複雑・ファジー小説
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- 【イメージ曲募集】人魚姫の幸せ【オリキャラ募集】
- 日時: 2013/03/19 15:54
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: PUz2bw5m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=1281
【挨拶】
初めまして、の方ばかりだと思います。
とても駄文で見ていて嫌になるかと。
其れでもいいのならどうぞお進み下さい。
後、きちんと注意を読んでから小説を見て下さい。
見なくて後悔するのは貴方です。
では、此れからどうぞ宜しくお願いします。
【キャラ設定】
園山愛華♀ イメージ絵>>16
裏社会で働いている殺し屋。
年齢不明。推測だと20代前半。
感情が乏しい。ポーカーフェイス。
バーの店主♂
裏社会の動きを良く知っている。
名前、年齢、共に不明。
何時も笑っており、少し変態チック。
【注意】
簡単に、此の小説の注意事項を説明します。
此の小説では、話の流れで大人向けの表現が入ります。
なので、※のマークが付いている話には気をつけてください。
後、此の小説は恋愛系です、最初の方は入りませんが。
【目次】
{序章}>>1
{One…Five}>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
{Six…Ten}>>7 >>8 >>9 >>10 >>12
{Eleven…Fifteen}>>13 >>14 >>17 >>18 >>22
{Sixteen…Twenty}>>23※ >>25 >>26 >>28 >>29
{Twenty-One… }>>30 >>31 >>32
{番外編}>>11(彼が居なくなって3日後の様子)
>>15(彼が居なくなって1年後の様子)
{参照100越え企画}>>24(3月19日更新)
【アンケート】
{イメージ曲募集}>>19
{オリキャラ募集}>>33
- Re: 人魚姫の幸せ ( No.5 )
- 日時: 2013/03/15 15:55
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)
【No,Four】
バスタブで半身浴をしながら、愛華は先程の血塗れの状況を思い出していた。
其れは愛華にとって、恐怖、其の物だった。
「お願いだ…助けてくれ…っ」
「ごめんなさい、其れは無理ですね」
「お願い…します…っ!助け…」
「無理って言ってますよ、ね?」
次の瞬間、断末魔が夜空に響き渡り、途絶えた。
男が其処まで生きる事に執着する理由を、愛華は知っていた。
"家族"。其の存在が、男をあの様な行動に移したのだ。
愛華は不思議だった。
如何して、其処まで家族を愛しているのか。
何故か、胸が痛い程締め付けられ、愛華はバスタブに身を沈めた。
愛華は自分がこうして裏社会に生きているのか、忘れ掛けていた。
もっとも、愛華には男の想い続ける"家族"が、どれだけ大切か、どれだけ愛しい存在なのかを知らない。
其の所為で、同情すら出来ないのだった。
【どんな感じなのかさえ、知らないの】
- Re: 人魚姫の幸せ ( No.6 )
- 日時: 2013/03/15 15:56
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)
【No,Five】
バスルームから出た愛華は、其の侭ベッドに潜り込んだ。
すると、先程まで我慢していた強力な睡魔が愛華を飲み込んだ。
愛華は、そんな睡魔に抗う事無く、深い眠りへと落ちて行った。
……(愛してるから)
(うん、知ってるよ)
(だよね)
(俺も、愛してる)
(…そっか)
(うん、すっげー愛してる)
(…私も、凄く愛してる)
(………)
(…本当に、愛してる)
少女は、笑っていた。
少年も、笑っていた。
2人は、今迄に無い程幸せで、今迄に無い程哀しかった。
少女は、泣いていた。
少年も、泣いていた。
少女は、愛していた。
少年も、愛していた。
(……あのね)
(…………)
(……私、 だよ)
2人は、今迄に味わった事の無い絶望感に襲われていた。
【記憶も、全てばいばい】
- Re: 人魚姫の幸せ ( No.7 )
- 日時: 2013/03/15 15:58
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)
【No,Six】
遠い意識の中、何時も聞いているアラーム音が鳴っている事に気付き、私は、ゆっくりと上体を起こした。
昨夜の疲れが抜け切っていない身体は、動く事を強く拒み、ずっしりと重い重力を負担させた。
だが、私は自らの意思で重力に逆らい、疲れ切った身体を無理矢理起こした。
そして、未だベッドのサイドテーブルで鳴り続いている時計のアラームを思い切り止め、何をする訳でも無く、唯ベッドの端に座っていた。
だが、着替え位はしようと、ベッドの煩いスプリングをぎしり、と鳴らしながら、立ち上がった。
(…ごめん)
其の時、何処からか懐かしい自分の声が聞こえて来た。
恐らく10代の頃だろう、幼い自分の声。
何故だか、少しの不安を覚え、私は思わず其の場に座り込んだ。
寝惚けている私の脳内に、彼の顔が浮かぶ。
今更何を想うのかと、自分に問い掛けても、答えは出て来ない。
私の中を、何か嫌なものが巡っている気がしたのは、多分私の勘違いか気のせいだろう。
【出来事が何を変える訳でも在るまいし】
- Re: 人魚姫の幸せ ( No.8 )
- 日時: 2013/03/15 15:59
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)
【No,Seven】
何時もの様に、愛華はラフな洋服に着替え、コーヒーを入れる準備をした。
苦そうな香りが、鼻を刺激し、良い眠気覚ましになる様だ。
お湯を注いでいる時、ふと、愛華はリビングの立て掛けてある、写真立てを見てみた。
写真に写っているのは、若い頃の愛華と…——
「……未だ…」
愛華の表情が、哀しみへと変わって行く。
「…未だ………愛してる」
虚ろな眼差しで"愛してる"と、呟いた愛華は、はっとしてお湯が零れそうになっているカップに気付いた。
慌てて、お湯を注ぐのを止め、カップをリビングへと持って行った。
テーブルにカップを置き、頬杖を付きながら、瞼を閉じた。
愛華の楽しかった頃の思い出。
其れは、今と成っては、愛華を苦しめるものに過ぎない。
未だ湯気の立っているコーヒーを愛華は口に運んだ。
「…苦い」
何時も慣れている筈の味が、今日は違うと、愛華は感じていた。
【世界は広いのか、狭いのか】
- Re: 人魚姫の幸せ ( No.9 )
- 日時: 2013/03/15 16:00
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)
【No,Eight】
別に、何か意味か在って、付き合った訳じゃない。
唯、何処か優しい雰囲気に惹かれただけだった。
何時も笑顔で、好きだ。
好きなんてものを通り越してる。
好きで仕様が無かった。
一緒に居られれば、其れで幸せと呼ぶ事が出来た。
其れ位、彼は大切だった。
キスだって、包み込む様に温かくて、安心出来た。
大きな手が大好きで、ずっと握って居たかった。
『はじめて』だって、彼にならあげてもいいと思えた。
私の全てを、捧げても良かった。
だから私は彼を愛した。
彼もまた、私の愛に応えてくれた。
何時までも、愛してる。
忘れた事なんか一度も無いから。
彼の事を、考えない日なんて無かった。
言葉なんかじゃ伝えられない。
此の世界じゃ伝え切れない、私の愛してる。
【溢れてくる此の想い】