複雑・ファジー小説

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ビブリア少女の凱旋歌
日時: 2012/04/03 23:40
名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)

 プロローグ『凱旋歌は悲鳴と共に』





 いやぁぁぁぁぁぁぁッ—————!!


 悲鳴が、聞こえた。

 それは俺の親友の家から。

 その時考えていたことなど全て忘れて、無我夢中に走った。

 そいつの家へと。

 尋常ではない悲鳴で、よく分からないけれど、本能が警鐘を鳴らしていた。


 急げ、と。

 
 でも、一瞬とても嫌な予感がした。

 けれど、その時は気にならなかった。

 とにかく、急げ、走れ、走れ走れ走れ! ——と、脳が全身に命令するから。



 そして俺は辿り着いた。悲鳴のもとに。

 更に俺は、『それ』を見た。


 今になって思うけど、急がなければ良かったと思う。

 あんなの、見たくもなかった。








 ————親友が、血だまりに沈んでいる姿など。









 どうもこんばんは!
 クリックありがとうございます。
 黒ウサギ×銀色蝶々を書かせてもらっている白月です。
 一応探偵ミステリ物。意味不明なタイトルは仮。
 随分前から温めていた話なんですが、話を練って練って熟成させていたところ。
 なんだかシリアスダークに載せる雰囲気かこれ……。
 という状態に陥りました。いや、プロローグはそうでもないんですけど。
 自分の中で踏ん切りがつき次第、シリアスダークに移したいなーと思っています。

 ネタ貧とかボキャ貧で更新は何かと遅くなると思いますがよろしくお願いします!

Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.1 )
日時: 2012/03/31 00:08
名前: 陽 ◆Gx1HAvNNAE (ID: ixlh4Enr)

白月の新作はっけーん!!!(∀)
早く見つけられて嬉しい(^^●)
まあファジー板の概念って私もよくわからないけど、ここでシリアス書いても文句はないんじゃないかなあ?

親友が血だまりで……最初から気になる展開(ω)
てかタイトルがいいよね(><。) 凱旋歌だよ!!(何

忙しくて大変だと思うけど、気長に待つのでbb
これから楽しみにしてます♪(^^@)

Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.2 )
日時: 2012/03/31 17:52
名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: R33V/.C.)

白月さんの新作とのことでコメントさせてもらいます♪
最初から衝撃的ですね^^ 私には出来ない出だしなので楽しみです!
更新ガンバです!

Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.3 )
日時: 2012/04/01 22:21
名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)

 部屋の片づけをしていたらコメントが……!
 あ、ヤバい。感動して目から何か出てきた。





 陽

 いやぁ、ありがとう!
 早速見つけてもらえて嬉しいー!

 ホントどうなんだろうなぁ、出だしの事件は暗いけど、その後ライトっぽい……かと思いきや暗くなるから。
 まぁどうであれ私は書くぜww

 おおぅ、マジで!? 気に入ってもらえた!?
 何かいつも詩っぽいからアレかなーと思っていたんだけど。
 陽にそう言われると自信出てくる。
 そしてまさかタイトル褒められるとは思っていなかった!
 実はノリと響きだけで付けたタイトルだからねッ。はっはっはっ!!

 楽しみにしていると言われると元気出てくる♪
 陽も忙しいと思うけど頑張ってや!





 風猫様

 ま、まさか来ていただけると思っていなかった方がいらっしゃるとは……!
 だれか! 座布団持ってこい!((ウザイ
 風猫様のような人気作家に来ていただけて光栄です!

 そしてそう言っていただけて光栄です♪
 ですが風猫様の出だし私大好きです! というか風猫様のすごく気になる出だしの方がすごいと思います!

 ありがとうございます。
 なかなかいけませんがそちらにもいずれコメしに行きますね!

Re: ビブリア少女の凱旋歌 ( No.4 )
日時: 2012/04/03 23:36
名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)

 1ページ目『ウワサ=ビブリア少女』





 それは如月の頃、つまりは2月頃の事————。

 キーンコーンカーンコーンとありきたりなチャイムが鳴る。
 教室から鞄を持ってぞろぞろと出て行くところを見ると学校が終わったチャイムだったらしい。

「うぉーい、宗介? 大丈夫かー」

 右からかけられた声に反応して、机に突っ伏していた宗介、と呼ばれた少年は顔だけをその方向に向けた。

「んー、大丈夫」

 宗介はそう笑って答えたが、顔には『疲労』の2文字が浮かんでいる。
 声をかけてきたクラスメートも「全ッ然大丈夫じゃねぇじゃん」と心配そうに眉根を寄せ、ねぎらうように宗介の肩をポン、と叩く。
 彼がここまで疲労している理由。
 それは穂村市——別名『古本の街』と呼ばれる地で1つの事件が発端だった。
 その事件は、『高校生が銃で自殺する』というもの。
 そして、宗介は第2遺体発見者として何回か事情聴取を受けている。
 普通の事情聴取を受けるならいい。と宗介は思う。だが、彼にとってはとんでもない苦痛だった。
 親友が自殺したばかりの時の現場を話すなど。
 
  親友だった彼の名前は高崎裕也。父親は官僚で人柄がいいと近所で評判がよく、母親もとても優しい人。悪いうわさもあったが特にこれと言って自殺する理由は見当たらない。

 と、宗介は思いきりため息をつく。

「……なーんで、裕也死んじゃったんだろうな。あいつそんなことするようには思えない」

「何でって……。まぁ、何かあったんじゃね?」

 独り言にも近い宗介の言葉をフォローしようとして、明らかに失敗した言葉をクラスメートは困ったように言う。
 が、そのクラスメートが何かを思い出したように眉を上げパッと明るい表情になる。
 
「そうだ宗介! お前『ビブリア少女』って知ってるか?」

 唐突にそう言われたが宗介は首をかしげる

「知らないのかー。まぁ、一部の奴らしか知らないしな」

「で、なんだよそのビブリア少女って言うのは?」

「確か穂村西高校の女子生徒で何でも、いつもテストの点はビリなのに、何かしら事件が起こるとそれを鮮やかに解いちまうらしいぜ。ってどした宗介」

 それを聞いた瞬間宗介はものすごい勢いで立ちあがった。
 かと思えば机についているフックに引っかけてあった鞄をひっつかんだ。
 そしてそのまま机の間を縫うようにして走りながらクラスメートに手を振る。

「色々教えてくれてありがとな! 俺、その子のとこ行ってみるわ!」
 
 あまりにも早すぎた動きについて行けなかったクラスメートはしばらくそのまま呆然としていた。


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