BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 男同士がダメなのか【BL/オリジナル】
- 日時: 2019/10/20 23:33
- 名前: 希望 (ID: .Dr7fIW0)
双子の兄弟、優馬と悠斗。
これまで年上の女性を好きになったことしかないけど歳の差に性格がツンデレになってしまった、司。
元気が一番の取り柄、潤。
この4人のバカで不器用な恋愛模様を繰り広げる高校生活を載せたいと思います。
- Re: 男同士がダメなのか【BL/オリジナル】 ( No.3 )
- 日時: 2019/10/21 00:25
- 名前: 希望 (ID: .Dr7fIW0)
それから俺たちは四人でいることが増えた、といっても俺と優馬が1組で悠斗と潤は3組だから四人でいるのは昼食のある昼休憩とか放課後とか、たまに登校中に四人になることはあったというぐらい。
初めは何回か優馬と悠斗を見間違えて、その度に本人達から(特に悠斗から)からかわれて嘲笑われていた。
二ヶ月も経てば多少の見分けはつくようになった。
冬の制服だと優馬はブレザー、悠斗はスクールセーター。
夏の制服だと優馬は規定のシャツ、悠斗はセーターと同じクリーム色のベストをいつも着ていた。
見た目は背丈が同じで、若干悠斗が細いのか少し猫背に丸まってることが多い。優馬はいつも背筋がピンとしていて逞しい印象。
髪型は茶髪のストレートの髪質は同じだが、悠斗は前髪が全て前に降りているのに対して、優馬は真ん中分けで額が見える髪型をしてる。
声はそっくりだからまだ見分けはついてないけど、性格はだいぶ違う。
行動派でコミュニケーション能力が高いイケメンなだけにタラシと思われがちな優男の優馬に対して、インドアで動くことを好まず来るもの拒まず去るもの追わずのフラフラダメ人間の悠斗。
よく俺に突っかかってくるのは悠斗の方で、彼は優馬と比べると少し中身が幼い印象を与えた。
言いたいことは遠慮せずに何でも思った時に口にするのが悠斗だ。
潤に関しては初めの印象と変わらない。
バカで空気が読めなくて、ひたすらに元気な男。目がクリクリ丸くて俺たちを見つければ大声で呼んで両手を振って掛けてくる犬みたいなヤツ。
ただ一つ許せないことは、俺たち三人の身長を軽く越してて頭一つ分ぐらい背が高いこと。
双子は俺より5センチほど低い。
- Re: 男同士がダメなのか【BL/オリジナル】 ( No.4 )
- 日時: 2019/10/21 00:59
- 名前: 希望 (ID: .Dr7fIW0)
「みなさん部活動は決めましたか」
いつものように屋上で輪になって昼食をとっていると悠斗が言った。
「今更何言ってんだ?もう二ヶ月経ってんだし、皆とっくに決まってんだろ」
俺が白米を口に運んで答えると、右手をの拳を丸めてマイクのようにして悠斗は右手を俺の口に寄せて問う。
「では、司くんは何部ですか?」
俺はソレに訝しげな顔をして答える。
「はぁ?・・・弓道部だよ」
「うわ!カッコイイね!つかっち!」
「・・・まあな?」
潤に拍手混じりに褒められて満更でもなくて照れて笑っていれば、それを双子はスルーする。
「悠斗はまだ決まってなかったの?」
「うん、迷ってる」
「お前、人に聞いといてコメントなしかよ!ってか、まだ入ってないって・・・教員から目、付けられんじゃねえか?」
俺達の高校は部活動の数が多い代わりに、全校生徒部活に入らなければいけない義務となっている。入部していないと教師から呼び出しを受けるのだ、それでも入らなければ強制的に推薦をして勧誘がかかった部に入れられる。
それを指摘すれば、悠斗は目の前にA4の紙を突き出してきた。
「だから、今日は僕の部活をみんなで決めませんか?」
紙には警告とも呼べる文の書かれた紙、下部には予想通り担任の押印がされていた。
どうやら指摘を受けたので動き始めたということらしい。
「おお!楽しそうだね!任せろ、悠ちゃんのためなら力を使うぜ!」と拳を天に掲げる潤。
俺は受け取ったA4の紙を悠斗の胸に突き返す。
「冗談じゃねえよ、なんでお前の厄介事、俺らが引き受けなきゃなんねえーんだよ」
「えっ・・・つかっち?手伝ってあげよーよ!悠ちゃんの為じゃん!」
「知るかよ、どうせ問題後回しにして今になって切羽詰まったからって俺らに面倒事押し付けんなよ」
冷たく叱れば空気が鎮まった。
- Re: 男同士がダメなのか【BL/オリジナル】 ( No.5 )
- 日時: 2019/10/21 01:19
- 名前: 希望 (ID: .Dr7fIW0)
言い過ぎたか・・・?
そう思って悠斗を見れば、突き返されたA4の紙をただ両手で持って見つめているだけ。優馬よりも無表情であることが多くて、表情の乏しい悠斗の感情を読み取ることは出来ないで居ると、今まで静かだった優馬が片手を上げた。
「僕は参加するよ」
「えっ?・・・うっわあ!優馬くん、さっすがアニキぃー!」
「優馬、ありがとう」
「いえいえ、大事な弟のためですから」
「え、優馬、まじで?」
形勢逆転と言うように俺の味方がいなくなる。そもそも賛成反対の話か分からなかったし、行きたいなら勝手に行けよと突き放すことは出来るが、俺に味方がいないのは少し、ほんのちょっとだけだが寂しい。
「じゃあ、優馬くんも行くと決まって!三対一ということで、つかっちは強制参加です!」
「わーい」
「わーい」
まるでスポーツ実況のように言う潤に棒読みで両手を同時にバンザーイと上げる無表情の双子。
頭を抱えたくなるが、決まったものはしょうがない。
「はあ・・・だったら、さっさと決めるぞ。悠斗、お前絶対逃げんなよ?」
箸の先で指差して命令するが、潤の「良かったね、悠ちゃん!」と浮かれて励ましにか肩を叩いてる様子にも「決まるといいなあ」と他人事の悠斗の発言にも、俺の話を一切聞かない悠斗にまた殴りたくなったが、優馬の「放課後は僕たちの教室に集まるって形でいい」という声掛けによって鎮まることが出来た。
- Re: 男同士がダメなのか【BL/オリジナル】 ( No.6 )
- 日時: 2019/10/22 19:53
- 名前: 希望 (ID: ai5/g0Y4)
放課後になって二人を教室で待つ。
自分の席で腕組みして廊下の方を見ていると、前の席の優馬が振り返って薄く笑う。
「なんだかんだ言って優しいよね、司は」
「・・・・・・部活が決まらないからって変な部活に入れられて厄介事に巻き込まれんのも嫌だからな」
悠斗の事だから面倒事となると全て俺に回しそうで、それなら早めに面倒事の起こらない部活を決めてあげればいいと思っただけだと話す。
優馬はクスッと笑った。
二人が来て、早速部活動体験入学を始めた。
司「とりあえず、運動部から回ってみるか」
悠斗「外は暑いから嫌」
提案は即答で却下される。「それじゃあ室内の球技な」と言って悠斗の襟首を掴んで引っ張り、半強制的に体育館へ連れて行く。
潤「悠ちゃんのやりたいの、無いの?」
悠斗「うーん、汗かきたくない」
司「お前な・・・スポーツ苦手なのか?だったらそう言えよ、初めから文化系の部活の体験回れただろ」
体育館にて、バレー部バスケ部バドミントン部卓球部。
柔道場にて、柔道部剣道部。
やりたくないじゃ決まらないので、悠斗の実力を知る為にも、練習に参加させた。
部員は練習着で、悠斗は制服なのに、入部するかもしれないと話が出れば快く練習試合に参加しても良いと言ってくれた。
そもそも女子生徒が双子のイケメンさにキャーキャー黄色い声をあげているので俺も強引に悠斗をバレー部のコート内へ突き出した。
司「ほら!ちゃんと参加してろ!邪魔はすんなよ?」
悠斗「えぇー・・・」
潤「悠ちゃーん!がんばれー!」
気だるげに嫌がった悠斗。
審判の笛によって途中だった試合が始まる。相手は勿論男子バレー部なので手加減は無い、というより女子の歓声を浴びていた双子の片割れである悠斗がムカついたのか、サーブで打たれたボールは曲線を描いてコート端に立つ悠斗に向かった。
司「おい悠斗!構えろ!!!」
突っ立ったままの体制だった悠斗に慌てて声をかけると、悠斗はボールが当たる直前に体を少し捻って避けた。
スパーンッ、ポンポンッと跳ねていくボールを皆が見つめる。
スリッパの裏で悠斗の後頭部を叩く。
悠斗「いたっ、なに」
司「なにじゃねえよ、何で避けてんだよドッヂボールじゃねえんだぞ!ちゃんとバレーに参加しろよ!」
悠斗「・・・」
喝を入れて、部員は「フォロー出来なくて悪いな」と平謝りしてまた試合が開始される。
相手からのサーブはまた悠斗に向かっていく。
今度は避けるなよ、と監視役として見ていると、体制を作った悠斗は綺麗にレシーブをしてボールをネット付近にいるセンターに預けた。
なんだ、やれば出来んじゃん。
まるで初心者とは思えない動きに感心した。
周りでも拍手が起きた。次にバスケ部。
バスケ部員「イケメンだからって容赦しないのがウチの部の特徴なんでね?」
悠斗「?」
司「悠斗、あのゴールにボール入れるだけだからな!ボール持って三歩以上は踏み込んだらダメだぞー!」
バスケ部員が悠斗になにか話しかけているようだが俺がそう声を張れば振り向いた無表情の悠斗は首を上下に振って頷いた。
ゆっくりとした動きで筋肉もなさそうな棒立ちの悠斗にハラハラする。
隣にいた優馬が小さく言った。
優馬「心配しなくても大丈夫なんじゃないかな」
司「は?なんでだよ」
優馬「ああ見えて悠斗はー・・・」
ピーッと笛が鳴ってボールを取り合う選手達、棒立ちの悠斗には誰もマークがついていない。チームメイトが悠斗にボールをパスした。それを両手で掴んで俺の方を見る悠斗。
司「行けー!ゴール向かえ!シュートシュートぉ!」
悠斗に指示を出すと、自分のチームのゴールへ体を向ける。その場で両膝を曲げてボールを腹から額の位置に持っていき、膝を伸ばして飛べばボールを高く上に投げた。
なんとも基本のようなシュートの姿勢に綺麗なフォームだと思って目を奪われている瞬間。
スパッと音を立ててボールは赤いリングの間を通り網目から顔を出した。盤にぶつかることもなく綺麗にシュートが決まって、ザワッとする会場。キャーッと騒ぐ女子。
初心者がスリーポイントシュートを決める・・・
口をあんぐり開けて、たまたまかなと思っていると、またボールを受け取った悠斗はゴールへ片手に乗せたボールを振りかぶって投げる。
適当に投げたようにしか見えないのに、そのボールは盤とリングの輪に何度か跳ねて吸い込まれるようにリングの中を潜った。
司「・・・は・・・?」
部員達に凄いと感心されて肘で小突かれて不機嫌そうに頬を膨らませ眉を寄せてる悠斗。
その後も悠斗に渡ったボールは、悠斗が投げればどの位置からでも得点を重ねた。
顎が落ちそうなぐらい口を開けてみていると、優馬が先程の話の続きをした。
優馬「ああ見えて悠斗は、超スポーツ万能だよ」
- Re: 男同士がダメなのか【BL/オリジナル】 ( No.7 )
- 日時: 2019/10/22 21:14
- 名前: 希望 (ID: ai5/g0Y4)
優馬の台詞に思わず顔が引き攣る。
嘘だろ・・・?
部長に握手されていた悠斗の腕を引いて、道場へ向かう。
バドミントンは汗をかくからと嫌がり、卓球は突っ立ったまま腕だけ動かしていた悠斗が卓球部部長の額に球がパコーンッといい音を鳴らして当ててしまったので、そそくさと逃げるように体育館を出た。
司「ってか悠斗、お前スポーツ出来るなら言えよ!どんな部活にも入れんじゃねえか!」
悠斗「遊びならいいけど本気のゲームは楽しくない」
悠斗は頬を膨らませる。そんな悠斗に優馬は白くてフワフワなタオルを鞄から出して渡す。
優馬「悠斗、少し汗かいてるね。はい、タオル」
悠斗「ん、ありがと。僕くさくない?」
優馬「さあ?あんまり臭わないけど?」
潤「悠ちゃんならいっつもいいにおいするよおー!」
悠斗「ちょっと潤、せっかく優馬からタオル借りたのに、くっついたら暑くてまた汗かいちゃうでしょ」
優馬から受け取ったタオルで首元を拭いた悠斗が真顔でニオイを気にするから、誰しもスポーツ後は汗をかくし制服姿で汗をかくのは確かに気分が悪いがそこまで気にすることではない。
そう思っていると潤は悠斗の後ろから腕を首に巻き付け覆いかぶさるように抱きつく。特に抵抗はせずに不服そうな声を上げる悠斗。悠斗の隣を歩く優馬は潤を見上げて「また背が高くなったね」なんて呑気に言う。
おいおい、勘弁してくれよ・・・
最近気づいたことだが、コイツらはスキンシップが多い。特に悠斗と潤は頭がガキ同様の仕組みだから人に触れることに躊躇が無い。流石に異性にはしないらしいが、見てるこっちがハラハラするし恥ずかしくなる。
高校生にもなったのだから少しは人前で触れ合うことは考えてやってほしい。
やっと柔道場について、足早に中に入って教員の会議で顧問がいないことをいいことに部長とだけ話をして、軽く練習ついでに女子にチヤホヤされて調子づいた悠斗を投げ倒してくれと頼んだ。
何も知らない悠斗は潤に「頑張ってね、悠ちゃん!」と気合い入れに肩を後ろから叩かれて、優馬には「怪我しないようにね」と声をかけられて頷いては畳の真ん中に歩いて行く。
流石に大会優勝者レベルを出してくると女子の目が気になるのか同学年の生徒が悠斗の相手となるようだった。同学年といっても柔道部、胸板は厚くてドッシリとした体は簡単には動きそうになかった。
向き合う二人から少し距離をとった位置に他の生徒はそれを見守る。
あまりに体格が違う二人を見て、イタズラにも「投げ倒してくれ」なんて言ってしまったことに後悔した。
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