複雑・ファジー小説
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- ビブリア少女の凱旋歌
- 日時: 2012/04/03 23:40
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
プロローグ『凱旋歌は悲鳴と共に』
いやぁぁぁぁぁぁぁッ—————!!
悲鳴が、聞こえた。
それは俺の親友の家から。
その時考えていたことなど全て忘れて、無我夢中に走った。
そいつの家へと。
尋常ではない悲鳴で、よく分からないけれど、本能が警鐘を鳴らしていた。
急げ、と。
でも、一瞬とても嫌な予感がした。
けれど、その時は気にならなかった。
とにかく、急げ、走れ、走れ走れ走れ! ——と、脳が全身に命令するから。
そして俺は辿り着いた。悲鳴のもとに。
更に俺は、『それ』を見た。
今になって思うけど、急がなければ良かったと思う。
あんなの、見たくもなかった。
————親友が、血だまりに沈んでいる姿など。
どうもこんばんは!
クリックありがとうございます。
黒ウサギ×銀色蝶々を書かせてもらっている白月です。
一応探偵ミステリ物。意味不明なタイトルは仮。
随分前から温めていた話なんですが、話を練って練って熟成させていたところ。
なんだかシリアスダークに載せる雰囲気かこれ……。
という状態に陥りました。いや、プロローグはそうでもないんですけど。
自分の中で踏ん切りがつき次第、シリアスダークに移したいなーと思っています。
ネタ貧とかボキャ貧で更新は何かと遅くなると思いますがよろしくお願いします!
- Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.10 )
- 日時: 2012/04/16 22:57
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
美月ルミネ様
初めまして! 駄目作者こと白月です。コメントどうもありがとうございます!
最初のそこが好きなんですか!
いやいや、言っていただけて嬉しいです。
そう言うのがものすごく活力になるので。
鮮やかに事件を解決させられたらいいのですが今の私の力量でそれゲできるか心配です(汗)
というかだったらこのスレ立てなきゃいいんですけどね!
ぷ、プリンをですか……。ちなみに私は桃ゼリーを兄に食べられたことがあります。
そしてワクワク、なんて思っていただけてとても嬉しいです。
コメント、ありがとうございました! あなたも執筆頑張ってください!
- Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.11 )
- 日時: 2012/05/06 20:08
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
- 参照: 奇跡は起こるもんじゃない。 起こすものだ!
そして宗介は穂村西高校。通称西校正門の前で足を止めた。
西校もホームルームを終えたばかりらしく、門前は帰宅しようとしている生徒で溢れかえっていた。
そしてこれから、例の『ビブリア少女』に会う訳なのだが、
「うわぁ、女子もいる……」
だが、本人はまったく違う反応を見せていた。
それもそのはず。西校は共学だが、宗介の通う穂村北高校は男子高。なので、女子高生というのは彼にとっては珍しいものだった。
だがしかし、宗介は重要なことを忘れていた。
それは——ビブリア少女に会う方法。
宗介はまいったなぁー。と呟きながら頭をかいた。
さて、本当にどうするか——と、考えようとしたとき、突然声をかけられた。
「ちょっと、そんなところにつっ立てて邪魔だと思わないわけ? ここ、門のド真ん中よ」
冷水のような随分強い口調だった。
宗介はハッと我に返り声の主の姿を見ると、今の口調から想像できないような、目のぱっちりとした、可愛いと言えば誰もがうなずくであろう、まごうことなき美少女。
「あ、ごめん。ちょっと考え事してて」
「だったら端に行きなさいよ。他校からいらっしゃって何しに来たか知ったこっちゃないけど」
またもや突き放すように言われたが、その台詞で宗介はビブリア少女について聞いてみようと思った。
北校まで話が来ているんだから、知らないはずがない、と。
だが、例の女子生徒はさっさと帰ろうとしていたので、宗介はそれを慌てて引きとめる。
「あのさ、『ビブリア少女』って知らないか?」
慌てて引きとめて言ったので、大きな声になってしまった。
だが、『ビブリア少女』と言った瞬間、周りの帰宅中生徒が、一斉に振り返り小さなどよめきが起こった。
「ああ、『千世』の事? でもなんであの子について聞くの?」
だが彼女はそれを気にすることもなく平然と答える。
それを聞いて、どよめきに怪訝な顔に一瞬なった宗介だったが、それを聞いた瞬間、まるで機関銃のように質問を重ねた。
「知ってるのか? いま、彼女はどこにいる? 鮮やかに事件を解くって本当か!? だったら」
「落ち着きなさい。答えられる物も答えられないでしょうが」
あの例の、冷水のような口調の言葉が熱くなった宗介にぶっかけられた。それに頭を冷やされた彼は急にすまない気持ちになった。
「……ごめん」
「別に。で、あんた名前は?」
「長谷川、宗介」
落ち込んでいたところにいきなり名前を聞かれ、少し驚いたが答える。
すると。
「へぇ、あの運動神経が化け物じみてるってことで有名な」
「え……多分」
「ま、長谷川なんて聞かないし、多分あんたでしょ。あたしは東沙由璃。(アズマ サユリ)東に小って漢字にさんずいつけて自由の由に瑠璃の璃って書くわ」
名前を言ったところ、いきなり自分が知らなかったことを言われ、遠慮なく言われ、かなり驚いた宗介は引き気味に答えた。
だが、それも気にする様子も見せず、彼女は淡々と自分の名前を言う。
そして、一通り自己紹介を終えた宗介と沙由璃は、彼女の案内の元、道を歩き出した。
- Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.12 )
- 日時: 2012/05/13 22:16
- 名前: エテル (ID: wIulFSp9)
あれっ白月さんの新作だ!
…って、今頃気づくなんて遅いですよね。すいません。
ビブリア少女 どんな人かとっても気になります!
ハクさん…でいいですか?(勝手に はくげつ と読んでいるのですが…間違ってたらごめんなさい)
これからも頑張ってください!
- Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.13 )
- 日時: 2012/05/30 23:27
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
- 参照: 奇跡は起こるもんじゃない。 起こすものだ!
すみませんすみませんすみませんッ!!
テスト期間だったこともあり、コメ返忘れてました御免なさい!
いえ、気付いていただけるだけで幸いです^^
ビブリア少女ははっきり言って変じ(ry
いえ、それであってますよ。ハクで大丈夫です。
ええ、これからもがんばります。
ありがとうございました!
- Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.14 )
- 日時: 2012/06/13 23:52
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
- 参照: 奇跡は起こるもんじゃない。 起こすものだ!
いま、宗介がいるのは『東書店』と書かれた大きな木製の看板が瓦屋根に取り付けられている古風な店だった。
なぜ、『ビブリア少女』こと『千世(ちよ)』という女子を探しているのか、何故その存在を知ったのか。
例の彼女のもとへ案内されながらそれを話していて、辿り着いたのがここだった。
『ここ、あたしの家なんだけどちょっと待ってて』
そう言われて待つこと数分————そして今に至る。
「……遅いなぁ」
実際そんなに時間は経っていない。
だが、一刻も早くその例の彼女に、そして、なぜ裕也は死んだのか。
それが早く知りたくて知りたくて、ほんの些細な時間さえ今の宗介には長く感じた。
と、沙由璃が紙袋を持って店から出てきた。
「遅い」
と、少し苛立ちを隠しきれず、つい言ってしまった。
だが、沙由璃は意に介した様子もない。それどころか、「それは悪うございました〜」と、皮肉たっぷりに言い返してくるほど。
その様子を見て、宗介は軽くため息をついた。
「……まぁ、行こうか」
「あ、今絶対あたしのこと変人とか思ったでしょ。ぶっちゃけ、あたしなんかより千世の方が変人よ」
それを聞いて、彼はふと思い出す。
沙由璃にビブリア少女の事を聞いたとき、帰宅中の生徒が一斉にこちらを向き、怪訝そうに囁き合う光景。
————ということは、彼女も変人ということになるのだろうか。……ますます不安になってきた宗介だった。
それを察したのか、沙由璃はどこか元気付けるような声音で言う。
「まぁ、天才に変人は多いというんだから、安心なさい。腕は確かよ」
「今のを聞いて、安心できるとでも……?」
「要は心の持ちようよ。ほーら男でしょ、きりきり歩け〜」
などと言われても、やはり足取りは目に見えて重くなっていた。