複雑・ファジー小説

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アビリティワールド-Abilityworld-
日時: 2013/12/29 03:42
名前: 遊太 (ID: 8fZYMRgY)

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           はいどうも〜。作者の遊太です。
      今回のテーマは『超能力ability』。バシバシ投稿していくぜッ!!
         更新速度?遅いにきまってるでしょ( *´艸`)フフフッ
         コメント?欲しいにきまってるでしょ( *´艸`)フフフッ
           いつやるの?今でsy(*´▽`*)割愛♪
    てなてなわけで、評価の方よろしくお願いします。お楽しみに〜♪

◆*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*◆


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○。○。お知らせ掲示板。○。○
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
12/20 物語作り直しのためスレを立てなおしました
12/23 参照100突破!!第1回アビリティわ〜るどキャラ談>>008










(現在の)主要登場人物
 *神宮優太
  人間から超能力者になった男の子。第2班所属。少しづつだが、クリスフォードの生活に慣れている。
  超能力は共感エンパシー。感情を同調した相手の超能力をコピーすることができる(ストック無限)。
 *科野照
  クリスフォード1年生。第3班所属。身長190cmで1年生トップの身長の持ち主。同班の篤彦、悠とは幼馴染。
  悠のことが好きではあるが、その気持ちを伝えれずにいる。
 *高良篤彦
  クリスフォード1年生。第3班所属。体格が良すぎるため、その見た目からあだ名が「筋肉ダルマ」。
  照の気持ちを察し、悠への告白作戦を実行しようとするが…。
 *村山悠
  クリスフォード1年生。第3班所属。小柄で目つきが鋭く、怒っているような表情をしている。
  照と篤彦以外の男子生徒とは話さず、なぜか男性を毛嫌っている。
 *アダム・ベル
  世界政府機関超能力科学技術調査局元局長。現在はDTMという新薬を盗み、逃亡の身となっている。



Word
L超能力者専門学校クリスフォード>>011
L国際機関世界政府




Chapter01『選ばれし者』
 Episode01-01「入学篇」
  >>001>>002>>003>>004>>005>>006>>007
 Episode01-02「告白大作戦篇」
  >>009>>010>>012>>013

Re: アビリティワールド-Abilityworld- ( No.4 )
日時: 2013/12/20 20:30
名前: 遊太 (ID: 8fZYMRgY)

第4話
‾‾‾‾‾‾


船内の椅子に優太は腰掛け、家族、有紀、元太、竜のことを考えていた。
皆は、突然何も言わずに去った自分を一体どう思っているのだろうか。
4年後、また同じように自分に接してくれるのだろうか。
優太は窓から見える海を見つめ、そんなことばかりを考える。
気付けば、日本列島は水平線から消えていた。船はかれこれ3時間以上、超能力専門学校クリスフォードのある島へと向かって進んでいる。
「ニャー」
「え?」
どこからともなく、真っ白な猫が現れ、優太の膝の上にひょいと飛び乗る。
猫は優太の膝の上で丸くなり、そのままスヤスヤと眠りにつく。
「なんだお前。もしかして、迷い込んだのか?」
猫に話しかけても、返事など返ってくるはずなどない。優太はもちろん承知していたが、話しかけることで多少は気持ちが和らぐ。
「馬鹿だな。……クリスフォードに仲間がいればいいけどな」
優太はそういうと、優しく猫の頭を撫でる。

そんな優太の姿を、甲板からジョンとライリーが見ていた。
「案外すんなり受け止めてくれたな」
「しかし、まだ16歳の少年だ。この運命は残酷すぎる」
「分かってるよ。でもまぁ、あのまま放置しておく方が残酷だ。クリスフォードに入学することは、彼にとっては色々と失うものもあるが、正しい選択だ」
「あぁ」
ライリーはジョンの首に手を回し、肩をパンパンと叩く。
「なんだよ。罪悪感でも感じてんのか?」
「別に。ただ、弟を思い出しただけだ」
ジョンのその言葉に、先ほどまで陽気な雰囲気だったライリーが真面目な顔つきになり、胸の前で腕を組んだ。
「西暦最後の事件……あんな酷いこと、これから先二度と起きやしねぇよ。あの事件で人類と超能力者はお互いに学んだ、戦争に何の意味もないことを」
「今でも理解できないんだ。弟は、一体どういう目的で世界政府に立ち向かい、どんな思いで死んでいったのか」
「……あんまり過去を背負うな。死んだ者が最期に何を考えていたかなんて、そいつ自身しか分からないんだ。お前がいくら考えても理解出来やしねぇよ。お前の悪い癖だぞ」
「何がだ?」
「弟が死んだこと、優太がクリスフォードに入学すること、全部お前のせいじゃねぇ。なのに、お前はまるで自分がそれを招き入れた当事者だと思い込んでいる。もっと、気楽に考えろ。考えまくっても、何も解決しねぇよ」
「……そうだな。ありがとう」
「じゃ!今度の飲みはそっちのおごりな!」
「……前言撤回だ。くたばれ」


***** ***** *****


「お〜い、着いたぞ。起きろ」
ライリーは椅子に横になって寝ている優太の頭を叩く。
「う〜ん…」
優太は目を覚まし、起きたばかりの重い体を起こす。外はすでに日が沈み、海の方は暗闇で全く見えない。
「着いたからさっさと降りろ。飯待ってんぞ」
「飯?」
「ニャー!!」
「のわっ!?」
優太が寝ていた椅子の下から、白い猫が飛び出し、勢いよく船の外に飛び出していった。
ライリーは猫の突然の飛び出しに驚き、前の椅子に腰を強打し呻く。
「あ、あの猫……」
「ははっ」
優太は、目の前にいる人物が超能力者であるとはとても思えなかった。
ライリーと共に船から出た優太は、周囲を見渡した。
今現在優太たちがいるところは、大きな白い灯台がポツンと立っているだけの船着場で、船着場の目の前はすぐに森林である。
森の中は道が整備されており、規則正しく街灯が並び、暗闇の中の森の道を照らしている。
「歩くぞ」
先に船を降りていたジョンはそういうと、森の道を歩き出す。
優太とライリーもジョンの後を続いて歩き始めた。

「にしても、こんなところにクリスフォードっていう超能力者の専門学校があるんですね」
「島の大きさは東京都とほぼ同じだ」
「……え?」
ライリーのその言葉に、優太は驚く。
初めは冗談だと思っていたが、2人の顔を見るとどうやら冗談ではないらしい。
「クリスフォードには主に日本の超能力者が通っている、てか大半がそうだ」
「友人はすぐにできるだろう。それに、行動は3人1組の班だからな」
「班?」
「そうだ。ちなみに優太、お前は俺の班だ」
ジョンのその言葉を聞き、優太は安心する。
「俺の方が良かったんじゃねぇの?」
ライリーが肘で優太を小突く。
「お前の班はもう3人いるだろう」
「つまんねぇんだよ。あいつら真面目で優秀すぎるから。少しは馬鹿を入れたいじゃねぇか」
「…馬鹿って、僕のことですか?」
「冗談だって、ロックウェルジョークだ」
ライリーは笑いながら、優太の頭をパンパン叩く。
ジョンは終始そんなライリーを無視して歩き続け、優太も軽く交わしながら、歩くこと10分。
森林を抜け、拓けた土地に出た。
優太の目の前に、「コ」の字型で5階建ての巨大な校舎が現れた。校舎の右横には体育館と思われる建物やプール、さらに左横には3階建ての団地を思わせる建物が建っている。
「ようこそ、クリスフォードへ。さっそく校舎へ…と言いたいところだが、今日は授業も終わってるから、今からお前やクリスフォード生が生活している寮に向かう」
ジョンはそういうと、校舎の左に並ぶ4つの建物の方へと歩き出す。
「手前から1年生、2年生、3年生、4年生の寮だ。生徒の人数は総勢約90人。各学年大体20人前後だ」
「男子も女子も寮は一緒なんですかー!!」
「……ライリー、なんでお前が質問する?」
「え?だって優太、気になるだろ?」
「い、いや俺は別に……」
「まぁ答えるとそうだな。理由としては、お互いの親睦を深めるためだ。もちろん、部屋やプライベートな部分は別だがな」
「だってよ!!」
ライリーの無駄なアクションを無視し、3人は一番手前に建つ1年生の寮に入り、そのまま廊下を歩く。
「1階には食堂、風呂場、洗濯機と乾燥機、自動販売機。2階が女子のフロア、3階が男子のフロアだ。屋上も開放してある」
ジョンの説明を受けながら、やがて3人は1階奥の食堂へと辿りつく。
優太は唾を飲み込み、一気に襲い掛かる緊張感に溺れないよう注意する。
「まぁ、気楽に自己紹介しろ。皆良い奴だから」
「は、はい」
「それじゃあ、開けるぞ」
ジョンはそういうと、食堂の扉を開けた。


***** ***** *****


食堂は長テーブルが並んだ大学の食堂を思わせる形となっており、食事は三食全てバイキング形式となっていた。
椅子に座っていた生徒たちは一斉に視線を優太たちに向け、食事の手を止める。
「はい注目。突然だが、今日からとある事情でクリスフォードに転入してきた神宮優太君だ」
ジョンの言葉を聞いた生徒たちがざわつき始めるが、突然、その中で一人の女の子が手を挙げながら立ち上がり、ジョンに質問した。
「ということは!!第2班に配属ですよね!!」
「そうだ、智花」
「やったー!!隼人!!これで私たちも大会出れるじゃん!!」
クリスフォード1年生の天条智花は、目の前に座っていた黒崎隼人の肩を持ってグワングワンと振る。
「わ、分かったから離せってば!!」
「じゃあ、優太。お前から自己紹介しろ」
ジョンにそう言われ、優太は1年生総勢20名が座っているテーブルの真ん中に立つ。
一度咳払いをし、チラリとジョンとライリーを見る。2人は、しっかりと優太を見ていた。
優太は深呼吸をして、自己紹介を始めた。
「初めまして、今日からクリスフォードに入学する神宮優太です。これから4年間、よろしくお願いします!!」
一瞬、食堂がシンとなる。
優太は失敗したと思ったが、直後、拍手が沸き上がった。

「よろしくな!!優太!!」
「優太君よろしく!!」
「一緒に頑張って行こうぜ!!」
「こっちの席来いよ!!」

優太は皆の温かい言葉に、感動のあまり涙を浮かべる。
その勢いで、空いている席に向かうとしたその時だった。
優太の肩をジョンが掴み、優太が空席に行こうとするのを止める。
「残念だが、優太君とのお話は後でだ」

「「「「「えぇぇぇぇーーーー!!!!!」」」」」

ブーイングが巻き起こり、優太も首を傾げてキョトンとしている。
ジョンは優太を連れて食堂を出ていく。
残ったライリーは全員の前に立ち、そのブーイングをなだめていた。


***** ***** *****


食堂を出て廊下に戻ったジョンに、優太は尋ねる。
「どうしたんですか?」
「どうしたんですか?じゃないよ。お前、今の自分の立場分かってるか?」
「もちろん。超能力者でしょ」
「お前の超能力は何だ」
「俺の超能力は………」
ジョンはため息を吐き、頭をボリボリと掻く。
「優太、今からお前の超能力が何なのかを確かめるためにある場所へと行く」
「ある場所?」
「そうだ。そこにある男がいるから、その男にお前の超能力を引き出してもらう」
ジョンはそういうと、優太を連れて寮を出る。



俺の超能力って……一体、何?




Re: アビリティワールド-Abilityworld- ( No.5 )
日時: 2013/12/21 14:54
名前: 遊太 (ID: 8fZYMRgY)

第5話
‾‾‾‾‾

すでに外は夜だった。
寮を出て、ジョンの後ろを歩く優太は、木々の隙間から見える夜空と星につい見とれてしまう。
「綺麗な夜空ですね。俺、こんな景色初めて見ました」
「クリスフォードのある島周辺の天候は、世界政府の天候管理総務部が常に快晴に調整している。月に一度、乾燥や地割れ防止のために雨が降る以外は、昼も夜も雲一つない空だ」
「超能力者は、天候も操るんですね」
「そうだ」
ジョンとそんなことを話しながら歩くこと約30分、森を抜けた直後、優太の目の前に不気味な建物が現れた。
円形のその建物には窓が一切なく、壁には草の蔓が広がり放題である。
ジョンはそのまま建物の扉へと向かうが、優太はついその場で足を止め、ジョンに尋ねる。
「ここは…何なんですか……」
「クリスフォードに万一侵入者が入った場合、その侵入者を隔離する建物だ。校舎よりもはるかに強度はある。だけど、一回も使われたことはない」
「ここで一体、何をするつもりですか?」
「言っただろう。お前の超能力を確かめる」
ジョンはそういうと、扉を開けて建物の中に入っていく。
優太も慌ててジョンの後を追う。
扉は動かすたびに「ギギギッ」と不気味な音を立て、優太の恐怖心を駆り立てる。
建物に入ってすぐ、優太の目に飛び込んだのは巨大なホールだった。
しかし、ホテルなどのホールではない。壁も床も天井も、全てが鉄のように冷たく固いもので出来ており、壁には規則的に蝋燭台と蝋燭が置かれ、ホールを照らしている。
見ると、その暗いホールの中央に誰かが立っていた。
「紹介しよう。クリスフォードの職員で1年生の第7班を受け持つ、エーベルハルド・ホールリンズだ」
ジョンが紹介すると、暗闇の中から紫色の髪に、眼鏡をかけた男性が優太に歩み寄ってきた。
よくみると、知的でとても頼もしそうな男性だった。
「初めまして、神宮優太君。私はエーベルハルド・ホールリンズだ」
「は、初めまして……」
「じゃあ、エーベルハルド。さっそくお願いしたい」
「分かった。優太君、こっちに来てくれ」
エーベルハルドにそう言われ、優太はホールの中央にやってくる。
ジョンは扉近くの壁に寄りかかり、腕を組んで2人の姿を見ている。
優太はエーベルハルドに指示され、ホールの中央に直立で立つ。
「まず初めに、私の超能力は“精神介入メンタル・インターベンションといって、目を見た相手の精神の中に入り込むことができる」
「精神の…中……」
「別に痛くもないし怖くもないよ。ただ、君のプライベートな部分を見ることになってしまう。精神介入は、いわば脳の中に、記憶の中に入り込む能力だからね」
エーベルハルドは説明を続けながら、優太の目の前に立つ。
「では本題に入ろう。どうやって君の超能力を確かめるか。超能力者なのに超能力が使えない者は稀にいる。どうして使えないのか、その原因は一つ。恐怖だ。自分が自覚していなくても、どこかで恐怖を感じ、超能力を意図的に封じ込めてしまっているんだ。もし自分の超能力で誰かを傷つけてしまったら。もし自分の超能力で誰かを死なせてしまったら。でも、そんなことはない。必ず、超能力は自分の意志で扱えることができる。でも、そうしない。恐怖がどこかにあるから。そこで、私の超能力の登場だ。私は優太君の精神に入り込み、恐怖の根源を見つける。君はそれを知ることで恐怖を知り、理解し、そして初めて超能力を手に入れるだろう」
エーベルハルドは説明を終えると、優太の両肩を掴む。
「準備はいいかい?始めるよ」
「は、はい。でも、1つ質問いいですか?」
「なんだい?」
「どうして、わざわざこんな不気味な場所でやるんですか?」
優太は質問しながら、周囲を見渡す。
その質問に、エーベルハルドは笑顔で答えた。
「万が一、君が恐怖に打ち勝つことができず、さらに超能力に支配されて暴走されたらクリスフォードの皆が危ないでしょ?」
「つまり…万が一暴走した俺を閉じ込めるための……」
「そういうこと。でも、そんなことにはならないよ。自分を信じて」
「はい!!」
エーベルハルドはそういうと、優太の目を見つめる。優太も、エーベルハルドの目を見つめる。
そして次の瞬間、優太の目の前が真っ暗となった。



***** ***** *****



「俺の分も持てよな!!」
「早く歩けよ!!塾に遅れちゃうだろ!!」
「う、うっせぇな……」
「なんだよ!!じゃんけん負けたお前が悪いんだろ!!」


優太が目を開けると、そこには夕日に染まった見覚えのある風景が広がった。
一会小学校の正門を出てすぐ右側にある神社の中、古そうな大木の前で、大量のランドセルを持った男の子が数人の男の子たちに囲まれていた。
優太は、その光景に見覚えがあった。

「いたっ!!」

囲んでいる男の子たちの内一人が、ランドセルを持った男の子の足を蹴る。
男の子はバランスを崩し、ランドセルが地面に散らばった。
「なにしてんだよ!!汚れちゃうだろ!!」
「やめろ!!」
優太は思わず、声をあげて男の子たちに駆け寄る。
突然の声に驚いた男の子たちは、振り向いて優太を見ると血相を変えて「逃げろ!!」と大声をあげ、自分たちのランドセルを拾って神社から走り去って行く。
優太は急いで、地面に倒れている男の子に駆け寄る。
「大丈夫?元太?」
その男の子は、優太の親友である元太だった。
しかし、優太が何度声をかけても元太は顔をあげない。
「元太?どこか怪我でもしたのか?」
「どうして…」
「え?」
突然、元太が顔をあげ、優太を睨み付ける。
よくみると、元太の両目に白目の部分はなく、全てが黒くなっていた。
「う、うわぁぁぁぁ!!!!」
優太は驚き、急いで後ろに下がる。
「どうして、いきなり俺らの前からいなくなったんだ?」
「げ、元太……」
「俺たち、小学校からの付き合いだったろ?どうして?どうしてだ!!!!」
元太が叫んだ次の瞬間だった。
先ほどまで神社にいたはずの優太は、なぜか都立一会高校の1年4組の教室の自分の席についていた。
「え?は?」
優太はすぐに立ち上がり、窓の外を見る。
夕日に照らされていた神社とは違い、外は真っ暗である。
優太は状況が飲み込めず、呆然と立ち尽くす。その時だった。

「優太…」

突然背後から聞こえた声に驚き、優太は慌てて振り向く。
そこには、竜が立っていた。竜の目は、先ほどの元太の目と違い普通である。
「竜…」
「最後に俺と元太と有紀と、4人で遊んだ日、覚えているか?」
「え…」
優太は竜に言われ、必死に思い出そうとするが、何も思い出せない。
ふと見ると、竜の手には金属バットが握られていた。
竜はそのバットを高く振り上げると、優太の脳天めがけ、何の躊躇いもなく振りおろした。
「わぁ!!」
優太は横に飛び、間一髪交わす。
バットは窓に直撃し、窓の割れる音が響き渡った。
「俺たちとの思い出なんて、結局そんなもんだろ。時間が経てば消えるような、そんな安っぽいもんなんだろ」
「違う…そんなわけない……」
「じゃあ、4人で最後に遊んだ日を覚えているか?俺と元太が宿題かけてやったマリパの勝敗知ってるか?俺が中学3年の頃、地区大会の決勝でホームラン打って、その祝いに4人で俺の家で集まってどんちゃん騒いだ日を覚えているか?」
優太は竜に問われるが、頭が混乱して何も思い出すことができない。
優太が竜の顔を見ると、いつの間にか、竜の両目も真っ黒になり、不気味な姿に変わっていた。
「もう、終わりだな」

「終わらせてたまるか…絶対に……絶対に卒業して、皆のもとに帰るんだ……」

「本当に、本気でそう思ってる?」

優太が後ろを振り向くと、そこには有紀が悲しげな表情で、冷たく生気のない目で優太を見つめていた。
「有紀……」
「あの日、公園で言ったよね?また明日って、でも、次の日、あなたは学校に来なかった」
有紀はゆっくりと、優太に歩み寄る。
「あなたは、度重なる出来事についていけず、最後は超能力者たちの言う通りに、クリスフォードへ行ってしまった」
「違う。それは違う。自分の意志で来た。俺は、皆と早く会うために……」
「本当にそうなの?今もそうなの?自分のためだけじゃないの?」
気が付けば、優太の周囲には元太、竜、そして母の美保と妹の可南子も立っていた。
全員の目が黒く染まり、静かに優太を見つめている。
「あなたは、ただ自分の不運な境遇から抜け出すために、クリスフォードにやってきたんじゃないの?」
「違う…そんなことは……」
「自信がないの?どうして否定しないのか教えてあげようか?」


 「あなたにとって、私たちの存在はただの存在にすぎない。
  いつも見る空、通り過ぎ行く人々、目に見えない風、道を這う虫───当然の存在。そんな存在の中に
  私たちは分類されている、そんな存在だから、あなたは自分を優先し、自分が助かる術を選択した」


「違う…」
優太は涙を零し、その場に両膝を付ける。
「違くないよお兄ちゃん。お兄ちゃんは自分のためだけに、その選択をした」
「妹を、母親を、家族を見捨てて、クリスフォードへと行くことを決めた」
「自分が助かる為だけに」
有紀、元太、竜、美保、可南子が、真っ黒に染まった目で優太を見つめる。
優太は何も言い返すことができず、泣きながら、その場にうずくまる。
「俺は…俺は……───」





Re: アビリティワールド-Abilityworld- ( No.6 )
日時: 2013/12/21 22:12
名前: 遊太 (ID: 8fZYMRgY)

第6話
‾‾‾‾‾‾



泣き崩れ、うずくまっていた優太は、急に周囲が静まり返ったことに気が付く。
恐る恐る顔を上げると、そこは教室ではなく、上も下も、右も左も、前も後ろも白い謎の空間だった。
「なんだ…ここ……」
何もなく、ただ果てしない白い景色が広がっている。足場がなければ、方向感覚が狂ってもおかしくはない。

「ようこそ。神宮優太」

優太が後ろを振り向くと、そこには黒いローブを覆った人物が立っていた。
その人物はフードを深く被り、顔をわざと隠しているようだった。
そして優太は、なぜかその人物と初めて出会うような感じがしなかった。
「お前…お前もしかして………」
「気が付いたか?」
「アダム……ベル………」
優太がその名前を言うと、その人物はフードに手をかけ、一気に後ろへと下げた。
フードの下には、ウェーブの黒髪に不気味な笑みを浮かべた顔があった。
優太は一度も見たことのない顔だったが、その人物がなぜかアダム・ベル本人だと確信した。
「疑問を感じているだろう。どうして、お前の精神の中に私がいるのか」
「……意味が分からない……どう…なってる……」
「お前の首に打った注射はDTMという、世間では現在開発途中の人間を超能力者に変えてしまう新薬だ。そう、世間では…実際は完成している。そして、お前に打ったDTMには少しばかり私の血液が混ざっている。もちろん、DTMに影響がない程度だが」
アダム・ベルはその場に座り込み、あぐらをかいて顎を手の平の上に置く。
優太はアダムに近づき、怒りでも悲しみでもない目つきで、アダムを見下ろした。
「何か言いたいそうだな」
「当たり前だ。でも、まず聞きたいことは、どうしてそんな注射を俺に打ったんだ?」
優太の質問に、アダムは微笑みながら答えた。

「運命だよ」

「ふざけんなっ!!」

優太は怒声を上げ、アダムの胸ぐらをつかもうとする。
しかし、そんな優太の怒りの手は、アダムの体を通り抜けてしまった。
驚く優太に、アダムは淡々と答える。
「今お前に見えている俺は、お前の脳裏に強制的に焼き付けた記憶の断片に過ぎない。次にお前が精神の中に入ってくれば、その時には俺は消えてるだろう」
「ふざけんなよ……ふざけんなよ!!お前のせいで全部失ったんだ!!!お前のせいで俺は人として生活を捨てることになったんだぞ!!!」
優太は涙を流しながらアダムに訴える。
優太は、目の前に自身を超能力者にした張本人がいるのに、触れることさえできないことに悔しさを感じていた。
アダムは顔色一つ変えず優太の言葉を聞き流すと、立ち上がり、背伸びをする。
「で、自分の超能力が何かわかったか?」
「……あ?」
「エーベルハルドに言われただろう。自分の恐怖を理解して、超能力を確かめろって」
「お前、エーベルハルド先生を知ってんのか?」
「知ってるも何も、彼は元々世界政府の人間だ。昔から顔は知っている。それよりも、自分の恐怖の根源が何か、分かったのか?」
アダムは面倒くさそうに聞く。
優太はやや不満そうに、アダムの質問に答えた。
「一応は…なんとなく……」
「言ってみろ」
「はぁ?なんでお前に言わなきゃならないんだよ!!エーベルハルド先生に言う」
「この空間はエーベルハルドの精神介入でも入ってこられない。さっきも言ったように、今の俺はお前の脳裏に強制的に焼き付けた記憶の断片だ。それはこの空間も含まれる。そしてその空間に入れるのは、脳の持ち主であるお前と、俺だけだ」
アダムは優太に近づき、再び尋ねる。
「で、恐怖の根源は何だ?」
「言わない。絶対に言うもんか」
「……じゃあ俺が言おう」


「お前の恐怖の根源は、家族と友人だ」


アダムの言葉に、優太は目をカッと開けて驚く。
アダムは大きなため息を吐き、頭をボリボリと掻く。
「これ3度目ね。俺は、お前の脳裏に強制的に焼き付けた記憶の断片だ。つまり、今はお前と全てを共有している状態だ。だから、お前が何を考えているかも全て分かる」
「……なら、さっさとそうすればよかっただろうが」
「お前の口から直接聞きたかったんだよ」
アダムは優太の頭を激しく撫でる。
優太はアダムの手を払いのけ、不満たっぷりの顔でアダムを睨み付ける。
アダムはそんな優太を見て微笑み、説明を始める。
「お前は、突然消えた自分に家族や友人が恨みを抱いていないか怯えているようだな。家族、友人、特に八槙元太、酒井有紀、佐藤竜はお前の人生にとってかけがいのない存在。それはお互いが理解していること。そんな大切な家族や友人たちに、別れの言葉も告げずに消えたことに恐怖を感じている。お前はクリスフォードを卒業して彼らとの再会を望むが、果たしてその時、彼らは自分を快く迎い入れてくれるのだろうか、昔のような感懐を築けることができるか、そのことにも恐怖を感じている。お前は、ジョン・シルファーと似ているな」
突然出てきたジョンの名前に、優太は首を傾げる。
「どうして、ジョン先生が?」
「今から17年前に起きた西暦最後の事件で、あいつは自身の弟を亡くした。そのことをあいつは自分のせいだと今も思っているだろう。お前もジョンも、家族や友人に人並み以上の感情移入をしている。ただでさえ、感性が豊かな者は恐怖を感じやすいのに、お前やジョンみたいなやつは尚更だ。ま、恐怖の根源は家族や友人。それは正解だな」
アダムは心がこもっていない拍手をする。
虚しい拍手の音が、白い空間に響く。
優太はアダムを見て、質問する。
「で、それで俺の超能力は何だ?どうすれば分かる?」


「もともとお前の超能力は決まっている。お前の超能力は“共感エンパシー”だ」


「共感……」
優太が復唱する。
「これは、簡単に説明するとコピーだが、コピーするには条件がある」
「条件?」

「相手と感情を同調しなければならない」

アダムのその言葉の意味が、優太はいまいち理解できなかった。
アダムは理解できていない優太の表情を見て、また大きなため息を吐く。
「馬鹿が!!馬鹿でもわかるように説明すると、相手が悲しいと思っているときにお前も悲しいと思う。相手が怒っているときにお前も怒る。そんな感じだ」
「なんか…簡単そうだな」
「もちろん、真似事じゃダメだ。感情を真似で騙せると思うなよ」
アダムの顔が、突然真面目な顔つきとなる。
「この超能力は、使い方次第では最強の超能力といえるだろう。ストックが無制限のコピー能力なんだからな。だがしかし、その扱いは保有者であるお前で決まる」
「……どうして、あんたはそんなに俺の超能力に詳しいんだ?」
優太のその質問に、アダムは今まで見せなかった、優しい微笑みを浮かべて答えた。

「神宮優太。どうして俺がお前にDTMを打ったのか、どうしてお前の超能力を知っているのか。それは、近い未来で知るだろう。そして、その意味を理解したとき、お前は人類と超能力者、両者の一縷の光となるだろう」

アダムの謎めいた言葉に呆然とする優太。
その時、アダムの足元が透け始めた。
「おっと…時間かな」
「ま、待ってくれ!!まだ質問したいことが山ほどある!!」
「それは、現実世界の俺に質問してくれ。ま、そのとき、その俺がどうなってるかは知らんがな。あと、ここで俺と出会ったことは伏せといてくれ。頼むよ」
アダムの頼みに、優太は自然と頷く。
さきほどまで嫌っていた相手だったのに、今では許し、別れに淋しさを感じていた。
やがて、アダムの体上半身も消え始める。
「優太。お前を俺たちの勝手に巻き込んで、本当にすまないと思っている」
「あ、あんた…さっきから何を言ってるんだ………」



「それじゃあな……未来の………英雄よ……………────横」







………─────








***** ***** *****



優太が目を開けると、そこは薄暗いホールの中央だった。
目の前にはエーベルハルドとジョンが立ち、優太を見ていた。
「大丈夫か、優太」
「はい……」
「いやぁすまない。普段はこんなことないんだが、まさか精神の中で君を見失うなんて……」
エーベルハルドの言葉に、優太は真実を言うべきは悩んだが、結果、アダムの頼みを優先した。
「恐怖を理解して、自分の超能力が何かが分かりました」
優太のその言葉に、2人は表情を変えた。
「……なんだ?」

「俺の超能力は共感エンパシー。相手と感情を同調することで、その相手の持つ超能力をコピーする超能力です」

優太の言葉を聞き、ジョンは優しく微笑む。
「よくなったな。優太」
「はい」
ジョンは優太に手を差し出す。
2人は固い握手をし、その姿をエーベルハルドは見つめる。
しかし、エーベルハルドが見つめていたのは2人の握手ではなく、優太だった。
『何かが引っ掛かる……おそらく、優太君は何かを隠している。報告すべきか……』
エーベルハルドが悩んでいると、2人はいつの間にか、建物を出ようとしていた。
「エーベルハルド、何してんだ?早く出るぞ」
「あ、あぁ!!これからどうするんだ?」
「俺は優太を連れて1年生寮に戻る。お前は?」
「私は…学校に戻って残った仕事をするよ」
「分かった。じゃあまた明日な」
「ありがとうございました!!」
去りゆくジョンと優太の後ろ姿を、エーベルハルドは静かに見つめ続けた。





Re: アビリティワールド-Abilityworld- ( No.7 )
日時: 2013/12/22 20:21
名前: 遊太 (ID: 8fZYMRgY)

第7話
‾‾‾‾‾

寮に戻ってくると、寮の前で談笑している3人の生徒がいた。
3人の生徒は2人に気が付くと、ジョンに向かって挨拶をする。
「こんばんは、ジョン先生」
「相変わらず1班は仲良いな。そうだ優太、彼らから寮の中、1年生の仲間たちを紹介してもらうといい。頼めるか?」
1年生の第1班、国馬天志郎、備前奈織、寺森理は笑顔で頷く。
「まったく問題ありません。それじゃあ行こう、優太」
「うん。ジョン先生、今日は色々とありがとうございました」
優太はジョンに深いお辞儀をする。
ジョンはそんな優太の肩に手を置く。
「堅苦しいことはするな。4年間も一緒に過ごすんだからな。これからもよろしくな、優太」
「はい、よろしくお願いします」
ジョンはそういうと、天志郎たちに優太を任せて校舎の方へと歩き去って行った。
ジョンを見送った4人は、寮の中に入り、1階ロビーで立ち止まる。
「とりあえず、自己紹介すっか。俺は国馬天志郎。よろしくな」
天志郎は見た目は普通の青年であるが、天志郎と握手をした瞬間、天志郎のゴツゴツとした手に驚く。
「うわっ…手すごいね……」
「ははっ。こう見えても天志郎は、1年生トップの実力者なんですよ、さっきも優太君が来る直前まで筋トレしてましたし」
「理、余計なこと言わなくていいぞー」
天志郎はそう言いながら、理の頭を軽く小突く。
優太は理の言葉を聞いて驚いた。
「ってことは、1年生の中で一番強いってこと?」
「そういうことだね。で、私は備前奈織。奈織でいいよ」
奈織はポニーテールが特徴的で、女性だが身長が170cmほどある。
優太は奈織が腰にぶら下げているボクシンググローブを見て、奈織に質問する。
「そのグローブはなに?」
「私、こう見えてもボクシングが得意でね。瞬発力やフットワークの軽さなら天志郎にも負けない自身あるよ」
「こう見えてもって」
「何か言った?」
天志郎の呟きを、奈織は聞き逃さなかった。
奈織は天志郎の首を絞め、そんな2人を理が止める。
「もう止めて下さいよ!!…最後になりましたけど、僕は寺森理。座学なら天志郎さんにも負けません」
「お前ら、俺仲間だろ。同じ班員だろ。どうして張り合う」
優太は3人のおかしなやり取りを見て笑ってしまう。
優太が笑っているの見た天志郎、奈織、理の3人も笑う。
「まぁ、クリスフォードはこんなところだよ。」
天志郎がそういうと、理が優太に質問をする。
「優太君は、1階の説明は受けましたか?」
「受けたよ」
「それじゃあ3階の男子部屋に行くか」
「じゃあ私、2階に行って女の子たち呼んでくるわ」
「なら3階の男子の広間に来てくれ」
「了解〜」
奈織はそういうと、先に階段を上がって行った。
天志郎と理を先頭に、優太も3階へと上がる。
「部屋は1人1つある。ベッド、テレビ、勉強机に椅子、タンスはもともとある。欲しい物あれば、月に一度、学校に置いてある自動販売機の補充でやってくるおっちゃんに欲しい物リストを渡すんだ」
「欲しい物リスト?」
「1階の自動販売機の横に置いてあります。それに欲しい物を書いて、そのおじさんに渡せば、来月には届きます」
「へぇ。なんか面倒くさいな」
「こんな海の真ん中にある島だからな。不便なことは多いよ」
天志郎たちと会話をしながら、優太たちは3階に着いた。
3階は1階とは違い、ログハウスチックな造りとなっており、優太の鼻に木の匂いが広がる。
廊下には向かい合うように部屋があり、扉に名前の札がかかっている。
「2階と3階は見て分かるように、ログハウスのような造りなっています」
「落ち着くね」
「4年間もこんな島にいたら、その間に不安でホームシックになるやつも出てくる。なるべく安心できるような、くつろげるような造りになってる」
3人が廊下を歩いていくと、ちょうどそのフロアの中央にソファとテレビが置いてある広間に着いた。
そこには他の1年生男子が集まり、話をしていた。
「おぉ!!来た来た!!」
ソファに座っていた巨体の男子生徒が、フロアに響くほどの大きな声で言う。
その男子生徒の横に座っていた、リーゼント気味の髪型である男子生徒が鬱陶しそうな顔をする。
「篤彦!!声がでけぇんだよ!!」
「いいじゃないか!!優太!!こっち来いよ!!」
その男子生徒に呼ばれ、優太が彼らに近づくと、その男子生徒とリーゼントの男子生徒の間に座らせる。
天志郎と理も空いたソファに座り、優太は男子生徒に囲まれる形となった。
「お待たせ、連れてきたよ」
2階の女子フロアから、奈織が1年生の女子を引き連れてきた。
こうして、ここに1年生全員が集った。
「誰が仕切る?」
「天志郎でいいだろ」
全員の意見により、天志郎が司会を務めることになり、優太の歓迎会が始まる。
「じゃあ、優太の自己紹介は夕飯の時に終わったから、まずは俺たちの自己紹介から始めよう。俺たち第1班はもう済ましたから、2班から頼む」
天志郎がそういうと、優太の目の前に2人の男女生徒がやってくる。

「私から自己紹介するね!!私は天条智花。優太君、これから同じ班として色々頑張っていこうね!!」
智花そう言いながら、優太の手を取り、両手で固い握手をする。
「よ、よろしく…」
智花のテンションの高さに、少し引いてしまう優太。
「俺は黒崎隼人。4年間よろしくな、優太」
「よろしく」
優太は隼人と握手する。

「じゃあ、次は第3班だ」

天志郎がそう言った次の瞬間、優太の隣に座っていた巨体の男が手を挙げ、優太の方を見る。
「俺は高良篤彦、よろしくな優太!!」
篤彦はその巨体で優太を抱きしめる。
「ぐ、ぐるし…」
「篤彦、優太君が苦しそうだよ」
そう言いながら、篤彦の後ろから身長190cmを超す長身の男子生徒が現れる。
篤彦から解放された優太は、息を整えて、その男子生徒を見た。
「僕は科野照、よろしく優太」
「私は村山悠」
「え?」
優太は突然聞こえた女子生徒の声が、一瞬どこから聞こえているのか分からなかった。
しかしよく見ると、照の後ろに小柄な女の子がポツンと立っている。
「あんた、今一瞬だけ私に気づかなかったね」
「い、いや…その……ごめん」
悠の目つきは鋭く、優太は苦笑いを浮かべながら謝る。
「悠、初対面の人に怒ることはないだろ」
「怒ってないよ。筋肉ダルマ」
「あぁ!?誰が筋肉ダルマだ!!」
篤彦は悠に襲い掛かろうとするが、それを照が止める。

天志郎はそんな第3班を無視し、続けて第4班の自己紹介をお願いする。

「私は柊萌々子。よろしくね、優太君」
「僕は栗井雪村。4年間よろしくお願いします」
「俺は篠原武道。よろしくな」
第4班の自己紹介があっという間に終わったことに対し、天志郎が一言付け加える。
「この班、ちょー普通だから」
「はぁ!?お前らが特徴的すぎんだよ!!この変人どもが!!」
武道の言葉に、奈織がピクリと反応する。
「その変人には、私も含まれてるわけ?」
奈織が笑顔で武道に尋ねる。その笑顔に、その場が一瞬で静まり返る。
「そ、そんなわけないだろ。冗談に決まってるじゃないか…」
「だよね〜。天志郎、続けちゃって」

「お、おう…じゃあ、次第5班」

「僕は柚木陸也。全学年トップの男子生徒で有名なんだ、よろしく」
「え?」
優太は陸也のその言葉を聞き、天志郎を見る。
すると、天志郎は冷めた目で陸也を見つめたまま優太に言った。
「実力ははるかに俺の方が上だ。そいつは全学年で確かにイケメンだが、自称だ」
「天志郎、つまり僕がイケメンってことは認識してるんだろ」
「黙れナルシスト」
確かに、陸也はほかの男子生徒と比べるとイケメンではあるが、性格に難があった。
「私は瓜生美玲。よろしく」
優太は美玲と握手をする際、つい美玲の胸元に目がいってしまう。
それに気づいた篤彦が、優太の耳元で言う。
「美玲、巨乳だろ?」
「え…」
「やばいよな。美玲、男子生徒の中で一番人気の女子だからなっふぅ!?」
篤彦の頭を、後ろから悠が思いきり叩く。
「余計なこと言ってんじゃないよ」
「な、なんのことだ」
「はいはい。俺は雨水速、よろしくな優太」
「よろしく」
優太は第5班の唯一の常識人、速と握手を交わす。

「じゃあ、次第6班」

「俺は鐵見修吾、よろしく」
「私は神崎榛名。よろしくね優太君」
「俺は新城颯太。よろしくな」
優太は第6班の3人と握手を交わす。
「じゃあ最後、第7班」
「おっしゃ!!」
優太の隣に座っていたリーゼント頭の男子生徒が立ち上がり、優太の方を見る。
「俺は第7班の冠龍太郎。龍でいいぜ。よろしくな優太」
龍太郎は優太とアツい握手を交わす。
「俺は岩野恭祐。よろしく〜」
恭祐はポッチャリな体系であり、とても穏やかそうな雰囲気を出している。
「よろしく、恭祐」
「私は早見鈴花。よろしく、優太君」
「よろしく、鈴花」
優太が鈴花と握手をすると、鈴花はなぜか顔を赤らめる。
それに気が付いた龍太郎が、ニヤニヤと笑いながら肘で鈴花を小突く。
「おいおい鈴花、なんだよお前。優太に一目惚れでもしたのか〜?」
龍太郎のその言葉で、全員が笑い、鈴花を茶化す。
「そ、そんなわけないじゃん!!変なこと言わないでよ!!」




「なんとか…やっていけそうだな……」


優太は誰にも気づかれないようにそう呟くと、みんなと共に笑った。




Re: アビリティワールド-Abilityworld- ( No.8 )
日時: 2013/12/23 12:42
名前: 遊太 (ID: 8fZYMRgY)

 _____________________________________
*参照100突破記念!!【第1回アビリティわ〜るどキャラ談(キャラクター談笑会の略】*
 ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

優太「参照100突破ということで、まずは皆さまに深く感謝を申し上げます。ありがとうございます!!てなわけで今回より始まりました。アビリティわ〜るどキャラ談。このコーナーでは毎回ゲストをお呼びして、色々な質問をしていくコーナーです。そんなわけで記念すべき第1回目のゲストは……クリスフォードの頼れる先生、ジョン・シルファーさんです!!!」

ジョン「よろしく」

ライリー「俺もいるぞ」

優「え!?」

ラ「だってジョンだけズルいじゃん!!もし次、参照200突破しなくて、しかもその間に新キャラ出てきて、俺の影が薄くなって、俺がゲストに呼ばれない可能性があるじゃんか!!」

ジ「ライリー、必死過ぎだ」

ラ「うるせぇ!!とにかく俺も参加する」

優「そ、それじゃあとりあえずこのまま質問の方に行きたいと思います」


Q1.『結婚はしていますか?』


ジ「クリスフォードに勤務している職員で既婚者はいない」

ラ「ちょ!?お前まとめて言うなよ!!俺の意見がなくなるだろっ!!」

優「ま、まぁまぁ…ははっ」


Q3.『ジョン先生の超能力は何ですか?』


ジ「……物語が進むのを待ってくれといいたいが、作者が途中で小説を放棄する可能性があるので説明しよう」

作者「………」

ジ「俺の能力は水質操作ウォーター・クオリティ・オペレーション。通常の水操作は水を操るだけだが、水質操作は水を操るだけでなく、その名の通り水質を変化させることができる。水に様々な有害物質を含めて、あらゆる汚水を作り出すことができる」

ラ「けっ!!環境にクソ悪い能力だな!!」

ジ「馬鹿言うな。最後はちゃんと綺麗な水に戻している」

優「ライリー先生の超能力は何ですか?」

ラ「知りたいか!?知りたいか!?」

優「え…まぁ……じゃあお願いします(面倒くさいな〜)」

ラ「教えなーい!!物語で明かされるまで待ってな!!」

優・ジ「……(ウザい)」


Q3.『クリスフォードに勤務している先生たちは、いつもどこに帰っているんですか?』


ジ「実は校舎の裏手に職員専用の寮があってな。職員はそこで寝泊まりをしている」

ラ「ちなみに、ここも生徒の寮と同じで男女共同の寮だからな!!」

優「……ライリー先生って、そんなに女の子が好きなんですか?」

ラ「あんな島にずっといるんだぞ。目の抱擁は大事だ」

ジ「教師の名が廃るな」

ラ「そんなこと言っちゃってジョンちゃん♪俺の自慢のエ●本貸してやろうか?」

ジ「お前、そんなものどうやって手に入れた……」

ラ「生徒の寮に欲しい物リストあるだろ?あれに書いて送っドガァァァアァァン!!!!!!!

※ジョンに顔面を蹴られました

ジ「優太、次に進もう。あのバカはほっておこう」

優「じ、じゃあ次がラストの質問です」


Q4.『ジョン先生!!付き合って下さい!!』


ジ「そもそも、これは誰からの質問なんだ?というか、もう質問でもなんでもないぞ」

優「ごめんなさい。作者の暇つぶしに過ぎないんで、適当にあしらってください」

ジ「まぁ、俺はこの先も職一本で生きていくつもりだからな。好意を抱いても抱かれても、俺はキッパリ自分から諦める」

ラ「よっ!!男前!!……ってわぁぁぁ!!やめろって!!!能力は反則だろ!!!」

ジ「うるさい!!生徒たちのためにも今ここで反省しろ!!」

優「……どっか行っちゃったよ。まぁ、こんな感じで続けていきますんで、末永くよろしくお願いします」






参照100突破しました!!これからも宜しくお願いします!!






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