複雑・ファジー小説
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- 彼女の名前はドナー【オリジナル】
- 日時: 2016/07/20 07:07
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
異能力女と普通の男のバットなのかハッピーなのかエンドがわからないストーリー載せようと思います。
よろしければ閲覧してください。
完全オリジナルなのでグダグダなるかもしれませんが広い心で見てやってください。
- Re: 彼女の名前はドナー【オリジナル】 ( No.4 )
- 日時: 2016/07/20 09:30
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
彼女は旅人たちの考えることが理解出来ず、何をされるか不安になり、旅人たちが幸せそうに眠っている間に走って逃げた。
どこまでも、足を止めては捕まると思い込み、足を止めなかった。
走るのが疲れたなら歩いた。靴は無い。だから裸足で。
そして、彼女が倒れた場所はある山の頂上付近にある洞窟のような所だった。
彼女はそこを寝床にしようとその日からそこで暮らした。
独りになってしまったが、生活はあまり変わらなかった。
だが、馬に乗った旅人に見つかるのは時間の問題だったようで、洞窟で出入り口を塞がれ追い詰められた。
「いい子にして私達についてきてくれば良い生活、居心地のよい場所を与えたのに」
旅人は言って、戻ってくることを促したが、彼女は村のこと忘れた訳では無い。
「貴方達についていくぐらいなら死んだ方が幸せだわ!居心地の良い場所なんて、私が決めることよ!ここから出て行って!二度と来ないで!」
彼女は勇気を振り絞って大声で言った。旅人は苛立った表情をして洞窟を出て行った。
しかし、彼女の反抗に黙って引くような旅人たちではなかった。
彼女を縄で縛り洞窟の奥へ。洞窟の出入り口を塞ぐように草木を集めた旅人は、彼女を燃やすために火を投げ入れた。
「何するの!やめて!嫌!」
「私達についてくるぐらいなら死を選ぶんだろ?では、楽に逝けるといいな。…私達の言う事をきかない女など必要ない」
彼女の声も洞窟に響くだけで旅人たちが去った後、この山には誰もいない。独りで死ぬんだと、涙を流して生を諦め息も苦しくなってきたその時、声が聞こえた。
- Re: 彼女の名前はドナー【オリジナル】 ( No.5 )
- 日時: 2016/07/20 10:25
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
“やあ、お姉さん。こんにちは”
「……誰?」
“お姉さんは生きたい?死にたい?”
姿は見えない。どこから聞こえているのかも分からない。子供の男の子の声だったらしい。
ずっと笑顔で気楽に聞いているような陽気な声。
「…死にたくない」
“うん!それじゃあ、お姉さんに特別プレゼント!”
「プレ…何?…とく、べつ?」
“一つだけ決まり事あるんだけど、これ破ったらお姉さん灰になっちゃうからね!”
「……何?」
朦朧とする意識の中、それだけが頭をよぎった。声に出して言うと、少年の楽しそうな声。
少年は最後彼女に一言告げて彼女はそのまま火の中、気を失った。
目を覚ました彼女の目の前には草木が焼け黒焦げになっていて、彼女は自分自身が生きていることを確認すると共にあることに気づいた。
それは、彼女が無傷だったこと。
- Re: 彼女の名前はドナー【オリジナル】 ( No.6 )
- 日時: 2016/07/20 14:11
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
無傷だっただけではない。脳が発達して、知らなかった言葉や、その意味などが当たり前のように何でもわかるようになっていた。
初めは無傷だったことに驚いたが、自分の脳に誰かが話しかけてきて、その者が自分の怪我を治してくれたのかもしれないと思った。思うことにしたんだ。
それから、洞窟の外を覗くと、前とは景色が変わって見えた。
前なら普通に風に揺れているだけの木々に何も感じなかったが、今は木々からの幸せそうな笑い声が聴こえる。
木々に留まる鳥達の話し声が解る。
なんて幸せなんだ。彼女はそう思って、二日ぶりに笑顔を取り戻した。
それから、彼女はその洞窟で何年も何年もひっそり暮らしていた。喉は渇かなかった。年も取らなかった。彼女はそれ自体にも疑問を抱くことが無かった。当たり前のように生きていた。
彼女は、そこで気づいたことはたくさんあるけれど、不思議と全部受け入れれ、楽しむことが出来た。何でだろう、なんて疑問が彼女の頭には浮かばなかった。
そんな彼女の所に、ある日1人の男が現れた。
- Re: 彼女の名前はドナー【オリジナル】 ( No.7 )
- 日時: 2016/07/20 18:04
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
「やあ、どうも!暫くここで一緒に過ごさせてくれないかな?」
青年は苦笑いしながら、洞窟の奥で果実にかぶりついている彼女に話しかけた。
彼女は青年が洞窟へ来る前から、青年の存在には気づいていた。
彼女には何でもわかるからだ。
彼女は青年を見ると、青年の心を読んだ。
“言葉…通じるかな?僕の声、聞こえたかな?”
「…言葉も通じるし、貴方の声も聞こえたわ」
彼女は、悪意のない青年の様子に、その場から立ち、青年に話しかけつつ近づいた。
「え…?(ぼ、僕、声に出してたかな?)」
「……暫くって、どのくらいのことを言っているの?期間を曖昧にするのは良くないと思うんだけど?」
彼女は青年に少しキツイ言い方で問い詰めた。
青年は、なかなかそれに応えることは無かった。青年の頭には、どうしよう、という悩みの声ばかり。
青年は家出をして来たのだ。
- Re: 彼女の名前はドナー【オリジナル】 ( No.8 )
- 日時: 2016/08/16 10:56
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
「……まぁ、いいわ。貴方が好きなようにすればいいわ」
彼女は青年の隣を通り、洞窟の外へ出る。青年は彼女の言葉に喜び笑顔で彼女にもう一度確認する。
「本当に?いいの?!」
「えぇ。ただし、私に危害を加えるなら容赦はしないわ」
肩越しに青年を見て薄く笑みを浮かべ言う彼女は青年を受け入れたような雰囲気ではなく、敵意を示しているようだった。
それでも青年は激しく頷いて、ここにいたいと心で思っていた。
彼女はその声が聞こえて、複雑そうな表情を浮かべては、崖の淵から風に乗るように森林の中へ身を乗り出した。
「あ!」
青年は彼女が崖から落ちてしまったと焦って崖の淵へ寄り、下を除くと何かを探すように木々を上から見渡す彼女が泳ぐように風に流されるように浮いている姿を見た。
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