BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 花野家の六つ子たち〈おそ松さん〉
- 日時: 2019/09/19 22:28
- 名前: 琥珀 (ID: cqAdOZIU)
こんにちは、琥珀です。GLは初めて投稿します。おそ松さん(全部性転換)なので、もとのおそ松さんのイメージ崩されなくない方は見ないでください。
おそ松さんと性格とかも変えてるので、次の設定を見てください。R-18にならないように、できるだけ頑張ります(>人<;)
- Re: 花野家の六つ子たち〈おそ松さん〉 ( No.5 )
- 日時: 2019/09/19 22:33
- 名前: 琥珀 (ID: cqAdOZIU)
何度もこの想いを消そうとした。でもどうしても消せなかった。このキモチは、消すには大きくなりすぎていた。
だから私は、自分の命と一緒に想いを消すことにした。
私は、池の前にいる。私はもう、こうするしかない。
これまで、私はいろいろ迷惑かけてたし。だから私が消えれば、世界はほんのちょっとだけ、過ごしやすくなるんだろうか。
「ごめん……ありが、と」
そう呟いて池に飛び込もうとした、そのとき。
「待てっ!」
私の腕が、強い力で引っ張られた。
「すみれ…池に飛び込んじゃ、危ないぞ。ほら家に帰ろう。母さんたちもきっと待ってるから」
そう言って、心底安心したようにへにゃりと笑ったのは、
紫陽花だった。
「あじ…さ…」
驚いた。なんで私がここにいることがわかったんだろうか。でも私はすぐ気を取り直して、油断している紫陽花の手から力ずくで逃れると、助ける暇も与えずに池に飛び込んだ。
- Re: 花野家の六つ子たち〈おそ松さん〉 ( No.6 )
- 日時: 2019/09/19 22:34
- 名前: 琥珀 (ID: cqAdOZIU)
どぶん、という音が耳もとできこえる。澄んだ水の中のちいさな泡が浮かんでは消える。
綺麗だ。
この景色を、紫陽花と一緒に見たかった。
ハッと気づく。私、こんなときもアイツのことを考えている。私は紫陽花が本当に好きで、愛していたんだ。
呼吸が苦しい。遠くでもう一度、どぶん、ときこえた気がする。ぱち、泡が弾ける。
私の意識は、そこで途絶えた。
- Re: 花野家の六つ子たち〈おそ松さん〉 ( No.7 )
- 日時: 2019/09/19 22:34
- 名前: 琥珀 (ID: cqAdOZIU)
「……ん…」
目を開けると、そこには5つの顔があった。
皐月姉さん、紫陽花、くらら姉さん、向日葵、桜。
「すみれ、姉さん…めっ、覚ましたよ!」
向日葵がにぱっと笑う。でもその頬は濡れて、目も腫れていた。
「「わあああぁぁ!!!」」
「う、っぐす、うぅ…」
「すみれ…ぇ…よかっ…たぁ…」
皆泣いていた。
「えっと…何があった、の」
私が尋ねると、姉妹たちが一斉にこたえた。
私が池に飛び込んだあと、紫陽花も池に飛び込んで私をさがし、水から引き上げてくれたそうだ。しかし私の意識は戻らず、あれから3日間眠り続けていたという。
- Re: 花野家の六つ子たち〈おそ松さん〉 ( No.8 )
- 日時: 2019/09/19 22:29
- 名前: 琥珀 (ID: cqAdOZIU)
私はただ眠っていただけで、治療はもう終わっていたため即退院となった。
退院してから1週間。私はその日、紫陽花に誘われて2人で出かけることになった。
「すみれ…あの、ききたいんだけど、すみれが自殺未遂をしたのは…そのっ、わ、私のせい…なのか?」
私は、喫茶店でそうきかれた。
紫陽花が言うには、私がいつも紫陽花に強く当たっているから、紫陽花のことが耐えられないくらい嫌になって、自殺しに行ったんじゃないか、とのことだ。
違う。真逆だよ。私は…紫陽花が耐えられないくらい好き。嫌いじゃ、全然ない。なのに…私が捻くれてるせいで。
できないだけ。
優しくすること、素直になること、気持を表現することが、
私にはすごく難しい。
だから伝えられなくて、皆離れていく。
でも。紫陽花に見放されたら、私は…
「そうだよ、その通りだよ。私は、アンタのせいで死にかけたの」
気づいたら言っていた。紫陽花は、ちょっとつらそうに、でも無理に笑顔をつくった。その笑顔は引きつってぎこちなくて、私の好きな笑顔とは程遠い。目もとにじわりとなにかが浮かぶ。
自分勝手かもしれないけど、
私は紫陽花に、笑っていてほしいから。
決断した。
「ちょっと来て。2人だけで話したい」
紫陽花の手を引っ張る。
きっと今、私の顔は少しあかくなっているだろう。
- Re: 花野家の六つ子たち〈おそ松さん〉 ( No.9 )
- 日時: 2019/09/19 22:29
- 名前: 琥珀 (ID: cqAdOZIU)
ここはひと気のない河原。
2人で座って少しする。もう、言ってもいいだろうか。
「…あのさ」
「わっ…すみれ、急に喋るとびっくりするぞ」
「そんなこといいから。それより……私が自殺未遂した動機、知りたくないの?」
紫陽花は、黙ってこくり、と頷く。その姿が可愛い、と感じてしまってほんの少し、苦笑する。
ひとつ、息を吸う。
「私が死のうとしたのは…悩んでたから。私…好きな人がいるんだけど、その人は女だし、家族…だし、諦めなきゃとは思ってたけど、どうしても好きで。こんな悩むくらいなら死のうって。……その、好きな人って、誰だと思う?」
紫陽花は、わからないと首を振った。
「あー、やっぱホンット鈍感…私が好きなのは、…アンタだよ、紫陽花」
私は、紫陽花が何か言う前に、
紫陽花の唇を塞いだ。