複雑・ファジー小説
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- ブルーハーツが見えてくる
- 日時: 2019/06/01 11:22
- 名前: 梶原明生 (ID: NOqVHr1C)
「こんなのブルーハーツじゃないっ。」青年は映像を見ながらそう思った。知らない間に自分の部屋を他人に荒らされたような心境だった。出ている俳優陣は嫌いではなかったが、映像は見るに耐えない。これを我が物顔で「巨匠が作ったんだから飲み込め」と言われても、それこそ「少年の詩」が聞こえてきそうだ。だから青年は窓のカーテンを開けた。澄み渡る太陽と「青空」が広がっている。こんなはずじゃなかっただろ。と言われてる気がした。…これは我が愛しのブルーハーツに捧げる全6話の短編物語だ。……
- Re: ブルーハーツが見えてくる ( No.1 )
- 日時: 2019/06/11 14:40
- 名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)
「未来は僕らの手の中」………悠斗は今、最新型のパワードスーツ「御影」を目の前にしていた。自衛隊が極秘裏に開発していたが、そのあまりに凄まじい能力にパワーバランスの破壊を招くとして破棄を命じられていた。「父さんが死をもって開発したこの御影を、俺は死なせない。」工業高校二年の彼は、父が生前残した伝手を使って侵入していたのだ。警務隊員が気がついた時にはすでに時遅し。スーツの着装は済み、今飛び立たんとしていた。「待て。」警務隊員を止める上官。「或いはやつなら未来を…」ジェットパックで飛び立つ「御影」。その先には今故郷日本を侵略しようとして自衛隊と戦闘している侵略軍の姿があった。しばし空の月と銀紙の星屑を仰ぎ見ながら、悠斗はその真っ只中に舞い降りる。「日本の未来はっ、僕等の手の中だっ。」このヒーローの登場に、侵略軍も度肝を抜かれた。銃弾すらも爆撃すらも聞かない御影に適うはずもなかろう。「僕等はっ負けるために生まれてきたわけじゃないっ」…終
- Re: ブルーハーツが見えてくる ( No.2 )
- 日時: 2019/06/18 14:17
- 名前: 梶原明生 (ID: 99wOCoyc)
「街」……………経営者の満寿夫は乾物を扱ってもう20年になる。東京では珍しい商売かも知れないが、順調に地道に足場と家庭を築いてきた。最近は暇も出来て息子や常務が頑張ってる。ここいらで昔憧れた空手でもしようかと、汗を流す日々。そんな道場帰りにふとデモ隊の集まりに出ぐわした。「反日同盟」と書かれた旗印の元、勝手気ままに叫んでる。「軍隊をなくせ〜。反日国家を見習え〜。」「日本は悪いことをした〜悪い国だ〜」満寿夫は拳を握りしめた。誰一人声を挙げるものはおろか、「拳を挙げて立つ人」すらいなかった。泥水ばかりなのか、コンクリートばかりなのか。彼がそう歯を食いしばった時だった。いつも見かけるイタリア青年が意外な声を挙げた。「あんたら、どこの何人だっ、この街はこの国はこの踏んでる大地は、一体何だっ。僕は日本人の父を持つ日本人だ。その僕でさえここを(日本)故郷の大地だと思ってるのに、日本人のくせして故郷を汚してあんたら平気なのかっ。」気がつけばドイツ人もバングラデシュ人もネパール人もイギリス人もアメリカ人も…今にも爆発しそうな雰囲気だった。満寿夫は飛び出した。「その通りだっ。俺は生粋の日本人だっ、ここが俺達の帰るべき故郷だ。その故郷が気に入らないなら出ていけ〜。俺は戦う、帰るべき故郷日本を愛してるから。」「ウォーッ」多くの日本を愛してる仲間達が歓声と雄叫びを挙げた。「今しか僕にしかできないことがあるっ。命のあるかぎり、この日本を愛するということを」…終