複雑・ファジー小説
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- 圧倒的身体能力はファンタジーを打ち破る。
- 日時: 2017/03/10 18:25
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
初めましての方は初めまして。また会った人はお久しぶりです。
オオミノガというものです。
作品が始まる前に幾つか了承していただきたい事がございます。
・作者は学生の為投稿ペースが不定期更新となっています。
・誤字脱字等の低クォリティ文章です。その為、作者も推敲しておりますが、それでも、誤字脱字があった時はお知らせ下さい。
・異世界転生物となっております。思いっきりチートが入っております。
・荒らしはおやめください。
上記4点をご了承の上、作品をお楽しみください。
- 第五話【異世界は基本的に顔面偏差値が高い】 ( No.6 )
- 日時: 2017/03/28 17:06
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
「ってか。おめーも結構名が売れてるぞ。『筆頭上級騎士』ジーク」
「その名は僕には大層過ぎる」
青年はジークというのか。ベオウルフといい、ジークといい、初戦闘が龍だったり龍に非常に縁があるような気がする。勿論この世界には龍殺しの英雄ベオウルフもジークフリートも居ないのだろうが。
『筆頭上級騎士』ってなんだよ、『龍狩り』ってなんだよ、『王国直属騎士』ってなんだよ。通り名カッコ良すぎんだろ。騎士になったカッコイイ通り名がつくことを期待する。
「『龍狩り』が何のご用ですか?」
「いやぁ、ドジな話しなんだが試験受けるの忘れてた」
『龍狩り』凄まじくドジだ。正確にはドジではなく彼女の口振りからすると『面倒くさかった』もしくは、『興味が無かった』のだと思われる。
「そろそろ、お二人とも行かないと受付終わるような気がしますよ」
ジークの一言で、受付時間がギリギリという事に気が付き焦って受付で受付を済まし入場する。受付と言っても係員と思わしき人が一枚紙を渡し、それに名前と性別を書くだけの説明も無い簡素なものだったが。
ちなみに言語は日本語で通じる。流石神様分かってらっしゃる。
一旦全員集合させられる。そこで、説明が始まる。俺は説明が耳に全く入ってこない。とある衝撃の事実に今更気が付いたからだ。
「説明はこれで終了します。『上級騎士』目指して一日頑張ってください」
顔が整った奴らがこの世界には多い、多過ぎる。見渡す限り美男美女しかいねぇ、ベオウルフさんも、ジークも、試験受けに来た奴らも、王国最強級の少女も全員顔が整い過ぎてやがる。クソッ! もうこの異世界では、鏡を見ねえことを誓うぜッ!!
「では、第一試験『身体能力』を開始します。右の列の先頭の人から前に出て来てください」
行われていたのは、学生時代あったスポーツテストみたいなものだった。でも、どの記録も世界記録を簡単に塗り替えそうなものばかりだったが。
そんな超人揃いの中明らかに群を抜いてるのがベオウルフさん、それと同レベルがこの世界でよく見る金髪碧眼の青年、紫紺の髪に此方からでも、視認できる程の燃えるような赤い瞳の少女、逆立つ青い髪に理知的な紫紺の瞳を持った少年。この四人がずば抜けていた。
逆にずば抜けて出来ていなかったのは、透き通るような銀髪と文字通り大空のように澄み切った空色の瞳を持った少女だった。多分異世界、死ぬ前の世界合わせて一番綺麗な人だった。
「次の方どうぞ〜、ここで助走を付けず出来るだけ前へジャンプして見てください」
ようやく来た俺の番。力を込め大地を踏みしめ幅跳びの要領で前へ跳ぶ。力加減を間違え大地を割り、会場の端まで跳ぶ。力を弱めてこれか、いや実は美男美女しかいないイライラで力加減なんてしていなかったのかもしれない。
- 第六話【銀の魔法使い】 ( No.7 )
- 日時: 2017/04/03 13:05
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
全ての身体能力検査において、一人だけ破格の数値を叩き出した。驚く周囲と記録係。意外とこの光景優越感が得られるものだ。しばらく眺めていたかったが、自分の場所に戻る。
すぐに自分の番が終わると二つ目の検査、魔力検査が始まる。検査の内容は、得意な魔法をぶっ放す至極簡単なものだった。これをするためにわざわざ広い場所を用意したのだろう。
先程と同じように四人はずば抜けていた。だが、四人を遥かに超えていたのは銀髪の少女。彼女が魔力を発動したと同時に5つの銀色の球体が彼女の周りに出現する。5つの銀色の球体はすぐに槍に変化し地面を貫く。巨大な穴が5つつくられる。
「金属魔法?! 扱えるのは『英雄賢者』の一族のみ。滅びたはずじゃないのか?」
誰かが声を上げる。それに釣られ、人々が声を上げる。知らない単語ばかりでてきて戸惑うことしか出来ないが、一つ分かることがある。あの少女は只の一般人ではない。何か彼女には秘密があるという事。
騒ついた状態のまま検査は進んで行く。そしてついに来た自分の番。とある事実に今気がついた。そう、『俺は魔力の使い方を知らない』
「『火球』!」
俺の前の人まで、番が進む。全員が破格の記録を出した俺に注目する。小声で、記録係に助け舟を求め耳打ちする。
「魔法ってどうやって使うんですか?」
「魔法の使い方を知らない方は珍しいですね。簡単に説明します。手に丹田からエネルギーを集めるイメージをして下さい。そして『火球』と言ってみてください」
流石、治安の良さそうな王国の記録係。かなり親切に慣れた対応で教えてくれた。偶に魔法の使い方を知らない奴が来るのだろう。指示通りに発動する。
「『火球』!」
手からマッチの火並の炎が、発射される。風に流されすぐ消える。恥ずかしい。非常に恥ずかしい。チートの代償なのか魔力がゼロに近く設定されているらしい。
全員風に消された火を見て呆然。しばらくしてから笑いの渦に包まれる。そして、『一日目』の全ての検査は終了した。
「えー、一日目合格の皆さんは明日『面接』があります。会場は南門武具屋付近の貴族様のお屋敷をお借りしております」
ちなみにギリギリ身体能力検査のおかげで一日目合格した
- 第七話【フルパワーの火球】 ( No.8 )
- 日時: 2017/04/05 22:01
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
合格後、あまりにも広い試験会場から出る。通りがかかる一日目合格者達から『火球?火の粉の間違えだろ』と言った声や、プッと軽蔑混じりに鼻で笑われる。不合格者達は落ち込んだ様子なのだが、こちらを見る度笑いをこらえていた。
「どうでした?」
出たと同時に美青年・ジークに呼び止められる。見れば、見る程美青年に見えてくる。この世界では鏡の無い生活を送ろう。
「余裕よ。余裕。合格した」
「貧弱過ぎる『火球』でな!」
背後からベオウルフさんが腹を抱えて笑いながら俺たちの方に近付いてくる。そして、俺の魔法の話をし始める。生真面目そうなジークですらも腹を抱えて笑い出した。
「あのー、笑い過ぎですよ、ベオウルフさん」
宿をジークに案内されている途中、ずっとベオウルフさんは笑っていた。多分後10年近くはネタにされるだろう。ジークはすぐに笑うのをやめてくれたのが、不幸中の幸いと言えるだろう。
「さぁ、今日の宿はここです」
宿は中々に普通のところだった。転生あるある、ボロい宿とかだったら萎えてた。
「あの、塀の外に行きません?望月さん」
「何しに行くんだ?」
「魔法の訓練ですよ」
笑い過ぎて動けなくなったベオウルフさんを怨念込め引き摺り回しながら塀の外に出る。外はあまり良い思い出が無い。と言っても今日来たばかりだが。
「どうやって訓練なんかするんだ?」
「呪文はアレンジも出来ます。ってか『上級騎士』『上級魔術師』級は大体アレンジしてます」
「アレンジすると何か良い事あんのか?」
「威力が上がったり、魔力消耗が少なくなります」
凄いな、アレンジ。って事は元の世界の厨二病大歓喜だな。もちろん俺もその一人です。
「さぁ、物は試し。火属性から使って見ましょう」
「よし、闇の炎に抱かれて消えろ!」
お決まり厨二病の呪文と共に勢い良く、ライター並の炎が飛び出し前よりも長く飛び風に吹かれて消える。
「適性が無かったのかも知れません……次は風!」
「次こそ!旋風塵刃!」
風の刃が切り裂くイメージで魔力を飛ばす。そよ風に打ち消される旋風塵刃。背後でベオウルフさんがジタバタ悶えながら笑う。
- 第八話【チートでも滑舌は治らない】 ( No.9 )
- 日時: 2017/05/20 17:57
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
昨日はふて寝した。一日目でいじられ倒され、その上周囲に晒し者だチクショウ。更に人生二度目の面接だ。
最悪の気分で自分の部屋から出てくると、狙ったかのように同タイミングでベオウルフが出て来た。『さん』付けは昨日までだぜ。
「オッス」
「おう」
ベオウルフが吹き出しそうな顔をしながら、此方を見るのが腹が立つ。一度フルパワーで右ストレートをお見舞いしてやろうか。
食堂でベオウルフと話しながら、サンドイッチらしきものと野菜を水で流し込みそのまま面接会場へ向かう。
面接の形式は、ランダムに振り分けられた番号によって決まる。俺であれば『91』だから、奇数組、真ん中より少し後ろぐらいの順。
「89番」
おっと、そうこうしていると人生二度目の面接がジリジリと近づいてくるぜ。一人当たり5~10分、長くて15分くらいと言ったところだろう。
「91番」
あっという間に自分の番になった。ドアを三回ノックし、『お入りください』という声が聞こえたので、右手でドアを開け、『失礼します』と一言。背中を見せないようにドアを静かに閉めて、姿勢良く歩き椅子の近くに立つ。綺麗にマニュアル通りだ。
「お名前をどうぞ」
「望じゅきぃ…………、望月 奏太です」
終わった。 中年ぐらいの大柄な赤髪の面接官の人も苦笑いを浮かべている。
「お座り下さい」
「失礼します」
「さて、魔力の成績歴代最下位、身体能力の成績歴代一位ですが、魔力が使えないのは何か訳があるんですか?」
風に吹き消される魔法を打てる。こんな酷い奴後にも先にも俺だけだろう。
「ときゅ……特にありません」
神様。滑舌チートを下さいませ。
- 第九話【暴力(チート)】 ( No.10 )
- 日時: 2017/06/24 22:23
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
幾ら強くても滑舌と魔力だけはどうにもならないらしい。
「魔王軍が襲来しました!騎士と認められた方は……」
焦った様子で、女性がドアを開きその場の全員に声をかけるが試験中だと知り声が小さくなる。すると試験中のはずの部屋のドアが開き試験官が中から出てくる。ってか魔王軍襲来って物騒だな。戦争中なのか?
「試験は一旦打ち切りとします。現在の合格者を発表し、発表された人から順に防衛に当たって下さい」
早口でドンドン合格者を発表していく、誰一人として落ちる事は無かった。まぁそりゃ当然だろう。こんな緊急事態。よっぽど酷い人間で無ければ身体能力、魔力で100%決まると言っても過言じゃないだろう。
「うわー、なんか群がってる」
ドアを開け外に出ると、東門の周りは地獄絵図。軽く立ち幅跳びの要領で飛び上がる。巨大な東門を飛び越え、地獄絵図に突っ込む。アニメでしか見たことがない武装したトカゲ人間2匹とガイコツが大量に居た。まだ防衛が来ていないらしく、ガイコツ達に門が破壊されそうになっていた。
「着陸!」
俺が着陸した位置にはガイコツが居たらしく骨と着ていた装備が無残に散らかされていた。
「すまん、名も知らぬガイコツよ」
まぁ、同胞を殺されたガイコツ達は怒り狂って襲ってくるのだが、遅い遅過ぎる。必死にガイコツ達は剣を振り回すが、こちらはなりふり構わず骨を砕きまくる。回し蹴りをすると面白いぐらいバッタバッタとガイコツがバラバラになっていき、拳で殴るとドミノのようにガイコツが吹っ飛んでいく。
一方的な攻防の末トカゲ人間以外は全て骨になってしまった。二匹しかいないトカゲ人間は全ての攻撃を避け切ったらしい。
「人類にはこれほどの隠し玉があったとは……」
「精鋭ガイコツどもがゴミの様に散らかされていった」
「おう、まだ居たのか」
「今の所は撤退だな」
黒いトカゲが赤いトカゲの肩に手を乗せる。次の瞬間に二匹のトカゲは消えていた。
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