二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】
- 日時: 2016/05/15 13:14
- 名前: 夜星 ◆Cy8HiY0qWk (ID: byaeXgri)
別にさ、憧れってのは人それぞれじゃん?
地球を守ってきた素晴らしい戦士、かっこいいよね?
うん、だからさ。俺、なりたい。
ロマンだよね——追加戦士って。
*
初めまして、夜星と申します。
この作品は「しゅごキャラ!」と「スーパー戦隊シリーズ」の二次創作です。
簡単に言えば、「スーパー戦隊の追加戦士に憧れた少年が転生した先のしゅごキャラ!の世界で頑張る話」です。意味分かりませんね。
一応、しゅごキャラ!アニメ版に沿ったかたちです。
どちらも知らない人でも気軽に読める作品にしていきたいです。
後、感想くれると意欲に繋がるので、良ければくださるとありがたいです。
目次
プロローグ『転生特典は……え? ないの?』 >>1(了)
第一話『真っ赤な太陽よりも赤っ恥』 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6(了)
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- Re: 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】 ( No.3 )
- 日時: 2014/12/27 15:29
- 名前: 夜星 ◆Cy8HiY0qWk (ID: 0jBqS0Km)
で、そんな朝を終えると、早速妙な集会が開かれるらしい。
その名もガーディアン総会。なに? 守護者でもいるのこの学校。
「ミコトくんは知らないよね、ガーディアン」
「ああ、うん」
「ガーディアンってのは、生徒による生徒のためのちょっと特別な生徒会なの」
いわく、生徒のお悩み等を解決する集団らしい。ただの生徒会じゃないか。
で、そのガーディアンとかいう四人が、壇上に上がっている。
ガーディアンってのは、K(キング)、Q(クイーン)、J(ジャック)、A(エース)の四つの席があるらしい。
羽織っているロイヤルケープがその証だとか。男子は青色、女子は赤色だ。
Kチェア——辺里唯世(ほとり ただせ)。
ブロンドの髪が、会長という名誉と責任ある役職にとても映えている。
Qチェア——藤咲なでしこ。
黒い長髪を後ろで結んだ、一目見ただけで分かるお嬢様キャラだ。
Jチェア——相馬空海(そうま くうかい)。
俺たちより一個年上の六年生。茶髪で軽そうな印象を抱くが、生徒のトップにいる存在だ。そんな事はないのだろう。
Aチェア——結木やや。
一個年下の四年生。橙色のツインテールが良く似合う少女。ネクタイじゃなくてリボンを結んでいるが、校則的にいいのか?
なんというか、バランスの良さそうな四人組だ。役職の名称がトランプに由来しているのも良い。
前世の俺が生まれるよりも昔にやっていたスーパー戦隊二作目のジャッカー電撃隊を思い出させる。
さて、ガーディアンの軽い説明が終わった頃、総会が始まった。
「まず始めに、制服に関するアンケート結果から——」
集会自体は、特に前の学校の生徒総会と変わりない。
やっぱり退屈そうだ——そう欠伸をしたときだった。
「では、意見のある人は手を挙げてください」
「——はい、ごめんなさい! あなたが好きです、王子様!」
「……は?」
あまりにもその場にはそぐわない意見が大声で出された。
何事かと全員が声の出された方向を見る。
「……」
日奈森だ。聖夜小が誇る最高のクール&スパイシーキャラで、昨日カツアゲを撃退したらしい日奈森亜夢だ。
誰もが唖然として日奈森を凝視している。
すると、今の明朗とした声は何処へやら。おろおろと不安げな表情になった。
「今は総会中です。議題に関係ない意見は慎んでください」
そして、ばっさりと王子様(辺里)は告白を切り捨てた。
「それと……僕には好きな人がいます。ごめんなさい」
全校生徒の面前で言う必要はまったくない補足も付け加えて。
「ッ!」
それを聞いた日奈森は相変わらず生徒たちの注目を集めながら駆け出す。
「……はーい、そこまで。特に意見がないようなら、次の議題に移ります」
ざわついていた生徒たちを一言で治めたのは、相馬さんだった。
さすがはガーディアン最年長か。そのカリスマ性はさすがといえる。
そこから辺里は不在となり、相馬さんが主体となって総会を進め始めた、が。
やっぱり気になる。行ってこようかな?
『行っとけ行っとけ。そういう型破りキャラ、お前の性に合ってるから』
「えっ?」
心の奥から、そんな声が聞こえたような気がした瞬間。
『ほらほら、キャラチェンジ。これでお前が一番の変人だ』
「ちょっ、何を——」
疑心はどこかへ飛んでった。
- Re: 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】 ( No.4 )
- 日時: 2015/04/06 21:51
- 名前: 夜星 ◆Cy8HiY0qWk (ID: aRobt7JA)
走っていた。俺は、ただ走っていた。
ほぼ全自動。体が勝手に動いているような感じ。
つーか俺、どこに向かってるんだ?
「おいっ! 心の声!」
『いや、心の声じゃねーし。ポッケ。ポッケ見ろよ』
「ポッケ……?」
とりあえず、心の声(仮)に従い、制服のポケットに手を突っ込む。
すると、何も入ってない筈なのに、何かに触れる。
引っ張り出してみると、それはタマゴだった。
白、銀、金、赤、緑、その他様々な色で彩色された、手の平大のタマゴ。
「……何これ」
『俺。正しくは俺のタマゴ』
「なに? お前鳥かなんか?」
『ちげーよ。しゅごキャラだ』
しゅごキャラ……? 聞いた事もない。
喋る鳥か? オウムの種類?
『白鳥ミコト、お前のなりたい自分だよ』
「なりたい自分って……どこの都市伝説だ?」
『ガチ。ガチだっての。心の底から願うなりたい自分。それが表面化したのが俺だ。まだ孵ってないけどな』
なりたい自分……要するに、将来の夢のことか?
いや、違うな。もっと奥底。真の願望——叶え難いもののことか。
「……で、そのしゅごキャラが何をしたんだよ」
元々俺は、総会の真っ最中に自分だけ飛び出すようなことは絶対にしない。
なのにさっきは、勝手に体が動いたのだ。これは絶対、こいつが何かしたに違いない。
『キャラチェンジだ。ミコトのなりたい自分をちょっとだけ引き出したんだよ』
「俺は変人になる願望はない」
『ヒーローは他人から見ると、憧れと共に変人だろ?』
「違う。全然違う。ヒーローはかっこいいんだ。間違っても変人じゃない。いや、まあ確かにヒーローって事がバレて非難されたって例もあるけど」
思い出すのは、電磁戦隊メガレンジャーだ。
戦士たちの正体が明らかになると同時に激しく非難されるという展開は、確かにヒーローと一般人の隔たりを感じさせる。
だが、メガレンジャーは変人ではない。最後には認められるし、真実、地球を護ったヒーローだ。
『まあ冗談は置いといて。あの女の子が気になったんだろ? だから俺はちゃんと行動できるように、おまえ自身を引き出してやったんだ』
よく分からん。マジで夢なんじゃないだろうか。
与太話をしている間にも、どんどん学校が離れていく。先生とか追っかけてこないよな。
「で、結局お前なんなの?」
『だからしゅごキャラって言ってんだろ。まだ信じてねーのか』
「信じる要素が一つもないし」
『あー、もう。だったら見せてやる——』
「は?」
タマゴが割れる。中から出てきたのは、小人だった。
「よぉ」
出てきたのは、小さな俺……がデフォルメされたもの。
違う点といえば、見覚えのある鎧を纏っている。
手の平に乗る程度の大きさなので見難いが、その鎧に付いている幾つもの面は……
「……ゴールドモード?」
「そうそう。言ったろ、お前のなりたい自分だって」
それはまさしく、ゴーカイジャーに登場する追加戦士、ゴーカイシルバーの強化モード。
ゴーカイシルバー・ゴールドモード。
俺と同じく、スーパー戦隊に憧れる彼の強化モードは、胸にこれでもかというほどに追加戦士の面がくっついた特徴的なものだ。
通称を十五戦士の鎧。手の平大の俺はそれを纏っていた。何故か幾つか、面が増えているが。
「俺はヒイロ。お前のしゅごキャラ。よろしくな、ミコト」
「……」
ヒーローをそのまま捩ったような名前に、単純だなあと笑みが零れる。
一体俺はいつまで夢を見ているのだろう。
一向にこの謎の超常現象は、収まる気配を見せない。
- Re: 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】 ( No.5 )
- 日時: 2016/03/19 14:26
- 名前: 夜星 ◆Cy8HiY0qWk (ID: byaeXgri)
「——で」
とりあえず、俺はヒイロと名乗るしゅごキャラとやらに問うことにした。
「一体俺をどこに連れてく気だ?」
「いや、俺が連れてってる訳じゃねーし。お前が『なりたい自分』に沿って動いてるだけだ」
「なりたい……自分」
先程から言っているそれの意味は、未だ分かりかねる。
なりたい自分……即ち、俺の夢?
最初に思い浮かんだものは、この世界に転生する際に望んだものだった。
スーパー戦隊の追加戦士。
だが、それはあくまでも幻想。なれないと分かっているものなのだ。
あれは空想の——実在しない戦士。
なりたいと思っても叶わないもの。
「ほら、いたぞ」
「へ?」
ヒイロの指さす先……建設中と思しき建物の上。
地上から数十メートルはあろうかという、ここから見えるか見えないかの位置。
鉄柱の骨組みに立つ、二人の人影。
「は……? なんであんなところに——」
目を細めて見てみれば、片方は明らかに見覚えがあった。
「——日奈森!?」
そう。今しがた全校生徒及び教師一同の前で蛮勇なる告白をしてのけた日奈森である。
「馬鹿かアイツ、なんであんなところに……」
「さあさ、ミコト。あの女の子は大ピンチと見える。どうするよ」
「どうするも何も……そうだ、警察——」
「間に合うか。もう片方の男に何されるかわかんねーぞ」
日奈森に近づく、ヒイロ曰く男。
アッチもアッチで危ない。どうしてああなったかはさておいて、早急な救助が必要であることは明白だ。
「行けよミコト。信じろ。自分の本当になりたいもの。そして自分自身を」
「ッ——」
この小人の言葉を真に受けるのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい。
都市伝説の方がまだ信ぴょう性がありそうな、滑稽極まりない戯言。
ああ、だがそれでも——今は信じるしかなさそうだ。
「俺の、なりたい、自分……!」
そう。かつて、いや今も憧れる、その姿。
最初に思い浮かんだものは、やはり彼だった。
——仲代壬琴。
地球を守る戦士たちの前に、長く敵として立ちはだかったダークヒーロー!
「——おおおおおおお!」
手元に現れたそれを握り込む。
ウイングペンタクト。俺が憧れる戦士が武器として持っていた、羽ペン型の武器。
「おい! ヒイロ!」
「どうした?」
「……飛べるんだろうな?」
「いけるさ。今のお前はヒーローだ」
こんな奇跡を見せられれば、少なくとも今回ばかりは吹っ切れる。
大地を蹴る。あの二人の間目掛けて、真っ直ぐに跳ぶ。
いち早く男が気付くも、対処できるはずもなく——
「きゃあ!?」
日奈森の驚愕の声を聞きながら、俺は鉄骨に降り立った。
- Re: 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】 ( No.6 )
- 日時: 2016/05/15 13:13
- 名前: 夜星 ◆Cy8HiY0qWk (ID: byaeXgri)
「み……ミコト、くん?」
「よ、よう、日奈森」
さて、跳んで来たは良いものの……どういう状況なんだろう。
ヒイロに煽られて反射的に来たけれど、考えてみれば状況把握なんて出来よう筈もないし、そもそも助けが必要なのかもわからない。
「……」
男の方は、唖然としている。
長身でひたすらに黒一色。
ある方面の美男子として完成された姿だが、それを壊す要素が二つ。
「……猫?」
猫耳と、猫の尻尾。意味が分からない。室内ならばともかく往来でこのような恰好。
もしや趣味なのか。変態だ。その手の趣味嗜好に理解はあれど、こうして前にするとやはり顔を引きつらせるほかない。
「……お前も、キャラ持ちか」
男は俺に付いて浮遊するヒイロを見ながら言う。
見れば男の隣にも、同じような小人がいるではないか。
「あれ……日奈森にも?」
「へ? あ……」
そして日奈森の方も見ると、チアリーダーを彷彿とさせる少女の小人が浮いている。
こいつら……全員しゅごキャラ?
「——ハッ! ちょ、ちょっと、ナイスミコトくん! アレ! アレ取り返して!」
「アレ?」
我に返ったように男を指さす日奈森。
正直あまり視界に入れたくない人種だったのだが、仕方ないか。
目を向けると、男は見せびらかすように手に持ったモノを揺らす。
——タマゴだ。ヒイロが孵ったものと同じような、カラフルなタマゴ。
取り返せってつまり……盗まれたと?
「お、おい! さっさと退散するぞイクト!」
男のしゅごキャラだろう猫耳尻尾の小人が叫ぶ。
反射的に猫の俊敏性を思い出し、行動に移すまで、自分でも信じがたい速度だった。
駆け出して、ウイングペンタクトを振るう。
咄嗟に下がった男に当たることこそなかったが、ポロリとタマゴが手から零れ落ちた。
「——危ねえ!」
追う。一つ——緑のタマゴをキャッチし、
「日奈森! キャッチ!」
放り投げる。わ、わ、わと慌てる声が聞こえたが、それどころではない。
もう一つ——青のタマゴに向かいもう一度手を伸ばし——取った。
しかし同時にようやく理解する。
自分が無謀にも鉄柱から跳躍していたことに。
着地を想定して跳んだ訳でもない以上、すぐにそれに移行することも出来ず——
「ヤバ——」
とにかくタマゴを守るように身を丸めながらも、落ちていく。
————翌日。今朝から、否、昨日からどうにも実感が湧かなかった。
しゅごキャラだのなんだの、昨日一日で起きた異常があまりにも自分の理解できる領域をオーバーしてたから。
一先ず、俺は生きている。
しかしながら、あの落下でどうにかなったのは俺の力でも日奈森の力でも、ましてあの男の力でもない。
そこに居合わせた四人目。辺里のおかげだ。
タマゴを取り返せたはいいものの——結局、辺里に良いところは取られてしまったことになる。
まあ、こういうと何だか後悔しているようにも聞こえるが、案外そうでもない。
やるべき最善は果たせた。
出来ることは、あの程度だっただろう。
さて、そんな俺には新たな問題が付き纏っている。
(おいゴースト、くれぐれも余計なことするんじゃないぞ)
「だから幽霊じゃねーっての。俺はしゅごキャラだ」
この小人、ヒイロの存在である。
どうやら一部の人間にしか見えてないようで、家に帰る分にも学校に来る分にも問題はなかった。
しかしこれに付き纏われているのは何というか、幽霊に憑りつかれてる気分なのだ。
「はぁ……ったく」
悩みの種はもう一つ。
それは今、俺の手にある。
「行きたくないっての……どうせコイツみたいなのの巣窟だろ」
学校に来て早々、日奈森と俺に渡された、ロイヤルガーデンの茶会への誘いである。
- Re: 追加戦士に憧れて 【しゅごキャラ!×スーパー戦隊】 ( No.7 )
- 日時: 2016/06/30 13:07
- 名前: sisimai ◆zL/tqIs4.k (ID: DTjsowAk)
はじめまして獅子舞です
私もしゅごキャラ書いています!
とても懐かしいです
続き楽しみにしてます
頑張って下さい!!!
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