複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 世界樹の焔とアルカナの加護 Ⅱ 〜ジェネシスの再創世〜
- 日時: 2014/05/18 19:30
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=15965
—プロローグ—
混沌と秩序は無へと帰ることなく結合し、世界は全く新しい次元で存在を定着させた。
合わせて混乱に陥っていた人々は活気を取り戻し、新種の生物や植物の発見などで世界中はざわめいている。
また、世界の均衡を保つゼノヴィスとアルカナも結合され、その存在は新たに『ジェネシス』となった。
そうして、世界は平穏となった。
はずだった————
◇ ◇ ◇
—ご挨拶—
壁|≡( ・ω・)/
どもどもー、毎度お馴((黙
キコリでございます。
えー、今回は題名の通り、僕の第一作品となるあの小説の続編を書いていきたいと思います。
続編というよりは、後日譚という感じですが。
現在『英雄伝説-Last story-』を連載しておりますが、申し訳ありませんがそちらは一時保留します。
そちら側で現在、ストーリーが道に迷い始めているのでorz
整理がつき次第、そちらの小説を復活させます。その時は掛け持ちで、何とか頑張ります。
もしかしたらまた、保留に戻すかもしれませんが(このスレか英雄伝説のスレか)
尚、前作未読の方には理解し難い内容があるかもしれません。
なるべくそうならないよう、本編で解説を入れるなどして配慮していきます。
が、もし分からないことがあったら僕に聞いてください。コメント返信にてお答えします。
(プロローグで出てきた単語については、後ほど本編で解説を入れます)
—お知らせ—
・一応、前作を上記URLに載せておきました。
間違っていたらスミマセンorz
・キャラは前作から引き継ぎます。
—履歴—
・3/31(月)本作設立、更新開始
・4/2(水)参照数100突破確認
・4/4(金)零章完結。一章更新開始
・4/12(土)いつの間にやら参照数200突破。ありがとうございます!
—Newキャラクター紹介、用語解説(前作分含む)—
キャラ紹介>>12
—お客様コメント返信欄—
・お客様へのコメントの返信は、ここで纏めて行います。
今回は別にスレを作成しません。悪しからずご了承下さい。
・現在のお客様人数=6
純金リップさん【一度目更新】
あのハーレムボーイ、今回は敵に回してやりましたともw
世界を統一した英雄は、思うところがやはりあるのですよ、えぇ。
葬送丸君、今回は味方っぽいですね(ぇ
コッコさん【一度目更新】
今のところは……て感じです。
今後敵であるか味方となるか、お楽しみに。
ブルーさん
どもども、続編です!
前作ではあまり、貴方のキャラが活躍できていなかったので、今回は沢山出していきますね。
では、今後ともどうぞよろしくです。
愛深覚羅さん
どもどもー、続編の開始でございます!
シグナ君のことや平穏を崩す陰のことなど、気になるところは沢山残します。
栞は挟ませませんよw
では、これからもよろしくです!
フェリーさん【一度目更新】
残る謎は全て本編でwww
シグナ君の運命もスーツケースの中身も序に警官が何を仕込(ry
アルバーン、僕も個人的に気に入っています。まさに癒しキャラですね!
SSMTさん
どもどもー、お久し振りです!
いやー、続編ださせていただきましたよ。コレもひとえに皆様のお蔭様でしょうか!?
面白いといってくださると安心です。少々自分に自信がないこの頃ですのでw
では。
—目次—
零章—謎の少女—
>>4 >>6 >>9 >>10
一章—奇跡のアストライア—
>>14
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護 Ⅱ 〜ジェネシスの再創世〜 ( No.5 )
- 日時: 2014/04/01 14:07
- 名前: コッコ (ID: cFBA8MLZ)
まさかシグナが敵側ですか面白くなりそうです。
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護 Ⅱ 〜ジェネシスの再創世〜 ( No.6 )
- 日時: 2014/04/01 21:02
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
何だかんだでその後、一週間の時が経った。
手始めに国王の許可、協力を元にサディスティー王国の全域でシグナとマルタを探したが、やはりというか収穫はゼロ。
何か分かり次第使者を送るという約束で、シャーロッドはいよいよ王国を離れることとなった。
現在彼に同行しているのは、予てより約束していたアルバーンとティアの二人。
現在地は王国とカルマ高原の国境にある迷いの森といわれる樹海で、一同は特に抵抗も無くそこに踏み入っている。
カルマ高原の自然の美しさは、ワールドツリーフォートと呼ばれる世界樹の麓の大地にも劣らない。
初見では何もない場所だと思われがちだが、他の国は持っていないものをカルマ高原は持っている。
訪れた人々は皆、その美しい自然に心を打たれる。
今のところカルマ高原では、移動民族が暮らしている。
それ以外に人は見当たらず、現在の文明に相応する技術も何も取り入れられていない。昔のままの姿である。
因みにティアは、迷いの森の道無き道を全て網羅している。
過去に一度、ここへ迷い込んでしまった経験があるとの事。
「ん、ここなら大丈夫そう」
やがて先導するティアは、開けた場所にあった岩に座り込んだ。
妙に落ち着いた様子の彼女に、アルバーンとシャーロッドは焦った。
迷いの森は、強力な魔獣が生息していることでも知られている。
このようなところで無防備に休んでは、忽ちその魔獣たちの餌とされるのが関の山だからだ。
「て、ティア〜、こんなところで休んじゃ……」
「大丈夫。それ見て」
もう少し何か対策を練らないか。
そう諭すアルバーンを尻目に、ティアはアルバーンたちの横に聳え立つ大木を指さした。
大木がどうした。そう言いたげな二人が重々しく首を動かし、右を振り向く。
すると見えた光景は、そこに聳え立つ大木が不思議な光に包まれている光景だった。
「え? 何これ」
シャーロッドは首を傾げた。
今まで様々な本を読んできたのだが、そんな彼でもこの大木の事は知らない。
ましてやアルバーンに至っては、ただ単純にその大木の美しさに見惚れている。
「生命の大木。……魔よけって考えればいい」
ティアは簡単な解説を終えると、懐から一冊の本を取り出し、その場でそれを読み始めた。
解説聞いたシャーロッドは「あぁ、なるほど」と相槌を打っているが、アルバーンはまだ首をかしげている。
仕方ないので、代わりにシャーロッドが詳しい解説をすることに。
「つまり、魔獣が寄ってこないんでしょ? ほら、前の冒険者がテントを張った痕跡もあるし」
「あ、なるほどねー」
ここでようやく、アルバーンも理解できた。
大人なのだから、もう少しシャキッとしたらどうだ。そう思ったティアが、また盛大に溜息をついた。
そんな彼女を見て、アルバーンはキッとティアを睨んだ。
その視線を感じ取ったティア。渋々本を閉じ、アルバーンに向き直る。
「何」
その気の抜けたような呼びかけに、アルバーンはさらに眉尻を吊り上げた。
「何、じゃない! 溜息をつくと幸せが逃げるんだよ!」
何を言うかと思えば。成り行きを静観していたシャーロッドは、思わずその場で転びそうになった。
一方でティアは、冷静に発された言葉の意味を飲み込んで反論に出た。
「じゃあアルバーンは溜息つかないの?」
「当たり前だよ! ボクはちゃんと自重してるもん!」
「ふうん……男の子だから? でも、溜息をつかないと死ぬ」
「嘘だ」
「そんなくだらない嘘、ついてどうするの」
因みに、ティアはアルバーンを男の子と言っているが、アルバーンは女性である。
趣味か深い意味があってかは曖昧なところがあるが、彼女はいつも男装をして毎日を過ごしている。
シグナにだけはばれていたが、今のところも彼女の男装は誰にもばれていない。
ティアとアルバーンのため息についての口論が続く。
そんな中、これは長くなりそうだと踏んだシャーロッドは一休みすることにした。
本当は野宿などしたくはなかったが、事此処に至っては仕方ない。
焚き火の準備とテントを張る準備、少し遅めの夕飯の準備に取り掛かる。
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護 Ⅱ 〜ジェネシスの再創世〜 ( No.7 )
- 日時: 2014/04/01 21:24
- 名前: 愛深覚羅 ◆KQWBKjlV6o (ID: 6sQlqYA7)
こんばんは愛深です
題名に見覚えがあり、覗いてみるとおぉ!ってなりました!パート2ですね!なんだかしょっぱなから面白そうでまた応援させてもらいます
シグナ君どうしちゃったのでしょうか?
気になる所も多いですがんばってください!
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護 Ⅱ 〜ジェネシスの再創世〜 ( No.8 )
- 日時: 2014/04/02 01:18
- 名前: 純金リップ (ID: kcbGQI7b)
なんと!一番最初の話からすると、シグナ君はダークサイドに落ちてしまったっぽい!?
せっかくマルタちゃんと結婚して子供も授かったのに...。
そして何気に葬送丸(と思わしき奴)が出てて、テンションMAXです。
葬送丸、いつからそんなに出世したんだい?
- Re: 世界樹の焔とアルカナの加護 Ⅱ 〜ジェネシスの再創世〜 ( No.9 )
- 日時: 2014/04/02 17:07
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
やがてティアとアルバーンの口論は決着がつかないままに終わった。
いよいよ苛々してきたらしいシャーロッドが止めに入ったからだ。
それから一同は夕食も摂り、就寝準備を終えて寝入った。
はずなのだが、シャーロッドだけ何故か眠れずにいた。
「こっち……こっち、来て……こっち……」
夕食を摂り終えてからというもの、こっちに来てと囁くだけの少女の声が、今に至るまでずっと聞こえている所為だ。
その儚い声は今にも消えてしまいそうなほど優しく、本来であれば意識しないと聞こえないほど小さい。
だが、意識せずともずっと聞こえてくる。そしてこの声は、ティアたちには全く聞こえていないとのこと。
「こっちって……どっちなの? もう……」
仕方なくシャーロッドは、寝袋から飛び出てテントを出た。
一応念のためと思い、護身用のマジックグローブと腕輪を嵌める。
マジックグローブとは、魔法を使う際に威力を増幅させることが出来る手袋の事。
腕輪は更に、多種多様な魔法を使えるようになる代物となっている。
これは、シグナとマルタによって作られた。更に二人の血を引くシャーロッドなので、この装備の適正率は非常に高い。
あっという間に手に馴染んでいった。
そんな魔法の鬼と化した彼は、火の玉を頭上に作り出し、それを照明として周囲を照らし出した。
そうして見えたのは草木ばかりで、人影らしきものは無い。生体反応も、遠くに感じる魔獣の気配と普通の虫だけだ。
だが、少女の声は相変わらず聞こえてくる。
一体どういうことなのか。
声がいい加減五月蝿くなってきたのと煩わしいのとで、シャーロッドは頭上の火の玉を爆発させそうになった。
慌てて魔力を抑える。ここで爆発させては大火事だ。
水の魔法で消せばいい話だろうが、どっち道生態系が崩れる可能性があるので、それだけは避けたいところだ。
やがて諦め、彼は火の玉を消した。
そして声を気にしないように再びテントに入ろうとした矢先、彼は一つの明かりを目の前に見つけた。
先ほどまで無かったそれは、色の違いから、背後にある生命の大木の光とは別物らしい。
大木の光は白く淡い光なのに対し、数メートル先に浮かぶその光は赤く強く光っている。
「こっち……」
シャーロッドにはまるで、その光が声の主だと思えるようになってきた。
現に、その赤い光はついて来いといわんばかりに段々と遠ざかっている。
ついていこうと決めた彼は火の玉ではなく、光の魔法『レイ』を使用して周囲を照らした。
道無き道に踏み入るのでは、草木に火の玉が引火する可能性があって危険だからだ。
◇ ◇ ◇
数分歩いた後、シャーロッドは再び開けた場所に来た。
だがその場所は、現在の拠点とはまるで景色が異なっていた。
そこは樹海というよりは洞窟に近く、岩肌が見たことのないヒカリゴケで光っている。
水溜りがいくつかあり、その深い底では水色に発光する水晶で埋め尽くされている。
常に水流の音がしており、近くに小規模の川と滝がある。
「あ」
そこまでその場所を観察して、彼は赤い光が消えていたことに気付いて肩を落とした。
これでは元の場所に戻れないではないか。さらに言ってしまえば、光がこの場を終点と告げたわけでもない。
どうしようかと思いつつ、シャーロッドは魔法の光を強くする。
そして180度その場で回転して道を戻りかけたとき、聞き覚えのある少女のうめき声が聞こえた。
シャーロッドは一瞬、落とした肩を震わせた。
その少女の声は、赤い光について行き始めた頃から聞こえなくなったあの声だったのだから。
声の発生源は一体何処だ。
シャーロッドが血眼になって探していると、やがて倒れている少女を発見した。
発見するや否や、彼は少女に駆け寄った。
「っ!!」
倒れていたその少女は、一糸纏わぬ姿でそこにいた。
砂糖を連想させる白皙に、小柄ながら艶美な肢体と体つき。一つ一つの部位が整った顔立ち。麗しき水色の長髪。
可憐で儚い何れの要素にシャーロッドは息を飲んだが、傷は負っていないが衰弱しているらしい少女の生命反応が徐々に弱っていたので、こうしている場合ではないと直ぐに思い直した。
「キュア」
シャーロッドはすぐさま、状態異常治癒の魔法を使った。
青い光が少女の身体を包み、暫く留まってからサッと消える。
「うーん……」
少女の目蓋が震えて開き、蒼の双眼がシャーロッドの金の瞳を見据える。
「大丈夫?」
「あ、貴方は……?」
「僕はシャーロッド。ロッドでいいよ」
シャーロッドは自分の名前だけ言うと、着ていた長いコートを脱ぎ、少女に着せた。
「寒いでしょ。これ、着てなよ」
「あ、ありがとう……」
声も、件のそれと同じだ。
この少女が自分を呼び寄せたのかと考えたシャーロッドだが、ここでは追求しないでおくことにした。
今対処すべき問題は帰り道。ただそれだけ。
放っておくわけにはいかないので、とりあえずシャーロッドは少女『アストライア』を連れ回すことにした。
あとは、来た道を戻るという最高に難しいことを成すだけだ。