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- 二本の糸は繋がった。(ヘタリア初恋組からの独伊)
- 日時: 2015/12/10 18:19
- 名前: 夜桜 月夜 (ID: x03fhwcN)
どうも。おはようございます,こんにちは,こんばんは。
かなり前にアルアサ書こうとしていきなり中断した夜桜 月夜です。
今度こそ完成させたいなと思い,神ロとフェリからの独伊書こうと思います。
どうぞ,お付き合いくださいませ。
- Re: 二本の糸は繋がった。(ヘタリア初恋組からの独伊) ( No.10 )
- 日時: 2015/12/13 22:58
- 名前: 夜桜 月夜 (ID: DU.Bh3c8)
「え,何なに,教えてよ!!」
「いやだ」
「じゃあ,次に会う時に教えてね!」
「…あ,あぁ…」
「絶対だよ!!約束だからね!?」
「解ったから。な?」
ルーファスが笑ってフェリシアーノをなだめた。
「…ほら,もう寝ろ」
「え,もう寝るの!?」
「当然だろ。ほら,部屋に行け」
ルーファスが立ち上がる。
「え〜,明日にはもう行っちゃうんでしょ?今日くらいは隣で寝たいよ〜…ねぇ,いいでしょう?」
フェリシアーノがすがるように言う。
「うっ…まぁ,今日くらいなら…」
「やった!んじゃ,お邪魔しま〜っす!!」
ばふんっと,フェリシアーノがルーファスのベッドに飛び込む。
「変わらないな…本当に」
「えへへ〜。ほら,ルーファスも早く入ってよ。二人で入れば,あったかいよ!」
「……」
おずおずとルーファスもベッドに入ると,フェリシアーノがすり寄って来た。
「やっぱり,あったかいね,ルーファスは」
しばらくすると,フェリシアーノが息をする声が聞こえてきた。
「フェリシアーノ…お前は今でも,俺を好きでいてくれてるのか?
でもさ…でもさ…男が男を好きになるって…おかしいよな」
ルーファスがそう呟く声が,フェリシアーノには聞こえていた。
—「おかしくないよ」
そう言いたかった。でも,それを言ってしまうと,このぬくもりが消えてしまう気がして。
(—言わないよ。言ってほしいなら,無事に帰って来てよ)
フェリシアーノはそう心の中で言って,ルーファスの肩の辺りに顔をうずめた。
(言えるわけない…今さら,一人の人間として好きだなんて)
—気づかれていませんように
そう願いながら,フェリシアーノが入っている布団の上にそっと自分の腕をのせた。と,
フェリシアーノの手が,ルーファスのもう片方の手を握った。
「……」
ルーファスは,そっとフェリシアーノが起きないようにその手を握り返した。
—ずっと,この夜がいつまでも続きますように。
二人は同じことを,神に祈った。
二人は無意識に,もう二度と会えないことが解っていたのかもしれない。
- Re: 二本の糸は繋がった。(ヘタリア初恋組からの独伊) ( No.11 )
- 日時: 2015/12/13 23:42
- 名前: 夜桜 月夜 (ID: DU.Bh3c8)
—翌日。
「またな」
「うん。次に会う時には,もっといろんな話しようね。お菓子はその時に,ね」
「あぁ。楽しみにしてる」
「—じゃあ,そろそろ行くから」
「また,近くに来たら寄ってね」
エリザベータが微笑む。
「とにかく,早く“本当に”帰って来て,フェリシアーノを安心させてやりなさい」
「…うん」
ルーファスは頷くと,ドアを開けた。
「あっ,僕,送ってくる!」
フェリシアーノもルーファスと一緒に外に出た。
「懐かしいな…」
「ここだったね,あの日別れたの…」
「もう,戻っていいぞ」
「え,でも…」
「辛くなるんだ。いいから戻れ。また来るから」
「…うん」
フェリシアーノが頷く。そして,戻ろうとした。
「…っ!」
いきなり腕を掴まれて,ルーファスに抱きしめられた。
「ルーファス…?」
「俺たち,本当に,また,会えるよな…?」
「…会えるよ,きっと」
ルーファスの手がそっと離れた。
「本当に…?」
「何,言って…っ…んっ…!?」
フェリシアーノの唇が,何か柔らかいものでふさがれた。
(ずっとこうしていれたら…いや,今この瞬間に死ねたら,消えられたらどんなに嬉しいか…。
どうして,俺は“神聖ローマ帝国の化身”として生まれてしまったんだ?
そんな,無くてもいいような肩書きを背負っているから,俺は,こいつと一緒にいられないんだ…)
ルーファスは,自分の運命を呪った。
「はぁ…はぁ…。どうしたの,いきなり?」
「もう会えないなら,と思って」
「…大丈夫。大丈夫だよ。だから自分の運命を呪ったりしないで。僕もずっと,いつまでも待ってるからね」
ルーファスは,家路を一人で歩いていた。
「ルーファスさん!」
「あぁ…どうした?」
「隣の国々が,一斉に—!!」
「…っ!!」
——その後,まもなく,神聖ローマ帝国は消滅した。
フェリシアーノはまた,愛するひとを失うという悪夢を見る事になる。
- Re: 二本の糸は繋がった。(ヘタリア初恋組からの独伊) ( No.12 )
- 日時: 2015/12/14 18:01
- 名前: 夜桜 月夜 (ID: tdVIpBZU)
{中書き1。}
文字通り,話の途中にいきなり現れる作者のコメントです。
まずは,これまでの内容で不快に思ったものが少しでもありましたら,謝らせてください。すみませんでした。
初恋組が大好きです。悲恋が大好きなので,今回は,「こんな悲恋を初恋組で書きたいな」と思い,書きました。
もちろん,原作様の話の背くことは無いとは思いますが,もしそのような内容が見つかりましたら,知らせてくださると嬉しいです。
そしてこれから,しばらくは捏造が加速すると予想されます。それでも読んでくださる方がいらっしゃいましたら,とても嬉しいです。
どうぞこれからも,最後までお付き合いくださいませ。よろしくお願い致します。
夜桜 月夜
- Re: 二本の糸は繋がった。(ヘタリア初恋組からの独伊) ( No.13 )
- 日時: 2015/12/16 18:32
- 名前: 夜桜 月夜 (ID: D486Goe5)
—神聖ローマ帝国が消滅する,少し前のこと。
「ん?なんだろ,この花…」
いつの間にか,フェリシアーノの部屋に一つの花瓶が置かれていた。中には白い花が差してある。
「何て花だっけ?えっと確か…そうだ,[デージー]!」
そうっと,その花を花瓶から抜いた。
「かわいい花だなぁ〜…。エリザベータさんが置いてくれたのかな?」
デージーの花を眺めていると,はっとした。
(…違う,エリザベータさんじゃない。これは僕の家の花だ…って事は,まさかルーファス?)
一人で納得するとフェリシアーノは,花を折らないようにそっと抱きしめた。
(…確かに不器用で,昔はいじめられてたりしたけれど,実はとても優しいんです。…神様,どうかルーファスの事を)
—見捨てないで
- Re: 二本の糸は繋がった。(ヘタリア初恋組からの独伊) ( No.14 )
- 日時: 2015/12/22 12:27
- 名前: 夜桜 月夜 (ID: DU.Bh3c8)
—俺は,何をしたかったんだろうか。
—俺は,何が欲しかったのだろうか。
—あいつが好きで,大好きで。
でも,会えなくて。
—そうして山ほどの未練を残して,俺は消えていくのか。
「あぁ…」
青年は膝をついた。剣は折れ,もう,息をするのもやっとだった。
—俺はあいつが好きだった。
一緒になりたかった。
—それは,“イタリア”という国としてではなくて。
それは,“神聖ローマ帝国”という国としてではなくて。
—1人の,人間として。
“ルーファス”として,“フェリシアーノ”が好きだった。
(それだけの,ことだったのに)
“神聖ローマ帝国としての運命”を背負って,1人の“ルーファス”という人間は消えていく。
—抗うことを許されず,
憎むことを許されず,
変えることを許されず,
背くことを許されず,
逃げることも許されずに。
(最期にも国として在らなければいけないとは…な。あまりにも酷すぎる)
—何が足りなかった?力?能力?権力?
(…止めよう)
そんなことを,考えるのは。
(…せめて最期くらい)
—1人の人間として迎えても,いいよな…?
そんなことを思った“ルーファス”の目に涙が溢れた。