複雑・ファジー小説
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- 【お知らせ!】チイサナセカイに飽きたなら。【コメ求めます。】
- 日時: 2012/02/22 19:31
- 名前: ひゅるり ◆SDhkkrnOxE (ID: 2Ujo/OfH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=10733
いーやっふーーーい!!←
ひゅるりです。ひゅるりが小説書き始めて二作目がこのチイサナセカイに飽きたなら。なんですけど(最後についてる「。」が大事なんですからね!!←)
一回更新止めちったんですよねぐへへ☆←
また書こうと思ってきたんですが文才が変わりすぎてえっへへへ←
で、ブランク開けのリハビリ作をふたつ書いてるんですけど、
書きたくてうずうずしてきちゃっry
前作のtk【旧】チイサナセカイに飽きたなら。を読み返しながらリメイクしつつ書いて行こうかと…。
あの駄作で駄文を読み返すのはかなりの苦行なんですけど。←
皆さん生暖かい眼で見守っていただければ…!
【旧】の方は参照から飛べます。
物好きな方は見に行っちゃってくださry
【お知らせ】>>009New!!
【diary】
更新開始…0212
【table of contents】
【basic world】
第零話 単なる序章曲。>>001
第一話 走れ。ただただ走れ。>>005
第二話 其れは始まりの果実。>>007
【another world】
第0話 単なる終章。>>002
第1話 前も後ろもないのに。>>006
第2話 全ての悲劇の始まりの赤い果実。>>008
- Re: チイサナセカイに飽きたなら。【再発!!】← ( No.2 )
- 日時: 2012/02/12 21:30
- 名前: ひゅるり ◆SDhkkrnOxE (ID: YKdGlOy5)
- 参照: メル友の欲しい今日この頃←
第0話 単なる終章。
彼女は豪華な部屋の窓から空を見上げた。
深夜なのに明るい空。太陽や星、月までもが光り輝いてその様子は、
「…綺麗すぎ、です。」
彼女はまるでまぶしいとでも言うように眼を細めしゃっ、という小さな音を立てながらカーテンを閉めた。
隙間から入る光はとても明るかった。
彼女は広すぎる寝室を振り返って見渡した。
本棚にベッド、小さな机。
一つ一つ見ると細かい細工がされ眼を奪われる様だった。
彼女はその部屋の持ち主とは思い難いほどシンプルな服装をしていた。
まるで王の部屋に平民が入り込んだかのようにその光景は異質だった。
ぽす、と椅子に腰掛ける。俯くと長い赤毛が視界に罹った。それを耳許に掛けたときにふと気付いた。
先程までカーテンの隙間からはまぶしいほどの光が漏れていた。
今はその光が無い。カーテンに視線を向けると此方を覗き込む2つの瞳。
思わず悲鳴を上げそうになったのをぐっとこらえてカーテンを開ける。
其処に居たのは同じ年頃の容姿の青年。
雑な装飾の鎧にぼろぼろのマント。
腰元にはそれには不似合の細身の剣に手に握られているのは短剣。
短めの茶髪は所々が跳ね、肌は所々が泥か何かで汚れている。
窓越しに見詰める彼の姿は、滑稽、と称すのがふさわしいだろう。
彼が窓を割ってまで入ろうとする様子なので彼女はきぃ、と小さな音を立てて窓を押し開けた。
口角を上げ緩い笑みを浮かべながら彼女はこう告げた。
「御初にお目にかかります。
貴方様の御噂は沢山存じております。素晴らしい物ですよね。
部下が消えていくたびにわくわくとしておりました。」
肩を上下させ荒い息を立てる彼の呼吸音がだんだんと静かになっている。
彼女は再び笑みを浮かべた。凍てつくような笑みを。
「…初めまして、と申した方がいいかしら?
勇者様?」
- Re: 【再発!!←】チイサナセカイに飽きたなら。【コメ求めます。】 ( No.3 )
- 日時: 2012/02/13 08:42
- 名前: 陽 ◆Gx1HAvNNAE (ID: ixlh4Enr)
- 参照: 私も新たなメル友欲しいですw
Σ神文(д●)
はじめまして!
旧作の方は読ませていただいていないのですが、読みたいなあと思っていたのでこれ幸いと読ませていただきました!
表現超上手くてうらやましいです(><。)
時間が出来たら旧作も読み進めようかと思います!
更新頑張ってください♪
- Re: 【再発!!←】チイサナセカイに飽きたなら。【コメ求めます。】 ( No.4 )
- 日時: 2012/02/19 17:59
- 名前: ひゅるり ◆SDhkkrnOxE (ID: 2Ujo/OfH)
- 参照: メル友どころかリア友ともテストが忙しくて交流がry
陽さん>>003
失礼なんですけど名前の読み方は「よう」さんでいいですか?←
此方も初めましてですー^^
えあ、旧作読まれるとなると心の準備がないので怖いんですけry
小っちゃいころのお馬鹿な話暴露されるより怖いんですけどね←
それほど碌な事してなかっただけなんですがorz
tk、神文は貧乏神文とか疫病神文ですね。同じ神様でも。
テストで長い間留守だったのですが頑張りますので!!!
- Re: 【再発!!←】チイサナセカイに飽きたなら。【コメ求めます。】 ( No.5 )
- 日時: 2012/02/20 00:55
- 名前: ひゅるり ◆SDhkkrnOxE (ID: 2Ujo/OfH)
- 参照: メル友どころかリア友ともテストが忙しくて交流がry
第一話 走れ。ただただ走れ。
「あんた、綺麗な髪と眼だね。綺麗な赤色。緋色、って言った方がいいかな。」
青年は着ている服の黒と同じほどに目も髪も黒かった。
少女は何も言わずに歩く。
ぴたり、と歩くのを止めたのは青年の目の前。腕を伸ばすと喉元に届きそうな距離だ。
「誰。答えて。頭と体が離れ離れになりたくないなら。」
がちゃり、と小さく音を立てて彼女は持っていた拳銃を青年の喉元に押し当てた。ごくり、と唾をのむ振動が金属の冷たさと同時に伝わる。
「何だよもう、せっかく女の子見つけたのに。
ナンパしただけでぶっ殺すような女の子だったとは。」
へらへらとした様子で青年は少女に向き直る。
吸い込まれそうな漆黒の瞳に一瞬だけ吸い付くように少女は見いった。
ぱし、と拳銃を持つ手を掴まれたのはその時である。
ごとり、と重たい音を立てて足元に落ちる其れを彼女は目で追うとばし、と青年から己の手を振り払った。
「あらら、乱暴だねえ。君ってキレ性?
俺飴持ってるけど食べる?糖分でも補給しなきゃ。」
ポケットに青年は手を突っ込むとがさがさと中身をあさる。
少女は青年から視線を外さない様にしながらす、と拳銃を手繰り打寄せる。
「ありゃ、ごめんねえ、?飴なくなってたよ。
代わりにさあ、睡眠剤でもどうぞ。」
少女が眼を見開いて顔を引くのとぷしゅ、と粉末状の物がちいさい容器から噴出されるのが同時だった。
「あーあ、凄い反射神経だね。凄い凄い。」
口角を上げてにんまりとした笑みを浮かべるとぱちぱちと両手を合わせ拍手をする。
少女はそのまま数歩後ろに後ずさった。
パン! と少女の手元から軽い弾けるような音。
少女の腕が発砲と同時に高く跳ねあがる。同時に空中に高く放り出された拳銃。振り返ってそれを追いかけていくと
ずさ、と崩れ落ちるような音が背後から聞こえた。
拳銃を拾い上げる少女。新し弾丸を詰め込んで青年の方向を振り返る。
胴からは真っ赤な液体が溢れんばかりに流れ出ていた。
びくびくと幾度か痙攣をする青年に一歩一歩踏みしめるように近寄る。
釣り上がっていた唇は横一直線に下がり端から赤い液体が細い筋を作っていた。
「…。」
少女は無言でそれを見下ろすとかちゃり、と青年の額に銃口を押し当てる。
「すぐ、らくにしてあげる。から。」
引き金に引いていた指に力を入れようとした瞬間だった。
「ねえ、俺の演技力って凄いと思わない?」
釣り上がった唇を見詰める少女の細い脚にぶす、と細い中身の入った注射器が突き刺された。
- Re: 【再発!!←】チイサナセカイに飽きたなら。【コメ求めます。】 ( No.6 )
- 日時: 2012/02/20 01:26
- 名前: ひゅるり ◆SDhkkrnOxE (ID: 2Ujo/OfH)
- 参照: メル友どころかリア友ともテストが忙しくて交流がry
第1話 前も後ろもないのに。
「探したぞ、魔王。」
「私を倒すために貴重な人生の時間を遣ったのですか?
嬉しいのですが、人間の寿命とは短いと聞きます。愚かです事。」
ふふ、と【魔王】と呼ばれた彼女は緩い笑みを浮かべる。
ぽすり、と体の大きさには合わない大きなソファに背を預ける様に腰掛けると手元にあった小さな鈴を手に取った。
ちりちりと小さくも心地よい音が部屋に響く。
「ねえ、勇者様。
この鈴、人間界の物をまねて作らせたんですよ。いい音色だと思いませんか?
ほら、私容姿だけは人間に似せることができるでしょう?
お忍びで幾度か行かせてもらったのですよ。」
ちりちりと魔王は鈴を鳴らし続ける。こらえかねた様に【勇者】と呼ばれた彼は腰元の剣に手を伸ばした。
「それで私を殺すおつもりで?
随分御立派なものですが、私の見る限り貴方の物とは思いにくいのです。」
「こ、これは旅の途中であった仲間からもらったもので…」
「ではそのお仲間は?何故ここに居らっしゃらないのです?
逃げ出したのですか?もしくは途中で死んでしまった…、とか?」
魔王は笑みを崩さない。
頬杖を突きながらぷらぷらとひざ下を揺らす。
ちりちりとした鈴の音が部屋には続いていた。
「ああそうさ死んだんだよ。
御前の手下の将軍に殺された。御前のせいだ!!」
「…グオルグではありませんか。エラフィンの都市より先の砦に居た。
虎の姿に蝙蝠のような羽をもった者です。」
「……確かに、そうだ。」
「…彼は、確かに私の手下でした。それも一番私に忠実で居てくれた。」
魔王はぽつぽつと昔の思い出を語るように呟く。穏やかな表情だった。
ふと手元の鈴を大事そうに小さな箱にしまう。
「それが何なんだよ。
あいつはそのグオルグに殺されたんだ!
御前に殺されたも同じことなんだよ!!」
「…、そうですか。分かりました。
では勇者様、貴方はそのご友人の敵を取るおつもりで?」
「ああ。もちろんだ。それが俺にできるあいつへの恩返しだからな。」
「貴方は何故旅に出たのです?
考えてみれば凄いお話ではありませんか。
ただの人間が魔界の王を殺すために旅に出るなど。」
「村のみんなが困ってたからだ。魔王のせいで。
世界中の人間のために旅に出たんだよ。」
魔王の口角がくい、と上がった。
長くて細い首を準備運動をするかのようにかくかくと左右に押し倒す。
「勇者様にはご自分のご意志は御有りで?
私にはあなたのおっしゃることはとてもまともに聞こえますが、それと同時に操り人形の生き様にしか聞こえないのですよ。」
「でも、だってそれは…っ!」
「それに、責任は私に擦り付けですか?まるで子供の様。
『だって』と『でも』は一人前ですね。」
にこりと柔らかく笑む彼女に向かって勇者は刃を振り上げた。