社会問題小説・評論板

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校内格差、【更新中】
日時: 2013/04/07 19:10
名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: jwtW4gOO)

( 堕ちないため、生き残るため、今日も私は嘘を吐く )




村雨むらさめと申します(・ω・)
今作品では、いじめというよりは校内格差について書いていくつもりです。
コメントやアドバイスを貰えると喜びます((




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Re: 校内格差、【オリキャラ募集】 ( No.11 )
日時: 2013/03/22 11:19
名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: jwtW4gOO)

 三時間目、歴史の授業。
 教科担任は校内でも恐いと有名な斉藤先生。気まぐれで目に付いた人を当てるから、あまりぼうっとしていられない。皆、ノートにペンを走らせている。いつもは不真面目な有明も、ちゃんと授業を受けている。
 やっぱり一番後ろの席は良い。クラス中が一発で見渡せて。

 あ、授業を真面目に受けていない人が一人いた。
 瀬名巧(せな たくみ)。教卓の真ん前の席で堂々と机に突っ伏して爆睡中。この人はいつもこうだ。勇気あるなあ。

 授業中はノートを綺麗にまとめることに集中し、休み時間は礼奈やメグたちとの会話に華を咲かせる。そうしていると案外忙しいもので、あっという間に時間は過ぎていった。
 そして帰りのホームルーム。席替えのあみだくじが回ってきた。直感で空いているところに名前を書き、次の人に回す。席の発表は明日らしい。


 -


 部活が終わった。もう六時三十分だ。
 吹奏楽部の練習は意外とハードだ。文化部の中では断トツなのではないかと思う。私は楽器を片付け、同じ部の子たちと少しの間雑談をしてから学校を出た。

 この頃は徐々に日が長くなってきた。それでもまだ辺りは薄暗い。私は一人、足早に家路を急ぐ。
 道端でたむろしている高校生たちの横を通り過ぎた。何がそんなに楽しいのか、大声で阿呆っぽく騒いでいる。
 あ、でも学校での私は、傍から見ればあの人たちと大して変わらないのかも。

 たむろしている高校生に目をやる。皆、心の底から笑っているように見えた。────いや、私とは違う。

 愛想笑いして、人と話をあわせて、無駄に気を遣って。
 そんな自分がどうしようもなく嫌になる。やだやだやだ。馬鹿みたい、私。
 なのに、止められない。きっと明日になれば、またいつも通りの嘘の笑顔を振りまいているのだと思う。
 だって、また元の暗い自分に戻るのはもっと嫌だから。
 いつも下を向いて、いるのかいないのか分からない状態で、いじめの標的になるかならないかのところでびくびくして、ただ平和に何事もなく過ぎるのを待つなんて。

Re: 校内格差、【オリキャラ募集】 ( No.12 )
日時: 2013/03/22 11:38
名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: jwtW4gOO)

 席替えっていうのは、一大行事だ。これで学校生活がどうなるか、大方決まってくるのではないかと思う。
 私も、朝家を出るときからいつもとは少し違う緊張を感じていた。もうすぐチャイムが鳴って、安藤先生が新しい座席表を持って、教室にやってくる。

「今日、席替えだよね」
 隣にいた礼奈が言う。私は十分ほど前に学校に着いてから、ずっと教室の隅で礼奈やメグたちとお喋りをしていた。

「また後ろの席が良いなあ。寝ててもバレないしっ」
 そう言っては見たものの、正直場所なんて二の次だった。確かに後ろの席の方が少しくらい怠けていても先生に見つからないから、出来ればそっちの方が良い。
 でもそんなことより、誰の隣になるか、誰と同じ班になるか、誰の近くの席になるか。それが重要。

 クラスのほとんどが既に登校してきている教室の中を、ぐるりと見回してみる。
 女子はまあ、誰と同じ班でもいい。ほとんど全員と話したことあるし。
 男子は……まず、有明だ有明。あの人とは同じ班になりたくない。そう思いながら、男子七、八人のグループの中心で何やら爆笑している有明を見る。
 有明は、男子の間では人気があるのだと思うけれど、私が知る限り女子からの評判はあまりよくなかった。
 自分勝手だったりとか、女子の悪口を名指しで言ったりとかしたらしい。私自身も正直苦手だ。

 それから……そうだ、加藤。加藤雅秋(かとう まさあき)。今はまだ登校してきてないみたいだけど。
 背の低い、眼鏡をかけた男子で、休み時間でもいつも一人で席に座っているような人だ。そういえば誰かと喋っているのを見たことがない、気がする。私が覚えてないだけかもしれないけど。
 クラスの女子は、彼を遠巻きに見ているような感じだ。男子からは時々いじられている、というかからかわれている。特に有明とかに。まあいじめ、というほどではないのだろうけど。
 私は個人的に加藤と関わりたくなかった。
 なんというか、一人でぽつんと席に座っているのを見たりすると、どうしても小学校のときの自分を思い出してしまうから。

「ねえっ、誰かこの人とは一緒の班になりたくないなー、って人いる?」
 タイミングよく(と言っていいのか分からないけど)メグが言った。
 一人が有明の名前を挙げ、何人かがそれに同意する。有明は改めて女子からあまり好かれていないのだと、実感する。

「紗綾はー?」

 おっと、唐突に話を振られた。

 クラスの誰かの悪口を口に出して言うのはあまりよくないことだ、と思う。道徳的にどうこう、ということもある。
 それに、何かの拍子で悪口を言ったことが本人に伝わってしまえば、自分の立場だって危うくなりかねない。
 でも、かといってその場の雰囲気を乱すのもよくない。こんなときは、

「んー、そうだね……」

 と、ひとまず曖昧に返事をするのが得策だろう。中立な立場というのは、割と攻撃の対象になりにくいものだ。

 そうして、特に自分の意見を言うことなく聞き役に回って相槌を打っていると、とうとうチャイムが鳴って、先生が教室に入って着た。
 新しい座席表を黒板にマグネットでとめると、クラス中の視線がそこに集まる。

Re: 校内格差、【オリキャラ募集】 ( No.13 )
日時: 2013/03/21 20:56
名前: ルゥ (ID: yW/8TsYW)

ちょっと紫雨に付け足しをしました。
ご報告しときます

席替えは僕も嫌いですねww
面倒な班員だと楽しくないですし
面白いと思います!
僕はプロじゃないから偉そうに言えないけど、このお話はグンと引き込まれるものがあって楽しいです!

体に気を付けて、更新頑張ってください!

Re: 校内格差、【オリキャラ募集】 ( No.14 )
日時: 2013/03/22 11:56
名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: jwtW4gOO)

>>ルゥさま

了解です、確認致しました(^ω^)

ありがとうございます!!
そう言って貰えると嬉しいです!!

次から紫雨くん登場させられると思いますのでっ

春休みですし、更新頑張りますb
ルゥさまの小説も楽しみにしてます!

Re: 校内格差、【オリキャラ募集】 ( No.15 )
日時: 2013/03/29 18:13
名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: jwtW4gOO)

「やったー!! 礼奈と同じ班!」
  一足先に座席表を見に行った礼奈とメグがハイタッチをしている。
 出遅れた私は、既に前に人が沢山いるせいで座席表が見えない。内心ドキドキしながら前の人がどいてくれるのを待っていると、「紗綾も同じ班だよー」と二人に教えてもらった。
 先に人混みから抜け出していた二人と、ハイタッチをして喜ぶ。


 座席を移動して、新しい席で授業が始まった。
 私の班は男女三人ずつの六人班。この班で給食を食べたり、掃除をしたりする。
 私の前の席が礼奈、後ろの席がメグ。女子メンバーはこれ以上ないくらいに良い。

 問題は、男子の方だ。あろうことか、有明と同じ班になってしまったのである。やだなあ。このまま一ヶ月もずっと同じだなんて。
 でもまだ、隣の席でないだけマシか。有明の隣はメグだ。メグは普段から有明のことをよく思っていないみたいだったから、少し同情する。

 それから礼奈の隣、つまり私の斜め前の席は秋風だった。
 秋風紫雨(あきかぜ しう)。二年になって初めて同じクラスになったけれど、今まで一度も話したことがない。でもまあ、いつも明るくて阿呆っぽくてよく喋る人だということは知っている。
 あまり特定の人とつるむということはないようだ。が、かといって、孤立しているわけでもない。その時々によって、色々なグループを渡り歩いているような感じだ。

 私の隣の席は瀬名。授業中はいつも寝ているから居眠りキング、と私は勝手にあだ名をつけることにした。だってほら、まだ授業が始まって間もないのに、もう寝ている。


 給食の時間は礼奈とメグと、昨日のテレビ番組の話題で盛り上がった。
 この二人は好きなものとか趣味とかが既に分かっているから、会話の糸口が掴みやすくて話しやすい。もしあまり知らない子だったりすると、いつもより余計に気を遣わなくてはいけないから大変だけど。

 男子も男子で最初は三人で話していたけれど、あまり盛り上がらなかったらしい。しばらくすると、それぞれ他の班の人と喋り始めた。

 男子とあまり関わらなくても、案外学校生活はスムーズに送ることができる。
 有明にさえ気を付ければ、この班は楽なのかもしれない。


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