複雑・ファジー小説
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- 桔梗に深紅
- 日時: 2017/07/02 20:03
- 名前: きなり (ID: k7TBKGCR)
魔法、恋愛、友情、などの要素を混ぜました
新参者なので至らないところがあるかもしれませんが、
温かく見守っていただけたらと思います(-.-;)y-~~~
ちなみに場所や名前には現実との関係は一切ありません
- クラス発表 ( No.1 )
- 日時: 2017/07/05 21:37
- 名前: きなり (ID: k7TBKGCR)
「おっ俺1組だ。陽君は?」
聞かれたから僕は素直に、落胆しながら答える。
「4組31番、出席番号1番最後!去年と同じ数字だよ…もう見る気失せる。新太は良いよね、名字が神代で読みがこうじろだから出席番号前の方で。僕なんて名字渡邊だから毎回出席番号最後なんだけどっ」
最後の方は愚痴に近い言葉になっていた。今年は少しだけだけど希望があったのに…
2065年、つまり今年になって日本は都市開発だかで八尾県の一部で実験が進んでいる。その内容が、似た境遇の人同士で近くに住まわせ、それによりどんな結果が出るのか、というものだ。なぜ八尾県の一部で行うのかというと、八尾県民の賛同意見が多かったことと、東京から近すぎず遠すぎず、という絶妙な位置にあったことが挙げられた。
「でもここで実験するとか、皮肉にしか思えないよな〜」
珍しく反対意見を全面に出しながら新太が言った。でもその意見はよくわかる。僕らの境遇を全く考えていないもん。
僕らが住んでいる龍頭市の境遇は、親の保護が十分ではないっていう感じだし、その中にはそもそもの親がいない人さえもいる。新太とその妹の菜子がそう。だけどその2人は僕と姉の綾、そして僕の親が引き取ったんだ。まあ、その僕の親も仕事で家に来るのは年に1回か2回なんだけどさ。
でとりあえずその実験があったから、この辺り一帯の親の保護が十分じゃないやつ沢山来て1人は僕の後ろに誰かいると思ってたんだけどね…ただもともとこの地域はそういう人が多かったから入れ替わったのは多分半分か三分の一ぐらいかな。
「じゃ、ここで」
新太と別れてそれぞれの教室へ向かう。今回この地域に馴染んでいない人多いはずだからリードしないとねっ。気分を上げて6年4組の入り口に足を踏み入れた。
- 新クラス ( No.2 )
- 日時: 2017/08/10 21:04
- 名前: きなり (ID: k7TBKGCR)
「陽く〜んっっ」
「ごふぁっ、イブ君?というか体当たりって危ないからね!?」
「いやぁ〜でも陽君小さいし、その上バスケも上手いし可愛いんだもん」
「ダイレクトに言うなぁっ」
イブ君は今年こっちに引越して来たんだけど、引越して来てからの挨拶ですぐに仲良くなっちゃって、それで現状がこれ。イジられてる(?)感じだけどイブ君は人が嫌がる程にベタベタしてこないから楽なんだ。
「んでひかりと和樹は一緒だって! もー俺は3組なのになんでひかりが…そーいえばあらっちゃんは?」
「あー新太は1組だって。新太の事あらっちゃんって呼んでるんだ…」
「え、野球やってる人は大体そう呼んでるよ?ま、俺は野球やってないけどさ」
なんて軽口を叩きながら辺りを見回すと、教室内の空気は二分化していた。まあ、元々ここにいた人と他から来た人とじゃ違うもんね。でも中には知り合い同士もいたみたいで小さく固まって喋っている人もいる。ひかりとイブ君なんて一緒に住んでいるけど親はいないし、どちらかが養子ということもない。それでも仲がいいからね。
「陽く〜んっっ」
「ごふぁっ、和樹?というか体当たりって危ないからね!?こんなやりとりさっきもしたし…」
「新任式、始業式が始まる前にこのクラス盛り上げちゃおーよ!」
そう、このメンバーでいくと、こういう風に、とりあえず騒ごう、ということになる。でもこれから、小学校最後の一年楽しくなりそうってことでオールオッケーだよねっ
- 担任発表 ( No.3 )
- 日時: 2017/07/05 21:41
- 名前: きなり (ID: k7TBKGCR)
「ヘイヘーイ!皆さん、どうも〜っ。山田和樹で〜す!いやー今日から学校がガラッと変わり、中々馴染めない人も多いかと思いますが、今日はちぃと景気づけに、我らが陽君のアクロバットを見て頂きたいと〜ぉ思いまーす。陽君の名前は太陽の陽の字ですが、はる、と読むんですねーぇ、珍しいですね〜ぇ」
うぉっ、和樹にハメられた…ってみんな期待に満ちた目で見ないどくれ…ここまで来てやらないってなったら気まずいし、もう自分を捨ててしまえ!
そのままの勢いで、僕は先生が来るまでバク宙をすることになりましたとさ…
「6年1組、稲築糀先生」
担任発表を待ち望みにする人は少なくとも元からいた人はほぼ全員なんだけど、1組の人は結構反応が薄かった。まあ、稲築先生は背も純日本人なのに
2メートルぐらいあるし、威圧感がすごいんだよね…
「6年4組、谷川夕樹先生」
「うおーっシャー!!」
谷川先生は面白い先生だからみんな喜んでる。クラスも、もうまとまりつつあるし、珍しいかたちの始まり方だけど、うまくやっていけそう…かなっ(?)
- この人ヤベェ ( No.4 )
- 日時: 2017/07/05 21:44
- 名前: きなり (ID: k7TBKGCR)
新太目線
うわーほんとヤバい。稲築先生、威圧感ハンパないんだよなぁ。出席番号順のおかげで席は1番後ろに逃れられたけど、授業がめっちゃ怖いんだけど。もーちょっと授業は羽伸ばして自由にしたいわぁ。
「はい、えーといつも初めましての挨拶って簡単にしてしまいがちですけど、やっぱりそういうところはしっかりした方がいいと思うんですよね」
ほら、固いところから始まった。
「それでしっかりした挨拶、でも身近な人に、という時はやっぱり握手かハグだと先生は思うんですよ」
ほら…ってハグはおかしいでしょぉっ!え、この先生頭狂ってね?見た目と中身のギャップが異常なんだけど!?
「ということで先生が順番に廻っていくので、ハグか、握手か選んで下さい。今までだと、男子はクラスの2,3人はハグにしていましたね。女子は、まだ1人もいないですけど」
…でしょうね。あ、でもここでハグを選べば、存在感出て、新しい友達作りやすいかも?まあ、まれっちゃんはハグ選ぶかなぁ。まれっちゃんは3年の時からスポ少の野球が同じで、今年、やっと同じクラスにもなれたんだよね。
…最終的に、ハグを選ぶのは俺、1人だったとさ…