社会問題小説・評論板
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- 「ごめんね。」
- 日時: 2015/07/28 18:00
- 名前: ゆりな (ID: l8Wvg9Qa)
はじめまして、ゆりなです。
ここには、私の体験したことも少し含めた小説を書こうと思います。
しかし基本はフィクションです。
- Re: 「ごめんね。」 ( No.4 )
- 日時: 2015/07/28 21:56
- 名前: ゆりな (ID: l8Wvg9Qa)
家に帰って、すぐに携帯を確認した。
新着メッセージは…15件。裕樹からは…2件。
振るにはちょうどいい件数に、私は半分失望気味に裕樹からのメッセージ
見た。
「!!!」
画面に写った文字には、たった二言、
『いいよ』
『あれ』
これだけでも十分理解できた。私は…裕樹と両思いになったってことだ。
『ありがとう』
返信すると、胸は期待で弾むばかりだった。
テストが終わったら、一緒にどっか行きたいな。
1つのクレープを半分こしたいな。
それから、それから…。
*
「あの時の私は、すごく素直だったよなぁ…」
暗い部屋の中で、彼女は1人呟いた。何の気なしにベッドに横になった。
「…助けてよ…」
彼女の涙は、誰に気づかれることもなく布団に染み込んで、消えた。
- Re: 「ごめんね。」 ( No.5 )
- 日時: 2015/07/28 22:39
- 名前: ゆりな (ID: l8Wvg9Qa)
裕樹と付き合いはじめて1ヶ月。
私はタイムラインを眺めていた。
ふと目に止まったのは、裕樹の投稿。
スタンプ押してやるか、と軽い気持ちでいた私の笑顔は、一瞬で崩れた。
『便乗』の後には、裕樹のプロフ。そして
『好きな人☞いたら俺バカだわw』
…は?
『リア充?☞彼女募集中!誰でもいいよw』
…何これ、何これ!?
過去の裕樹の投稿を読みあさる。
まさかこれ以外にも…?
『先着10名!1日カレカノになります!』
「…っ!!」
私は携帯を投げ捨てた。何よこれ…!!?
その時、裕樹からメッセージが来た。
恐る恐る内容を確認すると、
『好きな人ができた』
『だからもう返信すんな』
冷たい言葉が綴られていた。
「…ふっ…」
私はぺたんと座り込むと、夢中でメッセージを綴った。
『何それ言い逃げ?好きな人って何よ私はなんだったんだよ!私はあんたの道具かよ、玩具かよ?!どんだけお前にふりまわされたと思ってんだよ!?』
送信…を思い止まった。
怒りが爆発した。
だからこそ、もうこんなものを送る気力もなくなったのだ。
- Re: 「ごめんね。」 ( No.6 )
- 日時: 2015/07/28 22:45
- 名前: ゆりな (ID: l8Wvg9Qa)
*
あるところに、女の子がいました
女の子は信じることをやめました
もともと人を信じなかった彼女は、彼だけは信じていました
それを裏切られた今、人なんて信じても無駄だとわかりました
今日も彼女の世界は真っ暗です
虚ろな目に写ったのは白いカーテン
彼女は急いでカーテンをしまいました
かつて彼に呼び出された日
初めて見た彼の私服は真っ白のTシャツでした
彼女は白が嫌いになりました
彼女は彼にまつわるもの全てをけしました
それでも、どんなに目を瞑っても
耳を塞いでも
白を消しても
ー彼の、笑いを含んだ声が聞こえるのです
- Re: 「ごめんね。」 ( No.7 )
- 日時: 2015/07/28 22:51
- 名前: ゆりな (ID: l8Wvg9Qa)
*
今日も彼女は笑います
おかしいねって、おかしいのは自分なのに
自分も含めて笑っているのです
彼女の偽物の仮面は、はがれることがありません
はがすことができるのは、きっと“彼”だけでしょう
*
「どこにいるの…海斗」
彼女がかつて心の中で愛した、“彼”ならば。
- Re: 「ごめんね。」 ( No.8 )
- 日時: 2015/07/28 22:57
- 名前: ゆりな (ID: l8Wvg9Qa)
「ごめんね。」
かつて、彼にいえなかった言葉…。
fin.
***
終わりとなります。読んで下さった方、ありがとうございました。
それではまた、お会いする時まで。
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