BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 直球には直球で挑むべし! 【創作BL】
- 日時: 2022/02/07 01:47
- 名前: みっつまめ (ID: CjSVzq4t)
「好き…です」
「おん」
「…つ、付き合ってくれませんか?」
人生の一大イベントである告白を初めてした
「うん…ごめん、むり」
初めて伝えた想いは、ものの数秒でぶった切られる結末となった
―――――――――――――
何でも出来る万能マン後輩の 早坂 蓮高校1年
×
運が最強の気分屋先輩の 寺嶋 菊男高校2年
の物語です。
―――――――――――――
早坂視点固定で物事を進めるつもりです。
よろしければ閲覧どうぞ。
- Re: 直球には直球で挑むべし! 【創作BL】 ( No.5 )
- 日時: 2022/02/17 20:20
- 名前: みっつまめ (ID: 4IM7Z4vJ)
中学3年の秋頃、受験生だった俺は高校をどこにするか悩んでいた。
ウチの中学校は東西南北4つの高校と均等な距離を保った中間距離に位置する学校だったし、北高と南高に関してはスポーツ推薦と大学を目指す頭の良い人が受けることで有名で俺もおのずとそのどちらかの学校に行くんだと思っていた――
中学から家までの帰路で通る商店街は人通りが多く、受験勉強に使っていた脳は疲れていて、下校中によく食べていた弁当屋の牛肉コロッケを思い出した。食欲の秋と言われるぐらいに空腹には何か入れたくて、弁当屋のレジに並ぶ人の後ろに立つ。
『あっれェ~? これはこれは東高の生徒さんじゃねェの?』
「あ゛?」
「おばちゃん牛肉コロッケ二つと肉まん一つ」
チラッと視線をあげると目の前に並んでいた二人組に耳にピアスをした坊主頭の男が絡んできていた。二人組の一人はズボンのポケットに両手を突っ込み坊主頭の男を睨みつける金髪の男、もう一人は坊主頭の男をガン無視して弁当屋のレジに立つ女性に注文している赤茶髪の男。正反対の反応をする二人と厳つい坊主頭の男にレジの女性も怯えながらも注文した赤茶髪の男から料金を受け取りテキパキ仕事をする。
「誰だテメェ」
『おいおい、忘れたとは言わせねェぞ、この間ウチの連中をワケもなくボコったっていう赤髪と金髪はお前らだろォ?』
「ハッ、人違いだろ、仮にオレらにボコられたってんならソイツ連れて来いよ、全く知らねぇ奴こられても思い出せるかっつうの」
『なにィ?』
坊主頭の男を金髪の男は嘲笑う。
制服の色が黒と深緑で違うし、会話の内容からも恐らく坊主頭は西高の生徒で、他の黒服二人は東高の生徒なんだろうと予想できた。初めて見聞きするやりとりに、こんな人通りが多いところで喧嘩などはやめてくれよと焦る。俺は空手とかボクシング経験があるから喧嘩されたら負けることは無いだろうが、スポーツの一環として以外にソレを使ったことは無いから出来れば目の前で喧嘩が起きても部外者として見過ごさせてほしいのだ。こんな不良が集うなんて言われてる西高と東高の生徒と喧嘩をしたなんて学校にバレたら北高と南高の両方から来ている推薦枠は取り消しに決まってる。
そんなハラハラしている俺や周囲の人の雰囲気に気づいたのか気づいていないのか、商品の入った袋を受け取った赤茶髪の男をチラッと見た金髪の男は坊主頭の男に口角を上げて応える。
「なんなら場所変えるか?」
『…フッ、上等だ、お前らのために丁度良い場所とってんだ、着いてきてもらうぜ?』
「そりゃわざわざどーも、ほら行くぞ」
「えっなに?」
黒服の二人より背丈の高い坊主頭の男の後を追う金髪は、袋から取り出したコロッケにかぶりつこうとしていた赤茶髪の男の腕を引いて連れて行った。赤茶髪の男が坊主頭と金髪の話を全く聞いていなかったことがそのとき分かって、東高の二人の生徒はどちらも背が高いわけでも強そうに筋肉が張っているわけでもなさそうだから、なんとなく気になった。
- Re: 直球には直球で挑むべし! 【創作BL】 ( No.6 )
- 日時: 2022/02/22 23:25
- 名前: みっつまめ (ID: zh8UTKy1)
急いで牛肉コロッケを買って三人の後を追った。
途中で見失って辺りを走って見回ったが見つからず、ぬるくなった牛肉コロッケを道の端で食べる。
目の前を通りかかった野良猫に餌代わりに牛肉コロッケの欠片をわけてやっていると、しゃべり声が近づいてきて、次第に大きくなる。
『っか、まぇろー!』
「…んなよ! んでおれがっ」
大きくなった声に、ザッと靴底が何かに擦れる音は俺の一番近くで鳴って、反射的にそこを見た、俺がもたれかかっていたコンクリートの外壁に屈んで乗っている黒服の男。
「あ」
「っえ」
俺の真上とも言える位置から飛び降りてきた男が俺と目が合ったときには遅くて、道路に尻餅をついて傷めた俺に馬乗りになった無傷の男。
「おっと、わりぃ」
『この裏だ!登れ登れぇ!』
痛い、めちゃくちゃ最悪なんだけど、やっぱり後なんかつけるんじゃなかったと思っても仕方なく、外壁裏から聞こえてくる声に俺の上から退いた赤茶髪の男は逃げるために口だけの謝罪をさっと済ませる。
「やっべ、逃げねぇと、そんじゃ、上に乗って悪かったな」
「は? ちょっと!」
「っん?」
俺をその場に置いて逃げようとしてる赤茶髪の男の腕を掴んで留める。反射的にこちらを向いた男に、これは無意識なんだと理解できて怒りが増して何かがブチッと切れる音がした。
「なッ!え、うわあっ!?」
「冗談じゃないですよ!俺だって巻き込まれるのはゴメンなんだよ、ふざけんなぁーー!!!」
気づいたときには赤茶髪の男の腰を肩に担ぎ上げて大声を出しながら全力疾走していた。
暫く走って、頭が冷静になった頃に足を止める。荒くなった息を整えて、肩に担いでいるものに意識がいくと、しまったと思う。
これで次に俺の顔を見た西高の生徒は俺が東高の生徒だと思うはず…いや、西高の生徒は外壁の裏に居たわけだから、俺の姿は見えなかったはず…それなら西高の人にバレることはない。問題は、この東高の人だ…思いっきし文句も言ったし何なら肩に担いで走って連れ回してしまった。中坊が調子に乗るなと殴られるかもしれない。
ソッと赤茶髪の男を地面に降ろして、下を向いたまま後ずさり距離を取る。
「…はぁー、マジびびった、担がれんの初めてだから、すっげー怖かったわ」
「…えっ? ―――ッ」
以外にもすぐに殴ってくるような人ではなく、むしろ普通に会話をする軽さで呟かれて視線をあげると、無表情の奥二重の瞳が俺を見ていた。動く獲物を見ている狩人に匹敵するような、鋭くも冷酷さを感じさせる瞳にゾッとして、恐怖を感じた。
「んー、まぁ助けてくれたお礼もしたいし、飯でもどう?」
「…はい」
軽い口調とは裏腹に冷たい視線と無機質な表情に、いきなり銃口突きつけられてもおかしくないぐらい同じ人間とは思えなくて、目の前の人の考えが読めなくて、誘いを断ったら人に気づかれずに殺されるんじゃないかって怯えて、後を着いていくしか選択肢がなかった。
殴られるどころの話じゃない、殺られる!
着いていった先で殺られるのか?短かったな、俺の命。
そうして着いて行った先はファミレスで、六人テーブルの席に座る三人の元へ案内された。
- Re: 直球には直球で挑むべし! 【創作BL】 ( No.7 )
- 日時: 2022/03/08 20:36
- 名前: みっつまめ (ID: xDap4eTO)
現段階、東高のトップ3であるお三方らしい。
奥の窓側席に座る筋肉質で目つきが鋭い番長の湯島 光太郎さん、その隣の席に座る黒髪オールバックの長身眼鏡の宮本 昭史さん、そして向かい側の窓際席に座ってて先程見かけた金髪の佐藤 順平さん、そして俺をここへ招いた赤茶髪の男、寺嶋 菊男さん。紹介されたからには、俺も名前だけ自己紹介をした。
菊先輩は佐藤先輩の隣に座り、俺は宮本先輩の隣に座るよう促され、大人しく言うとおりにする。
「にしても、イケメンじゃね? どこで拾ったんだよキク」
鳥胸肉の乗ったサラダにドレッシングと七味をかけて食べている佐藤先輩は頬に真新しい切り傷があった、先程商店街で会ったときは無かった傷だから西高の生徒から逃げることに成功したのだろう。俺に興味津々と言った顔でこっちを見ながら菊先輩に問い、菊先輩はメニューを見ながら答える。
「あぁ~西高に追われてるときに色々あって、助けてもらった」
「お前は少女漫画のヒロインか!」
流れるようにツッコミを入れる佐藤先輩。奥に座ってる湯島番長はハンバーグを食べながら会話は聞こえているはずだが何も言わない。隣に座っている宮本先輩が手を伸ばし、菊先輩の見ていたメニューを取り上げる。「あっ、なに」と声を上げる菊先輩に注意しながら、開いたメニューを俺にも見えるようにテーブルに置く。
「早坂にも見せてやれ」
「あぁ悪い、なに食う? 今日は番長の奢りだから何でも頼んで良いぜ?」
「え、おれ奢りなんて言ったか?」
「ここはノリじゃないか? 頼んだぞ、番長」
「あぁ~? 今月金欠なんだぞ?」
俺とメニューを見ている菊先輩は口元に笑みを浮かべていて目も楽しそうにキラキラ光らせている。まるで先程と同じ人とは思えない表情に「この人、こんな顔もするんだ」と少しだけ緊張が和らいだ。だが、依然として本性を偽っている可能性も捨てきれず、いつ攻撃が来ても避けられるように心構えをしておく。
菊先輩の無茶ぶりに驚いた声と不満の声を上げる湯島番長、菊先輩の無茶ぶりに乗る宮本先輩に、いたたまれない気持ちになって「俺はジュースだけでいいです、さっき少し食べたんで」と言って、一刻も早く何かに癒やされる場所に行ける理由を探した。飯なんて食べれば長時間ココにこの人たちと居座ることになる。それはそれで周りから、連んでるなんて思われるのも嫌だった。
そんな俺にホッと息を吐く湯島番長、俺もその安堵に一つ難問をクリアさせた気分でいた。
菊先輩は俺に気にすることなく「ジュースかぁ、ドリンクバーでいっか」と呑気に独り言を呟く。
「失礼します、ご注文のドリアでございまーす」
「あ、俺です」
定員が持ってきたドリアの掛け声に片手をあげる宮本先輩。定員がドリアを置くのを確認しながら、スッと無表情になった菊先輩は「注文いいですか?」と定員へ声をかける。
定員は気にすることなく「どうぞ~」と返事をして、メニューを指さしながら注文する菊先輩の言葉を聞き取っている。俺はその無表情の菊先輩を見つめる。さっきと同じ冷たい視線はメニューを見ている。まだ心臓はザワザワドキドキハラハラしてて、緊張が抜けきらない状態なのに何故か菊先輩の顔から目が離せない。
さっきと同じ、何を考えているのか読めない表情に恐怖を感じるのに、それよりもメニューを見ていたときの嬉しそうに綻ぶ笑顔が脳裏に浮かんで、この人は今なにを考えているんだろうとか、普段どんなことを感じているんだろうとか、もう一度あの笑顔を見てみたいなとか、そんなことを思った。
- Re: 直球には直球で挑むべし! 【創作BL】 ( No.8 )
- 日時: 2022/03/10 20:52
- 名前: みっつまめ (ID: as61U3WB)
それから、あっという間に二時間ぐらい、ファミレスで俺は彼らと過ごし「そろそろ帰ろうぜ」と言う佐藤先輩に「早坂はまだ中学生だからな、早めに帰れよ」と声をかけてくる湯島番長。俺は帰ろうと席を立つが、ふと目の前に座っていた菊先輩が居ないことに気づく。帰ると言ってもココへ呼んでくれたのは菊先輩で、一言でも声をかけてから帰った方が良いだろうと考えていると宮本先輩、佐藤先輩、湯島番長が続けて言う。
「キクならトイレだ、お前を先に帰らせることは後で伝えておくから心配ないぞ」
「キクのことだし、早坂が先に帰っても怒らねぇーから心配いらねぇーぞぉー」
「なんだ? そんなにキクのことが怖いのか?」
俺は一度も菊先輩が怖いと、この人たちに口を滑らしていなかった。大体、ココで一緒に会話して今では最初にあった頃より恐怖を感じることはほとんど無くなっているというのに、なぜ彼らに気づかれたのか。先輩を怖いと思った俺の気持ちは誰にも悟られたくない。だから反論した。
「違いますよ、誰があの人のこと怖いなんて言いました? ただ一言声をかけてから帰ろうかなと」
「なあ早坂」
「…なんです?」
俺の言葉に被るように声をかけてきた宮本先輩は、少しだけ真剣な声音をしてて、俺も少しだけ身構える。
「今日は楽しかったか?」
「…ええ、まあ、楽しかった…ですけど?」
「そうか。ところで今こんな話をするのもなんだが、高校はどこにするか決めているのか?」
「えっ…?」
俺は今日ここで過ごした二時間余りが楽しすぎたみたいで、自分が受験生であり東高と西高のやりとりに興味が湧いて後を追ったら巻き込まれてしまっていた、ということをすっかり忘れていた。
初めは、東高と西高は不良が多いし柄も悪い、暴力沙汰に巻き込まれるのは世間体的にも良くないと、絡むことを拒んで周りからの視線を気にして、北高と南高のどちらかに行こうってことしか考えてなかった。
けど、関わってみて分かることは、東高の人たちは不良っぽいし柄も悪い、でもすぐに暴力を振ってくるワケでもなければ快く歓迎までしてくれた。それが、たまたま俺なだけかもしれないけど、それでも悪い人たちじゃ無いって関わってみて知った。
西高に関してはまだ分からないけど、少なくとも俺は高校の選択肢に東高が加わっているのは確かで、なにより…
「なあなあ!さっきトイレに傘忘れてた人に声かけたら、お礼にってココのドリンクバー無料チケットもらった!!ラッキーじゃね?」
ニシシッと歯を見せて満面の笑みを浮かべ、小さな紙を顔の近くでヒラヒラ揺らす菊先輩。トイレの方向から歩み寄ってくる。
そう、なにより、この笑顔を見ていられたら、どんなに幸せか、この人と居たらどんな楽しいことがあるか。俺は今それが気になって他に手をつけようが無い。
「よかったですね、先輩」
「ん?…お前にはやらねぇぞ、俺たちで使うんだから」
「ふふっ、取ろうとしてないですよ」
小さな紙切れを大事そうに両手で包んで胸に近づけ俺から見せないようにする、そんな行動を取る先輩は俺を怪しみ探るような目をしてる。それが滑稽で愛らしくて思わず笑う。
「あーあ、なにイチャついてんだよ、見てらんねぇ」
「一人一枚につき、二名様分まで使えるってさ!五人いるから、全員分のドリンクバー無料チケットだぜ!」
後頭部をガシガシと乱暴に掻く佐藤先輩に、ドリンクバー無料チケットの使用方法を読んだ菊先輩は「しかも有効期限今日まで」と付け加え、レジで会計をする役割の湯島番長にチケットを渡す。
そんな様子を見て俺は宮本先輩の問いに答える。
「高校、どこに行くか、俺はもう決めましたよ」
口角を上げて口元には笑みを作りつつも真剣な眼差しで宮本先輩に告げれば、それを見た宮本先輩は硬い表情を少しだけ和らげ「そうか」とだけ応えた。
それから、帰るために先輩に挨拶をした。
「菊先輩、俺そろそろ帰りますね」
「あ、もうそんな時間? うわ、外真っ暗じゃん。おう、それじゃ気をつけて帰れよ」
「はい。…先輩、待っててくださいね」
「んあ?どこで?なにを?」
話は終わったと思っていたのか間抜けな顔で聞いてくる先輩にまた笑みがこぼれる。
「ふふっ、高校ですよ、俺絶対行きますから」
それだけ言って、俺はファミレスを出た。
- Re: 直球には直球で挑むべし! 【創作BL】 ( No.9 )
- 日時: 2023/08/27 04:54
- 名前: みっつまめ (ID: 4Sz5tcpQ)
あのときから先輩には興味があったし、こんな天然で純粋で変わってるけど真っ直ぐな先輩をそばで見守りたいと思ったのだ
それなのに最近は先輩をそんな目で見れなくなって、先輩がプランクフルトを口に入れている所を目撃した時に、ムラっときて、自分の感情に疑問を抱いた
いつも抜く時見ていたグラビアでは満足できず、試しにと先輩の写真(罰ゲームでデコピンされて涙目になって悔しげな表情の写真)を見てやってしまったのが失敗だった
それからというもの、夢で先輩にあんな事やこんな事をしては、踏み込んではいけない線を越える罪悪感の裏でどこか優越感に浸っていた
それを友人に相談した(もちろん先輩の名前は伏せている)
友人からの返答は
「それはもう恋だろ、我慢できず襲っちゃう前に告白だけはしてた方がいいんじゃねぇの?」
とのことだった
菊先輩は、考えているだろうけど思った事をすぐ口に出してしまう方だし、それが誰かにとって傷つく事だとしてもストレートにものを言う
彼の素直な良いところだけど、それによって傷つけられるのは怖くて、告白はとても緊張した
予想通り断られたけど、彼は優しいから俺はその優しさに付け入ることに成功したのだ
誰かに取られる前に彼を自分のものにすれば良い話で、俺のスペックを超える人はなかなかいないだろうと思うから自信はある
けれど、先輩の心を俺に向けるには、決定的に何かが足りないのだ
「ラッキースケベ的な急展開しそうな事を起こせばいいんじゃね?」
頭を抱えていた俺に佐藤先輩がそう言った
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