BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【セカフェリ】夏季詰め合わせ【短編集】
日時: 2019/01/01 23:12
名前: まふぃん@フェリ可愛 (ID: Pk3oxKzN)

どうも、まふぃんです。
今回も詰めていきます。何故フェリ受け増えない。今回は春の詰め合わせで書いたもの達の続編なんかも書いて行こうと思っております。
いやあ、色々言われたんですよ。友人に。
「ここのエドフェリの続きは?」とか、「保育園パロ見せろ」とかね。
ちゃんと、夏をお題にしたものもありますよ。
…というか、コメントが来ないって結構辛いですね。(*´・ω・)
まあ、今回も誤字脱字があったり、日本語が可笑しかったらすいません。
そっと突っ込んで下さい。

Re: 【セカフェリ】夏季詰め合わせ【短編集】 ( No.4 )
日時: 2018/07/28 16:19
名前: まふぃん@多趣味 (ID: FHdUl2HC)

バシュフェリ
「忠実騎士と健気な悪魔」


我輩はバッシュ、バッシュ・ツヴィンクリ。王国に仕える騎士である。そしてそれは、人生が尽きるまで変わることはない。そう、誓った。
「だから貴様の出る幕は無い、悪魔。とっとと失せるのである。」
「そう言わないでよ〜っていうか悪魔って呼ばないでよ。俺はちゃんとしたフェリシアーノ・ヴァルガスっていう名前があるんだから!」
「そうか、ではそう呼ぶから失せろ」
「・・・悪魔」
「それはお前だろう」
「俺は!お前を死なせたくないの!いい加減わかってよ!」
「訳が解らん。それに騎士として死ねたなら本望だ」
歩みを更に早める。それに気付いた悪魔が、「あ、待ってよー」と言ってきたが気にしない。
・・・コイツ、悪魔フェリシアーノは、騎士としての誓いを立てたその日に我輩に着いてきた。
どうやら我輩が王国に全てを尽くす事を嫌っているらしい。何故かは知らないが…
「ねぇ、どうしてそんな悲しいこと言うの?」
…いつの間にか、追い付かれてしまったらしい。フェリシアーノが、我輩に問う。我輩はそんな辛い事を言っただろうか?
「悲しい、こと?」
「何で、王国の為に命を放り出せるの?なんで、周りに目を向けないの?」
「なっ…」
「もうすぐ、バッシュには、妹が生まれるんだよ。その子はとっても可愛いくって気遣いが出来るから皆がお嫁さんにしたがる。その中には良からぬことを企む人もいる。バッシュがする事は、本当に国を守る事なの?!」
言い切ったフェリシアーノは、ぼろぼろと涙を溢していた。そして、
「人の為に、命を尽くせる程忠実なのは悪いことじゃない。悪いことじゃないけど…自分の幸せまで犠牲にしないでよ…」
と、我輩にもたれかかった。そのままずるずると落ちていく。
「お前は、悪魔に向かないな・・・未来を見られる力を他人の幸福の為に使うなど」
「知ってる、よく言われる。それよりさ、バッシュ。」
これを聞いても、王国に命を尽くせる?
フェリシアーノは、聞いてきた。
「お前は…やはり悪魔だな。」
そんな未来を聞かされて、続けられると思うのか。
「やはりも何も、悪魔だよ」
「そういえばそうだったな」

・・・それから、数ヶ月後。元騎士に、妹が出来、名はツーツィアとなった。
更に何年か経って、ツーツィアは美女となり、婿になろうとする者達を元騎士が全て蹴散らして。
ツーツィアが嫁にいったあと、元騎士は悪魔にプロポーズし一生涯傍に置くのは、ずっと後の話である。


セカフェリったー様から。

Re: 【セカフェリ】夏季詰め合わせ【短編集】 ( No.5 )
日時: 2018/07/29 19:24
名前: まふぃん@フェリ可愛 (ID: FHdUl2HC)

ロヴィフェリ
「俺にとっての幸せ」


幸せ、というのは人によって様々な形を持つ。
大金を持つことを幸せといったり、美しさを保てることが幸せだとか。
だとしたら、俺は。
「兄ちゃん!」
「うわああぁあ!助けてー!ルートー!!」
「ヴェー」
「神聖ローマ、そっちに帰って来てないかな?」
「パスター!」
「ベッラ、ベッラ♪ちゃおー♪」
等身大で、悩んで、笑って、喜んだり、悲しんだりするアイツが。芋野郎やアーサーや菊とかの、弟じゃなくて。
俺の、俺だけの弟っていうことが俺にとっての幸せなんだ。
だから、その幸せを壊すようなことをしたくない。
もし、好きだということを伝えたなら?
アイツは、俺の弟じゃなくなるかもしれない。
だから、こんな想いは、押し殺す。





幸せって、人によってまばらなんだよね。
お金なんかより、家族が無事だということが幸せだったり、美しさよりも内面に惹かれた。この人と共に居られることが幸せだとか。
だとしても、俺はね。
「このバカ弟!」
「早く助けろアントーニョこのやろー!」
「チギー!」
「アイツなんか忘れろ!」
「トマトー!」
「ベッラ?何処だ何処だ?!」
俺にとっての幸せを、決めつけないでよ。そりゃルートやアーサーや菊とかの、兄ちゃんじゃなくて。
俺の、俺だけの兄ちゃんっていうことが、俺にとっての幸せでもあるけど。
だけど、誰がこれを幸せではないって決めたの?
好きだって、伝えてよ。
俺は、兄ちゃんの弟だよ。
だから、その想いを、早く押し付けてよ。

Re: 【セカフェリ】夏季詰め合わせ【短編集】 ( No.6 )
日時: 2018/07/29 20:13
名前: まふぃん@フェリ可愛 (ID: FHdUl2HC)

セカフェリ
「フェリプラス」



「おいアホトーニョ、お前さっきから何やってんだよ。」
ゴロゴロとソファーに寝転がりながら、トマトを頬張るという何ともだらしない姿勢で、ロヴィーノは尋ねた。
「ん、ああ、ゲームやゲーム」
アントーニョはそれに対して返答をし、またゲーム機の方に顔を向けた。ロヴィーノがソファーから降り、何のゲームをやっているのか覗き込むと、
『わー、これくれるんですか?!ぼくアントーニョ兄ちゃんのトマト好きだから嬉しいな♪』
画面の中で小さい頃のフェリシアーノが、微笑んでいた。
そして、それにアントーニョが返事を入力している。
『フェリちゃんの為なら親分いくらでも貢ぐで!』
『わーい♪アントーニョ兄ちゃん大好きですー!』
「えへへ…親分もフェリシアーノちゃんが大好きやで…」
ハアハアと鼻息荒く画面に近寄る様は、確実に変態犯罪者だった。そして、
「ナポリタントルネード!」
ロヴィーノによる頭突き(ナポリタントルネード)が決まった。



「・・・で、これは何なんだよ。勝手にうちの弟が使われてっけど。どういうことだ?」
ロヴィーノがソフトを指差しながら、説明を求める。そしてそんなロヴィーノに、正座をしながら、アントーニョは驚愕した。
「え…ロヴィ、フェリプラス知らんの…?!」
「・・・は?」
「フェリプラスっていうのはな、ロヴィ。フェリちゃんを攻略するゲームや。」
「いや言ってることが理解できねえよ」
「最初に、幼少期か、少年期か、青年期か選ぶんや。まあ、ここはどうでもいいんやけどな」
「どうでもいいのかよ」
「そして、選んだフェリシアーノちゃんと交流を深めるんや。で、ここの交流が大事なんやで!ほとんど会話とかの返答は入力式なんやけど・・・それによってどんなタイプに育つかが変わるんやで!さっきのどうでもいいっていうのは後々変更可能って意味なんや!」
「ど、どんなタイプがあんだよ…?」
「せやなぁ、体験談から話すとルートヴィッヒとこのフェリちゃんはお世話のしすぎで、『甘えたフェリちゃん』になって、アーサーのとこは冷たくしすぎで、『家出っ子フェリちゃん』になってもうたけどその後頑張って『ツンデレフェリシアーノ』になって、フランシスのとこは『お洒落フェリちゃん』、ローデリヒのとこは『貴族フェリシアーノ・ヴァルガス』、ギルベルトのとこは何か間違えて『アドリア海の女王、フェリシアーノ・ヴァルガス』になっとったなあ…あ、ちなみに俺のフェリちゃんは『ちびたりあ』やで!」
「凄いタイプの多さだな!」
「せやろー?まあ世界中に発売しとるからな!」
「してんの?!」
「ロヴィも始めてみたら良いんやない?いつもは見れないフェリちゃんが見れるで!」
「あのな…」


アントーニョ家の帰り、ロヴィーノがフェリプラスを買って、後日『この世界に君臨した尊き天使フェリシアーノ・ヴァルガス』にまで進化させてしまうほど入れ込んでしまうのは別の話である。

Re: 【セカフェリ】夏季詰め合わせ【短編集】 ( No.7 )
日時: 2018/07/31 19:41
名前: まふぃん@フェリ可愛 (ID: FHdUl2HC)

セカフェリ
「viaggiatore maledetto」


森の中に茶色い一本の線が延びていた。
それは土を固めただけの、舗装もたいしてされていない道で、南に向かってずうっと続いていた。
そんなお粗末な道の真ん中を一台のバイクが走っていた。後部にあるタンデムシートにはリュックが座っている。
バイクはかなりのスピードで進んではいるが、ところどころにある小石のせいで多少ぐらつく。そうすると運転手は慌ててハンドルを切り、体を傾け進路の修正をした。
運転手の体躯は細く、カーキのジャケットをまとい、スキニーデニムを着ていた。スキニーデニムの右腿あたりにはグロック30(拳銃の一種)がいつでも取り出せるようにグリップを上にしてホルスターに収まっていた。左股にはもう一丁、拳銃が同じようにして入っている。
頭にはデザインこそ控えめだが、丁寧なつくりをしたゴーグルを付け、白い肌を隠すように、首に少しくすんだ、でも暖かい雰囲気を持つマフラーを巻いていた。
マフラーの上の表情は若く、甘いお菓子のような可愛らしい顔立ちをしているが、顔は不安に満ちていた。
バイクが運転手に話しかけた。
「フェリシアーノ、どうしたんだ?」
気遣うようなバリトンボイスにフェリシアーノと呼ばれた運転手は「いや…」と返した。そして続ける。
「…この先の町に、兄ちゃんがいるんだなって思って。心配させてごめんね、ルート。」
「ああ…」とルートと呼ばれたバイクが思い出したように呟いた。
すると、
「ルート!ズルいんだぞ!フェリシアーノに名前を呼んでもらえるなんて!フェリシアーノ!俺も呼んで!」
フェリシアーノが羽織るジャケットが喋り出した。急なことだったのでルートは急停止した。
エンジン音が小さくなっていく。
「ああ、ごめんねアル。お願いだから急に話さないでくれるかな…?」
「お前は…フェリシアーノが事故ったらどうすんだよ!!」
すると今度はリュックが喋りだした。アル、と呼ばれたジャケットがブーイングを垂れている。
「眉毛まで…」
「…なんかそう言われると腹が立ってくんのはなんでだ…?」
「お前なんて良いじゃん!」
眉毛、と呼ばれたリュックが不機嫌になり、手袋が喋り出す。
「俺なんて「犯罪者予備軍」だよ?!フェリシアーノの兄ちゃんとはいえ名前を奪うにも限度っていうもんが…!」
「うふふ、そのまんまじゃない」
「えーっと…すいません、的確すぎて何も…」
「むしろ犯罪者ってつけた方が…」
「…多分それは、ロヴィーノではなくアントーニョの仕業だと思われますよ。」
「アントーニョ…良いセンスしてるじゃねぇか…ブフッ!」
犯罪者予備軍の叫びは、マフラーのイヴァン、ゴーグルのマシュー、拳銃のエリザとローデリヒ、ヘルメットのギルにより突っ込まれた。
「すいません、フェリシアーノ君。アントーニョさんとは…?」
そんな騒ぎの中、腕時計の菊がこっそりと尋ねる。フェリシアーノはそれに笑顔で答えた。
「ええっと…兄ちゃん、ロヴィーノが呪術士だって事は知ってるよね?」
「はい、私たちに「道具になる呪い」をかけて下さりやがった方ですからね。覚えていますよ。」
「それは身内がごめんとしか言えないけど…まぁそう。で、呪いっていうのは本来時間経過で解けるんだけど…菊達の場合は「強化」されているんだよね」
「呪いを強化…ですか?」
「そう。簡単には、解けないように。皆から何かを奪うことで、呪いを強化することが出来るんだ。この場合は「名前」と…」
フェリシアーノの言葉は、途中で遮られた…ルートのエンジン音によって。
「…フェリシアーノ、そろそろ出発するぞ。」
いつの間にか喧騒は落ち着いていた。粗方、ルートが吼えたのだろう。正に鶴の一声…いやルートの一吼えだろうか。
「あ、うん!行こうか」
フェリシアーノはルートに跨がり、道をまた走り始めた。
そして思う。
「…きっと、皆は名前と記憶を奪われている。…早く兄ちゃんとアントーニョ兄ちゃんを見つけて呪いを解かせないと…」
「呪いの旅人」フェリシアーノ・ヴァルガスは道を急いだ。




Re: 【セカフェリ】夏季詰め合わせ【短編集】 ( No.8 )
日時: 2018/08/02 19:41
名前: まふぃん@フェリ可愛 (ID: FHdUl2HC)

「愛しすぎたヴァンパイア」
エリフェリ


昔…吸血鬼がまだまだ多かった頃の噺。
ごまんといる吸血鬼の中で特に力を持つ一人の女吸血鬼がいた。
その名はエリザベータ・ヘーデルヴァーリ。高尚なプライドと、誰にも負けない美貌を持っていた。
年々、人間の中で「誰が一番美味しくて栄養のある血」なのか発表されるのだが…エリザベータはそれらの人間を他の吸血鬼に取られる前に、拐い、食した。そして今年も…それは同じだった。同じだったのだが…
今年の美味血、フェリシアーノ・ヴァルガスは大変痩せ細った青年だった。
痩せ細った体からは、血がそれほど吸えない。エリザベータは、しょうがなくフェリシアーノに飯を与えた。
しかしフェリシアーノはそれを持って、城の外へ出ようとした。慌ててエリザベータはフェリシアーノを止め、そして聞いた。
「どうしてご飯を食べようとしないの、折角美味しい血が流れているのに」
フェリシアーノは苦笑しながら答えた。
「俺より、もっとご飯を食べなくちゃいけない人がいるから、その人にあげるんだ」
その後、何とか飯を食べてもらうが、お人好しなフェリシアーノにエリザベータは毎日、毎日呆れていた。
フェリシアーノが、ようやく普通の体型になれた時…別の吸血鬼がフェリシアーノを狙ってエリザベータを襲った。
勝利こそしたが、中々の手練れだったらしく、大量の血を失ってしまった。
そんなエリザベータに、フェリシアーノは手を貸し、目を見て言った。
「飲んで下さい、俺、エリザベータさんになら、飲まれてもいいよ。」
そして、エリザベータは、フェリシアーノの首筋に牙を立て…ることが出来なかった。
エリザベータは、恐れたのだ。フェリシアーノを喪うことを。
獲物に、情を抱いてしまうなど…吸血鬼として、駄目なことだとわかっていても。どうしても。
慌てるフェリシアーノに、エリザベータは笑みを溢した。
「まさか、私が…滅びるなんてね」
フェリシアーノは、周りを見渡した。刃物で血を流すために。
しかし、エリザベータが血を損なうことが無いように、と徹底された部屋には鋏どころか針も無かった。
消えていく、エリザベータにフェリシアーノは涙を流した。
「俺、俺っ…エリザベータさんのこと…!」
続きを言わせぬように、エリザベータはフェリシアーノの唇を塞いだ。
消えて無くなる、最期まで。
がらんどうの城には、フェリシアーノの嘆きが響いた。


Page:1 2 3



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。