複雑・ファジー小説

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100万回生きたひと
日時: 2011/04/16 04:07
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: L7bcLqD7)

「おれは 100万回も しんだんだぜ。いまさら おっかしくて!」佐野洋子 著『100万回生きたねこ』より抜粋。


Attention.

:ださくおりてぃ
:今後の展開全て未定
:たまに重い
:亀更新
:マイワールド全開

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プロローグ>>1

パターン1/100万回生きた少年/
#1 >>2

パターン2/街の暴れん坊/一樹
#1 >>3

パターン3/天才ピアニスト/ヨハン
#1 >>4

パターン4/暗殺組織のエージェント/


パターン5/容姿端麗の大富豪/


パターン6/お殿様の懐刀/


Re: 百万回生きたひと ( No.3 )
日時: 2011/04/16 03:34
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: L7bcLqD7)

 路地裏で、誰かをけっとばすような鈍い音と、誰かにけっとばされたような鈍い声が聞こえる。
けっとばしているのはジャージ姿の少年で、けっとばされているのはピアスをたくさん付けた短い金髪の少年だった。
 金髪の少年は口を切っているみたいで、ついでに顔が腫れあがっていた。
 ジャージ姿の少年は金属バットを金髪の少年に、おもいきり振り下ろした。
いやな音といやな悲鳴が暗い路地裏に響く。



 ジャージ姿の少年は、この界隈ではちょっと名の知れたフダツキ少年だった。名前は一樹って言う。
一樹は自分にインネンをつけた相手なら誰彼構わず半殺しにして、誰彼構わず半殺しにできるほどの暴れん坊。
お母さんもお父さんも知らない。ある日勝手に家を飛び出してきて、それっきり。
 一樹は今日も周りを睨みつけながら夜を歩いていた。そしたら何人かくらいの軟派な集団がつっかかってきたもんだから
片っ端から叩きのめして路地裏からドブ川に捨てて、最期の一人の頭を金属バットでたたき割ってやった。
頭から血を流している金髪の少年のポッケをまさぐると、案の定センスの悪いサイフが出てきたので
お札を全部抜きとってサイフは生ゴミでいっぱいになった水色のゴミ箱にポイしてしまう。このお札は一樹の貴重な収入源だ。
 リズムもおぼつかない鼻歌に合わせて、一樹はご機嫌に表通りに出て行く。



 一樹はコンビニはそこそこ好きだった。それが無ければ一樹はご飯を食べれないし、暇な時は漫画を立ち読みできるから。
ただ、誰かが立ち読みしている時に自分が立ち読みするのは落ち着かないし、自分が立ち読みしている時に誰かが来るのもあまり好きくない。
「…………」
 でも今まさに、一樹は後者の状況だった。
スウェット姿の男は茶髪を後ろで束ねていた。身長は一樹とは対照的に、高い。
それらとその他諸々気に食わない要素が相まって(愛読してるマンガの新刊が中々出ない、毎週読んでいる週刊誌が今週は合併号)、一樹はとても不機嫌である。
あまつさえスウェットの男は時々こちらが読んでいるのを覗き込んでくる。
只でさえ短い一樹の堪忍袋はもう切れる寸前。
今すぐにでもこのスウェットの男をハッ倒したい一樹だが、さすがにこのコンビニを出入り禁止にされたくはない。
コンビニ出たところを速攻ぬっころしてやろうか。うん、そうしよう。
マンガを閉じて、硝子の自動ドアへ向かい。

Re: 100万回生きたひと ( No.4 )
日時: 2011/04/16 04:06
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: L7bcLqD7)

 洋館の中に、きれいなピアノの音色が響いている。
この村の住人なら誰だって知っている、天才ピアニストヨハンの屋敷からだ。
 ヨハンの奏でる旋律はとても素晴らしいもので、一度この国の皇帝陛下が催した演奏会に招待され、しかもそこで絶賛された事さえある。
それほどヨハンの音楽に対する愛は純粋なもので、またとどまる事を知らない。
ヨハンは結婚はまだだったが、本人にとっては妻を娶る必要なんて全く感じられなかった。
ヨハンにとっては、ピアノの鍵盤と戯れて思うがままに旋律を紡ぐ瞬間こそが至福であり、最高であり、全てだった。



 ある日村の教会の前に捨てられていたヨハンは、孤児院の役目も担っていたそこで育った。
外で遊ぶよりも勉強をするよりも楽器を演奏する事がいっとう好きで、中でもピアノに関しては一日中、貧血で倒れて気を失ってしまうまで弾いていたことがあるくらいである。
 日曜になると、村の住民たちが教会で祈りを捧げる。これはこの辺りの伝統でもあったが、次第に大人も子供も祈りの後のヨハンの演奏が楽しみになった。
踊る旋律、風に流れるメロディー。それは誰彼構わず安らぐような不思議な音色だった。
 村の誰もがヨハンが希代のピアニストになるだろうと確信し、またヨハン本人もそれを信じて疑わなかった。
以後ひたむきに音楽を極めた彼は、素晴らしいピアニストになった。



 メゾピアノ、クレシェンド、メゾフォルテ、クレシェンド、フォルテ、メゾピアノ、フォルティシモ。
繊細で大胆、革新的な旋律。ヨハンの躍る指の動きに合わせて、グランドピアノの上を音達が歓喜の舞を披露する。まるで舞踏会のよう。
彼の五線譜は誰の心だって揺るがす。今ヨハンが作成しているのは、いつものことながら新しい五線譜。
 ヨハンにとって、音楽とはまるで親友であり、恋人であり、親であり、子であり、かけがえのないものだった。
彼の描く旋律はいずれも希望に満ちていて、聴かせるものに希望を与える。それは彼自身に対してもそうだった。

 ヨハンは、これからもずっと自分は音楽と共にあるのだと信じて疑わない。

Re: 100万回生きたひと ( No.5 )
日時: 2011/04/16 10:13
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: W6MelwHU)

何かこんな場所に来ていいのかとびくびくしております。
残念ながらノーテンスとか書いている人ではありませんので気をつけてください。

タイトルホイホイされてきました。100万回生きたねこは分かるんですけど内容が分からないんですよねーっていう。

応援しておりますー^^

Re: 100万回生きたひと ( No.6 )
日時: 2011/04/16 13:06
名前: 華焔 ◆xEt1wVJEg. (ID: 8hgpVngW)

プラプラ立ち寄ってみたら有名なあの人が
まんまと作者名にホイホイバンザイされてきました、内容見てもう一度バンザーイ

まあ所謂応援しているのですね、頑張ってくださいっ

Re: 100万回生きたひと ( No.7 )
日時: 2011/04/16 20:31
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: L7bcLqD7)
参照: 精神不安定な状態なのでコメント素っ気なくてすみません。

>>5
>>6
コメントありがとうございます。これからも更新頑張らせていただきます。


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