複雑・ファジー小説
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- 超神精仮面戦士キャバン
- 日時： 2019/11/18 11:45
- 名前： 梶原明生 （ID: VlfYshYD）
あらすじ…国防軍元軍曹にして探検家だった父を持つ藤鷹神だったが、その父は１０年前に家庭を振り向かず探検に明け暮れ失踪。母宮子は呆れつつも神と妹の七海子の子育てに邁進した。そんな母子家庭に育った神。その頃、世間では「Ｆカンパニー」なる大手IT企業が日本を支配し始めていた。それに反発した神は、「反Ｆカンパニー派」のデモに度々参加するようになる。そこに「カトメ」と名乗る男が現れて神を「反Ｆカンパニー過激派」なるグループに勧誘し、感化した彼は破壊工作員として数々の作戦に参加した。しかし、ある母子家庭に踏み込んだ際、初めてカトメは「殺害」を指示。逆らった神は、カトメから渡されていたブルークリスタルと言う石の力を引き出し、破壊工作員を壊滅。その後「反Ｆカンパニー」本部へ意見しに行くも、裏切り者として処分されそうになる。またしてもブルークリスタルの光により窮地を脱してバイクを駆り、反Ｆカンパニー本部を後にするのだった。そして神は知った。その「反Ｆカンパニー」こそが、Ｆカンパニーの闇組織にして半機械生命体組織。「ファルドム帝国」であることを…やがて逃走疲れで倒れていた神は「風牙八人衆」に助けられる。あらゆる過程を経て、やがて神は風牙八人衆が５００年以上も守り続けた超神精忍者甲冑「キャバン」と出会う。この甲冑は神の思念とブルークリスタルにより、理想通りのメタルテックハイパースーツとなるのだ。これを装転ブレスにより「装転」と叫ぶと瞬時に「超神精仮面戦士キャバン」に装転できる。こうして悪の半機械生命体組織、「ファルドム帝国」との戦いが始まった。…２０年以上前に書き下ろしていた初のメタルヒーロー物小説がついに解禁。リアルに自警活動しているキャバンのエピソード０がここにある。どうかよろしく。
- Re: 超神精仮面戦士キャバン ( No.81 )
- 日時： 2020/05/15 11:12
- 名前： 梶原明生 （ID: SKF4GgT1）
…偶然鉢合わせとなった。「あ、須藤。」キャバン達の情報提供により既に顔写真と名前が公表され、指名手配されていたためにパトカーの無線で応援を呼ぶ警察官。「糞警察官が−っ。」「うわ、ファルモンスター。」アリクイドリラーに変身した彼は警察官目掛けて突進するも、またもやキャバンに邪魔された。ＳＬＧで撃たれる。「ギャーッ、またしても邪魔を…」「覚悟するんだ。もう逃げられはしない。」キャバンソードを抜いてレーザーソードに切り替える。「ハァ、ハァ、畜生、お前なんかに何がわかる。世間に否定され、友達からも否定されて生きてきた僕の気持ちが…」「同じ境遇の人達はいくらでもいる。例えそれがお前一人でも、多くの愛する人々の命を奪っていい理由にはならない。」「ハァ、何だとーっ。」更に突進するアリクイドリラー。「キャバンザンカイ斬りっ。」」逆袈裟に持ち、上から袈裟掛けに叩っ斬るキャバン。「ギャーッ。」アリクイドリラーは派手に爆発し、それを背に見栄を切るキャバン。ズタボロになった須藤が倒れていた。「こいつを引き渡します。後の処理は任せますんで。」意気消沈した須藤を警察官に引き渡す。「りょ、了解しました。あの、それであなたは…あっ。」質問する間もなく、キャバンは空高く飛び去っていった。こうして一連の騒ぎは収まった。ブルーベースに戻ると、久々にして集まるべき仲間が一同にリビングルームに介した。「お疲れ、神。」「お疲れ翔矢。どうやら帰ってきたようだな。心配してたぞ城山。」「私だって、やる時はやるんだから。」「逃げたのにか。」「ああ、まだ言う。」「ハハハハッ」一同に笑いが込み上げた。「し、城山、城山、…城山−っ。」初めて案内された秋本が驚愕する。「そう、何を隠そう彼女は今をときめくスーパーアイドル、城山絵理ちゃんです。」萌子の一言で叫び声がリビングルーム内にこだまする。「えーーーっ。」…続く。
- Re: 超神精仮面戦士キャバン ( No.82 )
- 日時： 2020/05/17 01:02
- 名前： 梶原明生 （ID: W4UXi0G0）
…「おいおい、開口一番そんな驚かなくてもよ。」翔矢が苦い顔になる。「だ、だ、だ、だって、あの大女優にしてスーパーアイドルで、私が大大ファンの、し、城山絵理さんですよ。こ、心の準備が〜。」顔を真っ赤にして恥ずかしがる麻由。そこへ堂々と大胆に近づく城山。「ヒエーっ、わ、私、大ファンで、あの、その…」「嬉しいわ。同じ一族の戦士の血を引く選ばれし者に私の大ファンがいたなんて光栄よ。よろしく。」手を差し伸べられてまたもやテンパる麻由。「お、お、お願いしますこちらこそ。あの、サインいただけ…」「いいわよ。」芸能人の余裕の態度で彼女の持ち出した紙とサインペンでスラスラと名前を書く城山。「あ、あ、ありがとうございます。一生大事にします。」そんなやりとりを見終えた後、神が咳払いする。「んん…いいかな。ところでこれで青義神石、即ちブルークリスタルを司る戦士は、全員探し終えたことになる。改めて言おう。よくぞブルーベースへ。そしてありがとう、共に戦ってくれて。だが、まだ大事なことがある。今回、ファルモンスターの出現により、やむなくすぐ装転してもらって戦ったが、まだ完璧じゃない。そこでだ。スーツなしでも戦える戦士を養成しなければならない。」「まさか…」「そのまさかだよ。幸いファルドム帝国の活動はやんでいる。これを期に、全員に訓練を課したいと思う。」「訓練…」首を傾げる靖本、城山、麻由。しかし翌日から三人はとんでもない洗礼を受けることとなる。…続く
- Re: 超神精仮面戦士キャバン ( No.83 )
- 日時： 2020/05/17 09:08
- 名前： 梶原明生 （ID: UvBorD81）
…「引きが甘い。しっかりスナップを効かせろ。」車手裏剣、棒手裏剣の指導を行う神。翔矢も訓練を兼ねて先輩面しながら指導する。「あ〜んもう、私アイドルなのに何でこんな訓練必要なのよ。」「うるせー、死にたいのか。アイドルだか何だか関係ない。ファルドム帝国との戦いで勝つためだ。こんな訓練まだ序の口だ。これから俺たちが受けた耐久行軍の洗礼が待ってんだよ。戦闘訓練兼ねてな。」「え〜まだあんの。さっき忍術空手拳法の訓練やったばっかじゃん。やだ。麻由ちゃん、私に代わってあなた訓練しといて。」手裏剣を手渡す絵里。「え、え〜っ…」「コラッ。こればかりは人と分けられるもんじゃない。自分自身に身に付けなければならないんだ。」「もうっ。」気だるくなりながら立ち上がる絵里。手裏剣訓練が終わると、ベルゲン（背嚢）を用意させる。自動小銃に拳銃、爆薬に致まで用意させる。「何でこんな訓練必要なのよ。スーツとブルークリスタルあれば十分じゃない。」またもや絵里の愚痴。「その力を存分に引き出すためには生身の人間のレベルも上げておく必要がある。スーツなしで戦えないやつにスーツを着る資格はない。てね。」伊刀山が苦笑いする。「それ、マーベル系映画で聞いたようなセリフだな。」「おい。余計なこと言うなよ。」翔矢達にドッと笑いが起こった。「さぁ、話は以上だ。背嚢の用意が出来たら担いで走るぞ。」「え〜っ。」「つべこべ言うな。」絵里に向けて神は一喝する。しかしその絵里は麻由が油断していた隙に自分の荷物を彼女の背嚢にたっぷり入れ込んでいた。やがて大船山を走るように登山し、耐久行軍が始まった。山の頂上で意地悪な…いや、正当な量りが待っている。「それじゃ、ベルゲンの荷物が皆合格範囲の重さか測る。先ずは城山から。」「え〜っ。」「どうした。測られたら不味いことでもあるのか。」「んもう。」疲れきって汗だくの絵里は仕方なく差し出す。「おい、５キロ軽いぞ。一体どういうことだ。」「え、そ、それは…そんなはずないもん。」神は麻由を呼んだ。そして量りにかける。「丁度秋本のベルゲンの重さが５キロオーバーだ。これはどういうことかな。」絵里がしどろもどろになる。「え、そ、そんなの知らないわよ。」「嘘つけっ。お前が秋本の背嚢に荷物入れない限り、増えるはずはないだろ。」それを聞いた麻由は困惑顔で絵里を見た。と言うより本音は、それまで憧れていたアイドルに裏切られた失望感で見ていたのだ。…続く。
- Re: 超神精仮面戦士キャバン ( No.84 )
- 日時： 2020/05/18 12:59
- 名前： 梶原明生 （ID: VlfYshYD）
…伊刀山が絵里に近付く。「ブルークリスタルの光には嘘つけないぞ城山。」「あ…」それは点滅するかのような微かな光を放っていた。「君は選ばれし戦士の一人。必ず乗り越えられるはずだ。」「真悟さん…」急に態度を変える城山。「ごめんなさい、私が麻由ちゃんのリュックに。」「最初からそう言えば問題ないのに。はい、ペナルティーとしてこいつを…」恒例のブロック塀入れを行った。絵里のベルゲンは更に重なる。「さぁ、休憩は終わりだ。行軍開始。」再び歩き出した藤鷹班。麻由は複雑な心境でついて行く。流報はカゲマルに問いただしていた。「で、そのブラックリターとバンについて居場所はわかったか。」「う〜ん、レーダーにも引っかからないし、未だに行方はわからないや。ねぇ師匠、あの二人って一体誰なんです。仮面甲冑はこのブルーベースにしかないはずなのに。」「それは言えぬ。だが敵でないことは確かだ。ところで神達は順調か。」「うん、それなら問題ないよ。訓練は進んでる。」「それなら申し分ない。今のうち鍛えておかないとな。それではワシは一眠りする。」「ごゆっくり…」流報はリビングルームを後にした。その頃ブラックリターはバンの後ろに跪いていた。「メル様。…いえ、今は白鳥夏美様でしたね。」銀色の仮面を脱ぎ、黒い長髪がスーツに垂れてきた。まだ１８歳の少女である。「ブラックリターさん。本当に私はこれでいいのでしょうか。」「何をおっしゃいます。姉上のファル様をお助けせねば。」「そうですね…」一体どういうことなのか。… 次回「思惑」に続く。
- Re: 超神精仮面戦士キャバン ( No.85 )
- 日時： 2020/05/18 14:49
- 名前： 梶原明生 （ID: 87ywO7pe）
「思惑」………………………………………………………………北黒管理監は自分のオフィスで机のノートパソコンに向かっていて、英語で話している。「ミスターキタグロ。スーツはまだ手に入らないのか。大統領も国務長官もそれは大変ご立腹だぞ。中国に先を越されでもしたらどうする。」「申し分けありません。思いの外、特殊作戦群が手強いものですから。中国にかんしてはご安心ください。奴らには網を張っておりますので。ですが、今しばらくのご猶予を。特殊作戦群側に味方につくふりで近付き、懐柔させてみせます。そうすればスーツの情報や設計図だけでも取得できるかと。」「わかった。とにかく急げ。ファルドム帝国の魔の手が我が米国に迫る前にな。」「畏まりました。」北黒は画面を切った。「ＣＩＡ次期長官殿は気楽なものだ。私を便利屋扱いだものな。」呟きながら今度はテレビのリモコンを持つ。ニュースでは総理大臣官邸の記者会見室を映し出していた。総理が壇上に立つ。一連のアンノウンの事件が明るみに出たことから、さすがに米国政府も日本のマスコミ統制を解くよう指示せざるおえなくなったのだ。「…でありまして。機械生命体組織、つまりはファルドム帝国と名乗るテロ組織による犯行と断定いたしました。しかし、国民の皆様、ご安心下さい。政府は各省庁、警察、国防軍と連携いたしまして、鋭意に捜索、排除を徹底してまいります。どうかパニックに陥らないよう、国民の皆様にお願いしたい所存です。」それを見ていたのは国民ばかりではない。当事者たる女帝ファルも見ていた。「ふん、愚かな人間共が。妾に勝てるとでも思っているのか。のう、我が愛しい女官アリカよ。」「ファル様がお見舞いに来てくださっただけで私、元気になりますわ。」「無理をするでない。しばらくは作戦は中止じゃ。」そこへガイト将軍が鼻息荒く乗り込んできた。「なりませぬファル様。続けざま作戦は進行すべきです。奴ら人間共を抹殺するためにも。たかが女官一人のために中止など…」「たかが…だと。戯けっ。」「ハハーっ。こ、これはつい口が滑りました。」「滑りましたですむかガイト将軍。女帝は誰ぞ。その私が最も寵愛する女官アリカなるぞ。たかがとは何だ。」「お、お許しを…」電圧棒を当てるファル。「ふん、妾に逆らわば命は無いと思え。良いな。」「ははっ。」恐れをなして退室するガイト将軍。影でほくそ笑むキツーネン少佐。先の失態で二階級降格させられていたのだ。…続く。
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