複雑・ファジー小説

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Lost colors
日時: 2014/04/26 09:39
名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)

—プロローグ—


突然起きた、太陽の異常現象。
同時にそれに伴った、人類の目の退化。
その二つの現象は、この地球上より———人類の目より『色』を消失させてしまった。
そして人類の目に映る残された色は、ただ単に色でもないやも知れない明暗だけだった———


—ごあいさつ—

はじめまして、サカズキです。拙い文になりそうですが、よろしくお願いします。
今作のキーワードは『色』です。世界から色が消えた、正確には見えなくなったこの世界で、人々はどのような生き様を見せるのかということをテーマにしました。
世界観としては、人々が超能力を使うことが出来る現実めいたファンタジーとなります。


—目次—

第零話〜色のない世界の情勢〜>>1 河上淳也side
第一話〜目覚まし時計に口は無い〜>>2 河上淳也side
第二話〜これが俺の悪友共だ〜>>3 河上淳也side
第三話〜超能力とは〜>>4 河上淳也side
第四話〜色が戻った?〜>>9 河上淳也side
第五話〜リビングに戻る色〜>>10 河上淳也side

Re: Lost colors ( No.6 )
日時: 2014/01/26 15:59
名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)

環奈さん

どうも、サカズキです。
立体的に書けてる感じがあまりしないのですが、褒めてくださったようなので自信がつきました。
ありがとうございます。

小説図書館の欄の件、すみません(汗)
僕も投稿してから気づきました。
ですが編集による訂正は出来なかったようなので、現在削除依頼を出しています。

ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんorz

Re: Lost colors ( No.7 )
日時: 2014/01/26 19:05
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

あ!そうでしたか!!でしたら良かったです(*^_^*)

ん〜。なんて言うか 立体的 じゃ表現がおかしい…。
ごめんなさい、私、そういうの苦手なので汗
でも、なんか言う所無いんです汗

それでは

Re: Lost colors ( No.8 )
日時: 2014/01/31 21:12
名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)

立体的な表現。口では説明できないニュアンスを受け取りました。心配無用ですよ。
これからも大事なお客様でいてくださいな。

Re: Lost colors ( No.9 )
日時: 2014/03/09 16:26
名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)

 学校が終わって、俺は家でのんびりしていた。
 何となくついているテレビではニュースが流れており、今日も交通事故の放送ばかりをしている。
 この世界から色が無くなって、困ることは多い。俺はふらふらと冷蔵庫へ向かい、中にあるジンジャーエールを取ろうとした。
 不意にその手が固まる。

「——?」

 冷蔵庫についている磁石。
 それは元々カラフルな、とあるアニメのキャラクターを模った物だ。
 今やそれも白黒となってる。

 ———はずなのだが、それはとても色鮮やかだ。

「何だ?」

 普段独り言を言わない俺でも、思わず独り言を発してしまった。
 周囲は白黒ばかり。そんな中で、この磁石だけ元の色を取り戻しているのだ。
 いや、正確に言えば、取り戻したというよりは元に戻ったといったほうが正しいかもしれない。

 俺は思わず、冷蔵庫の取っ手ではなくその磁石を引っ掴んだ。
 何故かあらゆる色を覚えている俺だから分かるのだが、確かにあの時と同じ色で染まって鮮やかになっている。

(俺の目がおかしい———というわけではなさそうだな)

 そうだ、そうに違いない。
 もし仮に俺だけ色が見えるようになったとしても、これだけ色が見えるのはおかしい。
 証左に、テレビに向けた俺の目には白黒の映像しか見えない。色など見えるわけがない。

Re: Lost colors ( No.10 )
日時: 2014/04/26 09:37
名前: サカズキ (ID: gOBbXtG8)

 一体何故、この磁石に限ってちゃんとした色が見えるのだろうか。
 ジンジャーエール片手にソファーへ乱暴に倒れこんだ俺は、そんなことばかりを考えていた。
 が、答えはいつまで経っても分からない。否、分かるはずもない。俺が何故あらゆる色を覚えているのかと同じで。

 考える事をやめて、俺はジンジャーエールを飲もうとペットボトルの口を持ち上げた。
 再びその手が固まる。

(またか?)

 ソファの丁度正面にある小さな観葉植物が、先ほどの磁石と同じように色を取り戻していた。
 それは嘗ての色と同じではあったが、所々に付着した汚れで醜くなっており、とても凝視できたものではない。
 鉢植えも、真っ白だったはずが変な汚れ方をしていて目立っている。

 俺は立ち上がって背後を振り向き、キッチンの冷蔵庫に目線を向けた。
 先ほどの磁石は相変わらず、鮮やかな色をしている。観葉植物に目線を戻したが、やはり変わらず色が見える。

 気付けば、このリビングにある家具などの色が殆ど見えていた。
 ウッド調で温かな彩(いろどり)の家具に壁紙。それに合ったビビッドな照明。
 どれも、昔見たものと同じ色だ。

 相変わらず白黒なのはテレビ画面と、窓から見える外の風景だけ。

 俺は暫くの間、懐かしい彩の部屋を楽しみながら考え事に耽っていた。


  ◇ ◇ ◇


「ただいまー」
「お帰り」

 どれ位の時が経っただろうか。
 気付けば時計は18時を指していた。部活を終えたらしい妹「美由紀」が、玄関から入ってくる。
 肩から提げた鞄や水筒が鬱陶しいのか邪魔なのか、妹は玄関へと続く扉から無理矢理にリビングに入ってきた。

「えへへっ」

 そうして荷物を下ろした美由紀は、いつも俺に飛びついてくる。
 俺は軽く受け止めながら、コイツの様子を観察した。

 この様子では、美由紀にはこの部屋の色が見えていないらしい。
 すると見えているのは俺だけなのだろうか。そう思ったとき、ポケットの中の携帯が震えるのを感じた。
 俺は咄嗟にそれを取り出す。鮮やかな青色だ。

 かかってきたのは、意外にも草薙からだった。


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