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- 惚れ薬で友牙がランマに惚れちゃったお話
- 日時: 2018/12/19 20:44
- 名前: again(train) (ID: /ReVjAdg)
唐突に思いついたので、もう一つの
友ラン話と同時進行でいこうかなと。
語彙力消失してます。
共同作業。
again:
againです。
この間登校途中に、十字路で
食パンくわえて全力疾走してた
美少女高校生と衝突しました。
train:↑ウソつけ
trainです。
なんか今めっちゃ納豆食べたい。
ネギかけるとさらに美味しい。
※注意
・神バディファイト友ラン
カップリング
・語彙力ないです
・自己満・ω・
・イタい
・展開がちょっと「あれ?」
って感じかもしれない
・妄想炸裂
(「友牙くんがランマくんに
こういう事したり言ったりして
あげればランマくんは寂しい思
いしなかったのかな」を前提に
制作してるので内容ぐだぐだに
なってる可能性がある)
・キャラ崩れがヒドい
(・エマがエマじゃなくなってる
・友牙くん、ごめんよ…
・ランマくんが若干ツンデレと
化している(かもしれない))
・バカップルっぽい雰囲気出そうと
して失敗してる
・原作アニメ見てないと多少分かり
づらい内容になってるかもしれ
ない
・時間軸としてはアニメ#10
辺りがかぶってるんだと思う
→アニメ通りじゃない
・あっ、忘れてた
文章力もない
・ちょっと待った、
表現力もない
・もはやゴメン
↓読まなくていいです長いから
a「注意事項増えたね」
t「増えたね」
a「その割にはすんごく楽しんで
創ってるよねコレ」
t「ニマニマしながら「こんな風に
友牙くんがランマくんに
イチャついてくれたらな」
とか考えてるもんね」
a「「カップルしてんなー♪」
ってラブラブな友牙くんと
ランマくんを見てその可愛さに
悶え苦しみたい」
t「天使だもんなコイツら」
a「天使な上に女神だもんな」
t「友牙くんとランマくんの
"らんらんがうー"と
"チェックディスワン!"で
萌え死ねる」
a「友牙くんの"winner、オレッ!"と
ランマくんのやえ歯で吐血出来る」
t「友牙くんとランマくんの
水着姿で半分死にかけた(^q^ )/」
a「お風呂回ありがとうございました」
t「(*´∀`*)」
a「ありがたい…」
t「ありがたいなぁ…」
(拝んでる)
a「最後に何かあるかい?」
t「そーだなァ…
友牙くんがカワイイとか
ランマくんカワイイとか
二人の存在が楽園と書いて
オアシスと読むとか
色々あっけどとりあえず…」
a「とりあえず?」
t「原作者さんに謝罪したい」
a「………………あぁ…」
t「………………………………………」
a「妄想とかキャラ崩れヒドい
からな…」
- Re: 惚れ薬で友牙がランマに惚れちゃったお話 ( No.2 )
- 日時: 2018/12/19 20:56
- 名前: again(train) (ID: /ReVjAdg)
(ん___________…………)
HR終了後、おれと友牙は割り当てられた
場所____廊下の掃除をしていた。
正直、掃除なんてもんはとにかくめんど
くさい。
週に一回でいーだろ別に
などというのが一般的な意見だとおれは
思っている。
たいして言う程汚れてもないし。
「あー、かったるいぜぃ」
「そう言うなって」
ハハ、っと笑った友牙の顔を見て、はた
と気がついた。
顔がほんのり赤い。
目も少しトロンとしていて、口調も何だか
いつもよりおっとりというか、ゆっくりと
いうか。
「大丈夫か?!友牙!!
熱でもあるんじゃ…」
「へ?」
慌てて友牙の額に手を当てる。
高熱と言う程ではないものの、やっぱり
いつもより体温が高い。
ついさっきまで何ともなかったのに。
「…今日は帰ろーぜ、友牙」
「えー…でも明日の試合についてスバル
達と話しようって約束」
「あのなぁ、熱あったら試合もクソも
ないだろ
とにかく、すぐに家帰っ…」
その時。
「…ランマ」
ふいに名前を呼ばれて、頬に手を添えら
れる。
驚いて、友牙を見た。
おれに向けられた瞳はどこか夢見心地
で、ふわふわしていて、……
そんな目で見つめられると、
何だかヘンな気分になってくる。
「ど、どうしたよ、友牙…」
尋ねると、友牙はふにゃりと口角を上げ
て、幸せそうに目を細めた。
(…?)
微かに、甘いニオイが鼻孔をくすぐる。
「…あれ……ランマって…
こんなに可愛かったっけ」
思考が止まりかけた。
……ちょっとマテ。
今「可愛い」っつった?!
「なっ何言ってんだよ///?!」
思わず率直なツッコミを入れてしまう。
いきなりなに言ってんだこいつは。
しかも男に対して「可愛い」とはなんだ
「可愛い」とは。
これはとうとう本気でヤバイぞ。
頭がイカれるくらい熱があるらしい。
「帰るぞ絶対。そして寝ろ」
そう言った直後、友牙の体が少しだけ
傾いた。
ぐらり、窓の縁に手をかけて立つよう
な姿勢になる。
「友牙?!」
肩をつかみ、友牙を支えてやる。
「…ん」
額に手を当て、しばらく下を向いていた
友牙だったが、やがてゆっくりと顔を上
げた。
きょとんとした表情でおれを見ている。
その頬に赤みはない。
「?どーしたんだ?ランマ」
…。
………?
声の調子もいつも通りに戻っている…。
「ちょっと友牙」
「ん?…っわ」
こつん。
今度は、額を合わせてみる。
高めだった体温も、いつの間にか正常
になっていた。
おかしい。
熱が一瞬にして治るなんて聞いた事も
ない。
まさかおれの見間違いとか勘違いとか?
(いやいや、そんなまさか)
…はたまた新種の未知の病気?!
「ゆっ、友牙!友牙!
どっか苦しくないか?!
変な感じとかしてないか?!」
もしそうなら帰って寝るどころじゃない。
友牙ママにも言って、病院に行ってもら
わないと。
心配になってマシンガンの如く口を開く
おれに対し、友牙は何でもなさそうに
「大丈夫だって」と返す。
「ほら、さっさと掃除終わらして「みこの」
に向かおうぜ」
なんて。
人が心配してるのに、
そんなにスバル達との
おしゃべりが大事なのかよ。
…………。
そう思うと、なんだかすこし寂しく感じて
しまう。
今は友牙の体を一番に心配しなきゃいけな
いのに、胸の奥に小さな黒いもやがちらつく。
おれってどんだけ自己中なんだろう。
そんな事を考えながら、手にした箒を
握り締めていた。
ー『みこの』ー
「よっ、スバル、マサト!」
「やぁ、友牙」
「よぉ」
おれらがつく頃にはもう、スバルもマサト
も座っていた。
隣にはもちろんの事ながら、それぞれの
バディがいる。
カウンターでは、ミコちゃんとアマテラスが
布巾片手に食器を拭いていた。
「あれ?」
よく見ると、スバルの横にメルとエマもいる。
メルはスバルに夢中で、こちらには気付いて
いない様子だ。
一方エマは_______…
「がっぴょん(;´Д`)」
おれ達(特に友牙)の姿をみとめると、声を
上げてフリーズしてしまった。
「がっぴょん」ってなんだ「がっぴょん」て。
「あっ」
ようやくおれ達の存在に気付いたらしいメルがこっちに顔を向ける。
「お二人とも、ごきげんようですの♪」
とにかくまずそっちのマッシロになってる
エマを先にどーにかすべきだと思う。
「大丈夫だよきっとうん最悪な事態にはならない!
…………ハズ」
ブツブツと何やら呟いているエマ。
「最悪な事態」ってなんだ??
とか考えながら、おれと友牙、ガルガも席に着く。
今日はエマがとてつもなく変。
「でさ、」
席に着くなり、スバルやマサトとさっそく話
始める友牙。
おれはぼんやりとその横顔を眺める。
バディファイトを始めてからというもの、
友牙の周りにはたくさんの友達が集まってきた。
スバルとかマサトとかミコちゃんとか。
別にそれは悪い事じゃない。むしろ良い事だ。
良い事なのに…。
もう友牙は、「おれだけの友牙」じゃないんだって、ついそんな事を考えてしまう。
おれじゃなくても、
おれがいなくても友牙はきっと、"皆"に
囲まれて楽しく暮らしていけるんだろーな。
おれなんかいなくたって……。
'チリッ'
(…胸、痛いなぁ)
だから、こういうのって正直居辛い。
なんでおれ、ついて来ちゃったんだろ。
「用事忘れてた」って言って、帰っても
良かったのに。
(…どうしよ)
もういっそそうしようかな。
「ねぇ、ちょっと」
そんな事を考えていると、エマが口元に手を
当ててヒソヒソ声で話しかけてきた。
どこか深刻そうな面持ちで、
「ここに来るまでの間に、友牙に何か
`おかしなコト` おこらなかった?
変化っていうか、異常っていうか…」
「`おかしなコト`?」
思わず聞き返してしまう。
友牙に特に変わった所なんて…
「あっ、そうだ」
とそこで、先程の出来事を思い出す。
掃除の時間、いきなり現れて消えた熱。
あんな変わった現象こそ、まさしく
`おかしなコト`じゃないだろうか。
「他に何か、ある?」
「あと、甘いニオイがしたような…ってエマ?」
いよいよ何とも形容しがたい表情をしてきたエマ。
人(人じゃないけど)の顔ってこんなに青くなる
もんなんだなと素直な感想を持つ。
エマはそれどころじゃなさそうだが。
「…大っっ変申し訳ございませんでした」
「え?何が?」
聞き返してみるも、エマは頭を抱えてテー
ブルにつっぷしてしまう。
この世の終わりだとでも言わんばかりの負の
オーラが出まくっている。
一体何があったというのだろう。
どうやら友牙に関わる事みたいだけど…。
「…」
視線を友牙に移す。
相も変わらず楽しそうに喋っている。
おれは友牙の笑ってる顔は好きだ。
ぽかぽかして、あったかくて、まるで陽だまりみたいで。
でも、
今は痛みしか感じない。
胸の奥に、鈍痛。
別に異変なんてないじゃん。
いつも通り元気だし。
友牙は「いつも通り」だ。
「いつも通り笑ってる」だけだ。
(……)
やっぱ、帰ろ。
そう、椅子に手をかけた瞬間、友牙がふっと
こっちを向いた。
「なぁっ!らん…ま…」
自然な感じで話を振ってきた友牙。
しかしおれの名前を呼び終えると同時に、
そのまま動かなくなる。
目線をおれに向けたまま、友牙は無言になる。
一向に動こうとしない。
「…な、何だよ?友牙…」
ありゃ?デジャヴ??
さっきも同じ事あったようななかったような。
別に、いつもの友牙だ。
頬が赤いとか、目元がおかしいとかそんなんはない。
ないけど、こっちをじーっと見つめてくる。
どうしよう、気恥ずかしい。
なんでか知らないけど、友牙に見つめられると…
……ドキドキする。
「?どうしたのだ、友牙」
ガルガが、無言で固まったままの友牙に対して疑問の声を投げかける。
スバルもマサトも怪訝そうに友牙を見ていた。
当の本人はというと、エマよりも長めのフリ
ーズをした後、パッと笑顔になった。
"楽しい"笑顔、じゃなく、
"嬉しい"笑顔。
そして、
「ランマぁーっ!!」
〈ぎゅむっ〉
抱きつかれた。
「お、おい!いきなり何だよ、友牙!!
離、せって!おい!」
慌てて抱きついてきた友牙をはがそうとするも、強く抱き締められていて、離そうにも離せない。
一同唖然。
そりゃそうだ。
何の前置きもなしに(あってもだけど)男が男に
抱きつくなどものすごくリアクションに困る。
(つーか、これって…!)
ついでに、おれの心臓が大変な事になってる。
最近は友牙に触れるだけでもなんか、その、
たまにヘンなカンジになるっていうのに、真
正面から抱きつかれてるこの状態って…
さすがに色々とまずい。
「ランマ!ランマ!」
おれの心情なんぞ知るわけもない友牙が、
嬉々とした声でおれの名前を連呼する。
「ななななな、なんだよっ?!?!」
ぱっと少しだけ離れて、でも腕は背中に
回したままで
満面の笑みで、こう言った。
「ランマ!好きだ!」
そして次の瞬間。
ありえない行動をとった。
常識はずれもいいところ。
あろうことか、皆がいる目の前で。
自らの唇を、重ねてきた。
平たく言えば
「んーーーーーーーーーーーーッッ!!」
キスをした。
「「「え、えええええええええええええ?!」」」
「…おっ、おいコレは…っ
どういうことだ…?」←スバル
「わ、わたしに聞かれましても…」←クロス
「友人、同士でもキスはするものなんだな…」←マサト
「自分は違うと思うであります…(-_-;)」
←アギト
「ゆーくんんん?!何してるのおおっ?!Σ(・∀・;)」←ミコ
「…………(がっちゃーん)」←アマテラス
↑これで41枚目のお皿が犠牲になった
「はわわわわわっ///?!?!(*´艸`*)」
←メル
「何しとるのだーーーーーーーっっ?!
友牙あああああああああああっ?!?!」
←ガルガ
「え?なにって……"しんあいのあかし"の、
ちゅーだけど?」←友牙
唖然を通り越して騒然としだすガルガ達。
さらっととんでもない事言った(した)友牙。
それと、
「あーっ、ごめんなさあああい(`;ω;´)」
半分涙目で絶叫するがごとく謝罪の言葉を
述べるエマ。
"ふわり"
友牙から甘いニオイがする。
未だ友牙の腕の中、きっとおれはもう
耳まで真っ赤。
- Re: 惚れ薬で友牙がランマに惚れちゃったお話 ( No.3 )
- 日時: 2018/11/11 19:49
- 名前: again(train) (ID: V7PQ7NeQ)
「____で、これは一体
どういう事ですの…?エマ…?」
「うわああーん
ごめんなさいいい…(ノД`)シクシク」
「…とにかく、説明してほしいぜぃ…
何で友牙が、えーと、…こんな事に
なってるんだぜぃ?」
「ランマぁー」(←むぎゅっ)
椅子に座っているおれに、友牙が後ろ
からハグしてくる。
明らかに異常と言ってもいい程のこの
状況。
しきりに友牙の様子を気にしていたエ
マは、何か知っているようだ。
というよりなにやらコイツが元凶っぽい。
謝ってるあたり、もはや自白している
も同然である。
「実は…………」
〈しばらくお待ち下さい〉
……。
「「はあああ?!"惚れ薬いぃいぃ"?!」」
話を聞き終えた一同(友牙除く)が、見事
きれいに大合唱。ここまでピッタリ揃っ
ているとなんだか清々しい。
「つまり、」
話をまとめるとこう。
①エマが薬を運んでた
②スピード出しすぎてズッコケて
中身がぱーっと散らばっちゃって
③偶然にもそこにおれと友牙がいて
④運悪く薬が友牙の口にダイビング
⑤で、そのまま飲み込んだ友牙が、
⑥おれに惚れ……ちゃったと
どうやらこういう事らしい。
薬の内容をまとめよう。
・見た目は、直径1cmくらいの、
(わりと毒々しい)赤い色をし
た飴玉のような形。
・微かに甘いニオイがする。
服用すると、その成分によって
身体からそれと同じニオイがす
るんだとか。
(現に友牙から甘いニオイが…)
薬の効果がきれるとニオイはな
くなるが、自然にきれる事はまず
ない。
・効果は、服用してから約40分後。
視界に最初に入った人物に惚れる。
(さっき友牙がおれに振り向いた
時点で丁度40分が経過したって
事らしい)
・副作用として、熱のような症状
(頬に赤みが出る、体温が上昇
などなど)があらわれる。
…ざっとこんなもんか。
「それにしても惚れ薬なんて、
一体誰に使おうとしていたんだ?」
半ば呆れ顔なスバルが、独り言のよう
にエマに問う。
エマの体がびくりと震えた。
「あたしはただ、メルのために…」
「私のため…?」
"かしゃっ!"
どこからともなく見えないスポット
ライトが。
何気にシリアスっぽい雰囲気。
あれだけ必死にスバルを探してたんだ。
大方メルとスバルをくっつけよう作戦
なんてのを考えついて勝手に暴走し勝
手に自滅したんだろう。
そこらへんは何となく想像出来る。
「メルを見てて、思ったんだ
メルが好きな人とずっと一緒にいら
れたらそれはきっと、メルにとって
の一番の幸せなんじゃないかなって
……!」
「エマ………!!」
「ごめん、ごめんねぇ、メルぅ…」
「…確かに、おクスリを使って人の心
を手に入れるという発想は良くない
事ですの…(´・ω・`)
でも、エマが一生懸命私を思ってく
れた事は、とってもとっても嬉しい
事ですの…!ありがとう、エマ…!!」
「ふえぇん」
何か犯人の告白→
からの感動的エンドよろしくなドラマ
っぽくなってる。
まぁ悪気があったわけではないんだし、
相棒に対する気遣いっていうか、こう
、なんていうのかな、「幸せになって
もらいたい!」っていう気持ちは分か
らなくない。
しょうがないと言えばしょうがない事
なのかも。だからって、友牙をどーに
かしてもらわないわけにはいかない。
友牙の本心でないのだから、友牙だっ
てきっと困ってるだろう。
完全に二人の世界に入っているエマの
肩を叩いて、現実に引き戻す。
「あー…えっと、どうすりゃこの薬の
作用はきれるんだ?」
「…薬を使用してから、一週間後。
七日目の午前12時に」
「うんうん」
「キスすること」
「………………………………………」
「そうすれば、効果がきれる」
「な、なるほどな…」
ずいぶんとメルヘンな設定だな
その薬。
でも、おれは薬より、ある単語に
ピクリと反応してしまった。
エマが真顔で言った言葉、"キス"。
平静を保つよう努めながらも、心
臓の音が周囲に聞こえやしないか
心配で仕方なかった。
だ、だって、だってさ!!
おれ、友牙と、しちゃったってことだ
ろ。さっき。恐らく"ファーストキス"
と形容されるであろうキス、を、友牙
に、されちった、ってわけで……
(わーッ!!わーーッ///?!)
落ちつけ、落ちつくんだ加古川ランマ!
いいか、友牙は親友だ!!
それ以上でも以下でもない!!!
(そうだぜぃ、友牙は親友!!
友達!友人!第一、オトコ!!
親友親友親友親友親…)
'チクッ'
(………………………………………?)
あれ。
何だこれ。
胸のあたりが変だ。
変っていうか、何ていうか。
ちょっぴりだけ、
ほんのちょっとだけ…
………………"痛い"?
「…大丈夫?」
「へっ?!あっ?あぁ、
ぜんっぜんへーきだぜぃ!!
こうなっちまったらしょうがねーよ
友牙の事は任しとけって・ω・」
エマに顔を覗きこまれて、思わずドキッ
とするおれ。考えてた事全部漏洩したら
、バレでもしたら、困る。すっごく。
それに、この正体不明の痛みも、なぜか
気づかれちゃいけないような気がして
「あは、あははは…」
乾いた笑いしか返せなかった。
「…このままで、明日の試合は、
いや、試合だけではないな
色々と、その…大丈夫なのか?」
マサトがものすごく不安そうな目で
友牙を見る。
おれに抱きついたままニコニコして
いる。今の友牙にあだ名をつけると
したら「遊びの神」じゃなくて
「The・KY」。
「勉強の神」ことスバルは、さっき
のエマと負けじ劣らじなくらいの複
雑な表情をしている。
ガルガはというと、
「いくら薬のせいとはいえ、今の友
牙はあまりにも腑抜けの腑抜け、
いや、腑抜け以下だ!」
ずっとこんな調子で一人憤慨してい
る。腑抜け扱いされてる友牙があま
りにも哀れ。
アマテラスはオロオロしっぱなしだ
し、ミコちゃんはどこか羨ましげに
こっちに視線を送ってきている。
メルはメルでそわそわしてるし。
(これから一週間、ずっとこんなん
なのか…?)
一週間は七日間。
短いようでわりと長い。
学校とか、明日の試合とか、RanGa
ちゃんねるとかどーするよどーなる
よ。
それに、おれの心臓が保つかどうか
も分からない。
抱きつかれてる今この瞬間だって、
服越しに友牙の熱が伝わってきて…。
「……っ」
なんかヤバいくらいドキドキしてる。
相手は友牙だぞ?
なのになんでこんな。
「___ランマ、顔赤くない?」
「えっ?!」
涙目で落ち込んでいたエマが、不思議
そうにおれを見る。さっきまでの反省
顔はどこへやら、しばらく見つめると
、途端にニヤリと口元を歪ませた。
まるで「面白いものをみつけた!」と
でも言いたそうなカオだ。
「…そーだそーだ、一つ薬の事で言い
忘れてたんだけど」
皆の視線がエマに集まる。
表情を真顔に戻したエマが、一呼吸置
いて続けた。
「あのね、薬がきいてる間は、絶っ対
にしなくちゃいけない事があって
_______」
* * *
- Re: 惚れ薬で友牙がランマに惚れちゃったお話 ( No.4 )
- 日時: 2018/11/11 22:15
- 名前: again(train) (ID: V7PQ7NeQ)
* * *
夕暮れの中、おれと友牙はいつも
のように肩を並べて歩いていた。
いつも見ている、普段の帰り道。
ただいつも通りじゃないのは、繋
がれた友牙の右手とおれの左手。
アスファルトの上には二つの影が
あって、のびた手と手が重なり合
って見える。
これはもちろん友牙からの要望で
、「手、つないで帰ろうぜ」とお
れが返事をする前に勝手に手をに
ぎられて、そのままの状態だ。
(※ちなみにガルガは
「付き合っとれんわ
先に帰っていろ」
との事で、まだミコちゃん達の
所にいる。)
正直言って恥ずかしい。
とてつもなく。
繋がれた右手と左手。
しかもただ繋いでるだけじゃない。
互いの指と指をからませて、手の
平同士がくっついている、いわゆる
"恋人つなぎ"ってヤツ。
昔よく手を繋いでいた頃もあったけ
ど、こんな繋ぎ方をした事なんて一
度もなかった。
今友牙に向けられている感情は「友
情以上」のものなのだから、当然と
言えば当然かもしれないけど……。
(でも、やっぱハズい…)
薬のせいとはいえ、この手の繋ぎ方
の意味があの頃とは違うという事を
考えると、やっぱりドキドキしてし
まう。
それに、恥ずかしいのに、「この手
を離したくない」と思っている自分
がいる。
恥ずかしいけど、嫌じゃなくて、
むしろ嬉しいくらいで_______
(嬉しい…って何だよ?!
何考えてんだおれ?!?!)
あぁほらもう。
頭ン中ぐっちゃぐちゃ。
これもそれも全部エマのせいだ。
エマの…
「………」
ふと視線を感じて、横を向いた。
こっちを見ていたらしい友牙と
目が合う。
「な、なに?」
「いや、ランマカワイイなぁーって」
「かわっ…?!」
はいきましたー。
本日二度目の「カワイイ」きましたー。
友牙がおれを殺しにかかってきてる。
本当に顔から火がでそう。
物理的に。
「ランマが好きだーっ♪
好きだーーッ♪
大っ大っ大っっ好きだあーーっ♪」
「うわああああっ?!何言ってんだ
バカ友牙あああああああっっ///?!」
なんでそういう事大声でいうかなっ(*μ_μ)
「なんでって…好きだからだろ」
「ーーーーっっ///」
真顔で言うのも反則だっつの!!!
「ってかさっきっからランマすっげー
真っ赤」
「それは友牙が変な事言うからだろっ?!」
「照れてんのか」
「はぁっ///?!」
「カワイイなぁーランマは(´∀`*)」
「こぉんの……」
「大好きだぜ」
「っ///!!」
大声で、おれを「好きだ」と連呼する
友牙。
真っ赤になって止めようとするおれ。
なんだろう、今、なんかすごく_______
そんなこんなで騒いでいると、いつの
間にか家が近づいてきていた。
友牙の家が見える。
楽しい時間とか幸せな時間っていうの
は、あっという間だ。
………つまんない時間と違って。
「じゃっ、おれはこの辺で…」
手を離そうかと力を緩めた瞬間、
ギュッと強くにぎられた。
驚いて友牙を見ると、友牙がニッと
笑った。
「ランマんちまで、オレも一緒に行く
ぜ!」
一分一秒でもそばにいたいから。
そんなクサいセリフを言って、さらに
強く手をにぎられる。
「い、痛いぜぃ、友牙…」
「あ、わり」
少しだけ力を弱める友牙。
それでもしっかりと繋がれた手は、
おれに安心を与えてくれた。
心の奥底にたまっていた黒いもや
が、ゆっくりゆっくり消えていく
のを感じる。
友牙に求められてるって、
ただそれだけで何でこんなにも嬉
しいんだろう。
「ランマ」
結局、家の真ん前まで、付いてき
てくれた。玄関の扉の前で友牙に
名前を呼ばれて振り返る。
「明日の試合、絶っ対勝つから。
見ててくれよな、ランマ」
なんて。
いっつも見てるじゃんか。
おれが笑いながら言うと、友牙も
笑って、「そうだな」って返して
くる。
"ふわり"
甘いニオイ。
そして、
「ランマ」
「なんだよ…………………んっ」
不意打ちでキスされた。
「…………ッ!!」
「じゃーな、大好きだぜ」
キスされて、抱き締められて、
離す瞬間、また手を強くにぎられた。
痛いくらいに。
だけどその痛みがやっぱり嬉しく
て、顔が綻んでしまうのが分かった。
理由なんか知らないし、
分からない。
分からないけど、何だか幸せな気持
ちでいっぱいで。
「……」
指先で唇をなぞる。
柔らかに触れた二度目のキス。
「ゆぅ、が」
どうしよう。
もうずっとドキドキしっぱなしだ。
走っていく友牙の背中を見つめな
がらおれは、エマが最後に言って
いた「とある条件」とやらを思い
だしていた。
* * *
- Re: 惚れ薬で友牙がランマに惚れちゃったお話 ( No.5 )
- 日時: 2018/11/20 22:59
- 名前: again(train) (ID: 7qD3vIK8)
* * *
数十分前のこと。
時間は、おれと友牙が帰る前に遡る。
「あのね、薬が効いている間は、絶っ対
に"しなくちゃいけない事"があって…」
この続き。
皆の視線がエマに集まる。
表情を真顔に戻したエマが、一呼吸置い
て続けた。
「ランマクン!」
「ハっ、ハイ」
「一日に2回以上キスしてあげて。
友牙に。」
「……ハイ?」
…………。
ハァアァァアァアァアァアァアァッ?!?!
二回目の絶叫(?)悲鳴(?)が「みこの」に
響き渡る。
ウソだろオイ今何っつた?!
ただでさえ薬の解除法が「深夜十二時にキ
ス」ってふざけた話だってのに、その上毎
日しろと?
てゆーかアマテラス猫になって閉じ籠っち
ゃったよ!!
ミコちゃんがめっちゃお皿握り締めて震え
てるよ!!
メルなんか失神してんじゃん!!!
スバルとかクロスなんて「もはやどう反応
すればいいの?」みたいな顔になってるし
!!!
「しなきゃダメな理由はッ?!」
「しないと、薬の効果の解除ができなくな
る!!!!」
「意味わかんねええええええええっっ!!」
「つまり、定期的にキスしてあげないと、
一週間後の午前十二時にキスしても効果
がきれなくなっちゃうよって事だよ!!」
「だから何でだよおおおおおおおっっ?!」
薬の設計狂ってんだろ!
おかしいだろ!!
もはやツッコミどころ満載すぎてどこツッコ
めばいいのかわかんねーわ。
「だって仕方ないじゃん。
あたしは手順どーりにつくっただけなんだ
し??」
開き直るな。
ってかそれをスバルに使おうとしてたのか?
本気で?
失神どころじゃなくなるぞ。メルが。
「それに、友牙とは親友なんでしょ?
男のコ同士なんだし、ノーカンだから大丈
夫でしょ??(ニヤニヤ)」
…………。
あ、分かった。
おれがいちいち顔赤くしてんの見てエマのヤ
ツ、楽しんでやがるな。
コ・ノ・ヤ・ロぉー(#^ω^)
「上等だぜィ、やってやろーじゃねーか!!」
と、タンカ切ったはいいものの…………………………。
+
「ホントおれ、どーすりゃいいんだ…?」
- Re: 惚れ薬で友牙がランマに惚れちゃったお話 ( No.6 )
- 日時: 2019/10/04 22:58
- 名前: again(train) (ID: jtELVqQb)
〈ABCカップ準決勝二回戦!!未門友牙VS星詠スバル!!〉
マイク片手にUFOみたいな乗り物に乗りながら、今日も司会者・奈々七イオンが元気よく叫ぶ。
「おにーちゃぁーん、ガンバレーッ!!」
隣の晴も、周りの声援に負けないくらいの声で応援している。
「オレは友牙を応援するぞ!!」
「俺もだぜ」
マサトとバンジョウの会話が聞こえてくる。メルはしょんぼりとしながら、「ふぇー…」と悲しそうな声を出していた。皆が友牙を応援するから、きっと寂しかったのだろう。エマが苦笑いを浮かべながら、メルの肩を叩いていた。慰めてるのだろう。
「……じゃー、おれは、友牙とスバル!どっちも応援するぜィ!」
「ホントですの…?!」
「ああっ!」
頷けば、メルは嬉しそうに両手を前で組んだ。エマが一瞬驚いたような表情をし、すぐにニヤニヤしだす。……意味が分からないので、スルー。ステージの中央に顔を向ける。
フィールドには友牙とスバルの姿がある。二人とも表情が、始まる試合に向けて引き締まっていた。
一時はどうなることやらと思ったが、とりあえず友牙は大丈夫そうだ。晴にも変な事は言ってなかったみたいだし、安心して観戦していられる。
「ボクは負けないよ、友牙」
「勝つのはオレだ!!」
お互いに宣戦布告。
それを見届けてから、イオンが大きく息を吸った。
〈この二人が戦うのは、今回で二回目ッ!!勉強の神、星詠スバル、遊びの神、未門友牙!!〉
〈果たして、勝つのはどっちだぁっ?!
それではっ!〉
〈バディーーーーッ………〉
「あ、ちょっと待った!!」
イオンの言葉を、友牙が唐突に遮った。スバルが、首を傾げる。
「どうしたんだ…?」
マサトもミコちゃんも怪訝そうな声で呟いた。
何だろう、嫌な予感しかしない。
〈どうしたぁっ?!友牙選手!〉
「悪い、ちょっとマイク貸してくれ」
〈マイク…?〉
言われたとおり素直にマイクを渡すイオン。正面を向いていた友牙が、くるっとおれの方を向いた。
………って、は?
「えっ、えっ?」
〈この試合、オレが勝つ!ランマ、大好きだ!!
愛してるぜーーーーーーーーーっっ!!〉
「うわあああああああああああああっ?!?!」
思わず立ち上がってしまう。
え、何やってんの?!
何してんの?!?!
何言ってんの?!?!?!
大勢のいる中で名指しでそういう事するとかっ、
ありえねーーーーーーーーーーーーーっっ!!
〈おぉっとぉっ?!友牙選手、勝利宣言、からの愛のコクハクかぁーーーーーっ?!?!〉
マイクを返してもらったイオンが、どこか楽しそうに叫ぶ。周りからは、「ヒューヒュー」とか「アツいねーっ」とか、冷やかしとからかいの混じった笑い声が飛んできた。
どうやら皆おふざけかなんかだと思ってくれたらしい。
(っんのバカ友牙あぁあ……っ!)
でもでも、たからって、こんなのって。
席に座ったままうつむいて、手を握りしめる。恥ずかしすぎて、とてもじゃないけど顔をあげられない。
何も知らない晴は、
「ランマ兄ちゃん!!
"あいしてる"だって!!!」
と仕切りにおれの服の裾をつかんで引っ張る。
「"大好き"って返さないの?」
晴、さすがにそれは無理。
事情を知ってるスバルやクロス、ミコちゃん、マサト、メル、エマ、それにガルガは、それぞれのリアクションをとっている。
スバルの引き締まった顔が、一気に不安そうになった。いや、実際に表情がガラッと変わったわけじゃないけど、全身から「コイツ本当に大丈夫なのか…?」オーラが出まくっている。ごめん、やっぱ大丈夫じゃないかもしんない。
一番の元凶のはずのエマが、喜々として友牙を眺めていた。もとはといえばお前のせいだぞ。こんな事になってるの。
〈それでは今度こそ!!
バディーーーファイッ!!!〉
はっとして、急いでカメラを回す。いくら恥ずかしさが抜けないとしても、ちゃんねるはちゃんねるだからな。おろそかには出来ない。
「「オープンザフラッグ」」
「スタードラゴンワールド」
「ドラゴンワールド!」
ついに試合が始まった。
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