BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- magnet【打ち切り】
- 日時: 2014/07/21 11:52
- 名前: ミム (ID: qyjkJIJL)
magne(マグネット)
引き合わせるもの。
時には引き離す。
「私たちみたいだね。」
「そうね。」
おもな登場人物
桐谷雫/きりたにしずく ♀
椿成実/つばきなるみ ♀
宮田圭/みやたけい ♂
山都大輝/やまとだいき ♂
目次
1章「幼い私達」>>3>>4>>5>>6>>9>>10>>11>>12>>13>>14
お客様
奈是流様
あるま様
- Re: magnet 【GL】 ( No.5 )
- 日時: 2013/11/10 12:51
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
今日は少し急ぎ足で学校に行った。
皆ははいつも通りに賑わっている。
しかし椿さんは1人で本を読んでいた。
「椿さん、おはよう!」
「…」
あれ、また無言…
今日楽しみにしてたんだけどなぁー…
そんなことを思いながら自分の席に着くと私は猫の餌を机の上に置いた。
「お前それ食べんの?」
宮田が私をまたからかう。
そんな宮田に構ってしまうのも私だ。
「ちがう。これは猫にあげるの。」
「ふーん。」
宮田はそういうと友達のところへ行った。
なんだか少し寂しい。
なぜかこんな姿を椿さんに見られるのは嫌だと思った。
そんな私は少し変なのかもしれない。
私は昔から女の子としゃべるのが緊張して友達ができなかった。
だけど———
「椿さん、一緒にトイレ行こう!」
亜里抄が機嫌よく椿さんに声を掛けていた。
なぜか私の胸がもやもやする。
「ねぇ、行くでしょ!?」
椿さんは亜里抄とその仲間たちに連れられて行ってしまった。
少し気になった私はあとをつけた。
———ガシャーン!
「っ………」
私は思わず驚いた。
そっとトイレの中を除くと水を亜里抄達からかけられていた椿さんがいた。
どうしよう…
心は「行って」って言っているのに体は怖くて動いてくれない。
私はトイレから亜里抄が出て行くのを確認すると椿さんのところに駆け寄った。
「椿さん!」
椿さんは無表情のままだ。
こんなに寒い冬なのに…
「ごめんなさいっ…私ずっと見てたのに助けられなくて…」
私は思わず涙を零してしまう。
「どうして…」
え…
椿さんの声が聞こえる。
「あなたは何も悪くないでしょう。」
私は椿さんの手を握った。
「冷たいね。暖かくしてあげるね。」
私は涙ぬぐって少しだけ笑った。
———フワッ
「こっちのほうが暖かいと思わない?」
椿さんは私の体を抱きしめた。
私は思わず動揺してしまう。
「つ、椿さん!?」
私は顔を手で隠した。
すると椿さんは私の顔を覗き込む。
「見ないで…!私、多分顔ものすごく赤いから!私変なの。椿さんといると胸が苦しくなる。」
「フフっ」
椿さんは私の手を握り、顔をじっと見つめた。
「それって告白?」
「え…!?あの…それは…」
私の唇に熱いものが触れる。
その瞬間今までの寒さは一気になくなった。
「私も同じよ。」
椿さんは私の手を自分の胸に当てた。
「聞こえる?心臓の音。」
「うん。聞こえるよ。」
こうして私達は罰と知っていながら進んでいった。
- Re: magnet 【GL】 ( No.6 )
- 日時: 2013/11/10 12:51
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
家に帰るとお母さんから留守電が入ってきていた。
「雫、お姉ちゃん知らない!?さっきお姉ちゃんが『私女の子好きなの』とか言い出してね、お母さんが『そんなの変』って言ったら飛び出しちゃって…
また見つけたら言ってよね!あっ雫はそんな風にならないでよ!』
お姉ちゃん…
私はあまり驚かなかった。
知ってた。
お姉ちゃんが女の子好きなことぐらい。
「フッ」
私は少しだけ笑みがこぼれてしまった。
だけどその瞬間ほほには涙が伝っていた。
どうして普通の恋ができないのだろう。
男の子に恋をして告白したりされたりして手をつないで抱き合ってキスをして———
何でそんな当たり前のことが出来ないの…?
次の日の朝少し緊張気味にクラスに入ると皆は視線を私に向けた。
「えっ…」
もしかして昨日のことバレたのかな…
私は少し俯いた。
するとクラスの皆はいきなり宮田を私の前に連れ出した。
「俺、お前のこと好きなんだけど…」
宮田が私に言ったと気付いたのは3秒後だった。
「え…?」
皆は手を叩いている。
そう言えば椿さんはっ!?
私はクラスを360度見回したがそこには居なかった。
するとある男子が私に言った。
「お、前男子に告白されて赤くならないとかおかしくね?もしかして女子が好きだったりして…」
「そんなわけないでしょ!」
私は思わずそう言ってしまった。
知ってたから。
女の子好きなんておかしいって。
———ガラッ
視線をドアに向けるとそこには椿さんがいた。
椿さんは何もないような顔をしていたけれどきっと聞こえていたんだと思う。
放課後私は宮田に花壇に来てほしいと言われていた。
「で…お前の気持ちは?」
「私は———」
椿さんが頭の中に過ぎる。
椿さん…
「もしかしてお前本当に女が好きなのか?」
「私、本当はつば「雫ーーー!」
「えっ!?」
視線を向けてみるとそこには椿さんが居た。
「雫、一緒に帰ろう!」
「うん…!!」
思わず返事をしてしまった。
だって椿さんが私の事を下の名前で呼んだから———
「じゃ、じゃーね…宮田!」
ぎこちなく宮田に言うと私は急いで椿さんの方に走って行った。
「あいつもしかして本当に———」
そんな事を呟いた宮田の声が私の耳に届く事は無かった。
- Re: magnet 【GL】 ( No.7 )
- 日時: 2013/01/12 02:20
- 名前: あるま ◆p4Tyoe2BOE (ID: Ba9T.ag9)
はじめまして。
【GL】とあったので、読んでみましたー。
私もちょうどGL書いてるので(^^
「好きになっちゃいけない相手を好きになる」みたいなシチュエーションって、面白いですよね。
ではまた!
- Re: magnet 【GL】 ( No.8 )
- 日時: 2013/01/12 08:52
- 名前: ミム (ID: EHM01iHp)
コメントありがとうございますっ!
あるまさんも書いているんですか?!
なら今から行ってきますww
Fromミム
- Re: magnet ( No.9 )
- 日時: 2013/11/10 12:52
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
「椿さん!」
私は嬉しさのあまり思わず大声で名前を呼んでしまった。
だって嬉しかったんだもん…
だけど椿さんは振り向かない。
もしかして怒ってるのかな…?
私が花壇なんかに行ったから…
「もうっ!」
「ふぇ!?」
椿さんはいきなり私の頬を摘むとビロビロ伸ばした。
「にゃ、にゃに!?(な、何!?)」
思わず目をパチパチさせた。
すると椿さんは私の頬を離すと頬を膨らませた。
「どうしたの…?」
私は心配になる。
「何で…」
「え…」
そっか、花壇に行った事を怒ってるんだね。
だけど私は———
「ごめん、椿さん…!だけど私、椿さんの事が本当に好きだから!こ、これだけは信じて…」
言った後にどれだけ恥ずかしいセリフを言っているのか気づくと急に顔が赤くなった。
だけどこれが本当の気持ちなの…
椿さん…
椿さんは私をケロッとした顔で見ると「クスッ」っと笑った。
「ありがとう。だけど私はそんな事で怒ってるんじゃないの。」
「へ?違うの?」
「うん」
「じゃあ何?」
何故かホッとすると椿さんは急に私の名前を呼んだ。
「雫」
———ドキッ
胸が跳ねるのが分かった。
どうして椿さんは私の心をいとも簡単に操れるんだろう。
そう思っている自分が居た。
「私の事、名前で呼んで…」
「え…」
「嫌なの…?」
「ううん、嫌じゃないよ!」
思わず全力で否定をするとそれを見た椿さんはまた笑った。
私は椿さんが笑ってくれるととても嬉しい。
「なら呼んで…」
甘い声が夕焼けに響いた。