複雑・ファジー小説
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- 飛翔〜アイノソラヘト〜 【誰得な報告】
- 日時: 2013/02/26 19:20
- 名前: 日向 ◆BqHTUDkuhU (ID: 13edWJH2)
- 参照: え?フレンドコード??作者の遊び場と化してるんだZE
クリック誠に有り難うございますm(_)m
はい…どうも日向です!
コメディで駄作書いてる奴です。
この板には始めてカキコさせて頂きます。
いつもみたいなキチガイ文章ですがよろしくお願い致します。
複雑・ファジー板なのであちらの要素も入りますが、アク禁が怖いので今のところそんなに過激ではないです。
もし過激な表現があるのが苦手だったらR12と表記しているのでそこはすっ飛ばして下さい。
□注意□
・更新ですか?———粘菌です!
・なんか…マシン・機械系です(悪い意味で期待を大いに裏切ります!
・文章が稚拙で究極鼻で笑える。
・荒らしても面白くないよ。チェンメとか回しませんからw
・コメント・アドバイスはかっ○えび○ん位好きです。
〜目次〜
メインキャラ紹介・その他 >>0
その他のキャラ紹介 >>11
用語紹介 >>12
□■□■□■□■□■□■□■□■
プロローグ >>1
第一話 >>5 >>7
第二話 >>8 >>9
第三話 >>13 >>14
第四話 >>17 >>18(R12)
第五話 >>20
□■□■□■□■□■□■□■□■
【飛翔】メインキャラ【アイノソラヘト】
・春咲・S・龍牙【はるさき・えす・りゅうが】 (17歳)
村雨高校空軍科2年生の寮生。
顔立ちは整っている方。
ある人を守りたい一心で空軍科へ入った。
・香道 夜月【かおりみち やづき】 (16歳)
村雨高校普通科1年生の寮生。
身長は短く幼児体型。
入学時、龍牙に一目惚れする。
・ユリ・レイバー【ゆり・れいばー】(18歳)
村雨高校留学科3年生。
夜月と対照的で大人っぽい。
龍牙を気に入る。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
某有名アニメっぽい設定っていうのはもう暗黙の了解で。
コメント・アドバイス常時大募集です!
〜お客様〜
雷斗様(コメディからの付き合いの作家様です。純情小説を執筆しておられました!)
風猫様(スレとかレスに後光が差すお姉様です。書いておられる小説全て神文です!)
柚子様(YA☆BA☆Iとはこういう事っすね!何がって!?柚子様の小説がな!)
あるかな様(読み手専門のお客様!日向にはもったいないお言葉でございます……!)
こんな駄作を見に来て下さった皆様を心より感謝致します
by日向
- Re: 飛翔〜アイノソラヘト〜 【第2話始動】 ( No.9 )
- 日時: 2012/09/10 12:25
- 名前: 日向 ◆BqHTUDkuhU (ID: kUrH10r6)
- 参照: いやコレ前にも書いてたけどあせって消しちゃって(泣
『第2話 2/2』
——放課後。専用滑走路にて。
校庭の一角に設けられた空軍科専用滑走路でタイソンの声が響き渡った——。
「2年生諸君!この度は一年生から進級したお前達には二年生専用訓練機体。『P-8』の使用許可が下った!どういう意味か分かるよな? そうだ!お前達はこの機体を使用しての訓練が可能になった!」
タイソンは自らの横に設置してある「P-8」を景気よくバンと叩いた。
タイソンの膂力で機体のボディがへこまないだろうかと危惧している生徒が苦い顔をしている。
「機体の中は一年の頃に使用した『P-7』とほぼ同じだから安心しろ。数も十分にあるから喧嘩するんじゃねーぞ!それでは学校敷地内バリアを張った後、獣舎へ向かい『空牛』を空に放て!機体は各班の滑走路に用意したからな!訓練内容は準備が整ってから言い渡す、良いな!?」
「はい!!」
二年生徒は敬礼をし、方々に散った。
その中に訓練専用スーツに身を包んだユイトと龍牙が期待に胸を膨らませていた。
「なぁっ、龍牙!なんか乗るの久しぶりじゃね!?」
「そうだな、言われてみりゃあ……一年三学期から全然乗ってないよな!」
「おっ、俺『空牛』の方手伝って来るわ!」
「おう、行ってこい」
龍牙はユイトが獣舎の方へ行くのを見送ってから空を仰いでつぶやいた。
「早く……飛びてーな!」
******
「空牛」とは空陸両用のクローン動物である。
ホルスタイン種とムササビや皮膚が伸びる病の「翼猫」の遺伝子を組み込んだ動物である。
体長は4m〜5m、体重二トン〜三トンと大型。
よく自衛隊空軍や空軍科のある学校で訓練用に飼われている。
その訓練というものが空牛にペイント弾を撃つというものだが、政府も国を守るためにそれを行うものなので訓練内容を承認していて動物虐待などという意見も既に消化されている。
「学校敷地内バリアOKです!」
空牛は鼻息荒く、今にも拘束具を引きちぎらんとしている。
「よし!!『空牛』を放て!」
生徒が拘束具のロックを解除した途端その巨体が空へ一斉に舞い上がった。同時に突風が地上に巻き起こる。そしてすぐに見えなくなってしまった。
「おぉ、活きが良いのぅ!各班、『P-8』に乗り込め!」
龍牙達A班は「P-8」に乗り込んだ。
「こ、これが『P-8』か…!」
龍牙は内部を見て思わずつぶやいた。
タイソンの教えた通り、内部のポイントの位置などは「P-7」とさほど変わらないがレバーの切り替えが何段階か増えていたりしていた。
親機のユイトの無線からの掛け声でエンジンを掛けた。
「行っくぜぇぇえ!」
再度、地上に突風が吹きすさぶ。
雲を突き破り、上空10000mにまで5秒と掛からず到達する馬力に龍牙は驚くと同時に興奮を覚えた。
「凄い……!」
限りなく続く雲海を見渡し「空牛」を探す。
だが何処へ消えたのかその姿はない。
『みんなァ! 聞こえっか?』
不意に無線からユイトの声が聞こえた。
龍牙は無線のボリュームと感度を上げて、応答した。
「こちら龍牙、聞こえるぞ」
『あー、聞こえるか?さっきな、班のリーダーだけにタイソン隊長が言ってたんだけどさ!』
「何だ?」
『一番に空牛見つけたら食堂一週間無料券貰えるんだってよ!張り切っていこうぜ!』
「あぁ、そうかよ」
龍牙は自ら無線交信を切り、アクセルペダルに足を乗せた。
「それじゃあ行くか!」
そして、思い切り体重を乗せた——。
- Re: 飛翔〜アイノソラヘト〜 【キャラ紹介】 ( No.11 )
- 日時: 2012/09/14 22:38
- 名前: 日向 ◆BqHTUDkuhU (ID: kUrH10r6)
〜・〜その他のキャラ紹介〜・〜
・鷹岡 ユイト【たかおか・ゆいと】(17歳)
村雨高校空軍科二年生の寮生。
何事にもポジティブに考える。
明るい性格で龍牙の友達。
・タイソン バジストン【たいそん・ばじすとん】
村雨高校空軍科の保健体育、戦闘の専科の教師。
タイソン隊長と呼ばれている。
元軍人だった経歴を持ち、現在も第一線で活躍している。
・エルシック・瑠梨亜【えるしっく・るりあ】
村雨高校空軍科二年生の寮生。
龍牙の女友達でよくクゥランとセットで現れる。
空軍科では珍しい女生徒だが操縦能力などで男子に引けは取らない。
・リ・クゥラン【り・くぅらん】
村雨高校二年生の寮生。
龍牙の女友達でよく瑠梨亜とセットで現れる。
背が低く、犬耳カチューシャを愛用している。
- Re: 飛翔〜アイノソラヘト〜 【第2話完結】 ( No.12 )
- 日時: 2012/09/10 15:07
- 名前: 日向 ◆BqHTUDkuhU (ID: kUrH10r6)
〜・〜用語紹介〜・〜
・私立村雨高等学校(シリツムラサメコウトウガッコウ)
私立の高等学校。
校内規則は割と自由で制服の着崩し位は厭われない。
専科は多彩で出身国が外国、混血児など人種問わず集うが少数人数生で各科を統計しても五百人程度。
特に「空軍科」は教育、実戦訓練共にトップレベルで設備は国内最高と言われ、生徒ですら実戦に駆り出す高校は此処しかない。
・空牛(クウギュウ)
普通の牛より二回りほど大きく背中に翼が生えている。
空軍自衛隊や空軍科のある学校の訓練用に作られたクローン動物。
政府も軍用動物として承認している。
訓練内容は空牛にペイント弾を当てるというもの。
・不可変訓練用機体(P-7・P-8・P-9)
空軍科のある学校によく置いてあるPタイプと呼ばれる機体。
機体の変身が不可で空牛との訓練に使われる。
Pタイプにはランクが7〜12まであり、7〜9が一般的に訓練用と言われる。
・可変実戦用機体(P-10・P-11・P-12)
空軍自衛隊に置いてある実戦用の機体。
機体の変身が可能でスピード重視のカイトタイプと攻撃態勢のバトルタイプがある。
「P-10」が二年生専用実戦機体「P-11」が三年生用実戦機体と決められている。
「P-12」は政府軍が使うような代物で何故か村雨高校にも置いてある。
・連邦帝諸国(レンポウテイショコク)
?
*増えます*
- Re: 飛翔〜アイノソラヘト〜 【第3話始動】 ( No.13 )
- 日時: 2012/09/14 22:38
- 名前: 日向 ◆BqHTUDkuhU (ID: kUrH10r6)
- 参照: 体育祭でやたらと話が長い来賓ってなんなの?ご帰宅しろよ
【第三話 1/2】
龍牙は雲海に潜り「空牛」を探すが見つからないので更に低空飛行をする事にした。
すると滑走路の方向に簡単に見つかった。
「……いた!」
龍牙はA班全員に無線を繋いだ。
「こちら春咲。『空牛』を滑走路付近にて発見した」
無線を繋ぐとすぐに返信が返ってきた。
ユイトからだった。
『さっすが龍牙!今すぐ行くからな三秒で!』
「おーう、早く来いよ」
龍牙は半ば呆れたように無線を切った。
そしてユイトが言った通りに三秒でユイトの機体が到着した。周りを見回すとA班全員の機体がすでに揃っていた。
ユイトが無線で全員の機体に伝えた——。
『ペイント弾装弾——!』
その瞬間一斉に「空牛」に向けて機体の横のミサイル発射口が開いた。
『発射——!』
ペイント弾であるにも関わらずそのスピードは戦闘ミサイルの様だった。
——しかし「空牛」はいち早く気配を察知し、その場を移動していた。またユイトから無線が入った。
『ちっくしょ〜ぉ!よし、こっからは各自で『空牛』をしとめていってくれ!分かったな!?』
「了解だ」
龍牙は瑠梨亜とクゥランに無線を繋いだ。
「こちら龍牙。瑠梨亜、クゥラン聞こえるか?」
『聞こえるぞ。なんだ?何の用だ?』
『もっちろん♪どーしたの?』
対照的な二人の応答を確認した後龍牙は進言した。
「頼みたいことがある。この作戦に協力してくれないか」
『内容は?』
『ふ〜ん。良いよ!どうしたら良いの?』
龍牙は二人に作戦内容を話した。
******
龍牙は「空牛」に突っ込むようにして後を追った。
「空牛」は龍牙を振り払う様に翼をはためかせスピードを上げる。龍牙もそれに合わせ付いていく。
『モォォォォォオオオオオ!』
自分をひたすら追いかけてくる龍牙に「空牛」は威嚇の咆哮をあげた。
しかし動きを止めることの無いその機体に痺れを切らし体の向きを変え突進してきた。
凄まじいスピードで突進してくる4mの巨体。「空牛」はまるで闘牛のようで誰しもが恐怖の対象となる。
——しかし龍牙はこれを待っていた。
「瑠梨亜、クゥラン!」
「空牛」は我を忘れてひたすら龍牙を追う。
その姿は隙だらけだった。
瑠梨亜の機体は「空牛」の腹に、クゥランは背中の方に回り込んでいた。
【ドゥゥゥゥン!!】
「空牛」にペイント弾が二発発射された。
『——グルルルゥ!?』
二発のペイント弾は龍牙の思惑通り「空牛」に命中した。
ベタンという粘りけのある音がしたかと思うと「空牛」は見る間に失速し、その場で力無く羽ばたいている。」
『一丁上がり』
『やったぁっ!』
無線から二人の声が聞こえた。
「二人とも有り難うな。もしA班が一番だったら俺の分の食堂無料券やるからよ」
『おぉ! 龍牙くん太っ腹〜♪』
『もらっとくよ』
『あー、あー聞こえるか?一斉交信だから入ってるか心配なんですけどー、応答願うよー?』
無線からユイトの声が聞こえた。
「聞こえる。ユイト『空牛』をしとめたぞ」
「おう知ってる。皆、龍牙がペイント弾を当てたみてーだから帰るぞ!付いてこいヨォ——!』
A班全機は地上に向かい急降下した。
******
〜獣舎にて〜
藁の束があちこちに積んであるため干し草の臭いが鼻孔をくすぐる。
「よいしょ、よいしょ。『空牛』って大きいねぇ」
クゥランが口を開く。
「そうだな……体長は私たちの四倍ほどはあるだろう。体重は十倍以上あるんじゃないか?」
「ふええ〜!?凄いね!」
「——お前達喋ってないで手伝ってくれ」
龍牙は梯子の上から喋っていた二人を制した。
「は〜い」
「分かってるさ」
今は獣舎で「空牛」のペイント弾の絵の具落としを行っている。
これは訓練後には必ず行うことになっていた。
「で、ユイト。どうだったんだ?」
龍牙は隣のユイトを見やった。
「え?何が??——あ、あぁ食堂券か!」
ユイトと龍牙は豚毛ブラシを上下させる。
「へっへーん!バッチリもらっちったよ☆」
「——そうか」
「なんかあんま嬉しくなさそー……どしたのー?」
「いや、俺は使わないからな。——クゥラン、瑠梨亜、約束通りに無料券やるよ」
龍牙は上から二人に言った。
「待ってました♪」
「どーも」
瑠梨亜は龍牙から無料券を二枚受け取り、クゥランに手渡した。
その様子を見たユイトはニヤついた顔で言った。
「罪な男だなァ。春咲君は」
「は?」
「いやいや、何でもないって!もう『空牛』綺麗になったぽくね?もう行くぞー」
ユイトは梯子から勢いよく飛び降りた。
- Re: 飛翔〜アイノソラヘト〜 【第三話始動】 ( No.14 )
- 日時: 2012/09/14 22:20
- 名前: 日向 ◆BqHTUDkuhU (ID: kUrH10r6)
【第三話 2/2】
〜休み時間、渡り廊下にて〜
龍牙は普通科校舎に用があり、空軍科校舎と普通科校舎を繋ぐ渡り廊下を渡っていた。
その時——。
「あっ、あの……!」
「ん?」
龍牙は声を掛けられるまで分からなかった。
声を掛けてきたのは金髪で童顔の一年生だった。
「お前は……」
「思い出してくれましたか?夜月です。香道夜月」
「ん。あぁ、覚えてるよ」
龍牙は入学式の日を思い出した、校舎裏での出会いを。
「あれから体育館には辿り着けたのか?」
龍牙はからかうように言った。
「もちろんですっ!」
「ふーん。そりゃ、良かったな」
龍牙は腕を頭の後ろに回した格好で鼻を鳴らした。
夜月が龍牙の顔をのぞき込むようにして訪ねた。
「春咲くん。普通科校舎に何のご用ですか?」
「コレ」
龍牙は茶封筒を夜月に見せた。
「これっていわれても……」
「まぁ、書類ってもんだよ。俺に持って行けだとさ」
夜月は茶封筒を手に取り、凝視した。
「へぇ〜。という事は春咲くんも職員室に用があるんですか?」
「まぁ……「だったら一緒に行きませんかっ!?」
夜月は瞳を輝かせ言った。
その声は渡り廊下に響き渡った——。
夜月はハッとした顔で口を押さえて上目遣いで言った。
「す、すいません……。もし、良かったらでいいんですけど」
龍牙は溜め息をついて呆れたように言った。
「——別に良いよ。俺も普通科の校舎ン中あんま分からんしな」
その言葉を聞くと夜月は心なしか表情が活き活きとしたように思えた。
******
普通科校舎の廊下に二人の足音が鳴る。
上履きが床と擦れる音がこだました。
「なぁ、夜月」
「何でしょうか?」
「お前は職員室に何の用があるんだ?」
「えっ?——あの、私……演劇部に入る事にしたんです、だから入部届を」
夜月は恥じらいながら言った。
「演劇……?お前が?」
「はい。幼いときから演劇が大好きなんです。意外でしたか?」
夜月は目を伏せ頬を染めてゆっくりと言った。
そんな夜月に不覚ながら龍牙は鼓動が高まった。
「——ま、まぁ意外だったな。演劇か。あいつ、ユリと一緒だな」
気を紛らわそうと自然に口から言葉が次いでた。
「ゆ、ユリ……さん?」
「あ、あぁ。留学科の三年生で演劇部の部長なんだ。今度詳しく紹介してやるよ」
夜月は少し考え込むようにして廊下の天井を見上げた。
「ユリさんかぁ……」
ここ村雨高等学校は芸能科等の一部生徒を除き、全ての学科の部活を人種、母国関係なしに統一している。
なので通訳が必要になる事もあるがそこは外国留学を目標にしている生徒に頼んでいる。それでいて生徒のレベルアップにも繋がっていて留学科のある他校もこのシステムを取り入れようとしているのだとか。
それぞれの学科校舎に部室があり放課後は移動する生徒で廊下が少し混雑するのが村雨高校の名物にもなっている。
「あっ、あそこです。あの右の突き当たりの部屋が職員室なんですよ」
二人はようやく職員室にたどり着いた。
「「失礼します」」
お辞儀をしながら夜月は中に入った。龍牙も後に続き入室した。
夜月は演劇部顧問の教師を見つけると、その教師の元へと駆け寄った。
龍牙も自分の用事を済ませるべく現在デスクワークに務めている目当ての人物に声をかけた。
「ディーバーグ先生、少し良いですか?」
龍牙が声をかけると教師は大きく伸びをして振り返った。
龍牙が用のあった教師とは、ディーバーグ・リーグ。普通科の保健体育教師だった。
白髪の混じるその頭髪が目立つ。五十代後半とは思えない筋骨隆々なその体がタイソンとよく似ている。
「——うあ゛?……君は誰だ?学部と学年は?」
「あ、僕は空軍科二年生、春咲・S・龍牙です」
「空軍科生徒が何の用で?」
龍牙は茶封筒を差し出した。
「タイソン先生から頼まれた物です」
「タイソンがか?」
ディーバーグは棚からハサミを取り出し封を切った。
そして中身の書類に目を通す。
最後の一枚に目を通そうかと言うところだった。
「——!?」
ディーバーグの顔が驚愕に歪んだ。
「まさか、こんな事が……?」
龍牙は封筒を運んできただけでその中身を知る由もない、当然戸惑った。
「どうしたんですか?」
ディーバーグは額の汗をぬぐい言った。
「いや、なんでもない。春咲、済まなかった。タイソンによろしく伝えておいてくれ」
「——分かりました。失礼しました」
龍牙は何かが引っ掛かったままだったが聞き倒すのは億劫だったため素直に退室した。
外には夜月が待っていた。
廊下にもたれかかって俯き加減だったが龍牙を視認すると打って変わって明るい笑顔になった。
「遅いですよ〜何してたんですか?」
「お前、待ってたのか?」
「待ってちゃ駄目でしたか?」
唇をとがらせ下から龍牙の顔を伺うようにのぞき込む。
「いや、そういう事じゃあ……。そうだ、夜月」
「はひっ!?」
急に名前を呼ばれ顔を強張らせ夜月は硬直した。
「部活はどうだったんだ?」
「えっ?あっ……。先生は今日から部室に来いって仰いました」
「そうか、良かったな。——あと、有り難う」
「へっ!?私なにもしてませんよっ!??」
夜月はブンブンと手を振り否定した。
「ここまで案内してくれただろ?」
龍牙が笑いかけると夜月はあの時と同じように歯を見せて笑った。
「いえいえどうもです」
「その礼っていうのもナンなんだが、俺も演劇部まで付き添ってやるよ」
「え——? い、良いですよっ!?」
「構わねえよ。ユリを紹介するとも言ってたし、たまにはあいつの面も拝んでやらないと……な!」
「訓練は良いんですか!?」
「生憎、今日は無い」
夜月は頬を染めて頭を少し下げ、言った。
「それじゃあ……お願いします」