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愛情とは複雑な
日時: 2018/01/15 20:47
名前: シキ (ID: nG1Gt/.3)


これは、オレ(山田光輝)とアイツ(佐田一)の物語。

【閲覧上注意】
完全BLオリジナル作品です。
亀レスになるかもしれません。
小説まだ未熟者ですのでご了承ください。

Re: 愛情とは複雑な ( No.6 )
日時: 2018/01/16 00:13
名前: シキ (ID: nG1Gt/.3)


俺は運動が出来ることから運動部からの勧誘もあったが受け付けず、手伝いとして入って練習をすることがあった為、佐田と会うことが減った。同じクラスだから毎日会うのだが、佐田もジッとして居られない正確な為、色んな所へ行く。俺のところに留まっていられるヤツじゃない。それが少し心細かった。

俺はクラスの学級委員長に選ばれた。成績が優秀で真面目だから、と。皆から好かれる行為はしてないが選ばれたからには努力した。佐田は笑って他人事のように「がんばれ」と口走った。

半年が経って委員会が終わり、帰宅しようと鞄を取りに教室へ戻れば窓側の席に腰掛け外を見てる佐田がいた。

「何してる。帰らないのか?」

「あら、委員会終わったの?」

佐田は人の話を聞かない。というか、聞かれたくないことは話を逸らすのがうまい。

「ああ。一緒に帰るか?」

「いんや、ちょっと此処に残りてーのよ」

肩越しに振り返りつつ表情を見せずにまた外を見る。何かあったのなら聞きたいし、力になれるならなりたい。俺は持った鞄を自分の席に置き直して、佐田に近づく。
鞄を席に置いた音に気づいた佐田がまた肩越しに振り返って話しかけてくる。

「光ちゃんは帰んねーの?」

佐田はいつからか俺のことを「光ちゃん」と呼ぶようになった。「委員長」と呼ばれることもあったが佐田からの名称なら嫌ではなかった。佐田からの問いに「・・・今日はお前と一緒に帰りたい」と小さく応えればフッと笑った佐田は「気まぐれネ」と呟く。人の事を言える口かと言い返しておく。

「お前に言われたくはない」

静かに隣に座る。外では野球部、サッカー部、陸上部、テニス部と部活に励んでる生徒の声が聞こえる。佐田と2人きりで話をするのは久々だったが、暫くは俺も佐田も何も話さなかった。

静かな空気だけが流れたが佐田と居る時間は苦ではなかった。沈黙が続いても何故か居心地が良い。

暫くして、思い立ったことを佐田に聞いた。

「佐田は、誰かと付き合いたいと思わないのか?」

「ん?オレ付き合った経験は委員長よりあると思うけど?」

「付き合っておいて性交をしないのは健全だがキスの一つしないのはどうなんだ?」

「誰から聞いたのよ・・・つか、光ちゃんはしてほしいの?」

「そう言っているわけではない!」

「ああ、冗談よっ、んな怒んなって」

人が真面目に聞いているのにコイツは人を惑わし勘違いしてしまうような口振りを自然とする。俺が言いたいことはそうじゃないと声を荒げればすぐに冗談だと種を返す。怒り切るに切れない。ムッとしたまま腕を組んで座り直せば、間を置いて静かに佐田が言う。

「・・・軽く生きてぇーのよ。オレ人に触られるのとか苦手だし、広く浅く人間関係築けたらそれでいーし」

重い愛なんて受け止められる自身無いじゃん?と言った佐田に俺は何も返せなかった。疑問形の言葉に聞こえたが、そのセリフはこの話はもうオシマイと話を切り上げてるように感じた。

Re: 愛情とは複雑な ( No.7 )
日時: 2018/01/16 00:40
名前: シキ (ID: nG1Gt/.3)


そんな事があっても、佐田は次の日もいつもと変わらず俺と関わってくれた。佐田は別れた子達とも別れた後も変わらず友達として接しているようだった。周りが見ても器用なヤツだとは思うが、相手側からしてみれば嬉しいという方と切なくなるだけと苦しそうな顔をする子に分かれていた。それも佐田は見分けして関わっているように思えた。どこまでも優しいやつだ。

二学年に上がってクラスが別れた。
俺は自分の気持ちを表現するのが不器用で、休み時間に佐田が俺の所へ来て話してる所を見られてから俺が不器用だと周りが分かる前に佐田が言った。

「光ちゃんてば、自分の気持ちに不器用だから皆もその辺労わってあげてネ!一人じゃ寂しいって泣く子なのっ!」

「お前っ!」

まるで俺の彼女になったかのようなセリフを軽く吐き捨てぶりっ子の女の子のような真似をして泣き真似をする佐田にふざけるなと怒鳴りつけようとすれば授業の予鈴が鳴り佐田は駆け足で戻って行った。

一緒に居られない寂しさからほんの少し気落ちした。それを知ったか知らずか察した様子の男友達がクラスで一人出来た。ソイツ(岡田大オカダダイ)は親身に相談にのってくれた。

それで、一つ提案をしてきたのだ。

Re: 愛情とは複雑な ( No.8 )
日時: 2018/01/16 08:29
名前: シキ (ID: nG1Gt/.3)


「前に女子から聞いた話だけど・・・“男は単純”って女子は言うんだよ」

「それがなんだ」

「だから、佐田にも聞いてみろって“好きな奴いるのか?”って。その一言で男は相手を意識しだすって話だぜ?女子って怖ぇよなあ!」

自分の二の腕を寒そうに摩る岡田は、そう言っていたが、そう簡単にいくものだろうか。前にそういう会話はしたが結局は逸らされたし、そういうことに関してはアイツの方が俺より躱し方が上手い。第一、例え女子から聞かれてもアイツは意識するどころか相手の好意が自分に向いているのかと直接聞いてくるような奴だ。バカの考えることはわからん。

計算しててもこっちが振り回されるのだ。好きなやつを聞くぐらいなら告白した方がマシだ。陽気に笑いかけ声をかけ、言わずとも駆け寄って来る。気づけば近くにいる。佐田を思い出す。同じ教室にはいない。今アイツは何の授業を受けているのか。寝ていないだろうか、早くも友達はいるんだろうか。休み時間に俺の所へ来るだろうか。

一、いち、イチ、お前に会いたい。

Re: 愛情とは複雑な ( No.9 )
日時: 2018/01/17 00:21
名前: シキ (ID: nG1Gt/.3)


休み時間になったがイチは姿を見せなかった。誰かに呼び止められていらるのかもしれない。
次の授業では委員決めをしていた。俺がまた委員長に推薦されたがそんなことはどうでもいい。昼休憩にイチを捕まえなければ他の奴とアイツは食べてしまう。
それを考えるだけで腹の底でフツフツ何かが湧き上がるようで、時間が惜しい。一分一秒とイチと離れたくない。

俺はまるでイチ依存症というやつになったようだ。好きなんじゃない、きっと。心配なんだ。イチが俺ではない誰かと居ることに苛立つし、不安になる。イチは心の拠り所として色んな人に愛情を与えるが、自分に向かってくる愛情に対して不器用なんだ。それと、周りに極端に優しく許容範囲の広い奴だが、ああ見えてパーソナルスペースがきっと人より狭い。そして頼まれたことを断れないような正確だ。
一見チャラくとも根が素直で優しく心はガラスだ。そのギャップと人を惹きつける才能の塊。ヤツを裏切るような奴がいるならソイツは世間からも裏切られる様な人間なんだろう。そう思う。

考え事をしていれば授業終了の鐘が鳴った。

鞄から弁当を取り出し、早々に席を立てば岡田の呼びかけが後ろから聞こえた気がしたがイチの教室へ向けて歩を進めた足は止まらなかった。

Re: 愛情とは複雑な ( No.10 )
日時: 2018/01/20 05:04
名前: シキ (ID: nG1Gt/.3)


廊下の真ん中を歩けば生徒は道を開けてくれる。
イチの教室へ着けば躊躇うことなくスライド式のドアを開ける。勢い余って大きな音を立ててしまったからか、教室内の全員が俺を見る。おかげでイチは見つけやすかった。席に腰掛けたまま、その席を中心に輪になるように男女合わせて二・三人がイチと話していたのだろう。生徒の影からひょっこり顔だけを出して俺を見ては口を半開きにしてポカンとしている。

女子が騒がしくなるのを無視してイチに歩み寄れば、何事も無かったかのように会話の続きから話し始めるイチ。
俺はイチに存在を無視されたのかと思うと少し傷ついて、イチの目の前に立てば素っ頓狂な顔で「アン?どしたン?光ちゃん」と聞いてくる。まるで今ここに俺がいることに気づいたかのよう。

「話がある。来い」

「んぁア゛?コウちゃん?ちょおっ!まだ話してんだけどッ!?」

俺はイチの腕を引いて教室を出た。イチは予想外の行動に驚いたからか動揺を隠すこともせず、俺に文句を言う発音で話すが、手を離せとも振り解く素振り一つ見せないのだった。


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