複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

Scarlet Infection
日時: 2013/02/27 22:54
名前: 将軍&参謀 (ID: RSw5RuTO)

はじめまして。将軍のリアルの友達の参謀と申します。

これは、将軍と合同で作った小説です。
将軍がいるとはいえ、はじめて小説を書くので至らぬ点があると思いますが、優しい目で見守りください。


※この小説はすべてフィクションです。

荒らしなどの迷惑行為はご遠慮ください。


登場人物 >>9 ←先に読んでいただけると読みやすいです。

用語説明>>12



プロローグ
西暦5000年
地球は温暖化問題や紛争などの問題が解決し、ついに恒久の平和がおとずれようとしていた…

しかし、この年の7月に原因不明の、生物はもちろん人工物にも感染する謎のウィルスの発生により、わずか10年で地球は支配されてしまった。

突然の事態に生き残った約30億人の人類は宇宙航行艦に乗り、地球とよく似た環境のクオリア星に、Q.C1(クオリア・センチュリー 1年)つまり、西暦5020年に人類は羽根をおろした…

あの日、デスパニックと呼ばれる日から10年、新たなる星に降り立った日から410年が経ち、人類はまた、さらに進化を続けていた…



「ふぅ〜」と、少女は肩を揉みながらため息をついた。
「やっと、世界史の宿題終わった〜」
髪を耳にかけ、時計を一瞥して
「明日も朝からテストだし、早く寝よ」
と、つぶやき、灯りを消した。


Re: Scarlet Infection ( No.1 )
日時: 2013/03/24 00:36
名前: 将軍&参謀 (ID: CmU3lREQ)

<第1章 >第1話

「んっ……う〜ん……」
リリーナは小鳥たちのさえずりで目を覚ました。
(うわ……まだ15分も寝れたじゃん……)
時計を見て、ため息をつきながらそう思った。
(ま、たまにはいっか。)
と、思い直して学校に行く支度をし始めた。

リリーナ・ハースはラルクスにある、私立クーマベア高等学校に通う高校1年生の普通の女の子だ。

かつて、地球を支配した謎のウィルス、エターナメンテ・ウィルス(E.V)と名付けられたウィルスはクオリア星にも発生した。しかし、地球よりは勢力が弱く、開発されたワクチンで対処できる様になっていた。それでも、やはり死者や人工物への感染が相次いでいた。
そこで、政府は対E.V滅菌部隊、通称、軍と呼ばれるものを設立した。軍は主に、ワクチンの配布や殺菌活動などをしていた。その中、感染した生物、人工物の一部が知性を持ち人々を襲いはじめた。それを知った政府は、人型可変式滅菌機動兵器[ヴォイス]を開発した。他にも、極秘に何かの研究もしているとの噂もある。

「いってきま〜す」
リリーナは元気な声でいつもと変わらず、家を出た。



学校に着き、自分の教室に入るなりいきなり、
「今日、フィーネ君来てるよ!リリーナ!」
友達のミルが大声で言ってきた。
「なんで、私にわざわざ言うのかな?」
少し怒り気味に尋ねた。
「だって、リリーナはフィーネ君のことが気になってるんじゃないの?」
まさかの言葉にリリーナは顔を赤らめながら、
「そんなわけないじゃない!」
と、怒鳴った。そのとき、後ろから担任が入ってきて、
「朝から元気だな」
と、言われ、みんなから笑い者にされ、リリーナは顔が赤いまま窓側の1番後ろの席に着いた。
ふと、右隣りの席のフィーネ・ユビルスを見た。フィーネは何も聞いてなかったかの様に、ずっと窓の外を眺めていた。

4コマの授業が終わり、昼食の時間になり、皆、早々に食堂に向かった。
リリーナも食堂に向かい、入り口から順に食事を受け取った。辺りを見回してフィーネを見つけると
「隣り……いいかな?」
フィーネはリリーナを一瞥し、ただ頷くだけだった。
お礼を言い、食事を食べはじめた。
特に話すことも無く、気まずい空気が流れていく。
なんとかこの空気を打破しようと、リリーナは思考をフル回転させるが、結局何も起きないまま時間だけが過ぎていった。

(あぁ……また、何もできなかった……)
昼食を終え、リリーナは廊下を歩きながらうなだれていた。
(このままずっとこんな感じなのかなぁ……)
そんなことを思いながら残りの授業を受け、家に帰っていった。
帰る途中、ちらほらと軍の人を見かけたが、特に気にせず再び帰路についた。

Re: Scarlet Infection ( No.2 )
日時: 2013/03/24 00:46
名前: 将軍&参謀 (ID: CmU3lREQ)

第2話

翌朝、今日は目覚まし時計で起きることができたリリーナは朝から機嫌が良かった。
朝食を済ませ、家を出る直前に
「お母さん、恋って難しいね」
「え?」
そんなやり取りをして家を出た。

学校に着き、教室に入るなりまた、
「今日は、フィーー」
無理やり言葉を遮り、
「おはよう!」
と、大きな声で言った。
ふと、自分の左隣りの席を見たが、そこにフィーネの姿はなかった。
朝から機嫌がよかったリリーナは少し落胆し、トボトボと席についた。

もともと、休みがちなフィーネは週に3回来てれば良いほうだった。それでも、成績は上位に位置していた。
学校では色々な変な噂がたっていた。実は、遊んでいるんじゃないのか、変な病気なんじゃないかなど……しかし、リリーナはそれが嘘であると信じていた。

2コマの授業が終わり3コマ目に入ろうとした時、突然、非常ベルが校舎中に鳴り響いた。
「軍から避難勧告発令。E.Vの発生を確認。生徒は教員の指示にしたがい、シェルターに避難してください。繰り返します……」
空気が凍りつく。そして、リリーナは頭がパニックになった。
この町にワクチンドームがないとはいえ、最も安全と言われた町なのだ。
「みんな!専用マスクをつけろ!急いで避難するんだ!」
先生の言葉で我を取り戻したリリーナは
「急いで!みんな!」
立ち上がり、ありったけの声で叫んだ。

ドガーン!
突然、爆音が鳴り響き、教室の一部が吹き飛ぶ。
リリーナも爆風で床に叩きつけられた。
その勢いに巻き込まれた、数名生徒たちは即死した者や身体の一部を失った者、上半身だけで必死にもがいている者など、悲惨な光景と化した。
しかし、そこから見える景色は桁違いだった。
火災がいたるところで発生し、所々にいる感染者、感染物(V.M)が人々を襲い、喰い荒らしていた。

リリーナは恐怖のあまり立ち上がれなくなり、床に座り尽くしてしまった。
(早く……逃げないと……)
そう思ったとき、再び爆発が起き、避難しているところだった生徒、教員を焼き尽くした。
(助けて……)
目の前でいくつもの死が連続し、リリーナの精神が崩壊しかけた時、聞き覚えのある声がリリーナに希望の光を見せた。
「急いで避難してください!まだ、諦めないで!」
フィーネ・ユビルスだった。
リリーナは必死に探すが、フィーネの姿はなかった。
「フィーネくーん!」
涙声ながら大声で叫んだ。
そして、3度目の爆発でリリーナの視界は火の海と化した。

Re: Scarlet Infection ( No.3 )
日時: 2013/03/24 00:57
名前: 将軍&参謀 (ID: CmU3lREQ)

第3話

「うっ……んんっ……」
少女は白い個室のベッドの上で目覚めた。
(ここは……)
目だけで右腕を見ると、黒いバンドが付けられ、そこから伸びたチューブ、コードが自分の心拍数などを示す装置までつながっていた。
それを見て、
(病院……なんで……?)
そう思ったとき、全てが頭の中に蘇り、勢いよく体を起こした。
(そうだ。学校で非常ベルが鳴って、避難してたらみんなが爆発に巻き込まれて、そして私は大きな影に……)
そこまで思い出したとき、あの一部始終も蘇った。
(あの座り込んで叫んでいた子は……?)
「目が覚めたか」
その声により、思考が遮られた。
声の主はイスに座り、軍の制服に身を包んだ少年だった。
「ソラ・セレーノだよな?」
その少年は同じクラスだったフィーネ・ユビルスだった。
「フィーネ君?君、軍だったの!?」
「あぁ」
「みんなは……?学校の先生とか生徒は?」
フィーネはうつむきながら、
「あの学校で助けることができたのは、君だけだ……」
「っ!?」
ソラは言葉を失った。最も安全と言われた町が数時間で消滅し、学校で生き残ったのは自分一人なのだ。
「俺がヴォイスで君を助けに行ったときはもう……」
「……」
「君の友達や大切な人を守ってやれなかった……」
フィーネは立ち上がり、深々と頭を下げた。
「……けど、君は私を助けてくれたじゃない。救助っていうのは助けた数じゃなくて、助けようとしたかどうかだと思うよ」
フィーネは頭を上げ
「ありがとう」
と、言って病室をあとにした。



それから数週間後、ソラは無事退院した。
さらに数週間後、ソラは自分の住む、軍が管理する仮設住居の近くの喫茶店にフィーネを呼びだし
「私、軍官学校に入る!」
「はぁ!?」
フィーネは飲んでいた紅茶を吹き出しかけた。
「なんだよ、急に」
ソラは少し頬を膨らませ
「だから、軍の学校に入学するの!」
呆れたように、フィーネは紅茶を置き
「今から勉強して入学しても、卒業するのに何年かかると思ってんだよ」
ニッと笑い、待ってましたと言うように
「大丈夫!フィーネ君がいるじゃん!」
はぁ〜っと、深いため息をつき、フィーネは
「マジ?本気?」
「マジマジ。チョー本気です」
フィーネはもう一度ため息をついた。
すると、ソラは
「だって、みんなを助けたいの。役に立ちたいの。自分の他にも、この前の私と同じ人がいるなら、その人に光りを見せてあげたいんだ」
その話を聞き、フィーネは頷いた。
「よし、じゃあ仕方ない。とりあえず、やってみっか。その代わり勉強はメチャクチャしんどいぞ」
「えぇ〜、お手柔らかに」
フィーネはさらにため息をつき、ソラと共に喫茶店をあとにした。

第1章 END


Re: Scarlet Infection ( No.4 )
日時: 2013/04/24 23:40
名前: 将軍&参謀 (ID: 710duu2T)

<第2章>第1話

Q.C411
ソラ・セレーノは多くの学生のなかで、バッチリと制服を来て広い講堂の席に座っていた。
(うわぁ……ドキドキする……なんにもしないけど、ドキドキする……)
そんなことを思いながら時計を見た。
(あと1時間半。それを乗り越えれば……)
そしてまた時計を見た。
(早く終わって!)

「卒業おめでとう」
やっと卒業式が終わり、講堂からでているところに声をかけられた。
その声にソラは振り向く。
「あっ、フィーネ君!」
そこには、同じく制服を着たフィーネ・ユビルスが立っていた。
「まさか、本当に卒業するなんてな。しかも、たった1年で」
呆れた半分、感心した表情で言った。
「フィーネ君がいたからだよ」
「いや、君の理解力が良すぎだからだよ。教えたことより、自分で学んだことの方が多かったんじゃない?」
「かもね〜」
ちょっと挑戦的な口調で言い、2人で笑いあった。

ソラは軍官学校に入ると決めた次の日から、猛勉強し始めた。
ほぼ独学で、少しフィーネに教えてもらっただけであっという間に学年成績1位をとり、飛び級に飛び級を重ねてわすが1年で卒業してしまった。

「で、ここが軍の最高指令室のあるとこ」
午後から特にすることがないので、ソラはフィーネに軍敷地内を案内してもらった。
「あっ!フィーネ君!」
突然、右の方から歩いて来る人影から声が発せられた。
「あぁ、ザキル大尉。こんにちは」
フィーネは敬礼をし、頭下げた。
「いいわよ。そんな固いこと。今日は休みなんでしょ?」
そう言ったのは、フィーネの上官らしい人だった。
「あっ、この人はミーヤ・ザキル大尉」
「初めまして」
ソラは深々と頭をさげた。
(綺麗な人だなぁ…)
その人は身長が高く、いかにも仕事の出来る女性といった感じだが、そのなかにもお姉さん的な雰囲気があった。
「で、こっちがソラ・セレーノです」
「初めまして。あなたのことはもう、軍中の誰もが知ってるわ」
「えっ!?なんで!?…。あっ!」
ソラは思わずタメ口で言ってしまい、口を手でふさいだ。
「フフッ。全くの素人がたった1年で軍に入隊したってね」
「あぁ〜、そうですか……」
と、落胆しながら答えた。
(いきなりやらかしちゃったなぁ…)
「まぁ、気にするな。名誉なことだよ」
フィーネは笑いながら励ますが
「フォローになってないよ〜……ううっ……」
ソラはまたさらに肩を落とす。
「とりあえず、明日から頑張ってね」
と、ミーヤは戻っていった。

そのあとも色々案内してもらい、1日が終了した。



翌日
ソラは寮のベッドで目を覚ました。
前より断然早い時間なので、急いで支度をして寮を出ていった。

「今日は君たちが配属されるチームを発表する。しっかり聞いておけよ」
卒業式の行われた講堂での朝の朝礼にでていたソラは、どこに配属されるのかワクワクする反面、いよいよ始まるんだという複雑な気持ちになっていた。
そうとは知らず、配属チームな発表されていった。
「ハリー・シャロン、αチーム。ロック・ノーム、γチーム……」
次々と呼ばれていく中、ついに
「ソラ・セレーノ、CFS。マーカス・ズワース……」
全員が一瞬にどよめいた。なぜなら、今まで聞いたことのない「CFS」という部隊だったからだ。
(これから、大丈夫かな……)
ソラはこの上ない不安にかられた。



Page:1 2 3



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。