複雑・ファジー小説
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- 美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年-完結-
- 日時： 2017/02/06 09:50
- 名前： 姫凛 （ID: gV64xmvp）
- 参照： http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=16274
▼━━━━−−ご挨拶をば 】
こんにちは 姫凛（プリン）と言います。
クリックありがとうございます(*'▽')
この作品は、私が今執筆中の「シークレットガーデン〜小さな箱庭〜」のスピンオフになります。
詳しく言うと、本編 第五章シルの封じた過去編の続きです☆
※本編は上記URLにあります。
一応 本編を読んだことのない人でも楽しめる内容にしています。
…が 当然 本編を読まれてた方がより楽しめると思われます。
タイトル変わりました!
「家畜として育てられた少女の物語」→「美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年」
シークレットガーデンとかのタイトルは尺の都合でカットしましたorz
※無事に完結致しました! 皆さまありがとうございました( *´艸｀)
▼━━━━−−目次 】
『登場人物>>13-14
「prologue 美しき雌豚>>01
「第一階層 小さいシルさんとの出会い>>02
「第二階層 ”——”>>03
▽━━━━−−美しき雌豚と呼ばれた少女 】
「第1.5階層 幻の扉 開かれん >>04
「第三階層 オークション会場 >>05
「第四階層 機械仕掛けの街 >>06
「第五階層 家族との再会 >>07
「第六階層 〇〇との出会い >>08
「第七階層 突然の夢の終わり >>09-10
・選択肢 『憎い! でも…僕は…』 >>12
・選択肢 『憎い! 殺す! 殺してやる!!』 >>11 …彷徨いEND
▽━━━━−−おくびょう兎と呼ばれた少年】
「???階層 奪う側/奪われる側 >>15
「???階層 嬉しい再会 そして別れ >>16
「???階層 奪わせないッ 誰にも >>17
「最下層 奪わせないッ もう二度と >>18-19
△━━━━−−完結 】
「あとがき >>
▼━━━━−−その他 作品 】
複ファ板「シークレットガーデン〜小さな箱庭〜」
ニーアレプリカント×ハガレン（二次旧で昔書いてた物）をベースにしたオリジナル作品です♪
複ファ板「シークレットガーデン -魔女と呼ばれた少女の物語」
本編 第一章シレーナの過去へを引っこ抜いた（切り抜いた）作品です。完結済み★
- 最下層 奪わせないッ もう二度と ( No.18 )
- 日時： 2017/02/06 10:24
- 名前： 姫凛 （ID: gV64xmvp）
-最下層 シークレットガーデン-（ルシアside）
「ご主人様っ! 起きてくださいましっご主人様!」
「んん…」
パピコさんの声がする…。
「ご主人様ってばっ!!」
「うわっ!?」
耳元でいきなり大きな声を出されて、僕は飛び起きた。
「うう…頭が痛い…」
なんだか頭の中がフワフワしてて、つかみどころがない感じ…気持ちが悪い 酔った?
なんだか 長い 長い間 夢を/映像を 見ていたような/誰かの記憶の追体験していたような 気がする。
「なにっほけっとしてるのですか! シルさまのシークレットガーデンに到着致しましたよ」
「…シークレットガーデン?」
「そうです。ここに来た目的 忘れてしまわれたのですか?」
ここに来た目的…?
ここは。牧場? 太陽がない 草木が死んでいる 動物たちの鳴き声がしない 動物たちがいない 僕たち以外の物に色がない モノクロな世界
…シルさんの シークレットガーデン?
「ああっそうだっ!!」
だんだん頭がハッキリしてきた。今まで僕がナニを見たのか、僕が見たモノにはどんな意味を持つモノなのか やっと今 理解した。…だとしたら
「あいつがいる。決着をつけないと」
「あいつ? 決着?」
「行こう、パピコさん!」
「え? あっはい!」
僕たちはシークレットガーデン奥地 シルさんの心 核がある場所に向かって走りだした。
もし僕の憶測通りなら きっと あいつはあそこにいるはず。…ずっと独り苦しんでたんだ ずっと…
***
［やぁ やっぱりキタね ルシア］
いた。
核の前にユウが立っていた。
シルさんの心の核は モノクロで少し寂しい印象を受ける クリスタルで出来た コロシアムとその上で前足を高く上げた決めポーズをとるシルビアの像だった。
「なぜ貴方がシークレットガーデンに!? この世界に生きて入れるのは…」
［トクベツなヤツだけでしょ?］
「…特別な人?」
なんのこと…? 人の心の中には精霊石と呼ばれる特別な石を使えば、誰でも簡単に入れるはず 理論上では。
ただ精霊石は貴重な物で滅多に手に入らない物で、プリンセシナ内部は魔がい物の巣窟だから危険だし 簡単な事ではないだろうけど…
"生きてプリンセシナに入れるのは 特別な人だけ"
パピコさん……ランファ…。君たちはいったい なにを隠しているの?
君たちはなにを…抱えているの? なにを…。
***
［カンタンな話だよ］
ユウは嗤いながらどうしてシルさんのシークレットガーデンにいるのか教えてくれた。
［ボクたちはしょせん、ヤツの使い捨てのゴミクズ。用がナクナレバ捨てられることなんてサイショからわかってたコト。
だからボクは一興演じてみたってワケさ］
「一興を演じてみたってどういうことだよ?」
［シルの体にコアを埋め込む際 ボクの 自分自身の心臓の半分（シークレットガーデンの一部）を一緒に埋め込んだよ］
「自分の心臓をっ!?」
「貴方、わかっていますの!? そんなことをすれば、どのみち長く生きられませんのですよ。
それにそんな無茶なことをしたら、シルさまのシークレットガーデンが崩壊する可能性が…ハッ!?」
［アハッハッ 今頃気が付いたんだ?］
どうゆうこと? パピコさんは苦虫を噛み潰したような顔をしている。ユウは僕たちを嘲笑っている。
「シルさまがデスピル病になられたそもそもの原因。
シルさまのの心が悲鳴を上げ 壊れかけた元凶」
それがアイツなのです。とパピコさんは言った。ゴクリと唾を飲みこむ。
デスピル病 闇病は 感染症だと僕は教えられた。でも違った、無理やり侵すことも出来たんだっ。
『シルを守れるならそれでいい』
?
『アイツを守れたらなら……ナラナラナラナラナラ……ならそれでいい?』
頭の中に誰かの悲痛な叫び声が流れてくる。
『そんなのボクの望じゃない。ボクは永遠にアイツを支配できればそれでいい。
永遠にアイツを シルをボクのだけの モノに…』
苦しい。痛い。 悲痛な叫び声はボクの頭の中に流れ続ける。
『わたさない 誰にも』
『奪わせない 誰にも』
『わたさない もう二度と』
［奪わせないッ もう二度と!
ウワァァァァァァアアアアアア!!!］
「ユウ!?」
突然 ユウが頭を抱え苦しそうに暴れ出した。ユウの周りには幾何学的な図形いくつも現れて
［あ…アァアァァァァア メリ］
「いけませんっ! あの男、召喚獣を召喚しようとしてます!」
召喚獣!
魔法で異世界からこちらの世界に呼び込んだ バケモノ。この世界には存在しない生き物で、ケタ外れに強い。
［いでよっ! メリアスゥゥゥゥゥ!!!］
『ギヒヒィィィィン!!』
「…馬?」
魔方陣から 現れた/召喚された のは紅い瞳の黒い馬 半透明の。
『ギヒヒィィィィン!!』
メリアスは雄叫びをあげる。
［アハハアアアハハアハハァァァアハアハ!!］
ユウは壊れたからくり人形のように 嗤いこけている。
「ユウ…君は…本当に…」
狂ってる。
一言で彼の事を言うならそうだ 彼は狂いに狂っている。狂気に満ちている。
でも僕は知っている。彼の本音を 悲痛な叫び声を
助けを呼んでる声が!
「今 助けるからねっユウ!!」
『ギヒヒィィィィン!!』
僕は宝剣（リリース）を抜き構え、メリアスへ走り込む。
- 最下層 奪わせないッ もう二度と ( No.19 )
- 日時： 2017/02/06 10:23
- 名前： 姫凛 （ID: gV64xmvp）
『ギヒヒィィィィン!!』
僕は宝剣（リリース）を抜き構え、メリアスへ走り込む。…が
「うわっ!剣がすり抜けた?」
確かに斬った感触はあったのに、メリアスの体を剣はすり抜けた。…こいつもしかしてっ
「お化け馬!?」
いやっ まっ 確かにっ 半透明の馬だけどもさっ!?
「でも物理攻撃無効って!!」
『ギヒヒィィィィン!!』
「ご主人様ー、ツッコミを入れている場合じゃありませーん!」
「くっ」
メリアスは容赦なく攻撃をしてくる。確かにパピコさんの言う通り、つっこんでいる場合じゃない
だけどっ でもっ じゃあどうすればいいの!?
『ギラヒィィィィン!!』
メリアスの攻撃
大きく前足を振り上げ 振り下ろし衝撃波を生み出す
逃げた/避けた 僕を屈強な後ろ足で蹴り上げようとする
そして
「うぐっ」
「ご主人様!?」
僕の体を通り抜けて 辛い過去の幻覚を見せけてくる。
父さん…。母さん…。ヨナ…。
「エホッ」
口から真っ赤な液体が溢れ出る。…血だ。
メリアスに体を通り抜けられると、精神だけでなく多少は肉体（内部）にもダメージがあるみたいだ。
「このっ!」
『ギラララァァ』
どんなに攻撃しても剣での物理攻撃はメリアスには効かない。…余裕そうな顔をしてる。
こんな相性最悪な奴と どう戦えばいいっていうんだ…。
【ココロ】
「えっ!?」
誰かの声が聞こえた。…ような気がする。
【メリアスは人の負の感情 辛い封印してしまった過去から生まれた存在 だから】
「シルさん!」
声の主はシルさんだった。核の中から僕に訴えかけている。
メリアスは人の負の感情 辛い封印してしまった過去から生まれた存在
「だったら!! ユウ!」
僕は壊れたからくり人形のように嗤いこけるユウに向かって言い放つ
「いい加減、自分に素直になれよ!! お前が本当に欲しかったものはこんなものだったのかっ!?」
［アヒャヤ……ボクが…本当にホシイモノだって?］
『ギギギ』
ユウが止まると繋がっているメリアスの動きが鈍る。
召喚獣と術者は一心同体! だったら今なら!
「お前は本当に欲しかったものは!!」
［ボクが…本当に欲しかったモノ…は…］
「やぁ!!」
『ギギギギャアアアアアア!!!』
不気味な断末魔をあげ メリアス消滅した。花火が散る最後の一瞬のように。
***
「うっ」
「ご主人様!」
「僕は…大丈夫だから…」
メリアスとの戦闘の疲れが一気にこみ上げる。思わず膝をついてしまった けど立ち上がらないと まだ終わってないのだから。
もがき苦しむユウを真っ直ぐ見つめる。
［ボクのホシイモノ? そんなの決まってる。 スベテ
ボクをバカしたヤツらからスベテを奪ってやるコトだ!］
「違う。 それは違うよ ユウ」
［チガワナイ! オマエにボクのなにがわかる!］
「わかるよ。全部見てきたから」
［なっ! そうか、繋げられたシークレットガーデンからかっ シル!!］
シルさんはこくりと小さくうなづいた。
そう。第七階層でユウから逃げる僕たちを 光の中へ逃げるように言ってくれたのは シルさんだった。
光の中で僕が見たのは ユウの過去。 ユウが忘れてしまった/封印してしまった想い
他の人とは違う見た目で生まれた ユウ
見た目が違うと言うだけで みんなから迫害され虐められた
見た目が違うという理由で 両親を殺された
見た目が違うだけで 彼は住み家を追い出された
流れ着いた貧民街では 食料の奪い合い 幼い彼が見たのは人の醜い姿ばかり
そんな時に あいつに出会ってしまった / ドルファに拾われてしまった
彼の人生は奪い 奪われるばかりだった
誰からも なにも与えられない
誰からも 愛されることがない
誰からも 本当の自分を見てもらえない
奪われるだけの人生
だった—
ポッカリと空いた 決して埋まることのない穴 彼の心に空いた大きな穴を埋めたのは
シルさんとの出会い
パクホー伯爵の屋敷でシルさんと出会って ユウは初めて他人から与えられた
暖かい言葉を
暖かい気持ちを
暖かい…
「だから君はシルさんに異常なまでに執着した。
初めての感情にどうすればいいのかわからなかったから」
［なにを…イッテイル? ボクがこの雌豚に感情をいだいている…? そんなワケない］
雌豚。
コロシアムでもユウはシルさんのことをそう呼んだ。
いつもシルさんに罵詈雑言をあびせた。
【でも私は知ってるよ ユウ】
僕が答える先にシルさんが答えた。
嗚呼 そうだね。これは彼らの問題。 これ以上は部外者が立ち入るべきではないよね。
［五月蠅いっ! ダマレダマレ黙れ!］
【ユウはいつもそうやって酷いことを言う。でもね、絶対に酷いことはしなかった】
［ハァ? なにイッテル。オマエが寝ている（昏睡状態）間にイロイロと…だな］
【しなかった】
［うっ］
【使用とする人もいたけど、ユウが絶対にさせなかった。ずっと私を守ってくれていたこと、知ってるよ】
［そんなコト…ない。 ボクは…キミを……キミに…］
【私はそんなユウのことが…
大好きだよ 】
［ああ…ああ…あぁぁ…］
ユウが泣きながら崩れ落ちる。
やっとわかったみたいだね。君が本当に欲しかった物がなんだったのか。
「あ…色が…」
モノクロだったシークレットガーデンに色が着装されていく。
空には太陽がさし 草木は蘇り 動物たちが元気よく鳴いている。
牧場。 シルさんの生まれ故郷の牧場だ。
「闇が晴れて、浄化されていきます」
「そっか」
ユウの心が救われた事で同時にシルさんの心も救われたんだ。
「帰りましょう」
「うん。…あっ」
「「………アリガトウ」」
全てが終わり、シークレットガーデンから出る瞬間 ユウとシルさんが笑っているように見えた。
良かったね ユウ シルさん。
肉体（器）を持たないユウの魂（シークレットガーデン）はしばらくすれば消えて無くなってしまうらしい。
でもほんのひと時の間でも、二人 仲良くいられるのならそれでも いいよねー?
美しき雌豚と呼ばれた少女—
順風満帆で幸せだった日々を奪われ
大切な家族を奪われた
おくびょう兎と呼ばれた少年—
見た目が他の人と違うからという理由で全てを奪われた
なにもかもを奪われた
二人は奪われる側 似た者同士
ユウは誰からも愛されたことがなかった
だから全てを憎み 全てを奪い取ろうとした
でもシルだけはどんなに過酷な状況に置かれてもユウのことを…
大切なオトモダチ 大好きだよ ユウ—
シークレットガーデン - 美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年-完
- あとがき 前半部分 ( No.20 )
- 日時： 2017/02/09 09:13
- 名前： 姫凛 （ID: v5g8uTVS）
パピコ「あとがきのコーナーですよっ、ご主人様♪」
ルシア「うっ うん、そうだね（パピコさん今日は一段とテンション高いな…）
ね、ねぇあとがきって普通作者さんがするものじゃないの?」
パピコ「はい? 作者さま? ですかぁ?」
ルシア「（なんだろ…なんだか目が怖い）」
パピコ「作者さまなら、昨晩 土にお帰りになりましたよ」
ルシア「つちぃぃぃ!?えっ、どうゆうことなのっ パピコさん!?」
パピコ「えぇぇ〜〜 説明いりますぅぅ〜〜?」
ルシア「（うわっ、すっごい嫌そう…）」
パピコ「あれは昨晩の事」
ルシア「あっでもしてくれるんだね」
***
姫凛「あとがきか〜、何書けばいいんだろー??
ん〜、まずは読んでくれてありがとう! でしょ? それから〜」
｛パピコ「作者さまがナイ頭をフル回転させて考え事をしておりました」
｛ルシア「（ナイ頭…）」
｛パピコ「…ですので私」
パピコ「こんばんは、作者さま」
姫凛「おお、パピコさん。こんばんはー！」
パピコ「なにをなさっているのです?」
姫凛「んー? 豚と兎のあとがきコーナーネタだよ〜」
パピコ「（どんな略し方してんですかっ）なるほど〜。
ですが夜更かしは美容の大敵ですよ? もうお休みになられては?」
姫凛「うんー、わかってはいるんだけど、なんか眠れなくてさぁ」
パピコ「なるほど…」
｛パピコ「この時私、パピコチャンス キター！ と思いました」
｛ルシア「パピコチャンス?」
パピコ「ではアロマなんてどうです? この桃の香りなんて」
姫凛「あろま〜? ピーチ姫?」
くんくんく……ばたっ。
姫凛「………」
へんじがないただの屍のようだ。
***
パピコ「と、いったことがありまして」
ルシア「と、いったことがありまして じゃっないよ!! 事件だよ!」
パピコ「いいえ? 作者さまが眠れなくて困っていると、言っていたので 私は桃の香りと言って青酸ガスを嗅がせただけですよぉ?」
ルシア「（嗅いだら永遠に目覚めないやつだ…）」
パピコ「これでご主人様と二人っきり♪ 好きなだけいちゃラブ出来る〜♪」
ルシア「パピコさん…聞こえちゃいけない心の声（本音）だだ漏れだよ…」
パピコ「きゃん♪ パピコはずかしぃ♪」
ルシア「………」
後半へつづく★
- Re: 美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年-完結- ( No.21 )
- 日時： 2017/08/25 12:26
- 名前： 雪姫 （ID: VmDcmza3）
よいしょっ(∩´∀｀)∩
- Re: 美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年-完結- ( No.22 )
- 日時： 2017/09/02 11:31
- 名前： 姫凛 （ID: 5r6pEwjY）
2017夏☆小説カキコ小説大会【複雑・ファジー小説部門】で本編の【シークレットガーデン~小さな箱庭~】が【銅賞】を頂きました。
投票してくださった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>