複雑・ファジー小説
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- 【転生の罪】〜Demon of illusion〜
- 日時: 2016/08/27 11:33
- 名前: ミィF (ID: 0BucpTCd)
こんなはずじゃなかった
生まれたくて生まれたわけじゃない
死にたくない
誰か…神でも天使でも悪魔でもいい…
タスケテ……
- Re: 【転生の罪】〜Demon of illusion〜 ( No.3 )
- 日時: 2016/09/16 17:28
- 名前: ミィF (ID: .bQK46b9)
「ナターシャ!さっさと起きなさい!お友達来ちゃうよ!」
母の大きな声で目を覚ます。
完全に…なんては言い難い…
一応返事だけはしておく。
「はーい…」
自分でも驚くぐらい間抜けな声だ。
私はジョーカー・ナターシャ。
セヴン高校に通う私には秘密がある。
それは私が7つの大罪の「憤怒」であることだ。
勿論だが赤の他人には絶対に秘密だし、家族や親戚にまで秘密にしなければいけない。
ただ、さっきお母さんが言った「お友達」には秘密にしなくてもいい。
何故なら…
ピーンポーン
…ヤバイ。
今になって焦りだす私は端から見ればただの阿呆だ。
彼らに何て言われるかわからない…
どうやらお母さんはもう仕事に行ってしまったらしい。
家の中は物音ひとつしない。
完全な朝の静けさに包まれている。
「おーい?早く来いよー」
ヤバイヤバイ!
とりあえず制服を着、適当に癖毛の髪を梳かす。
そして今日何の授業があるかもわからないが、そこら辺に散らばる教科書類をまとめて鞄に突っ込み、突進するようにして外へ出た。
- Re: 【転生の罪】〜Demon of illusion〜 ( No.4 )
- 日時: 2016/09/16 17:39
- 名前: ミィF (ID: .bQK46b9)
ほとんど突進のように外へ出ると、体に大きな衝撃が走った。
私ではなく、相手が吹っ飛ばされてしまったらしい。
…というと…私にこんなあっさりと吹っ飛ばされてしまう奴と言えば…
「いったたたた…っ…」
そこには黒のショートヘアに深緑の眼の少女。
それを嘲笑うようにして後ろで佇む2人の男女。
「やっぱミラールに任せてよかった〜」
「危うくナターシャの必殺技食らうとこだったわ」
「ええええ!?酷くない?……別に嫌いではないケド…」
「「うわ、きもっ」」
ああ、さっきは急いでいて話の途中だった。
彼らがその「お友達」という奴らだ。
しかし彼らとはそんな生半可な繋がりではない。
……彼らも7つの大罪なんだ。
- Re: 【転生の罪】〜Demon of illusion〜 ( No.5 )
- 日時: 2016/09/18 12:39
- 名前: ミィF (ID: .bQK46b9)
まず、そこに転がっているドMがタナトス・ミラール。
私を憤怒だと始めて見抜いた奴だ。
彼女は「嫉妬」の罪である。
前世の性格を引き継いだのではないかと私の中では仮説が立っている。
何せ、彼女はヤンデレ大好きなのだ。
しかし、それはすっかり日常生活ではなりを潜めている。
その後ろでケラケラと笑う茶髪に夕焼けを閉じ込めたような瞳をした少女がターレ・マリー。
彼女は「暴食」の罪である。
彼女も前世の性格を引き継いだのではないかと思っている。
罪の名の通り暴食で、とてもよく食べる。
しかし、いつまで経っても、いくら食べても、体型は全く変わらずだ。
マリーと並ぶようにしてミラールを鼻で笑った藍髪に深海の眼をした
ているのが、オーシュ・ユリン。
彼は「怠惰」の罪だ。
まただが、彼も前世の性格を引き継いだのではないか。
怠惰に相応しく、とても面倒臭がりだ。
しかし、何故が運動はできる。
「ま、いいや。さっさと学校行こうぜ」
「今日6限は怠いわー」
「それなー」
私は歩き始めた彼らの背中を追いかけた。
- Re: 【転生の罪】〜Demon of illusion〜 ( No.6 )
- 日時: 2016/09/19 12:39
- 名前: ミィF (ID: .bQK46b9)
今日もツマラナイ一日が始まり早数時間…
既に私は優等生としての顔が崩れつつあった。
「・・・・とは・・・・・であって…」
正直この先生の授業はホントにツマラナイ。
わかりにくいし。
その割りに進むのはクソ遅い。
突然後ろからトントン、と肩を叩かれる。
くるりと後ろを振り向くとそこにはあいつの姿。
「マリー。あと何分で終わる?」
非常に眠そうな顔をしたミラールはペンを今にも落としそうになりながら
私に訊いてくる。
視力は良かったはずだが…。
「よし。今日の授業はここで終わりだ!さっさと昼飯食えよ〜」
ミラールの質問に答えられぬまま授業が終わってしまった。
今すぐにでも寝出すのではないかと心配し、後ろを振り返ったのだが、当の本人は
盛大な欠伸と背伸びをした後、私に笑顔で
「学食行こっ!」
と走って行ってしまった。
全く…あれで7つの大罪が務まっているかと思うと神は残酷だなと思ってしまう。
そして、30歳までしか生きられぬという運命も。
- Re: 【転生の罪】〜Demon of illusion〜 ( No.7 )
- 日時: 2016/09/19 13:01
- 名前: ミィF (ID: .bQK46b9)
彼女を追いかけ食堂へ向かうとそこにはミラールとあと四人の姿。
その中の2人は男性。2人は女性だ。
その中の1人がこちらへと手を振る。
私より薄いオレンジの目に金色の髪。
一見チャラそうだが、歴とした生徒会書記だ。
「あー!マリー!どうした?お前なら真っ先にここに来ると思って待ってだんだぞ?」
ミラールのせいなのだが、説明するのも面倒臭い。
「あー…ちょっとね…」
今度は視界に入らなくても、勝手に人の注目を集めるあいつが話しかけてくる。
「まー、大方ミラールのせいだろう?僕はわかってしまうんだよ…」
「「ウザい」」
「ええっ!?ま、まぁ…そうか…ハハ、じゃあ僕は失礼するよ…」
あぁ、説明してなかったね。
さっさのクソナルシストが「色欲」の罪、ナーリン・セドリックだ。
淡い藤色の長髪に、深い夕闇の色をした一般的にいうイケメンという部類だ。
そして何故が生徒会長である。
私は違うやつに投票したつもりだったが…
大方女子だろう…。
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