもリビングへむかった。まだお父さんは寝ているようで、家はとても静かだった。朝日も出てないような時間でもポストに新聞が入っていた。朝からご苦労様と少し上から目線な考えをしては、新聞に視線を向ける。殺人事件の記事が大きく書かれていたが、その横に小さく、中学生がいじめで自殺した記事が書かれていた。
「同い年か‥‥‥」
他人事のように言ったが、私だって、いつこうなるかはわからなかった。
「なんで、生きてるんだろうな?」
自分に問いかけたが、答えは出てこなかった。いつか幸せだと思える瞬間のため、死ぬときっと誰かが悲しむから、せっかく産まれてきたから。いろんな選択肢があったが、どれも答えとは思えなかった。今の私には、難しすぎる問題だった。
そんなことを考えていると、学校へ行く時間がせまってきた。行きたくはなかったが、仕方ない。私はお弁当を急いで作り、カバンの中へいれた。
「沙夜、もう行くのか?」
今さっき起きたらしいお父さんがそう尋ねてきたので、曖昧に返事をして家を出た。外はとても寒く、家との温度差が激しかった。息はとても白く、空は灰色だった。
私が歩き出すと背後から固く、とても冷たいものがあたった。またか、と思いながらも振り向くとやはり小市叶恵が立っていた。
「プレゼントだよ、受け取って!」
叶恵が差し出した袋に触った瞬間、手が凍ってしまいそうだった。袋の中に入っていたのは、氷だ。それも、袋にいっぱいの。私はその氷を受け取ると叶恵と学校へむかった。登校ルートが同じなのだ。仕方ないと自分に言い聞かせて過ごしてきた。
ふるえが止まらなかったのは、寒かったからなのか、怖かったからなのか、私は気づいていたが、考えなかった。
- 死んでもいいかい? 【いじめ】 ( No.5 )
- 日時: 2012/11/22 20:18
- 名前: カナリア ◆StaIqxr34U (ID: mJV9X4jr)
学校につくと、いつもと同じように今日を過ごした。いつもと同じく、叶恵たちにいじめられた。「死ね」と何度も言われたが、毎日のことで、傷つくこともなかった。と思いたいところだが、何回繰り返しても傷ついてしまう。
授業が終わり、昼休憩のはじまりを告げるチャイムと同時に私にはまた地獄がはじまる。再びチャイムがなると同時に、いったん地獄が終わる。あくまでも一時的に。放課後のチャイムでまた地獄がはじまるのだ。今日のいじめが終わる頃には、空は少し暗くなっていた。赤い夕焼けはすでにどこかへ消えてしまっていた。私には今の空みたいに暗い色がぴったりなのだろうか。
帰り道は1人だったが、ずっと泣いていた。もう死んでしまいたいとおもうほど辛かった。誰かに助けてほしいというのが私の本心なのだろう。しかし、大人はいじめから目をそむける。今日の新聞だってそうだ。いじめの記事は小さかった。
「もういやだ」
いつのまにかそんなことを言っていた。誰もいないひとりぼっちの帰り道で、弱音を吐いて、誰かの前では平気なふり。もうバカみたいになってきた。いろんな感情がまざり、考えに考えた結果が、結局、死にたいだった。
真っ暗になってしまった空を見ると、星が輝いていたが、私はそんな星さえも壊してしまいたかった。