複雑・ファジー小説

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ボクらの病気は治らない。
日時: 2023/08/08 15:24
名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)

自分の趣味で適当に上げているものです。
文の構成が変であっても許してください。

読者様からのコメントも取り入れたいので、
感想ください(*´꒳`*)待ってますっ

Re: ボクらの病気は治らない。 ( No.5 )
日時: 2023/07/30 14:11
名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)

「かくれんぼなら別の場所でやってくれよ...」と小言を言いながらも
扉のそばで立っていると、「あーーー!!!!」と死神が声をあげた。

「朝食!食べてないじゃん!!!」どうやら気づいたらしい。
「ちゃんと食べたよ」目も合わさず返事をする。

「半分も残ってる!!冷めちゃうから早く食べろって言ったのになぁ?」

「何が冷めるんだよ、バターベタベタなパン美味しくないし。」
「お残しはダメですから、ほら食べろ!」
敬語が要り混じったぎこちないしゃべり方で死神はパンを押し付けてくる。
言い訳しても無駄らしい。

食欲はないけど、医者は食べろと言うから食べる。

(食べる気失せる…。せめて食べやすくしてくれよ…。)

「はいはい、わかった...食べるよ..」
無理矢理口の中に突っ込んでみせると、死神は笑顔で言った。
「今日も完食して偉いねー!!!」

Re: ボクらの病気は治らない。 ( No.6 )
日時: 2023/07/22 12:31
名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)

「今度パンにバター塗りたくったら絞めるからな」

死神は上機嫌で机の上の片付けを始めた。
するとガラリと扉が開いて、死神と同じ服装の女性が入ってきた。
「あら、杉本さん。今日もましろくんのお世話?過保護すぎぃ」
看護士が死神の肩をちょんと触った。
「あー。えへへ。ありがとうございますー」死神は適当に返事して苦笑いしている。

「褒めてないってばー。あ、ところで、こはるちゃん、見てないですか?」

「え?」
思わず真白も目を見開いてしまった。

「いやー今探してて。全然見つからないんですよぉ。二神こはるちゃん。」
さっき少女を大声で呼んでいたのはこの人だったのか。

「ここにいますけど」死神は真顔で言った。
(..バカ。あとでアイツに恨まれても知らないからな。)

「えうそ??」看護士はキョロキョロと辺りを見渡す。
この看護士は高身長だから見えなかったのだろう。

「ほんとですよ、ほら」
死神はベットの隙間を指差した。

「わ!ありがとー杉本さん!!」
看護士は死神にお礼を言うと、
ベットの下で必死に隠れる少女に声色を変えて言った。
「...こはるちゃん?何してるの、いくよ」

「...。」
少女はのろのろとベットから顔を出して、立ち上がった。

看護士に腕を引っ張られながら少女は振り向いて、
「はぁ」とため息を残して、無言で部屋をあとにした。

そういえば、去り際に看護士が死神に向かって伝えた。
「院長が杉本さんのこと呼んでましたよー♡」

ピシャリと扉が閉まって、部屋の中は静まり返った。


「なんだったんだ、あいつ…。」

Re: ボクらの病気は治らない。 ( No.7 )
日時: 2023/07/28 08:16
名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)

ポコポコと泡が出る。
水面に少し光が差し込んでキラキラと光って綺麗で、少し暖かい。

どこまでも青く透き通った世界。
大きな水の塊に居るみたい…。

ここがどこなのかはいつも分からないけれど、
ここは病室なんかよりずっと静かで、落ち着く。
不思議と、ずっとここに居たいと思える。

「こは…こはるちゃ…こはるちゃん、おーい」
青い世界に光が差して、泡がたった。
(眩しい…)

目を覚ますと、そこはベットの中だった。

「こはるちゃん、もう終わったよ、おつかれ〜」
看護師士はもう用はない、と言うようにそそくさとその場を去っていく。

看護士が持っている袋には、青い液体がたっぷりと入っている。
青い液体が、サラサラ揺れて、動く。

我ながら綺麗だと思う。

「気分悪くなったら、呼んで」
看護士は静かに病室の扉を閉めた。

「……。」
むくりと体を起こす。
ずきん、と頭に激痛が走る。めまいがする。鼓動がいつもより速い。
もう日常茶飯事なのでこの状態でも動ける。
なんだか風に当たりたい気分だったから、私は立ち上がって窓から顔を出した。

青く澄み渡る空。
そよ風に吹かれ、穏やかに周りの木々が揺れる。

「きっと、この空よりも青くて、綺麗なんだろうなぁ..」

私は海を見たことがないけれど、私の血は、海の色に似てるんだって。
透き通った私の血。私が1番好きな色。

いつか、本物の海の色を見てみたいと思ってる。



…私にそんな日は来ないだろうけど。

Re: ボクらの病気は治らない。 ( No.8 )
日時: 2023/08/04 22:11
名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)

私は杉本幸。
この病院の看護士兼、魔界から来た死神だ。

「院長が杉本さんのこと呼んでましたよー♡」
名前も知らない看護士からの言伝で、私は院長室に向かった。

私に何の用だろうか。
「杉本さん、最近仕事サボってばかりだよねぇ。ってことでーク、ビ、ね。」
気だるそうな院長の声を頭の中で想像する。

クビになって病院を追い出されたら私は真白の寿命を縮められない。
つまり死神の仕事ができなーい!!

(ってかそれより、杉本幸の姿、結構気に入ってるから、普通に看護士辞めたくないのよねー)

だからクビにしないで!お願いいんちょーさまぁ...。

「わわ私は死神なのよ?いざとなれば、院長だってイチコロだしクビなんか怖くない!」
勢いで扉を開ける。
「しししししししつれいSぃMす!!」
舌を噛んだ...。痛い。

「お、来たね。」
黒い椅子をくるりと回転させて、こちらを振り向き、ニヤリと笑った。
まるで舌を噛んだのもお見通しだと言うように。

「それで...ご用件はなんでしょうか..?」
「気になるかい?」
院長は自覚しているのかは分からないが、ニタリと悪そうな笑みを浮かべる。
マジでこの人役者になればいいのに。悪役専門で。

「じゃあ、早速だけどね、」院長は喋り出した。
「.....。」ごくりと唾を飲み込む。
(どうかクビだけは....。)


院長は深刻な顔をして口を開いた。
「...君に、女の子のお守りをしてほしい。」





「.....は?」

Re: ボクらの病気は治らない。 ( No.9 )
日時: 2023/08/05 14:28
名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)

「……ッ」
クビにならなかったことにはひと安心しつつも、また面倒な仕事が回ってきたと、心底ガッカリした。
院長はいつも面倒な仕事を横してくる。

ほんと人間も大変ね、死神の仕事とより面倒なんだから。

「お守りって言っても、もう中学生だよ。ずる賢い娘でね、よく病室から脱走するんだ。」
院長はクリップボードをガン見しながら、説明を始めた。

「...」
舌がヒリヒリする。さっき勢い良く噛んだせいだ。


「だから君には、その患者が脱走しないように見張っててもらいたいんだけど、引き受けてくれる?」

「..分かりました」
院長相手に"嫌です"なんて言えないから(クビを阻止するため)私は渋々引き受けた。


「いやー助かるよ。杉本さんは子供の面倒見がいいから。きっと彼女もおとなしくしてくれるだろう。」
私が真白につきっきりで仕事をサボってたことは院長にも伝わっていたらしい。

「頑張りまーす♡」いつもの偽りの笑顔を院長に振りまいた。
…あまり効果がなかったようだけど。

これからよろしく頼むよ、と院長に送り出されて、
早速、患者の部屋に向かうことになった。
(生意気な娘だったら速攻捻り潰してやるわよ!!)
強気で病室の扉を開けた。
「失礼しまーす、これからあなたを担当する杉本です。えーと、あなたは...ふたがみ..…」

前を向くと、見覚えのある少女が目の前のベットに横たわっていた。
「あ、さっきのおばさんじゃん。」


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