複雑・ファジー小説
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- 大切なヒト。
- 日時: 2017/02/03 21:08
- 名前: *夜桜* (ID: 2CRfeSIt)
最初に言わせてもらうけど
私の大事なヒトは死んだ。
好きな人でもあって
一番の友達でもあって。
そんなヒトが目の前から
消えたんだ。
大事なヒトが誰なのかを
考えながら、
今から私の話を聞いてほしい。
私の人生と言う名の物語をーー。
- Re: 大切なヒト。 ( No.3 )
- 日時: 2017/02/22 16:05
- 名前: *夜桜* (ID: OakzbDQq)
ガラッ
「…良かった、誰もいない…。」
挨拶するの嫌いだし…
席変わったし…
今日は特別早く来た。
ガラッ
うっ、…嘘。
こんなに早くに来ちゃった…。
私は急いで顔を背けて
目をつぶった。
カタッ
「…」
誰…?
「お前…邪魔。」
「………っ!?」
急いでふりかえると…
「おっ、…大木くん…。」
「あんさ…俺の声、…聞こえた?」
「あっ、…すみませ…」
「っ。ほんとどんくせぇーな…。
マジめんどいわ。」
な、何この人!!
顔は良くても性格ばかりは許せない…!
「何その言い方!
もう少しましな言い方ない訳!?
最悪っ…!」
大木くんは少し驚いたような
顔をしてから私をじっとみた。
「お前、名前は。」
「大木くんに教える名前なんて
ありませんっ。」
「…お前が俺の名前知ってるのに
なんで俺は知る権利ないんだよ。」
「っ…木下百合。」
「木下か。
お前さ、俺相手に生意気すぎ。
気を付けろよな。」
「……っそれはっ!!」
ガラッ
「あれー♪
百合ちゃんと…楓?
いつの間に百合ちゃんと
仲良くなっちゃってー。
ずりーぞ、楓!」
「…っ柚樹。」
「金子くん違うの!これはねっ」
「ーー俺木下に興味ないから。
こんなチビブスに。
やめろよな。くだらない冷やかし。」
「楓っさすがに言い過ぎじゃ…」
「うっ、うちからだってお断り!
こんな性格悪い、ナルシなんてっ」
「知らねーし。黙れよ。」
「百合ちゃんごめんねっ。
ちょっと楓きついとこあるけど
仲良くしてやって?」
「金子くんは悪くないよっ。
謝らないでよっ。」
少し照れながらも金子くんは
「ありがとう」と言った。
この頃から私は大木くんへの気持ちと
反比例するように金子くんに
引かれ始めていた。
- Re: 大切なヒト。 ( No.4 )
- 日時: 2017/03/11 07:53
- 名前: *夜桜* (ID: OakzbDQq)
「ゆ…ち…ん」
「ゆり…ゃん」
「…百合ちゃん!」
「んんぅ…」
「あっ、起きた?」
どうやらまた授業中にまた寝ていた
ようだ。
「金子くんっ…ごめん、起こしてくれてありがと。」
金子くんはニコッと笑って
小さな声で
「いえいえっ。」
と言った。
ほんと…金子くんって素直で
可愛い…好きだなぁ。こういう
男子…。
ま、私には到底かなわぬ恋ですが。
「…木下」
隣の席から小さな声が聞こえる。
大木くん…?
「これ。」
何やらノートのきれはしが
送られてきた。
何よ、ゴミ!?
「…ん?」
紙の中に文字が見えたような
気がした。
そっと中身を見る。
前はごめんな。
少し言い過ぎた。
反省してる。
「………え。」
…謝ってくれた……?
あの大木くんが…?
何故か胸がドキドキ。
不思議な気持ちになった。
大木くんは悪い人じゃない
むしろ
____いい人なのかも知れない。
そう思うと今までのこと
全部許してあげられた。
私は大木くんに笑顔だけ
返して、今日ばかりは
真面目に授業を聞いた。
- 大切なヒト。 ( No.5 )
- 日時: 2017/05/01 16:17
- 名前: 如月 (ID: OakzbDQq)
「百合っ」
「りな?」
「どう?上手くやってる?」
りなはやたらにやにやしながら私に聞いてくる。
「…何が?」
何のことを言っているのか全く分からず
きょとんとしていると。
りなはコソッと私の耳元でささやいた。
「大木くんと金子くん。
ほら、席近いじゃん?」
「…は、はぁぁぁぁぁ!?」
「ちょ、…百合声抑えて…」
「わっ、ごめん。
でも別にそ、そーゆんじゃないから…」
「ふーん?」
りなは全く信じてる様子はないが、
これ以上何をいっても信じてもらえなそう
なのでそのことは隅に置いて話題を変えた。
「りなは?
好きな人とかいないの?」
「ん?りな彼氏いるけど?」
私は驚きで声が出なかった。
「え、何々…聞いてないよ!?」
「ん〜なんか照れくさくて。笑笑
今から紹介する!」
「え、ちょ、待…」
「はいっこいつがりなの彼氏っ☆」
「…ごめん、ずっと言えなくて。
りなの彼氏の…
翔太です。」
そう、りなの彼氏は翔太だった。
照れくさそうにりなと見つめ合い、
こっちを少し見つめ、ハニカミ笑顔を浮かべた。
…何よ、2人…付き合ってたの…?
私は大きな嫉妬心を抱いた。
なんか私だけ仲間外れみたいじゃない?
「そっ、……か…。
おめでとう。」
少し、素っ気ない返し方だったかも
知れないがもうそんなことは
どうでもいい。
私も早いとこ恋を見つけて
仲間外れ卒業してやる…。
私は静かに席に座った。
- 大切なヒト。 ( No.6 )
- 日時: 2017/05/01 16:37
- 名前: 如月 (ID: OakzbDQq)
今、私は大変なことに気付いた…。
教科書を忘れたということに!!
だって…大木くんに見せてもらわなきゃ
行けないじゃない!!
教科書を見せてもらう…ということは
机が接近するということであり
かなりの勇気がいる男女の…………
まぁそんなことはどうでもよくて!!
大木くんに手紙をもらって以来、
全く話してないし、気まづいしのよともかく。
なんとか他の方法を…。
「す、すみません…」
隣のクラスに借りに行くことに
した私は声をかける。
「どうかした?」
「ち、…地理の資料集と教科書を貸して頂けませんか?」
「ごっめーん。
今日地理ないんだよねー。
マジごめんー。」
「…い、いえ…。」
さ、最悪の事態だぁ………!!
「…キーンコーンカーンコーン…」
チャ、チャイム…。
とりあえず席につく。
…ど、どうしよう。
「…なぁ、木下。
資料集とか…持ってきてねーの?」
「…は、はい…
忘れちゃって…。」
「机。」
「…は、はい??」
「…机。くっつけろ。」
「…え、あっ、あっ、あの…」
……ギィー……
「ほんと、どんくせーな…。
ほら、こっち寄れ。」
「…あ、はい……。」
「…つか何故敬語?
なんか喋りにきーし。
タメ口にしてくんね?」
「…あっ、う、うん。
あのっさ…ありがとう!」
久しぶりに優しい大木くん。
なんか距離近いしドキドキする。
「…おう。」
私は大木くんの温もりを感じながら
いつの間にか寝ていた。
大木くんの肩に寄っかかりながら…。
「…キーンコーンカーンコーン…」
「んんぅ…」
私が目を開けてすぐ大木くんの顔があった。
「…はにゃっ!?ご、ごめんっ!?」
首筋まで真っ赤に染まった大木くんは
起きた私に気づき、
「…もう寝るなよ…?」
と、照れながら言った。
「うんっ。」
- 大切なヒト。 ( No.7 )
- 日時: 2017/05/01 16:59
- 名前: 如月 (ID: OakzbDQq)
「百合ちゃんっ」
「…金子くん?
どうかした?」
「昨日、楓の肩の上で寝てたでしょ?」
「…あ、見られてた…?
気づいたら寝てて…。」
「…百合ちゃんはもう…無防備すぎるよ。
あんな可愛い寝顔楓に見せたら…
何されてもおかしくないよ?」
「か、可愛い!?
とんでもないよ…」
「…ううん、めっちゃ可愛かったよ?
楓だって実際ずーっと見てたし?」
「…大木くんが?
有り得ない有り得ないっ」
「ふふふ。有り得なくないよ。
まっ、これからは気をつけてねっ。」
「あっ、うん」
あの大木くんが…ううん
絶対有り得ない。
私は金子くんのことが好きなんだから…!
放課後。
「なぁ木下」
「ん?何?」
「一緒に帰れ。」
「え?」
「一緒に帰れ!!」
「えっ、あ、うんっ。」
嘘でしょ…?
歩く間、緊張のせいか
かなりの沈黙が続く。
「…大木くん…
昨日のこと怒ってないよね?」
「怒ってねーよ。
てかお前まじで防御甘すぎ…。」
「え?」
「…可愛いすぎなんだよ。」
私は一瞬何を言われたか分からず
混乱した。
ドンッ
「俺のこと…好きになれば?」
「…んん…大木くん?///」
積極的すぎる…。
大木くんの腕が若干胸に当たって
緊張感が増す。
「んあっ…」
腕が乳首に当たって声が漏れてしまった。
「…あっ、ごめん…」
「…あのっ、私大木くんならっ
大丈夫だからっ!!」
な、何言ってんの私…。
「…可愛いすぎだろ。
お前、俺と付き合え!」
「…うん。」
わ、私…大木くんと付き合うことに
なっちゃった!?
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