複雑・ファジー小説
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- 薔薇の痣
- 日時: 2016/11/30 10:39
- 名前: mihiro (ID: qF9RkhdN)
・prologue・
昔昔、大昔。
いや、この世界ができるずっと前。
世界を支える大きな国がありました。
その国の国王と女王の間に三人の娘が産まれました。
これは三人の娘の中の末っ子、カレンの過去と今の物語。
- Re: 薔薇の痣 ( No.4 )
- 日時: 2016/11/30 17:10
- 名前: mihiro (ID: qF9RkhdN)
次に目が覚めた時は、十年の月日が経ったある日だった。
一晩しか眠っていないじゃないか、と思ったが自分の髪と身長、翼の大きさなどで理解した。
同じ棺桶の中に入っていた杖は見つけた当時は色褪せていたのに、今はとても鮮やかに輝いている。
私はその杖を手に取った。
そして、全てを理解してしまった。
- Re: 薔薇の痣 ( No.5 )
- 日時: 2016/11/30 17:14
- 名前: mihiro (ID: qF9RkhdN)
私の生まれる前の出来事から、今までのことを全て、知ってしまった。
私の片翼が黒い原因は母親の不倫によること、この杖の元持ち主【League D】は昔王族に滅ぼされた最強にして最凶、最狂で純粋で、純悪な魔王だったこと。
そして、魔王が私にこの杖を託した理由や私がやるべき事、全てを知った。
私が眠ってる間に起きた事も。
全てを知った瞬間、私の着ている純白のドレスが
真っ黒に変わった。
私は、この世界を滅ぼす。
そして、創り直す。
この世界の住民全てを
殺す。
- Re: 薔薇の痣 ( No.6 )
- 日時: 2016/11/30 17:20
- 名前: mihiro (ID: qF9RkhdN)
とりあえず私は、地下室から出ることにした。
地下への入口は私が眠る時に閉ざされていたので、父や母は私を探しにここまでは来れなかった。
私は伸びきった髪を引き摺りながら、先へ進んでいく。
そして、入口の扉を開けた。
久しぶりの自分の部屋を目にして、私は驚愕してしまった。
まるで新品のような家具、飾られている私の服も大きくなっていて、何もかもが新品だった。
とりあえず、階段下の部屋を出て、私は父と母の部屋へ向かった。
が、歩いている途中でメイドに見つかってしまった。
メイドは軽い悲鳴をあげてから、父と母の部屋にノック無しで突っ込み、父と母を呼んだ。
父「…お前、カレン…か?」
「そうです。」
母「嘘…今までどこにいたの…?」
「…」
父「話したくないのならいい…とりあえず、大広間で家族会議だ。」
父がそういうと、メイドはさっと去った。きっと、姉2人を大広間に呼びに行ったのだろう。
私は杖を隠さず持ちながら、大広間へ向かった。
- Re: 薔薇の痣 ( No.7 )
- 日時: 2016/11/30 17:27
- 名前: mihiro (ID: qF9RkhdN)
ー大広間にてー
長女「カレン…」
次女「本物…!?」
「ええ、本物です。」
母「…体調は大丈夫…?」
母は私に手を伸ばすが、私はその手を拒否する。
父「…その杖はなんだ?」
「…League Dの杖。選ばれし者にしか手に持てない…杖。」
母「League…D!?」
父「あ、あの魔王の…お前まさか…!!!」
「ええ、そのまさかよ。」
父「それをよこせ!!」
「別に渡してもいいけど…あなたが手にした瞬間、恐ろしい程の魔力で耐えられずにあなたは即死しますよ。」
父「っ…なんでお前に…そんな莫大な魔力の器があるんだ!?」
「なんででしょう。母なら知っているのでは?」
母「!?」
父「…こいつは関係ないだろ!!!」
「…ですって。お母様。自分の口で真実を話したらどうです?私の黒翼の真相と、この魔力の器の理由を。」
母「…ごめん…なさい…」
母がそういうと、場が静かになる。
父「とりあえず…世界を滅ぼそうとするのはやめろ!!」
次女「そ、そうよ!!!」
父「やめてくれるんならなんでもする!!!」
「何でもしてくれるの?」
私は真顔で問うと、父は真剣な目つきで答えた。
父「ああ!当たり前だ!!」
「そう、じゃあ…そうね、広場に国民を集めて私のスピーチを聞いてもらってもいいかしら?」
父「わかった!今すぐ手配する!!!」
父はメイド数人を呼び、国民を広場に集めた。
考えれば、私はあの頃からもう壊れ始めていたのかもしれない。
- Re: 薔薇の痣 ( No.8 )
- 日時: 2016/12/03 01:22
- 名前: mihiro (ID: qF9RkhdN)
1時間経つと、あっという間に広場は人で溢れかえっていた。
テレビの生放送をしているアナウンサーや、私のファンなど、
いろんな人がいた。
そして私は、広場のステージの上に出た。
「皆さんごきげんよう、私、ユリミア・カレンです。本日は、
この王族…ユリミア家の黒い裏をお話しましょう。」
私がそういうと、会場からはえ?と言う声が溢れてくる。
「私、カレンは王族の末っ子として生まれてきました。生まれた日から私は
黒片翼の悪魔、悪魔の子、など父や母から呼ばれました。
物心ついた頃から、私はいらない子だと理解しました。私はこの
美しい黒翼を憎みました。そして、私は禁じられた地下室に閉じこもりました。そして、この【LeagueDの杖】を手に入れたのです。
そして私はすべてを理解しました。父は本当の父ではなく、
血の繋がりのない父で、私は母と母の不倫相手の間の子供でした。」
そう話すと、父と母が広場へ飛び出してきた。
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