社会問題小説・評論板

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貴方が笑って、私は。
日時: 2015/01/05 16:17
名前: 桜 (ID: tL2iei10)

初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。

前回に引き続き、御注意を。

・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・自己満足の小説ですので、不快に感じる点があるかもしれません。

そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。

荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。

それでは、始めます。

Re: 貴方が笑って、私は ( No.3 )
日時: 2013/09/28 22:33
名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc (ID: tL2iei10)

—1章—友達

友達:対等の立場で親しく付き合っている人。

対等な立場?
親しく付き合っていれば友達でしょう?



————————私はそう、言い聞かせてきた。



現実から目を背けてきた。
だから、かな。




「違うクラスだねー、残念っ」
私の“友達”である水奈がクラス表を見ながら言った。
「唯花と離れるのは悲しいよー」
水奈はさっきから何度も同じことを言っている。
『悲しい』とか『心配』とか。……本心ではないのにね?
何か言わないとずっと同じことを言い続けそうなので、口を開いたとき、
「みーなー!うちらと同じクラスだよー!」
後ろの方から声がした。
知り合いが三人。皆、同じ学校だった子達。
「ほんとっ?良かったー」
その子達に駆け寄っていく水奈。
それまでの悲しげな雰囲気はなく、とても明るい笑顔を浮かべて。
水奈は私には目もくれず、その子達との話に夢中になっていた。
私が水奈と先にいたのに。私の方が仲が良いのに。
そんな嫉妬心のような物が私の中を渦巻いていた。
「あ、唯花。渡し忘れてたー」
そう言って差し出したのは一冊のノート。
私と水奈だけの交換ノート。
繋がっている。私は水奈の一番の友達。
「じゃあねー」
水奈が軽く私に手を振り、他の三人と校舎へ向かっていく。
私はずっと校舎の中に消えるまで水奈を見ていた。
水奈は一度も私に視線を向けてくれなかったけど。


『ねえ、唯花ってうざいよねー』

Re: 貴方が笑って、私は ( No.4 )
日時: 2013/07/25 18:40
名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc (ID: tL2iei10)

>哀歌さん
 コメントありがとうございます。
 そう言って貰えると嬉しいです。
 更新は遅いと思いますが、頑張ります。

Re: 貴方が笑って、私は。 ( No.5 )
日時: 2013/10/05 20:26
名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc (ID: tL2iei10)

私は一人、自分の教室へ向かって歩いていた。
新しいクラスに期待を抱いて。

“うざい”“消えろ”“死ね”
そんな、幼稚な言葉が頭の中を反響する。
全部、全部、私の声。私が発した声。私が放った言葉のナイフ。
皆楽しんでいた。私は空気を読んだだけ。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。
お経のように頭の中で繰り返す。
謝罪の言葉は浮かばなかった。

教室に着いた。ドアを開けると、中には半分くらいの人がいた。
知り合いは数人。特別仲の良い人はいない。
出席番号順で席に座り、一息つく。
隣や後ろはまだ来ていない。前にはいるが、話かける勇気はない。
教室はとても静かで空気が重い。
私は暇なので家から持ってきた文庫本を読みだした。
少し、話しかけられるのを期待していた。

鐘が鳴る。そのときには全員教室に来ていた。
少し遅れて担任の先生が入ってくる。
黒板に大きく名前を書き、軽く自己紹介をする。
五十代くらいの男の先生。担当は理科らしい。
クラスメイトの自己紹介をする暇はなく、すぐに入学式に入るのだとか。
クラスメイトの名前はおろか、顔すら覚えていない。
多分、他の子も同じ。少しぐらい時間をとればいいのに。
でも、まだ心の準備が出来ていないから助かった。
最初が肝心。最初の自己紹介で失敗したら地獄。
入学式でゆっくり文面を考えよう。

廊下は少々騒がしく、もうクラスメイトと打ち解けている子もいた。
私は周りを見回し、“友達”になれそうな子を探す。
私の前に座っている子。少し丸くて天然そうな子。
その子の肩を叩く。驚いて振り返るその子に、私は手を差し出した。
「篠崎唯花です。よろしくね」
笑顔で、明るそうな子にように。
「鹿野杏菜です。こちらこそ、よろしくね」
杏奈は笑顔で返してくれた。握手もしてくれた。




これで“友達”成立?



Re: 貴方が笑って、私は。 ( No.6 )
日時: 2013/10/05 21:05
名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc (ID: tL2iei10)

入学式は何事もなく終了し、私達はまた教室に戻った。
教室は入学式前よりも騒がしい。
私は誰とも話さず、黒板をただ眺めていた。
前では杏菜が隣の男子と楽しそうに話している。

—————ねえ、私もその中に入れてよ。私を除け者にしないでよ。
—————だって、私達“友達”でしょう?

そんなことを思っても、口に出さなければ伝わらない。
分かってるよ。分かってるけど。


怖いんだ。



「はい、静かにしてください。今日はもう下校です。明日の時間割は————」
明日の時間割、持ち物などを早口で言うと、担任は教室を出て行った。
私も席を立ち、数秒動きを静止する。

—————一緒に帰ろー
—————いいよー

そんな声が私の頭に響く。
そんな言葉は私に掛けられることはなく、消えていった。
私は一人、教室を出た。

廊下ではいくつかのグループが盛り上がっていた。
とても楽しそうで。とても幸せそうで。
私はその人達の横を無言で通り過ぎ、そのまま校舎を出た。

校門を出ようとしたとき。
「えっと、篠崎さんっ?」
聞き覚えのない女子の声。
振り返ると女子が数人。知り合いではない。
「私、同じクラスの小谷舞依です。これからよろしくね!」
一人が言うと次々と他の子が自己紹介をする。
私も笑顔で自己紹介をする。
「篠崎唯花です。一年間よろしくね」




“友達”が5人できた。


Re: 貴方が笑って、私は。 ( No.7 )
日時: 2013/10/06 18:21
名前: 恵美 (ID: 7NcgQhKb)

あのぉ〜、すみません突然
あなた、文才ありすぎではありませんか?
うらやましい…
また来ます〜
いやー、人類ってこんなに文才あるんだねー


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