二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【ボカロ】君の体温【自己解釈】
- 日時: 2015/08/01 21:03
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: dRm87XVY)
はじめましてorこんにちは!
日瑠音と申します。(トリップ機能をつけてみた!)
前作のありふれたせかいせいふくが完結したのでまた新しく書きます!
注意
・文才0
・更新がとてつもなく遅い
・荒らし、悪コメはやめてください
題名には自己解釈と書きましたがどちらかというと元にした作品となっています。
(前作を読んで頂いた方は分かるかと思いますが…)
苦手なかたは避けた方が良いかと思います。
長すぎるあいさつで申し訳ありません。
重い話になるかもですがお付き合いいただけたら嬉しいです。
- Re: 【ボカロ】君の体温【自己解釈】 ( No.3 )
- 日時: 2015/05/21 18:48
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: .Hx7EboP)
ダブルデートの行き先は映画館らしい。
正直カイトは高校生カップルの初デートかとツッコミを入れたかったが、自分では誘うことも出来なかっただろうからやめた。
待ち合わせ場所で待つこと約5分、彼女たちが来た。
「すいません、遅くなって・・・」
女優似の美人が言う。
「いいよー、俺らが早かっただけだし!それより自己紹介とかしない?」
と友人はカイトに相槌を打った。
「じゃ、俺から!俺は西川拓海ですっ!よろしくねー!」
友人はニコニコと自己紹介を終わらせると、カイトに目線を送った。
「あ、俺は有馬カイトです・・・」
カイトは緊張気味に言い終わると、逃げるように拓海を見た。
「よし、じゃ、次は女子だね」
拓海が言うと、女優似の美人が言う。
「小波ゆきです!宜しくお願いします」
ゆきがニコッと笑うと、拓海の顔が赤くなった。
長いツインテールの女性も続けて言う。
「えっと・・・、結城未来です、宜しくお願いします」
未来も緊張しているようで、言い終わってすぐに下を向いてしまった。
自己紹介が終わり、映画に向かうと、皆映画に夢中になっていた。
「うわー、超面白かったねー!この後どーする?どっか行く?」
拓海が問いかけると、ゆきが切り出した。
「カラオケとか行かない?未来の意外な姿が見られるよ!」
ゆきは大分男子二人に慣れたようで、キラキラとした笑顔を見せていた。
「え、なに言ってるのゆきちゃん!」
おろおろした未来にカイトがうなずく。
「あ、俺もカラオケで良いと思う!」
「よーし、じゃ行こーぜ!」
ゆきが言っていた意味が分かった。
未来の歌声はすばらしいもので、透き通った様な声に皆が感動していた。
「未来はシンガーソングライターなんだよ!」
ゆきが自分のことのように胸を張った。
「いや、私なんかまだまだで・・・!」
自分のことに消極的な未来に、カイトが首を振った。
「いいや、結城さんはすごい人だよ!きっと、たくさんの人を感動させられる様なシンガーソングライターになると思う!」
その瞬間、未来の目がキラキラと輝いたような気がした。
「うん、ありがとう・・・!」
これが、俺と彼女の出会いだった。
- Re: 【ボカロ】君の体温【自己解釈】 ( No.4 )
- 日時: 2015/05/30 11:32
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: Ar0Lat0c)
第二話
あの出会いから二週間程たった。
大学で会えば話を交わしたり四人で食事をとったりしている。
四人で過ごす時間はとても楽しいもので、カイトはこんな日々がずっと続けばいい、などと思っていた。
「あ、あの、皆!」
四人の食事中、未来が言いにくそうに話題を開いた。
「私の、その・・・私がでるライブのチケットがあって・・・良かったら来てくれないかな・・・?」
するとカイトが一番に口を開く。
「うん!行きたい!そのライブ、いつあるの!?」
カイトが言うと、拓海とゆきも賛成の言葉を並べた。
「よ、よかったー!来週の日曜日なんだけど・・・空いてる?」
こうして話は着々と進んでいく。
ライブの前日、カイトは驚きの事実を知った。
なんと未来は今、ネットや音楽番組で注目されているシンガーソングライターらしい。
急いで拓海に電話を入れてみた。
「もしもし、拓海!?」
『ああ、どーしたカイト?事件?』
「結城さんって、もしかしてすっごい芸能人なの!?」
『お前知らなかったの?まぁ俺も気づいたの一週間前だけど』
「・・・マジか」
『俺、気づいたときに小波に言われたんだ』
「未来には、芸能人としてじゃなくて、今まで通り普通の女の子として接して」
『だからお前もそうしろよな』
「うん、分かった」
『・・・お前だと心配』
「ひどい!」
こうして一日は終わりを告げる。
これは、まだ恋の序章にも過ぎない出来事。
- Re: 【ボカロ】君の体温【自己解釈】 ( No.5 )
- 日時: 2015/06/13 12:22
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: rkl.YHL1)
ライブが行われる屋外ステージについた三人は、未来のところに向かった。
「ああ、皆!来てくれたんだ」
屋外ステージのすぐ後ろの控え場で、未来がギターを手に最終確認をしている所だった。
「すげーな結城さん!ギター弾けるのか!」
拓海がキラキラと目を輝かせていた。
「あはは、まあ、ちょっとだけ」
そういう未来も、まんざらでもなさそうだった。
「結城未来さーん、そろそろスタンバイお願いしまーす」
「はーい」
未来は三人を見て、にっこりと微笑んだ。
「じゃ、聴いてて。」
未来は5組のうちの大トリだった。
「お、次は未来だ」
カイトは、緊張と楽しみが混ざったような気持ちだった。
「おいおいカイト、大丈夫かよ!すげー顔だそ?」
ケラケラと笑っているうちに、未来のうたが始まった。
それは、前のうたよりももっとすばらしくて、素敵で、美しいもので。
この会場のすべてのひとが、未来のうたを聴き、見ていた。
そしてカイトは、涙を流した。
歌にすべての感情を込めた未来の想いがカイトに通じていたからだ。
それと同時に、カイトの心は完全に未来に奪われた。
- Re: 【ボカロ】君の体温【自己解釈】 ( No.6 )
- 日時: 2015/07/22 20:24
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: BzoWjzxG)
第三話
気が付くとカイトは、どんどん未来の事が好きになっていった。
風になびく空色の髪も、控えめな笑顔も、相手を一番に思う優しい性格も。
そして、出会いから半年後。
「結城さん、今日はありがとう」
カイトが未来に勇気を振り絞って誘った、ショッピングモールデートの帰りだった。
今は公園のベンチで二人、駄弁ることに決定した所だ。
「ううん、私こそ。誘ってくれてありがとう」
そう言って未来はニコッと笑った。
「でも、最近テレビとかでよく見かけてるし、忙しいの?」
「少し。明後日も音楽番組に出るの、ありがたいことに」
未来は今、人気急上昇中のシンガーソングライターだった。
(このまま結城さんが、遠い存在になってしまったら…嫌だ)
カイトは、前々から悩んでいたことに、覚悟を決めた。
「結城さん…、俺…」
「何?有馬くん」
カイトはベンチから立ち、未来の前に突っ立った。
「俺、貴方の事が好きです!俺と、もし良ければ、付き合ってくれませんか!」
カイトは、バッと頭を下げ、右手を差し出した。
すると、右手に暖かい、柔らかい感触を感じた。
「え…」
カイトがおそるおそる顔を上げると、カイトの手に両手を包み込ませ、満面の笑みを魅せた未来がいた。
「こんな私で良ければ、よろしくお願いします」
「ほ、本当!?」
カイトが不安と嬉しさの境目で聞くと、未来はクスッと笑った。
「嘘なんてつかないよ」
この時カイトには、あんな事を考える余裕はなかった。
この幸せは、そう長くは続かない事を。
- Re: 【ボカロ】君の体温【自己解釈】 ( No.7 )
- 日時: 2015/07/25 19:33
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: m3TMUfpp)
カイト達はとりあえず、拓海とゆきに報告することにした。
「俺達、付き合うことになったんだ」
すると、二人はお祝いの言葉を並べてくれた。
カイトには拓海とゆきの進展はあまりないように見えたので、
「拓海も頑張って」
と拓海に小声で言っておいた。
でも、その時の拓海はなんだか泣きそうな顔になっていて、それ以上は話せなかった。
だって、この時カイトは知らなかった。
小波さんが、カイトの事が好きだってことが。
付き合って半年、出会って一年。
お互いを名前で呼び合うようになって二ヶ月ほど過ぎた頃。
カイトと未来で同棲することになった。
カイトの住んでるアパートからスタジオが近いらしく、そこから話が進んでいったのだ。
未来は家から本当に必要な物だけ持ち込み、後は売ったり捨てたりした。
同棲をするようになってわずか二週間。
当時未来は、大人気シンガーソングライター兼タレントとなっていた。
ある時、週刊誌に共演したことのある男性俳優との写真がスクープとして載ってしまっていた。
「な、何これ…。もしかして、共演者全員でご飯に行った時かな…」
未来が持っていたのは、マネージャーに渡された週刊誌だ。
一人椅子に座っていると、カイトが帰ってきた。
「ただいまー。あれ、未来。仕事じゃなかったっけ」
「カ、カイト。いや、無くなったの、仕事」
週刊誌を適当な所に入れようと思ったが、その前に気づかれた。
「どーしたの、それ?何持ってるの?」
「い、いや、どうでも良いプリントだから」
「なんか雑誌ぽくない?」
その時。
「もしもし、小波さん?え…週刊誌?」
ゆきからの電話だった。
だが、未来は言葉を聞いた瞬間、世界が凍りついた。
『週刊誌』
(ゆきってば、何を言ってるの!?ゆきだったら、あんなの嘘だって分かるじゃない)
カイトは電話を切ると、未来を見た。
「手に持ってるのって、週刊誌…?」
「…本当にごめんね。きっと、関係者同士のご飯会の時撮られたんだと思うの」
未来から大粒の滴が、目から落ちた。
カイトは、いつもの笑顔で
「うん、未来の事、信じてたから」
と言って、未来を抱き締めた。
だが未来には、カイトがいつもと違うことが分かってしまった。
この掲示板は過去ログ化されています。