BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 化け物な俺と猫。
- 日時: 2017/07/15 20:37
- 名前: るお (ID: aR6TWlBF)
はじめましてばっかですね、はじめまして。るおっていいます。
速度松でたまに小説書いてるやつです。そうそう、駄文作者ね、テストでるよー。
ちょっとね、二次創作も楽しいんですけど、創作廚の血が騒いでですね…
てなわけでオリジナルです。Twitterとかで描いてたキャラですね。
なんかわりとファンタジーです。和風ファンタジー?になんのかな?妖怪とか、とりあえず性癖ぶっこみました((
まぁちょこちょこ更新するんで、コメントとかもらえたらうれしいなぁ…
荒しは厳禁。
コメントとかもらえたらすっごい喜ぶかな!!(高望みしすぎ)
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.5 )
- 日時: 2017/07/11 08:12
- 名前: るお (ID: 8pAHbekK)
そーいえばコメントありがとうございます!1つしかあげてないのにコメント来るとは思ってなかったんで、すごいびっくりしてます、はい。
続きが気になると言ってくださりありがとうございます!がんばって続きを書いていくので最後まで見守っていただけると幸いです!
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.6 )
- 日時: 2017/07/16 01:21
- 名前: るお (ID: aR6TWlBF)
続きです。ようやく片割れが出ました、性格悪いですね、はい。ちびっ子キャラ大好きなんです。
まだ事が終わりません、一体全体どういうことでしょうか。単にまとめる力がないだけです知ってた。
これはまずい。すごくまずい。
じくじくと微熱を孕みながら疼く膝を押さえて、俺は痛みで更に溜まった涙を乱暴にセーターの裾で拭く。
制服の、黒いズボンの下は多分真っ赤な血で汚れてるに違いない。何回も経験した痛みだから、うん。間違いない。
濡れた地面に無様に転がった俺に、またあの音が近づく。
ずる、べちゃ。ずるずる、べちゃり。
濡れた何かを引きずって、禍々しく目を光らせたそいつが、俺のところまで、やってくる。
獲物を見つけた肉食獣のような目で、こっちに。ずるずると、子供たちを引き連れて。
「く、来るなっ!!来るなよっ!!」
虚しい制止だった。でも俺にとっては必死だった。捕まれたら、死ぬ。本能が危険信号を鳴らす。捕まったら。
喰われる。
ゾッと背筋に冷たいものが走った。
喰われる。そうだ、喰われる。俺の血の匂いに誘われて、化け物が寄ってくる。
「…っ、最悪だ」
“化け物”の俺の血は、目の前のやつらにはごちそうになるらしい。教えてくれたのはじーちゃんだった。小学生だった俺の頭にそのしわくちゃの手を置いて、乱暴だけどどこか優しく、撫でながら。
『お゛い、ジソ、う』
濁音まじりの声。おいしそうおいしそうと呟きながら、手を伸ばして歩いてくる。強まる腐臭が吐き気を誘って、胃液が喉元まで込み上げた。喉がムカムカする。苦しい、気持ち悪い。
「かはっ、は、や、くんな、来んなっ…!」
尻餅をついたまま、腕だけで後退する。足は、がくがくと震え上がってもう立てない。どうやら完全に腰が抜けたらしい。目の前の化け物はゆらゆらと揺れながら、じりじりとこちらに歩み寄ってくる。にまりとした笑みを浮かべて、生臭い血で汚れた歯をちらつかせて。
あぁ、絶体絶命ってこれのことだ。四面楚歌とも言うよな。ははっ、なんて自嘲染みた笑い声が出た。 お気楽すぎる思考と行動にチッ、と舌打ちを打つ。
身体中を支配するのは、喰われることへの恐怖。生への渇望。喰われるのは嫌だ。喰われたくない。“死ねないこの化け物の体”でも、俺はまだ生きていたいんだ。
化け物を睨み付けた瞳から、一粒溢れた涙がまた頬を伝った。
「…だれか、助けてよ」
じーちゃん。
「ふふふ、俺が助けてあげよっかぁ?可愛い可愛い人魚さん」
聞こえたのはそんな声だった。
どろりとした甘ったるいシロップのような、なのに鈴のような爽やかをも持つ、不思議な声。
呼ばれた俺の別称。
俺の頭上から投げられたそれに、慌てて上を仰ぎ見て、目を見開く。
気づかぬうちにすぐ側の塀のうえで見知らぬ誰かが座っていた。
可愛らしい猫の顔と耳がついた、耳まで隠れる黒いニット帽に、淡い水色の不思議な色をした柔らかそうな髪の毛。華奢な体に合わないブカブカの緑のパーカーの上に、この暑い中、うちの高校の学ランを羽織った、俺より小柄な少年。なのに汗一つかかない涼しげな表情。
胸ポケットについた校章の色が緑だから、多分一年生だろう。
「ねぇ、無視しないでよぉ。聞いてる?聞こえてる?助けてあげよっか?って言ってるんだよ?」
小さな白い顔に似合わない、にたりとした嘲笑を滲ませた笑みを浮かべたそいつは身軽な動きで塀から飛び降りて、俺と化け物の間に降り立った。そいつの後ろにはさっきから空気みたいになっている化け物の姿。
訳がわからなかった。こいつの存在も。こいつが“俺が化け物たる所以”をしっていることも。
訳がわからないこそ、目の前の少年が、怖かった。恐怖の対象が増えて、さらに混乱する。
「あは、予想通り面白いや。ねぇ?人魚の肉を食べて人魚になっちゃった枢木先輩?」
にこりと笑みを深めたその顔に、ぞわ、と全身の毛が総毛立った。冷や汗が吹き出して、心が恐怖に支配される。なんで、なんでそんなことを知ってる?誰も知らないはずの、俺の秘密。なんで。
化け物の俺が、化け物になった理由を、何でこいつは、知っている?
青ざめた俺なんかお構いなしに、そいつは袖で隠れた手で俺の涙を拭う。「…美味しそうだなぁ」なんて恍惚とした呟きが聞こえたのはきっと気のせいだ、うん。血の気が引くからやめてくれ、ていうか引いた。
「う、あ、おまえ、なんて、」
「え?助けてあげるって言ったんだよ?可哀相で、愛しい愛しい人魚姫。もしかして声が出せないの?困ったなぁ。でも泡になって消えられる方が、さらに困るや」
そいつはくすくすと嗤う。楽しそうな、でも何処と無く狂気の入り交じったようなその笑みに、ぞくりと背筋がひきつったように痙攣した。
こいつは何なんだ?助けてあげる?消えられると困る?意味がわからない。
『アアああアあ…』
放置され続けた化け物の女が呻く。そういえばいたな、変なやつの登場で忘れてたけど。存在を忘れられていたのが気にくわなかったのか、またじりじりと、こちらに手を伸ばす。固まった血と、土が詰まった汚い爪に、皮しかない痩せ細った手が、妙な後輩から垣間見えた。
「ひっ…!」
ぼろぼろ、と拭われたばかりの瞳からまた涙が溢れた。条件反射のように流れるこの涙はどうしようもないのだ。それと同時に、怪我した足の痛みがまるで最初から無かったかのように引いていく。その妙な感覚に顔をしかめた。“死ねない化け物の体”の俺は、泣くと体が修復されていく、らしい。どんな傷でも泣いたら元通り、傷跡さえも残らない。どういう原理だか知らないけど、人智を越えてるし、自分でも気味が悪いと思う。
「あーらら。先輩また泣いちゃった。可哀想だねぇ」
おま、そう思うなら助けろよ!!
柔らかく嘲笑いながら余る袖で、歪んだ口許を隠すそいつを睨み付けた。そいつはただ嗤うばかりだ、無様な俺の動向を、猫のような瞳で見守っている。
「くっそ…」
悔しさに歯軋りした。強く噛みしめすぎて歯が痛む。悔しい、自分で対処できないことが、こんな変なやつに嘲笑われることが、泣きわめくだけしかできない自分が。
座り込んだ俺に合わせてそいつがしゃがみこむ。にこにこ、人懐っこそうな顔を浮かべながら、辛うじて袖から覗く白くて細い指を俺の首に添えた。伸びた爪がぎりぎりと食い込んで、痛い。
「ねぇ、先輩。何て言うの?人魚姫は一人で陸には上がれないでしょう?」
意地悪く、にたぁ、と歪んだ。チッと舌打ちをうつ。悪魔のようなやつだ、ほんと。いや、魔女かな、性別違うけど。最悪だ、見知らぬ生意気な後輩に助けを乞うとか、ほんと。
わなわなと震える口を、開いて。
「…た、たす、けて」
絞り出した声も、震えていた。
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.7 )
- 日時: 2017/07/24 03:36
- 名前: コノハノハ (ID: k9gW7qbg)
いえいえ、これからも見に来るんでよろしくお願いしまッス!!!
けどやっぱり文才凄いっすね……
流石ッス
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.8 )
- 日時: 2017/07/31 07:59
- 名前: るお (ID: aY9QY40m)
続きです、少し空きましたね。いやー、なんかグロくなったっつーか。そろそろ誰かに怒られるような気がしないでもないんですけど、まぁいいか。我が道を行きますよ、私は。猪突猛進です。多分今回も文おかしいしなっがい。
「ふふ、いいよぉ。助けてあげる」
にたり、と笑みを深めたそいつがくるりと回って俺に背を向けた。帽子につけられたポンポンがふわりと揺れ、俺より小さい背中が、なんだかたくましく見えた。
疑問は際限なく増えるが、今のこの非日常にそんなこと言ってられない。特に座り込んでしまったままの俺はなんにもできないお荷物だ。てかまず俺戦う術とかもってないから。
「でもお前助けるって…どーすんだよ?」
「は?バカだねぇ、そんなこと気にしてたの?バカだねぇ」
「んなっ!てめっ…!」
くすくすとバカにしたような笑いと一緒に、細い肩が揺れる。てかこいつ何回バカって言うんだよ、俺の方が先輩なんだぞ。敬語も使わねぇし。
「てかお前誰だよ…何者なわけ…?」
「だーかーらぁ、言ってるじゃん。こんな化け物視認してるんだからさ、俺だってフツーのやつじゃないんだよぉ?…まぁ、人間じゃないってことだよねぇ」
妙に長いパーカーの袖が揺れる。人間じゃない?んじゃあこいつはなんなんだよ?
少なくとも、俺はこんな人間みたいな姿をした化け物を見たことがない。いや、服装はすっごい季節外れだよなぁって思ってるけど。
なんていうか、ほら。意志の疏通が出来るっていうか。大抵のやつらは話なんか通じない。とりあえず俺を喰おうとする。だからこいつが何者なのか、すごい不思議なんだ。
いや、そんな疑問より今は目の前のこいつらだよな。
化け物が、目の前のふざけたやつの前でどろりと形を変えた。女の姿を保っていた体が、溶けて気味の悪い目玉を沢山生やし、ひとつの塊となる。ぱっくりと空いた口のような穴から漏れ出す腐臭と死臭に、無くなったはずの吐気が込み上げて、俺は顔を背けた。
「うわ、これは相当だなぁ…対処がめんどくさいレベル、だね。全然余裕だけど」
長い袖で鼻を押さえたあいつが、口笛でも吹きそうなくらいの軽さで呟いた。化け物は姿を変えながらじりじりと迫ってくる。
『おいシ、ソウな、そいツ、よコセ。ヨコせ…』
「ひっ…!」
おぞましい、鳥肌がたつような低い声で、迫る。自分の欲を満たすために、迫ってくる。
思わずぎゅっ、と目を瞑った。訪れるは真っ暗な世界。安らかな、闇の世界。
「ちょっとだけ、下がっててね」
柔らかな声が聞こえて、刹那。
ザシュッ。
斬撃音が響いたのは、すぐ側でだった。
うっすらと目を開ける。見えるのはあいかわらずあの小さな背中と対峙した、半分に裂けた化け物だけだ。いやまて、何かが増えてる。
『ああァァアぁアアぁア…!!』
「んー、斬りごたえはビミョーかなぁ」
ビッ、とまとわりついた血を飛ばしたあいつがぼやく。ぴしゃ、と音をたてて飛んだ血液が、地面に落ちて雨と混じって薄まった。てか、あんな化け物でも血は出るのか。あぁ、そういえば俺も出るもんな、血。当たり前か。
「おま、それ…」
どこから出したんだよ、ってツッコミは声にでなかったけど。
顔だけ振り返ったあいつが、笑う。相変わらずの嘲笑。歪んだ口元、バカにしたような瞳。
「んー…俺の相棒?」
血迷ったかな、俺。白い刀身の日本刀を左手に持ち、にっこり笑うあいつの顔にこびりついた返り血が、何故だかとても綺麗に見えたのは、きっと気のせい。
「最近ずっと寝ててあんまり使ってなかったからねぇ、切れ味は悪くなってないけど。俺が鈍ったかな?」
日本刀を振り回しながら、あいつが呟く。ちょ、血が飛んでるから!飛ぶ飛ぶ!かかる!やめろ!
わたわたと腕でガードの体制をとる俺にまたくすりと笑う。
「可愛いねぇ、こんな体液ごときでそんなに慌てて」
「う、うるさい!」
普通は血とか見たら慌てるんだよ!このばか!
「まーまー、そんなに怒らないでぇ?ちゃーんと、倒しちゃうからさぁ」
へら、と笑って日本刀を構えたあいつが化け物を見やる。見つめた瞳だけが、とても冷たくて、背筋につぅ、と冷たい汗が走った。
ぽつり。あいつが呟く。
「ほーんと、ここ俺の縄張りなんだけどぉ。たかが百年ほど眠ってただけでこうも歩き回られちゃうとさぁ…」
ぐちゃ、と水気を含んだ、柔らかいものを抉るような音がして、半分に裂けた化け物の赤黒い断面に白い日本刀が突き刺さっていた。雪のような刀身に映えるように赤い花が飛び散る。鉄臭い。
「あー、腹が立つ」
地の底から轟くような低音が、響いた。
『アぁア、アァアァアァアァア…!!』
日本刀が勢いよく引き抜かれるのと同時に、化け物から血が霧状のように吹き出す。血は霧散して空気中に消えた。あいつは、それでもまだ足りないらしく、呻く化け物に何度も、何度も何度も刺す。刺して刺して、貫く。
『アァアァ、イダイ、イダイ…!』
「痛い?そーだろーなぁー。でも、お前が悪いんだよぉ?ここは俺の場所なの。俺のなの。お前のじゃないんだから」
ぐちゃ、ぐち、ぐちゃ。血が、また吹き出した。赤い赤い血が、肉のすき間から。
なんっだ、あいつ。さっきまで全然ましだったのに。
完全に血の気がひいた。やっぱり人間じゃないやつにまともなやつなんかいなかった。こいつもやっぱりそうなんだ。人間じゃなくて、化け物。
アスファルトに出来た血溜まりが、俺の足元にまで迫っていて、慌てて後ろに下がった。どろりと、さらに広がるそれ。
「あ、やめ、いたい、から、やめてやっ、て」
気づけばそんなことを口走っていた。怪我は痛いものだ。怖いものだ。だからこそ、やめてやってほしい。俺、あんなことをされたら間違いなく気が狂う。じいちゃんが言ってたから。「自分がされて嫌なことは、人にもするな」って。
「やめろよ!!」
俺の声で、ぴた、とあいつが止まった。振り返った、瞳の冷たさ。
「…なぁに?」
冷えきった瞳で笑う。俺には笑う。不気味なこいつ。
「っ…それだけしたら十分だろ、もうやめろ」
「なんで?」
笑っていた顔が、きょとんとした表情に変わる。まるで善悪がつかない幼子のような、そんなあどけない顔。
「なんでって…可哀想だろ」
「可哀相?なんで?こいつがいけないんだよ?俺のところで暴れるから」
絶句した。伝わらない。
やっぱり化け物は化け物だ。見た目は普通でも、中身は異形でしかないのだ。
「…っ、だ、だけど…!」
「うるさいよ」
ぴしゃりと言葉を遮られた。冷たく、重く響く低い声に肩が震える。
「お前さぁ、爪があまいの。わかる?たかが人間風情、いや弱い化け物もどきのお前に何ができるっていうの?出来ないだろ?」
ゆっくり、日本刀がギロチンの刃のように上がっていく。ゆっくりゆっくり、赤く染まった刀身から血を滴らせて。
『あ、ァアァ、アァ…』
ギョロギョロと、忙しなく動く化け物の、恐怖の感情を湛えた大きな瞳。
「や、やめ…」
「じゃあね、ばいばぁい」
降り下ろして、ぐちゃり。それでおしまいだった。
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.9 )
- 日時: 2017/07/31 08:01
- 名前: るお (ID: aY9QY40m)
ほんと毎回コメントありがとうございます…励みになっております…文才は安定してないのでご安心くださいね…(死亡のお知らせ)
これからも頑張って書いていきます!
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