複雑・ファジー小説
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- 陰陽花伝
- 日時: 2016/08/18 22:51
- 名前: 白夜 (ID: l/9ga28M)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi
初めまして、白夜(はくや)と申します。総合掲示板では咲月(さくつき)として活動しているので、知っている方は知っているかもしれません。
さて、挨拶はこれぐらいにして注意書きみたいな物を記載します。
☆文才0から始まる初小説です。クオリティは低いです、間違い無く。
☆「安倍晴明」が出ますが、この小説では、実際の歴史とは全く違います。
☆陰陽道については、全く知りません。
☆中傷に荒らしはブラウザバック。
☆誤字・脱字あれば指摘して下さい。
☆コメントバッチ来い!
☆アドバイスもバッチ来い!辛口も良いですが、辛口すぎるのはちょっとやめて欲しいですな……。
☆更新は、必ず週2回以上します。……多分!
全て読みましたか?それでは、不思議な物語をご覧下さい!
【目次】
《第一話》
『第一章』>>1 >>2 >>3 >>4 >>8
『第二章』>>9 >>10
【お知らせ】
・2016/08/07 13:38 小説を設立
・2016/08/09 タイトル決定。考えてくれたラニ様、ありがとうございました!
・2016/08/11 参照が100突破!
・2016/08/11 16:18 初コメント!
【お客様一覧】
・小鈴さん
- Re: 私の師匠は最強陰陽師の安倍晴明!(仮) ( No.1 )
- 日時: 2016/08/07 13:42
- 名前: 白夜 (ID: l/9ga28M)
- 参照: 2016/08/07 13:40 投稿日
「雪菜ァ!」
スローモーションとなった時間の中、私の近くにいた鈴にぃが手を伸ばして悲鳴を上げる。吸い込まれそうな綺麗な瞳から大量の透明な液体が出ている。……それは私も一緒だ。
私の体は、突然飛び出してきたトラックに跳ね飛ばされ宙にある。そして紅い華が体から大量に散ってゆく。これこそ、……死の証拠だ。
嗚呼、嗚呼、私、死んじゃうんだ……。そんなの、そんなの、絶対に……!
「(嫌だ……! もっと生きたい! 生きたいのに! 何で私は死んじゃうの、こんな所で! 悪い事は何もしていない筈なのに! 神様、もし本当にいるならばこの話を聞いてよ……!)」
薄れてしまう意識の中、私は今まで信じてこなかった、偉大な存在に強く願った。強く、強く!
そして祈り終わった後、私は泣きながらも笑顔を作り、それを鈴にぃに向ける。
「今まで……あり、が、とう……。大好きだった、よ。…………鈴にぃ……!」
精一杯に、途切れ途切れの震えた声を出して、鈴にぃに最後の言葉を贈る。その贈られた言葉が聞こえたのか。鈴にぃが涙声で言葉を返してくれた。
「うっ……! こちら、こ、そ、ありが、と、う……!」
それを聞き終わった途端に視界が暗くなり、音も聴こえて来なくなる。
そして、走馬灯のような物が頭の中で流れた。鈴にぃと喧嘩したり仲直りしたり。友達の天音と夏祭りに行って水鉄砲のかけ合いをしたり。その他色々。
……嗚呼、私ってとても恵まれていたな。嫌なこともあったけど本当に良い人生だった。
……はぁ、そろそろかな。私は目を閉じて、もう諦めると死を受け入れようとした。
その時。
意識が突然はっきりとした。何だろう? 周りは暗闇のままで何も聴こえない。無の空間。
そんな空間に一人、毎日見ていた人物がいた。服装は白黒ディーラーの様な物で違うが。
「え……あま、ね……?」
私が掠れ掠れで呼んだ名は、紛れも無く、たった一人の友達であった神崎天音(しんざきあまね)だった。何故友達がこんなよく分からない空間にいるの……? いや、もしかして私が作り出してしまった幻覚?
「幻覚じゃない、本物だよ。雪菜」
ニコリと笑って、心を読んだのか、私の疑問にそう答えると、金色の髪をくるくると巻きながら、瞬時に私の目の前に現れた。瞬間移動だろう。
私はそれに驚かなかった。いや、驚けなかった。何故なら、私の心は今悲しみ、絶望で溢れていたから。
「……実はね私、全知全能の力を持つ、神様の子孫なの」
ああ、そういうこと。突然凄い事を言われたが、私は驚くのではなく、数秒遅れて納得した。天音は何でも完璧にこなして、何でも知っていた。天才の域を超えていると思っていたが、それは全知全能の力を持っていたから、と。
「それで、何で此処に現れたのかというと……。雪菜を生き返らせたいなと思ってね……」
「……それ、本当!?」
私は思わず、天音の両肩をガシッと掴んだ。あの世界に、あの人生に戻れるの!?
内心喜んでいる私に対し、天音は目を伏せ俯いた。何故だろう?
「……ごめん。いた世界に死んだ人間を戻すのは代々禁じられているの。……だから、生き返らせても、貴方は別の世界、もしくは別の時代で生きることに……」
う、そ、そんな……。天音の言葉を聞いて私は一気に絶望へと落とされた。
「本当に、ごめんね……。……嗚呼、もう時間よ」
……時間? ……何の?
「黄泉返りの儀式。といっても簡単よ。あの緑の扉を通るだけ」
天音は細くて白い指で、ある方向を差した。そこには、白い光が溢れる大きな緑色の扉がある。それは開いていた。
「……そろそろだね。……それじゃあ、バイバイ……」
天音は、罪悪感の様な感情を含んだ口調で私に手を振った。すると、特殊な能力を使われたのか、意思に反して私の両足は交互に動く。一歩、一歩、確実に前へ。
やがて白い光が目の前にあった。そして、一歩が踏み出したその直後。
私の周りが白い光で覆い尽くされた。