BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- カゲプロ、ハイキュー、黒バスetc色々BL書くよ!
- 日時: 2014/12/06 11:46
- 名前: 湯たんぽ (ID: evp0hpRa)
初のBL小説…!
文才ありませんが、自己満足程度に頑張ります!
リクエストバチ恋
※かけないものもあります。
後、初めてなので18禁は………すいません!
ほんわかにいきたいと思います!
- Re: カゲプロ、ハイキュー、黒バスetc色々BL書くよ! ( No.1 )
- 日時: 2014/12/06 16:02
- 名前: 湯たんぽ (ID: evp0hpRa)
はじめはNLで!
カノキド 『寒さのせい』
「うーさっぶー」
今年は珍しく、関東が雪に染まった。
そんな雪に染められ真っ白になった道に二つの足跡。
一方は灰色のフードを目深に被った目付きの悪い、ツンデレ少女。
もう一方は一ヶ月分の買い物袋持ち、をよたよたと危なっかしい歩き方をする真っ黒いパーカーを着た、猫目の欺き系男子。
…ちなみに彼は今、厚底ブーツで身長を欺いている。
「寒いー寒いよーキドォ〜。………あと重い」
欺き男子。否、カノはそう嘆きながら隣にいる絶賛片想い中のキドを見やった。
彼女の首には無地の紺のマフラー、手には同じ紺色の暖かそうな手袋。
寒さで元々悪かった目付きがさらに悪くなっているが、マフラーからチラチラと覗く口許にはいい買い物が出来たからなのか、少しばかり笑みが浮かんでいる。
「冬なんだから、寒いのは当たり前だ。後次『寒い』って言ったら罰金な。それに、重いのは自分のせいだろ。お前が『じゃんけんで負けた方が荷物を全部持つっていうのはどう?』何て言うから。自業自得だ」
「えー。そんなぁ。今日占いで牡牛座一位だったし、勝てると思ったのにな〜」
と、占いなんて到底信じなさそうな少年は口を尖らせながら言い訳をする。
「あーさ…あっぶな言うところだった。ねぇ、キド後どれくらいでつくの?」
と、買い物袋をかさかさとならしながら隣を歩く手ぶらの彼女に問う。
「まだまだだぞ。我慢しろ」
「うー」
くしゅん。
「………」
キドは思わず音の原因を見た。
「………」
相手も相手で、恥ずかしそうにうつ向いた。
それはそうだ。男に間違われるが一応女の子のキドでさえ、あんなに可愛いくしゃみはしない。それを男のカノがしたのだ。一瞬自身を耳を疑った。
しかし、すぐにニヤッと口を歪ませると、
「随分と可愛いくしゃみだな」
と、嫌味たらしく言ってやった。
好きな女の子にそんなことを言われ、動じない男がいるはずもない。
黒いパーカーを雪で白く染めた少年も例に漏れず、欺くことも忘れ、寒さで赤かった顔をさらに赤くした。
してやったり。と、満足げに顔を赤くした彼を見た。
しかし、すぐ前に向き直ると本当に自分もくしゃみをしそうなほど寒いので公園で少し休むことにした。
自分までくしゃみをしてしまったら今度は此方がからかわれるに違いない。
そう考え、キドは目付きを更に悪くしムズムズする鼻を我慢した。その顔はまさに泣く子黙る鬼の様な形相だ。
チラッとフードの隙間からもう一度くしゃみをした彼を盗み見ると顔ではなく、細く釣り上がった猫の様な瞳が赤に染まっていた。
………こいつ。
本当に羨ましい。彼の能力は。
そう毒付いた後、一つ溜め息をこぼしシュルっとマフラーを取った。
そんな彼女の行動に驚き猫と似た、吊り目を一瞬丸くした後、その行動を見守る。
ばふっ
「………!」
一面真っ白だった目の前が突然紺色に染まり、反射的にカノは目を瞑った。
直後、彼の顔に布特有の柔らかい衝撃。
そして彼の鼻をくすぐったのは、ほんのりかおるシャンプーの匂い。
香水とは何か違う、ふんわりとした花の香り。
女の子!と感じる甘い香りでもなく、男のシャンプーの様なさっぱりした匂いでもないこの匂いは紛れもない、
ーーーキドの匂い。
瞑っていた目を何度か瞬きをしながら開くと、目の前には紺のマフラー。
さっきまでキドがつけていたマフラーだ。
暖かそうだな。と、羨んでいたマフラーをなぜ自分なんかに。
「キド、これ…」
そんな疑問を解消するためマフラーの持ち主を見る。
持ち主は顔を赤くしながら、ん。と、マフラー、カノと順番に見やる。
ーーつけて良いってことか。
キドとカノ。とセトは長い付き合いだ。世間一般でいうところの幼馴染みだろう。
だからなのか、言葉にせずとも相手の言いたいことがわかる。
「僕が使っちゃっていいの?キドも寒そうだよ?」
もう一度確認すると、キドはマフラーをずいっと押してきた。
いつまでもマフラーを巻かないカノに痺れを切らしたのか、キドはカノの手からマフラーを奪い、そのまま、いきなりの行動に驚いた顔をするカノの首に直接巻いた。
ーーそう言えば前もこんなことあったよな。
マフラーを巻いているとき、カノは強烈な既視感におそわれ過去を遡った。
それはカノとキドが初めて出会った時だった。
そのときも雪はふってなかったにしろとても寒い日だった。
木枯らしに体をなでなれブルッと大きく身震いをしていた。
すると、コンマ一秒前まで何もなかった空間に、瞬きをした瞬間少女が現れたのだ。
当時はキドの特殊な能力なんて知るよしもなく、幽霊ではないのではないかと疑った。
そして少女は、不躾にマフラーをずいっと寒さに震えるカノに渡してきた。
そのマフラーにはカノの母が大事にしていた腕時計と同じロゴが刺繍されていた。
とても高価なものというのは幼い少年にも分かった。
高いものだし、受け取れない。
その事を相手の機嫌を損ねないよう、慎重に伝えると、「これ……高いの?」と、本人は全く知らなかった様子で知らなかったの!?と、驚きながらもずいっと押し返した。
全身をブランド物の高価なものでつつまれている少女はそのままマフラーを見つめ何か考えるような顔になり、どう考えたのか、実力行使という行動に出た。
言い方は悪たかったが用は、カノに直接その高価なマフラーを巻いたのだ。
ーーー暖かい。
昔と同じ感想を白い息と共に口から出せば、キドは何故かドヤ顔だ。
今と昔。違うのは、このマフラー。昔はとても暖かいブランド物のマフラーだったが、今はなんのロゴもついていない安物のマフラー。
キドが団長になったメカクシ団の今の収入はほとんどがセトのバイト代だ。
ただでさえギリギリな家計にブランド物を買う余裕など何処にもない。
キドの匂いだ。
にやける顔を欺き、真顔を保つ。
好きな女の子の匂いに巻かれるのは鼻血が出るほど嬉しい。
早鐘のようになり響く鼓動を抑えながらカノは紺の布に顔をうずめた。
へくちっ
先程とは違うくしゃみに少年は二つの意味で口許に笑みを浮かべた。
一つ目は…
「あっれ〜?キド、随分とキュートなくしゃみだね?」
待ってましたとばかりにカノは饒舌になる。
「確か…こんなカンジ?」
そう言うとカノは瞳に赤をともして、姿を変える。
直後。キドと瓜二つの少女が先程カノがいた所に現れた。
キドと同じくらい伸ばされた髪
前髪から覗く赤い瞳
違うのはその瞳に浮かんだいやらしい光
へくちっ
「お前……」
キドの顔は怒りと羞恥でカノの瞳に負けないくらい真っ赤に。手は、震えていた。
ふわり。
そんなキドの首に先程カノの首に強引に窒息するのではないのかというぐらいギッチギチに巻き付けたマフラーがあった。
「カノ!?」
驚いたキドは隣にいるキド似の少女、否、瞳から赤が抜け落ちた今は少年というべきカノに訴えた。
「!?」
キドは怒りで真っ赤だった顔を羞恥で真っ赤に染めた。
何故ならあまりに近く、息がかかる程の距離にカノがいたのだ。
「こうすれば寒くないでしょ?」
隣ではカノは笑いながら問いかけた。
「ま、まあ…」
カノはキドに気付かれないよう、マフラーに口許をうずめ、笑った。
ーーそう。
カノの笑った理由の二つ目は、二人で一つのマフラーをつけるカレカノ的なシチュを実現出来るかも?と、思ったからである。
「そろそろ行こっか」
カノは荷物を持ち、帰り支度を始めた。
「カノ…」
「んー?」
帰り道、キドは自分が巻いているマフラーに同じく顔をうずめているカノに問いかけた。
「どうして二人で一つのマフラーを巻いているんだ?」
「えー?だって寒いじゃん?」
アジトまであとちょっと。
ーーーくっつきたくなるのはきっと寒さのせい。
end
キ「お前今、寒いって言ったから罰金な。」
カ「あ!?忘れてた!」