複雑・ファジー小説

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時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!)
日時: 2018/09/26 23:58
名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)

注意
駄作です。
コメントはドシドシと送っていただければ。
荒らし等は固くお断りしております。
本作は、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を参考に書かせていただきます。

では、下からプロローグです。↓↓

 
 何故今頃、こんな物語はなしをしたくなったのだろう。

 今から、話す物語は、薄汚れている。

 そして、その物語は私自身である。
 

 総じて一つ言えるのは、私の過ごした青春の異端である。
 ということだけ。

Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。 ( No.4 )
日時: 2018/11/09 11:16
名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)

第三話『赤い毒は、いかが?中編』

 −とある天空
 「ギャァァァァァ!!」
 こんな、轢き殺されている猿みたいな叫び声を上げているのは、私、迷ノ月 御白だ。
 何故、乙女である私が、こんな声を出しているのかというと…ただいま、落下中だからだ。
 (何これっ!?なんか、鏡ん中入れられたらいきなり落ちてるですけどぉ!)
 
 先程から、怖くて見れなかったけど、一分位落ち続けているので地面がすぐ傍にあるはずだ。
 (高所恐怖症なのに…)
 そう思いながら、恐る恐る下を向く。
 一面、緑の森だ。眼科に広がる緑を見て、ふと気付く、一つ薄汚れた洋風の城みたいな物がある。
 (なにあれ?ディズニーランドの城を古くしたやつみたい)
 そんな事を考えた瞬間、視界が緑色を映していた。

 ガサッッ!
 
 「きぁぁ!?」
 (良かった今回は、女の子の声だ…じゃなくて!私…茂みに落ちたのかな?)
 下を見ると、濃い緑のクッションが私を受け止めていてくれた。
 (名称とか、知らんけど、ありがとう。植物)
 私は、心からの敬意を払った…つもりだ。
 
 服や髪のあちこちに付いた葉っぱを、バサバサと払い落とし、そのまま立ち尽くす。
 「ここ…どこ?」
 急に不安になり、肩に掛けてある鞄を……。
 鞄を……?
 鞄は、どこ?
 
 「え…?」
 しばらく間を置き、 
 「あぁぁぁぁ!? 万引きG面に渡してたぁっ! えぇっ!? 嘘……だろ?」
 (終わった、知らん場所でスマホつかえねぇとか、無理ゲーだ。
 そして、叫びすぎて喉が疲れた…)
 普段の素の方の、男っぽい口調が出てしまう。
 (取り敢えず、あの城行こう。絶対イベントがある)
 ゲームで得た知識を生かし、確信をする。 
 落下中の景色を思い出し、城らしき物がある場所を目指す。

 −少女は、招待された意味を知らずに。
 
 

Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。 ( No.5 )
日時: 2018/11/09 22:22
名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)

第四話『赤い毒は、いかが?下編』

 数分間歩いた、歩いただけだ。
 だが、私の体力ゲージは赤く点滅している。
 はずだ…
 「はぁ…はっ…体育さぼらなかったのに…これが文化部と運動部の違いか…!」
 (まぁ、私、漫研で顔出しても何もしないけど)
 私の所属する、漫画研究部もとい漫研は、部活入んなきゃ内申落ちるからとりま入っとこというやる気がゼロな奴等のたまり場であった。
 と言うわけで、大半は幽霊部員。
 部室は、私や同級生、先輩後輩、計四人が漫画を読みながらゴロゴロする、ただの漫画カフェのような空間となっている。部員は、他に、三十人くらいは居たと思う。まぁ、一度も顔を出していない生徒もいるので仕方ない。
 (というか、ここから帰れんのかな?)
 私は、虐められているが、自覚があるだけまだましなのだと思っている。
 (そして、私は、やることなすことまだまだ有るし、可愛いミク君の為には死ねん!)
 ミク君もとい、弟の御厨(みくり)を私は、溺愛している。
 だって、可愛い可愛い弟だ。
 (まぁ、最近反抗期だけどねぇ。まぁ、十四歳だしなぁ。致し方ない。そういや、私は十四歳の時…いや、思い出したくない!もう、卒業したし!)
 当時、流行っていた病気かかっていた、痛々しい過去と未だクローゼットの中に眠る黒い服や武器やらなんやらを思い出し、叫びだしたくなってしまった。
 (というか、城の門らしき物に着いたけど開かねぇな、おい。こういう時は、勝手に開くと思ってたよ!)
 二次元のお約束展開は、私の場合ないのかよ!と内心ツッコミつつ、城の門を叩く。
 ドン ドンッ
 「すみませーん!誰か居ますかー!」
 呼びかけるも、応答無し。だが、人がいる感じはする。
 (窓開けてあるしね、城なのに、洗濯物在るしねっ!)
 後者は、雰囲気ぶち壊しだ。出来れば、ハンガーに掛かっているドレスなんて見たくなかった。
 まぁ、話を戻して、人がいるとなれば出るまでは、門を叩く。
 ドン ドンッ ドンッ ドン カッ ドンッ カッ ドンッ カッ
 なかなか出てこないので、木の部分と、鉄の部分を軽く叩き、リズミカルに城内の人を呼ぶことにした。
 「音ゲー思い出すなぁ……!」
 ドンドンッ カッ ドンッ
 「うるさぁぁぁぁぁい!!!」
 「うおっ!?」
 (あら、怒鳴られてしまったわ)
 びっくりし過ぎてキャラが迷子になってしまう。
 (というか、この声…)
 鏡に入れられる前に聞こえた声だった。
 (やっぱ、声ロリっぽいな〜。この声の主が、ラスボス脈は薄いな)
 ギィッギィギィッ
 目の前の、門から音がしてきた。
 (おっ!扉が開くの!?やった…)
 「おい、開かんぞ。三月(みつき)」
 「老朽化ですね。ろくに、客も来ませんし、修理も必要ありませんでした。明日にでも、業者に連絡します」
 二人の声がする、一人はさっきから聞いている女の子の声。
 もう一人は、つやのある敬語の男の声。
 (どういう関係?男の人の方が多分、敬語だから身分的な物は低いし、かといって女の子の方は声的に小学生位って言われても納得するよ?
 というか、扉が開かないとか、修理するとか言ってたよね。業務の会話じゃん!)
 「面倒じゃ、一気に片づける」
 と言う声がすると、
  
 ドキャンッッ!!

 「つっ!」
 顔を思わず、伏せる。
 (今度はなにっ!?)
 驚きの連続にもう、キレ気味だった。
 (まぶしっっ!!)
 光に照らされて、一面真っ白になった。
 
 「ん…終わった?」
 突然の光によって衝撃を受けたシバシバする目を開けると、扉が消えていた。
 否、何かに破壊され、無残に地面に瓦礫となって転がっていた。
 (えっ…ドン引きー)
 「紅華(こうか)様、やり過ぎです」
 (誰か、知らんがそれなっ!)
 さっき聞いた、男の声に共感しつつ、辺りを見回す。
 だが、扉が吹き飛ばされた時に出来た煙が視界を遮る。
 「べつに良かろう。門など新しく買えば良い」
 女の子の声は、先程から思っていたが、口調が何というか昔っぽい。
 「そんな、金あると思ってるんですか?」
 男の声は、哀しげだ。
 煙が薄れてきた、視界が灰色を混ぜながら鮮明になっていく。
 そして、声の主が姿を現した。
 一人は、幼く小学生四年生位の女の子。
 もう一人は、170センチ位ある普通の成人男性という感じの男。
 二人の共通点は、二つで、一つ目、顔立ちが整っていることと、二つ目は、よく分からない格好と言うことだった。
 女の子の服装は、主張の強い色鮮やかな赤と黒の椿と薔薇の柄の着物に、頭には、何故か小さい帽子がちょこんと乗っていた。
 女の子の、顔ははっきり言って幼く、その大人っぽい着物はアンバランスだった。
 黒い髪は、横にお団子がついており、とても愛らしい。
 可愛く見せたいのか、大人っぽく見せたいのかどっちか分からない。
 一方男の方は、茶色のラインが入ったダブルスーツに茶髪、そしてこちらもなぜか、ティーカップを片手にゆったりとお茶を飲んでいる。 
 「薄っ!」
 (お茶薄かったんだ…)
 二人の視線は、私に向いた。
 (えっ…なに?)
 そして、男はお辞儀、女の子は、口を開く。
 「ようこそ、鏡の国へ、新たな女王よ」
  
 
 
 
 

Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。 ( No.6 )
日時: 2018/09/26 22:19
名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)

第五話『異世界召喚の理由は、業務連絡だそうです』

 「ようこそ、鏡の国へ、新たな女王よ」
 少女は、告げる。
 膝をついた惨めな格好の私に、高貴な少女は、微笑みかける。 
 いつもの私ならば、「ヤバい! ロリコンに目覚めちゃう!」とか叫ぶんだろうが、今は、ただただ少女澄んだ目を見ることしか出来ない。
 
 (へ?)

 (何? 鏡? は!?)
 状況もおかしいし、さらに、言っていることも分からない。
 混乱して、何をしていいか分からず、取り敢えず固まる。
 
 「紅華様、彼女、硬直されてますよ」
 『紅華様』と、呼ばれた少女は、しまった!と、言うように、控えめに開いた口元を手で隠し、目を見開く。
 そして、そんな言葉を口にした茶髪の男は、薄くてもう飲みたくないお茶の入ったティーカップを何処へ置こうかと、キョロキョロしている。
 「あ…ええと…これは、どういう…」
 「嗚呼、良い、すまんのぉ。混乱させてしもうた。説明よりも、まず、私(あっち)らの紹介をせぇなぁのぉ」
 私の言葉を遮って、出た声は、訛りというのか、混乱した頭には理解しにくい言葉だった。
 「私の名は、紅華。八代目の鏡の国の女王じゃ。まぁ、皆には、紅(あか)の女王とか言われておる」
 (なるほど、分からん)
 「紅華様、説明下手なんですか? まぁ、後で説明すればいいです。次いでに、私は、三月と申します。二代目三日月兎を担当しています」
 「はぁ…」
 何度も、何度も、繰り返すが、なにがなんだか、まったく分からない。
 (八代目? 三月?)
 「貴方の疑問を、お答えしましょう。まず、不思議の国のアリスは、ご存知ですよね」
 「あぁ、あのロリがなんか知らないところに落下して、突き進む冒険ファンタジーですよね?」
 「は…? そんな話でしたっけ…?」
 私の、間違った見解はさておき。
 何故に、アリスが今?という、新たな疑問が出て来た。
 「分かりやすく言えば、私達は、その登場人物です。紅華様は、赤の女王。私は、三月兎です。この登場人物にも、世代交代があり、貴方がその九代目、赤の女王に選ばれまして、此方へ、呼ばせていただいたと言うことです」
 茶髪の男は、淡々と言い続ける。
 「だから、私を新たな女王と呼んだんですか…」
 「えぇ、そうです」
 茶髪の男は、当然といった感じで言う。
 (あらま、ビックリ! 聞いた? 私、女王だってよ! えぇ…!? すげぇなぁ!) 
 重度の混乱の末、私のテンションは異常に高かった。 
 「って、赤の女王って、バリバリの悪役じゃないですか!?」
 そうだ、赤の女王は、高慢ちきで頭がデカく、ネズミでゴルフをするような動物愛護団体に必ず叩かれる如きじゃすまない、大罪を犯している最低最悪の悪役ではないか!
 「いいえ! 滅相もない! 紅華様は、聡明で慈悲深い方です! この前も、オレオレ詐欺に引っかかったのですが、よく考えれば、子供もおろか夫も居なかったんですからっ!」
 (お…おう。それ、ただのばかじゃね?すげぇ、食い気味で言われたわ。そして、この茶髪の男が、この女の子を褒めれば褒めるほど、ロリコン感が増えつつあるなぁ)
 「というか、どちらかというと、時の国の連中のほうが性悪…いえっ! 何でもないです」
 「なんか今、悪口言いましたね?」 
 「と、取り敢えず、説明を続けます。ここは、不思議国(ワンダーランド)。そして、この国は二つに分裂して、仕事を行っております。一つ目の、今私達が居るここは、鏡の国です。役割としては、平行世界の管理を担っております。二つ目は、時の国。役割は、時間の管理ですね」
 「ふ〜ん」
 (いや、よう分からんけど、相槌打っとこ)
 「と言うわけで、これから貴方に、平行世界の管理の仕事を覚えて頂きます」
 「ゲッ…仕事!?」
 (私がこの世で、三番目に嫌いな物じゃないか! ちなみに、一位はやたらテンションの高いリア充。二位は、女子トイレの狭い通路で話す女子だ。LINEで良くない!? っていっつも思う)
 「というか、なんで!?別にその赤の女王ってのも、私じゃ無くて、良いじゃないですか!」
 仕事と聞いて、うるさく吠える私に、暫くほっとかれてた、紅華様? が小さく応えた。
 言いたくなかったと言うように、小さくぼそっと悲しく俯きながら。
 
 「それは、其方(そなた)には、どの平行世界を辿っても未来が無いからじゃ…」

 
 
 
 
 
 

Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.7 )
日時: 2018/09/27 23:37
名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)

第六話『Story I was happy』
 
 昔話でも、何でも無い話で御座います。
 ちょいと、聞いていただければ、嬉しく思います。
 
 或る所に、女の子が居ました。
 女の子は、健康であり、美しい見た目をしておりました。
 生活も不自由なく、勉学にも申し分ない。
 
 そう、幸せ過ぎたのです。

 ある時で御座います。
 
 クラスメイトの女の子は、満たされすぎた幸せな彼女に言いました。 
 「良いよねぇ〜。御白さんは、お金持ちだし、美人だし。私なんか…」
 「人を無闇にうらやましがらない方が良いよ。それに、別に、私はそんな機嫌を取るような対応好きじゃない」
 彼女は、知りませんでした。
 これは、ただ、いつも通り皆に言う、人の気分を良くするというこの女の子にとって唯一の武器であることを。
 この女の子が、この世界で嘘でも笑えていた理由を。
 努力しても、叶うことのないことがあることを。
 彼女は、知らなかったのです。
 
 その時、彼女の満ちすぎた幸せが溢れました。

 やがて、彼女は、不幸になってしまいました。
 
 初めて、悪口を言われました。
 初めて、物を隠されました。
 初めて、お金を取られました。
 初めて、わざと足を踏まれました。
 初めて、叩かれました。
 初めて、法に触れました。
 初めて…初めて…初めて…初めて−

 −彼女は、不幸を知りました。

 〜〜〜

 「これは…私の話?」
 紅華ちゃん? が急に語り出したと思ったら、こんな下らない茶番ではないか。
 「そうじゃ、其方は、満たされすぎた」
 そんなことは、知っている。
 
 最近、覚えさせられたよ。

 嗚呼…そうか

 うんうん、そうだよね。

 だから、あの時、私は−

 −死んだんだ。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.8 )
日時: 2018/09/28 00:25
名前: 綺羅璃 (ID: CBSnqzpH)

文章が綺麗!
続きが気になるなあ。
あ、私、紫桜です。


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