複雑・ファジー小説

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スモールワーク【執筆再開!】
日時: 2015/05/12 08:39
名前: ドクター正彰 (ID: yZ7ICI8F)

田舎には、本当に何もない。
ましてや、口を開けば嘘。立てば、金をかすめ取る。座れば、ネットを使ってクラッキング。そんな極悪非道な俺も、さすがに詐欺行為だけじゃ食っていけないわけで。もちろん、面接に行く。住所不定無職じゃあ、面接する前に門前払いだろうが、一応住んでいるアパートがある。超激安の家賃で、少しでも暴れれば崩れてしまうくらいの、とってもボロイアパートだ。
ここまでは、おまけにすぎない。
これからが重要だ。

「次の方ー、どうぞー」

そんな間延びした面接官の声を聞きながら、不安になった。
面接官から声をかけてくるなんてことがあるか?それに、柔らかくて甘い声だった。間違いなく女だろう。俺を油断させて、落とすつもりなんだな。

扉を開けて面接室に入ると—


そこに、小学生くらいの背丈にスーツが似合わない、


『子供店長』がいた。

Re: スモールワーク(コメください) ( No.2 )
日時: 2012/01/04 09:26
名前: 楓 (ID: bW1QoTcC)

何これ、おもしろい!

あ、いきなり「何これ」発言は失礼ですね・ω・;
最初の文から面白くて、止まらなくなって読んでったら『子供店長』。
しかも高校生とは!
この小説読んで一人でニヤニヤ笑ってる私は変人ですかねw
更新頑張ってくださいね♪
これからも読みに来ます。

続きが楽しみです^∀^

Re: スモールワーク(コメください) ( No.3 )
日時: 2015/05/11 13:58
名前: ドクター正彰 (ID: yZ7ICI8F)

結局、驚きの声を上げた後に、どたばたと他の人たちが入ってきて、その場は騒然となった。
しかし、子供店長は微動だにしなかった。そして、俺に向かってきっぱりと毅然とした口調で言った。
「紀田秋春さん、あなたを合格とします。何が何でも、店長権限で通わせてあげますから!」
光の加減で、そのときの表情は見えなかった。
「は・・・?あの、俺、あなたに失礼なこと言ったんですよ?それにこんなに騒がせて、なのに合格って・・・こんな奴を雇って、仕事に、あなたの生活に支障がでたらどうするんです!?」
俺の大声に、周りは静まり返った。
その啖呵を聞いて、子供店長は表情を曇らせ、ゆっくりと子供に言い聞かせるように話し始めた。
「たしかに、あたしがやってるのは仕事だし、きちんとできない人は切り捨てなきゃいけないよ。でもね、それ以上に、心から楽しいって、この人たちと仕事しててよかったと思えなきゃダメじゃない?」
子供店長の言葉に、俺の大声を聞いて入ってきた周りの人間は絶句した。
いきなり面接で大声を出した人間を合格させると言えば、誰でも驚くだろう。
遠巻きに事態を見ていた連中のなかから、一人の小太りな男性が出てきた。
「私は、副店長の佐々宮です。海原店長、この男の言う通りですよ。社交性のない人間を雇って、私たちの信用がなくなったらどうするんです?確かに職場にも居場所は必要ですよ。でも、それにも限度ってものがあるんです。わかりますか?あなたがやろうとしてることは、ただの仲良しごっこであって、仕事じゃない!!」
佐々宮と名乗った男の気迫に、俺と遠巻きに見ている連中は押されていた。あくまで俺の予想でしかないが、この男は何十年とこのファミレス店を仕切ってきたんだろう。
だから、言葉にも重みがある。
子供店長・・・いや、海原店長は佐々宮と真正面からメンチを切りあった。
さすがにこれは止めなければ!佐々宮さんと海原店長のクビがかかっているのだから。
「や、やめてください!俺を落とせばいいだけの話じゃないですか!そうすれば、こんないらない争いをすることなんてないんです!」
海原店長は、俺の方を一度も見ずに、今までの快活な声からは考えられないほど低い声で言った。
「ダメ、君は絶対にいい人なんだから。だからこんなとこで落とすわけにはいかないよ」
しばらくメンチを切りあい、とうとう佐々宮が折れた。
「・・・はぁ。あなたには、もう何を言っても通じないようですね。僕は辞表を出します。あとはあなたの好きにやって勝手につぶれるなり好きにしてください。もう、ここから先は僕の関わることじゃないので。・・・仕事?あぁ、僕はいろいろ特技はあるんで、仕事は見つけようと思えばいくらでもありますよ」
そういって、佐々宮は去って行き、他の連中も引いていった。
「えへへ・・・あたし、たぶんリストラされるだろうね・・・。ねぇ、仕事なくなったらさ、秋春さんとこ住んでいい?あたし、親がいなくて、独り身の一人暮らしなんだ。今の仕事辞めちゃったら、家賃払えなくなるし。だから、あなたの仕事を手伝わせて!」
俺は、内心迷っていた。
いい人だと言ってくれたあとで、俺のこの職業をばらしてしまえば、犯罪だといわれ敬遠され、嫌われてしまうかもしれない。だが、嘘をついたところで、いつかばれるのだから・・・。

俺は、

「俺・・・詐欺師、なんです。人をだまして金をとる、最低な奴なんです!人をだまして生きてきたんです!はは・・・こんな奴なんかと一緒にいたいなんて思わないですよ!だって、一緒にいたらいつ金をかすめ取るかわからないし!だから・・・だから・・・っ!」

二度目の正直を言った。

Re: スモールワーク(コメください) ( No.4 )
日時: 2014/10/25 10:35
名前: 管理人 ◆cU6R.QLFmM (ID: QYM4d7FG)

管理人です。
ご依頼のありました通り、現行ログへも戻しました。
よろしくお願いします。、

Re: スモールワーク【執筆再開!】 ( No.5 )
日時: 2014/11/01 21:46
名前: あんこ (ID: kXLxxwrM)

おおおお……!
現行ログに移ったと聞き飛んできました(`・ω・)

更新頑張ってくださいね!応援してます♪

Re: スモールワーク【執筆再開!】 ( No.6 )
日時: 2014/11/06 13:19
名前: ドクター正彰 (ID: dZvWwzVY)

>あんこさん

ありがとうございます!なかなかネタが思いつかずうじうじしてたのですが、あんこさんの言葉で元気が出ました!

頑張ります!


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