BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

例え貴女が死のうとも
日時: 2015/09/22 22:18
名前: 小紫 (ID: /eEAG2r9)  

ー初めて出会ったその日から
貴女に着いて行くと誓ったのです。

初めまして、小紫です。
此処ではただつらつらと小説とは言い難い何かを綴っていきます。短編になるかと思います。
何せ素人なもので。至らない点、お見苦しい点ばかりだろうと思いますがどうか寛大にお願いします。
百合です。苦手な方も多いと思いますので、拒絶反応を感じた方はお早めに逃げてください。
苦情は受け付けますが荒し様はご勘弁を。
それでは。

Re: 例え貴女が死のうとも ( No.3 )
日時: 2015/09/23 16:05
名前: 小紫 (ID: /eEAG2r9)  

【二話】
「....返事がない何かあったのかしら。」
いくら待てど開かない扉の前で呟いた。依頼した人物から合い鍵を渡されているものの、使うのに躊躇していた。
しかし。考え事をしていると悪い方に考えてしまうのは人間の性だろう。怪我をしていたら、倒れていたら。不吉な考えばかりが脳裏をよぎる。まさかもしかしてー....

かたり、

小さな物音にハッと我に返る。開かずの扉が、開いた。
隙間から見えた深い紫がかった艶のある長い髪。
「....椿様、なのですか....?」
「....そうだが、君は?」
絞り出したようなか弱い声。骨が薄く浮き出た痩せた頬と病的に白い肌。
....なにか食べさせなくては。何でも良い。早く。でないとー......
「私、通い妻のー....」
相手の重心がふらりと傾く。牡丹の今日初めての仕事は、主人の看病となった。
とりあえず布団に寝かせ、買い出しを済ませよう。

Re: 例え貴女が死のうとも ( No.4 )
日時: 2015/09/23 17:30
名前: 小紫 (ID: /eEAG2r9)  

トントンと心地よいリズムが流れる。買い出しを済ませた牡丹は、弱っていても食べられそうで栄養価の高そうな料理や飲み物を考え、調理中。屋敷は使っていないかのように寂しい状態だった。...ただ一部屋をのぞいて。
おそらく主人が唯一使っているのであろう部屋には沢山の紙や読み物や絵や着物や...それはもうとんでもない状態でした。後で片そう。
食べ物の準備が終わり、この屋敷の主人の様子を見てみると汗ばんできているようだ。
「....汗、拭かなきゃ....服....脱がせちゃっていいのかな......」
かあっ、と頬を染める牡丹。15の乙女ともあらば服を脱がすのは少し気が引ける。異性だと思えばなおさらだ。
「...お仕事。私は通い妻...。」
なにやらぶつぶつと唱えながらも体を拭くことにしたもよう。起こさないよう、服をやんわりとはだけさせてゆく。
男にしては細い腰、腕。中性的な綺麗な顔立ち、長い睫。
そして....胸。
「....むね...?」
明らかに女性のそれは確かにそこにあった。現に、自分の目を疑い触ってみたところ
やわらかい。むにゅ、と指が埋もれる。
「お、女の人ぉ!?」

Re: 例え貴女が死のうとも ( No.5 )
日時: 2015/09/23 21:02
名前: 小紫 (ID: /eEAG2r9)  

【三話】
目を開くと、見慣れた天井。いつもとは違う香り。お腹空いた。....何故?
ゆっくりと体を起こし、周りを見渡す。確かに此処は私の家だ。なら何故、人が居る。
「あっ、お目覚めですか?」
盆に料理を乗せてこちらにやってくる少女。歳は12、13あたりだろうか。否、もっと幼いかもしれない。所でだ。
「君は...?何故此処に?」
じろりと少女を見る。きょとりとした後、ふわりと笑って少女は説明を始める。そういえば手紙が来ていたな。
明るく、まだ幼い顔立ちの少女ー牡丹が笑う度、暖かい気持ちになる。
「椿様、こんな私ですがどうか宜しくお願いします。」
牡丹がそう言った途端

ぐうぅぅぅ...

食欲など有るはずもない私の腹が、鳴った。

Re: 例え貴女が死のうとも ( No.6 )
日時: 2015/09/25 06:32
名前: 小紫 (ID: /eEAG2r9)  

「.......」
静寂が流れる。笑いを堪えているのか、真っ赤な顔でプルプルと震えている牡丹と赤い顔を下に向けて羞恥からのがれようとする椿 。
この後どちらかともなく笑いだし、一段落してから二人でご飯を食べている。人と一緒に人が作ったご飯を食べるのは何時ぶりだろうか。ふと、椿の表情が和らいだ。
「よかった。お口に合いましたか椿様?」
ほっとしたように微笑んだ牡丹は言った。その笑顔に椿は、恋に似た感情を覚えた。気が、した。なんせ、恋などしたことがないのだ。ましてやこんなに小さな子供。そして同姓。そんな牡丹に恋?
(そんな訳がないでしょう。)
ただ少しだけ、これから生きるのが楽しみになった。
「椿でいい。....これからよろしくね牡丹さん。」
どこか安心したような笑顔で呟くようにこぼした言葉はしっかりと牡丹に届いていた。
「はい、椿さん!」
満面の笑みで答える牡丹。それを見て少しだけ椿の顔が赤くなったのは言うまでもない。
牡丹と椿の生活が今、始まった。

Re: 例え貴女が死のうとも ( No.7 )
日時: 2015/09/28 05:32
名前: 小紫 (ID: /eEAG2r9)  

【四話】
二人か生活を始めて早一ヶ月。暑かった気候もだんだんと涼しく、または寒いという位に変わってきておりました。季節は巡り、二人もある程度親しい関係になっているようです。
「椿さん、ちょっとこちらへ」
ちょいちょいと呼ぶように手を動かし、牡丹は椿を縁側に誘う。
「どうしたんだい?急に。」
本を読んでいた椿はその本越しにちらりと牡丹を見て机に眼鏡を置き、よいしょと立ち上がる。
だって、椿さんが本ばかり読んでいるんだもの。構ってくれとは言えずに機会を伺っていた。今を逃すともうない。
「ほら、見てください。」
空を指さし、笑いかける。今は夜の九時頃。指した先には欠けることなく丸く、明るく輝く惑星。
「おや、そういえば今夜は十五夜でしたか。」
ほう、と感動したように見惚れている椿に、牡丹は言う。
「団子を作ってみました。お月見、しませんか?」

しばらくお茶を飲みつつ月見を楽しんだ。椿はあれから悩んだものの、やはり恋だと確信していた。意識すれば自然とぎこちなくなってしまう。だが、相手は15の乙女。
意味など知らないことを祈りながら椿は空に呟く。


『月が綺麗ですね。』


Page:1 2 3



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。