BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 傷心のティラミス(オリジナル、ジャンアル)
- 日時: 2014/01/18 07:40
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: WnNKWaJ3)
テーブルに置かれた、オシャレなティラミス。
フォークで一口分だけすくう。隣には誰もいない。
恐るおそる口に運んで、君を忘れるために。苦みのなかに君をかき消すんだ。
でもあれれ、甘い。思いの外、ティラミスは甘かった。
ぼろぼろ、涙が海のように流れ出して、ティラミスは甘い、しょっぱい、やっぱり苦い。
消えない。いつまでもいつまでも、飲み込めない。
あぁ、君は僕の中の永遠のティラミス。
いらっしゃいませこんにちは、冬華と申します。
ここではオリジナルBLを中心に短編集とか書きあいっことかを載せています。
カキコさまのルールを守っていただければ特に言うこともないので、どうか楽しんでいってくださいー♪
自分の書いた小説で、誰かが喜んでくれることを祈りながら。
+*短編。
>>1(君と僕は、ピンクでグレー。)
>>2(Happily ever after.)
>>3(拒食症。)
>>4(君のぬくもり)
>>19(いい夢を。)
>>23(Damaged Lady)
+*書かせていただきました!
>>5(こっち向いて、)はなちゃんちの詩音と椿。
>>6(SweetSweet,Sour.)り@ちゃんちの佐野とゆーき。
+*進撃の巨人
ジャンとアルミン。
>>25(海色の瞳。)
>>27(trick or treat!)
>>36( Always in my mind )New!
+*オリジナルキャラクター達
星と空。
>>7(精神安定剤)
>>8(不意に訪れる幸福、)
>>9-10(本編的な。)
>>11(離れる辛さもたまには、なんて。)
>>17(指輪をあげるね、)
>>20(俳句ネタ。)
>>24(女の子、)
>>29 >>32(自殺と君と。)まだ途中。!
成と菊ちゃん。(プロフィール的なもの。>>16)
>>12(ご無沙汰、)
>>13(お風呂)
>>14(夜勤明けのでーと)
>>15(たまにはこんな日だって、)
>>34(キャンパス・ブルー)
+*できごと。
2013-08-11 誕生 君と僕と、ピンクとグレー。
2014-01-08 傷心のティラミス
+*冬華なう!
進撃の巨人らぶ…!!ジャンとアルミンとか、はたまたミカサとアニとかユミルとクリスタとか、結構幅広め。君と僕。も好き。世界観とか絵柄とかすてき。。
最近はジャンアルとミカアニ押しです+*
tiramisu of heartbreak
- Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.2 )
- 日時: 2013/08/11 08:11
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 3Sm8JE22)
- プロフ: 心中ネタ。
Happily ever after.
「——・・・っ!」
君が、本当に本当に小さい声で僕の名を叫んだ。 その、かすれた声。枯れたようなその声さえ美しい。
「 ねぇ、愛してるよ 」
君が僕を呼んで、僕が君に伝えて、……これが僕らの最期だよ。
右手に持ったナイフを、ゆっくりゆっくり君に捧げる。
左胸に滲むアカい——。 君の目が見開かれて、さまよいながらに焦点を失う。
グレーの瞳。 紫ががってて、とても好きなんだ。
そういう、目とか手首とかわき腹とかながぁく苦しいところを刺したり、しないよ。
もちろん、君の苦しむ姿は気味が悪いほどに綺麗だとは思うけど……最期にみたいだなんてさすがの僕も思わないんだ。
それになにより、このままの君を、可愛いままの君を残しておきたいからね。
残していい傷は、1つだけ。
君の心臓を、僕のナイフが、突き刺している。
苦痛に満ちている君の顔。
あぁ、なんて綺麗。 なんて艶やか。
「—っ…・・」
……ん?
「なんっ、・・でっ・・・」
「……なんで?」
どうして刺すのかって、聞きたいのかな?
もしかして、わかってないの……?
君が。 君が悪いんだよ?
僕は怒ってるんじゃないの。悔しいんだよ。
僕の声を聞いて揺らぐ淡いグレーの瞳。 ……君に、分かるのかな。僕の心ってさ。
「君が、婚約なんてしちゃうから………っ」
悔しかったんだよ。 親に決められたんだって、言い訳する君が。
でももう、平気だよ。 だいじょうぶ、ちゃんと許してるよ……。
「——・・っ ご、めっ・・・ あ、ぃして、る・・」
……あらら? おかしいな、君はもう、僕の事なんか愛してないんじゃないの……?
「っき、だよ・・・ぁいし、てっ、る・・・・よ…!」
足元に落ちたナイフ。 震える彼の手が、力なく赤く染まったそれを掴む。
「う、そ……」
呟いて、座り込んだ僕の胸に弱くナイフを当てる君。
「ほ、んと・・・・だから、いっし、ょ に ・・・・」
君の手に自分の手を添えて、そっと力を加えて。
「ごめん、ね・・・・ これか、ら、は ずっと、いっしょ、だね・・・・」
出せる限りの力で、彼を抱きしめた。
もう、返ってこない返事。 冷たくなってしまった、君。
「あぁ……」
そっか、
眠っちゃったんだね。
「も、うすぐ だね ・・?」
僕らだけの世界。
君だけの僕、
僕だけの君、
永遠ニ互イノ腕ノ中———……
>>題名の意味は、めでたしめでたし、です。
- Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.3 )
- 日時: 2013/08/11 08:14
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 3Sm8JE22)
- プロフ: 拒食症、
うぇ、ぅえぇ、って。食べても食べても吐き続ける姿。
一体、何があったって言うんだよ。それとも俺が悪いのかな。
背中さすって、泣くたびに抱きしめて、泣き止まない君に、途方に暮れて。
俺はいない方がいいの?それとも君は俺を必要としてくれてるのかな?
胃液が付着した床、服。腐臭の漂う暗い部屋。
もうなにも分からない。
でもこれは君じゃない。違う、ちがう。 あの明るく笑ってたのが、君なはずだから。
う、っく、ってもうすでにえづきなのか嗚咽なのかもわからない音を漏らして。
パジャマをぐちゃぐちゃにして。濡らして汚して。
「泣くなよ……。なぁ、ほんと、どうしちゃったんだよお前…。」
いくら聞いてもただただ首を横に振って、呟く言葉はごめんなさい。
いい加減、泣きたいのはこっちだばか。
今夜も君の涙に溺れる。いつまで、これは一体いつまで続くんだろう。
君はいつ、目を醒ましてくれるんだろう。
あいしてる。のに、なぁ。
(きっと君には、) なにひとつとして (届いていない。)
>>卯月の嘘、ってゆう曲聴いてて思いついたやつ、、なんとなくニュアンス伝わればいいなぁ。
- Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.4 )
- 日時: 2013/08/11 08:16
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 3Sm8JE22)
ほた、ぽたぽた、と。雪の中に涙がしみて水色に、暗い色に変わる。
この暗い色だって、あの日の紅色に比べたらなんてことはない。
'’ごめんね、''
そう小さく呟いた彼は、あの時薄く笑っていた。なにを言っているのか、もっとちゃんとわかってやればよかったのに。
もっともっと、大切にして守ってやればよかったのに。
サヨナラ
最期に動いた口は、恐らくそう空気を出していた。
アイツが携帯の送信ボタンを押すのと、利き手で持ったフルーツナイフで喉元を掻っ切るの。
一体どちらが早かったかなんて俺にはわからない。
でも次の瞬間に俺のポケットで鳴るメールの着信音と、彼が涙をこぼして倒れるのと、それはきっと彼の方が早かった。
なんで。 どうして。
その答えはすべて、大量のメールにしるされていて。
辛い、苦しい、死ね、……愛してる。
彼はすでに遊びの関係に耐えられなかったのだ。
俺達の、まじめじゃないフジュンな関係に。
周りから必死に隠れなきゃいけないこの関係に。
俺の、臆病さに。
失ってから気付くなんて。 自分の弱さに、彼の脆さに、心を染めた愛に。
いっそ憎んで欲しかった。
失うと知っていたら、それこそ本当に自分の世界さえ敵に回したというのに。
あぁ、ああ、嗚呼。
「愛してる……っ、」
声が震えるほどに、それは心からの真実なのだから。
- Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.5 )
- 日時: 2013/08/11 08:19
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 3Sm8JE22)
- プロフ: 次から2つほど書きあいっこ。
<はなみちゃんの 檻の中で君とふたり に登場する椿くんと詩音くんのお話。>
「詩音ぅ〜、しおんしおんシオン紫苑、詩音ー!」
珍しく、本気で構ってくれない詩音。ガクガク、パソコンの前に座る詩音の肩を強引に揺さぶる椿の手はまた軽く払われてしまった。
もう、さみしいんですからね、椿だって、。
「ね、詩音てば!」
「だぁもううるせぇ!今俺課題ヤバイの!冗談抜きで徹夜なんだよぉ!」
そうですか。椿より課題が大事ですか、詩音は。
いや本当はわかってますけどね椿だって。
詩音はそんなくだらない視野の狭いことなんか頭に無くて、今は大学のれぽーとだかカダイだかで必死なんだ、ってことくらい。
それは詩音が大学を出るために、大人になるために、もちろん必要なことで。
わかってます、……けど、ね、。
つまんない。なんか腹立つ。邪魔してやりたい。
面倒で性格の悪い感情、あるんですよ椿にだって。
椿が大人になるには詩音の愛が必要なのになぁ。
むかむかむか。
食べる気も昼寝する気も、出かける気だってもちろん起きなくて。
見てたらこっちに振り向かないことにいらいらするのに、目を離すことは出来なくて。
なんだこれ。僕、女々しい。きもちわる。
殺したい感情に心が満ちて、我慢、出来そうもなくて 苦しくて。
「————−、っ詩、音……。」
ねぇお願い、こっち向いてよ。なんかもう、……耐えられないよ。
ていうか椿、何我慢してるんでしょう。受身になってる自分がバカらしくて、勢いよくソファから立ち上がる。
「? なに、つばき……、?!」
その、無防備に驚いた顔。 いつもの意地なんかなくって、とても、好き、ですよ。
「んんっ 、 つ、つばき…?ん、んんぁ、こらっ、」
力の抜けた指先で軽くビンタされる、痛いどころかくすぐったくも無い柔らかいビンタ。
ちょっとちゅーってして舌入れただけなんだけどな。怒られちゃった。
「急すぎなんだよ、お前はぁ……」
「好き。」
「はぁ?」
「詩音、大好きぃ好き好きあいしてるー」
「は、え、 つ つばき?」
詩音の言い分も何もかも無視して椿は詩音に巻きつく。
コアラの赤ちゃんみたいに腕をまわして、そのままずるずるとイスに座る詩音の膝に顔をのっけた。
「やだもー僕の思考サイテーだよ詩音ぅー…すきぃ…」
「……わけわかんねぇ」
正直もうだめだ。詩音を失ったりしたらショックで死ねるほどだめになってるとは思う。
詩音はいつも何も言ってくれないけど。好き、って信用されてるんだろうか。
伝わるかどうかってすごい不安なことだけど、ちょっとだけ頑張ってみようと思いますよ椿は。
「ねぇ、構ってくれなきゃ寂しいしなんか不安になっちゃうんだけど僕も。」
「……。………、だっ、て さ、なんつーか…タイミング?つかめなかったから……。」
そっか。 ……なんだ。 なぁんだ、もっと構ってよかったんだ。
「すき、」
「……うん?」
「だいすき、詩音」
「はいはい」
「すき、好きすぎ。あいしてる」
「………。」
詩音が呆れちゃうくらいたくさんそう言葉にして。
なんとか安心感を紛らわさなきゃ目に溜まったそれがこぼれてしまいそうだから。
>>冬華的にはこの2人ってなんか新鮮な雰囲気で、なんか目を離せないんだよなぁ。
- Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.6 )
- 日時: 2013/08/11 08:23
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 3Sm8JE22)
<り@ちゃんの 瓦解するアリスブルー のキャラクター佐野くんとゆーきくんのお話。>
付き合って3ヶ月の話。の後談。
( SweetSweet,Sour. )
「佐野、はい、これぷれぜんと」
ぼーっとしていた目の前にいきなり現れた、黄色い球体。
……ぷれぜんと?
「なんですかゆーきさん、このかわいいものは、。」
「うん、かわいいでしょ?」
いやごめん、全然会話が噛み合ってないんですが。
やけに嬉しそうな顔して、ころん、て手のひらの上でそれを転がしたゆーき。
なんか地味に何かたくらんでるように見えるんですが。。
「……それ。なに?」
「…、……リップ、クリーム、です」
ふにゃ、と。不意に、可愛らしくはにかんだゆーきがたまらなく愛おしくて。
あー、痛いなぁ俺…とか思うけど、それは結局にやけそうになるのを抑えるためのストッパーなだけであり。
結果的に、ストッパーは大した効果も出してはくれなくて。
まぁ、つまりは可愛いなって気持ち抑えきれなくて。
隣に座るゆーきにすい、と顔を近づけてゆるやかに口付けを交わす。
「あ、ほら、」
「なに。」
「くち、かさかさ。」
「………、」
「なんか俺より佐野が気にしてるような感じがしたから」
あ、そうかも。。
いきなり芯を突かれた気がしてつい、んな訳あるか、なんて口を利く自分が、ちょびっと嫌い。
そっぽを向いた俺にきょとん、と効果音がつくような顔をしてからにやっと猫のように笑ったゆーき。
「ふ、ほらほら、俺が塗ってあげるからぁ」
「え、ちょ、それはやめようよ…え、ゆーきっ、」
きゅきゅ、と球体のふたを開けて指に薄くクリームをまとわせるゆーき。
そう、のんびり言いながら何気に素早いその指が近づく。
……俺の、くちに??
なんか、どーしようもなく恥ずかしくて思わずその手を自分の手で軽く押さえる。
「逆になんでだめなの?」
「、」
「かさかさだと気になるんでしょ?口って切れたら案外痛いし。ね?
俺、ちゃんと手ぇ洗ったよ。なんなら消毒もしてきますけど、、。」
なんだそれ。
そんな言い方じゃ、俺が潔癖症みたいじゃんか。
けど、口がうまく動いてくれない。
恥ずかしいから、なんて言いたくないしその言い訳なんかも浮かばない。
あぁもう、どうしよう。なんか、なんかもう、……思考停止、かも。
「……さのー?」
………
…………
……、
しばらく、ゆーきが微かにもぞり動く音だけ。
あと、冷蔵庫の、きー・・・って高い機械音。
あ、ちょっと怖い、かも。
「も、ばか。」
静かな、ゆーきの声。 冷蔵庫と静けさの音に消えていった。
触れた。 なにがって、多分くちびる。
くちびるとくちびるが触れて、心臓がはねた。
どっくどっく、いや、そんなじゃないな。うまく表わせないけど、とにかく正常じゃないほど暴れてる。
くそ、なんでこんなに顔熱いんだ。
そっとゆーきが離れて、ふわりと細い髪が揺れる。
そして今度は、そっとゆーきの指先が自分の口に触れてしまった。
「佐野、…の、目がきれい。」
ぽーっと、雰囲気に丸め込まれた俺達。ふにゃふにゃと、なんとなく色っぽい空間に包まれる。
ぬりぬり、って指にクリームをまとわせては俺の唇に触れるゆーき。
「……ゆーきには敵わないけど、ね、。」
つい、そんなこと言ってしまう自分。まったく、ほんと敵わないよ。。
甘い、ちょっとすっぱい香りが鼻をくすぐって。
甘い、はちみつとれもん。
ついつい、心もくすぐったくて。
なぁ、そろそろ塗りすぎじゃない?つか、もうそれ俺の唇触ってるだけで全然塗れてないよね?
ゆーきも案外雰囲気に溺れちゃってるなぁって少し可笑しかった。
少し、嬉しかった。俺だけじゃないかもな、って。
悩むこともある。苦しいときもある。泣きたいと、思う時だってもちろんある。
でもそれはきっと俺だけじゃなくて。ゆーきも、おんなじことで悩んだり泣いたりして。
そうして、俺達は強くなるのかもしれない。
口が荒れちゃったら、こうやって優しく指先使って治せばいい。
これは多分心においても同様、なんだと思う。
ひりひり痛くなった時は、はちみつレモンのクリームでじんわり温めて治せばいい。
いい加減、指はなせよ、そう言おうとして口を開いたけど。
なんかついでにとんでもなく恥ずかしいこと口にしてしまいそうで再び口を閉じる。
ゆーきの手をそっと下ろして、再び重なる唇。
あ、リップクリーム、取れちゃうなぁ。
まぁいっか。また塗ればそれで、ね……。
>>甘さ3分の2、すっぱさ3分の1、にしようとした名残でこの題名。糖度高めだなぁ…!