二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 魔法使いのキミと黒猫のウィズ
- 日時: 2015/05/18 18:35
- 名前: 知火狐 (ID: TZ3f2J7J)
初めまして。知火狐です。
皆さんは『魔法使いと黒猫のウィズ』というゲームを知っていますか。
私はこのゲームに出てくる精霊たちの話をここへ投稿してみようと思いました。
自分のペースで更新していくので、見ていただけると幸いです。
注意です
まず、この小説に登場する精霊の口調は私の想像なので、もしあなたのイメージと違っていたらすみません。
次に、私の所持している精霊を中心に書いていく予定なので、書いて欲しい精霊がありましたらリクエストをお願いします。
最後に、この小説はあくまでも私個人の趣味で書くので、決してコロプラ社の宣伝ではありません。
では、これからよろしくお願いします。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.6 )
- 日時: 2015/07/10 10:48
- 名前: 知火狐 (ID: 0mrfTVDd)
遅刻しましたが、七夕のお話です。
残念ながらもらうことはできませんでしたが、魔導杯総合報酬のナナです。
『奇想天外☆大満開ナナ・クラリィ』
こんにちは、ナナ・クラリィです。
私のお仕事は、異界移動を使って、魔導杯というイベントの報酬を集めることです。
今日は、魔導杯が終わったばかりなので、モーリーおじ様と一緒に天の川を見にきたのですが・・・。
「うーん、見えませんね」
空は星空ではなく、どんよりとした雲に覆われていて、天の川は全く見えません。
「はあ、今年こそは見ようと思ったのですけど」
去年、『和ノ国』という異界で知った文化を行おうと意気込んでいたのですけど、あいにく魔導杯が重なってしまって、きちんと見ることができませんでした。
なので、今年こそ、と思っていたのに、なんなんですか。これは。
風船の上で俯いていると、突然おじ様が風船をつついて割りました。
「えっ!?」
いきなりの異界移動に驚きましたが、だんだんその異界の様子が見えてくると、私は言葉を出せなくなりました。
「うわあ・・・」
見えてきたのは、空一面の星でした。
天の川と、見分けがつかないほどの星々に、うっとりとしてみていると、下が湖なのに気付きました。
海のように大きな湖は、波一つ立たず、鏡と同じくらい、星が写っています。
上にも下にも、星がきらめいていて、さっきまでのどんよりとした気持ちは、風船のように萎んでいました。
「ありがとうございます。おじ様」
おじ様は、鳴き声一つ出しませんでしたが、どこからか短冊を取り出して、願い事を書いているようです。
きっと、奥さんが見つかりますようにって書いているんだろうなあ、と思いながら、私はもう一度、夜空を見つめました。
遠くの方で、織姫と彦星が会っていることを想像しながら、星空を見つめ続けました。
ナナと七夕をくっつけたのは、名前に☆マークがあったからです。
ところで、モーリーはどうやって願い事を書いたんでしょうね。
カモ(?)なのに。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.7 )
- 日時: 2015/07/17 11:31
- 名前: 知火狐 (ID: jvCFPr99)
また姉妹ネタです。
今回の姉妹は黒猫屈指のサディスティック双子のお姫様達です。
『嘲笑う地獄姫ニル・メルフェゴール&真の地獄姫エル・メルフェゴール』
魔界のメルフェゴール王国は、最近大きな騒ぎが重なっている。
姫君のニルが、どうやら城を出てどこかに旅立ってしまったらしい。
「ニルは、いまどこにいるのかしらね。私も付いていけばよかったわ」
魔界王姫のカナメはつまらなそうに呟いた。
カナメ・バルバロッサは、気まぐれな性格であることで知られている。
カナメは、手許の傘をくるくると回しながらため息をついた。
「あーあ、つまらない!」
また他の世界にお邪魔しようかと考えた時、カナメは脳裏にニルの姿を見た。
カナメはハッとして、頭の中のニルの姿をじっと見つめる。
カナメは、こうしたことがたまに起こる。本人の気まぐれさが、こんなところでも表れている。本人が見たくても、見たくなくても急に起こる。
脳裏のニルは、どこか深い樹海に入ろうとしているところだった。
ニルは、自分の妹がどこにいるのか探しているところだった。
「ここは、まだ探していなかったのじゃ。さあ、行くぞ!」
勇ましく、そして図々しく森の中に入っていくニルは、早速三人の冒険者を見つけた。
「む、先を越されたか・・・」
悔しそうに呟いたニルだったが、むしろそれが幸運であったのに気づく。
前を歩いていた三人が、罠にかかったのだ。
見事に身動きが取れなくなり、ニルはふと、誰がこの罠を仕掛けたのか、と考えていると、
「はーい。みなさん着きましたよー。ぜんたーい、お止まりください」
ボロボロのぬいぐるみを引き連れた少女が、喜びながら、三人の魂ををぬいぐるみに縫い付けていく。
彼女が、ニルの探していた妹、エル。
この樹海で、彼女は入り込んだ者を次々とぬいぐるみに縫い付けて遊んでいるのだ。
その行いが、グヴェル・テラーという怪物をを生み出したということも知らずに。
「面白い・・・!こうしてはいられないわ!」
カナメは傘を掴むと、バルコニーの下に広がる断崖絶壁に向かってダイブした。
背後に虹が広がりながら、カナメはワクワクしながらメルフェゴール王国へ急ぐ。
間もなく、第一次『継ぐのはどっち?私、女王になんてなりたくない!』大戦が勃発する・・・。
魔界の三人のお姫様でした。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.8 )
- 日時: 2015/07/20 06:25
- 名前: 知火狐 (ID: jvCFPr99)
今回はグリココラボの精霊を書いてみます。
『美味しく目覚める大天使ミカエラ』
天界の平和な朝。
今日は一日を通して晴れが続き、魔界の方も、特にこちらに進撃してくる様子はなく、平和を絵に描いたような穏やかな朝だった、が。
「ドカンとおっはよーん♪朝食りんごヨーグルトでーす!」
大砲を抱えた少女が、宮殿でうるさくヨーグルトを販売している。
そのやかましさに、寝起きの文官武官、果ては侍従長のアクサナまで、何事かと集まってくる。
「おはようございまーす!毎朝の元気を届けに来ました!朝食りんごヨーグルト、おひとついかがですかー?」
門番や文官にかたっぱしから配りまくっている。
これでは文句の一つも出てきそうだが、ヨーグルトを一口食べると、
「あら、美味しい!」
「朝にはちょうどいいな」
「ほう、これは・・・」
と、全員が絶賛している。
なので、誰も彼女の騒ぎを止めようとしないのだ。食べ終えると、また彼女からヨーグルトを渡されてしまう。
「ドーンと元気になりましょう!」
そして、とうとう天界の若き聖王である、ミカエラが何事かと降りてきてしまった。
その場の天使たちがハッと自分たちの失態に気付いた時、そんな様子など気にも留めない、ヨーグルトの妖精は、
「おはようございます!はい、どうぞ!」
と、ミカエラにも『朝食りんごヨーグルト』を渡した。
「どうも・・・」
寝起きのミカエラが目をしょぼつかせながら、ヨーグルトを一口食べると、年相応の笑顔を見せた。
「美味しい・・・!」
自分たちの王である女性の、幼い笑顔を見た部下たちは、初めて妖精に感謝した。
「このヨーグルト、もう一ついただけますか?」
「はい!どうぞ」
ミカエラはもう一つヨーグルトをもらうと、すぐに自室に戻り、荷造りを始めた。
「どうなさいましたか?」
「今日は天気が良いから、近くの丘で食べようと思いまして」
日が出るまでにと、ミカエラはせっせと動いた。
「行ってきます」
「お帰りをお待ちしております」
うやうやしく礼をした侍従長の背後で、バタンとドアが乱暴に開かれた。
「ヨーグルト〜!」
「いい加減にしろー!」
ミカエラは、侍従長があんまり怒りませんようにと祈りながら、丘で日の出を待った。
イザークは、いまはまだ寝ているのかしらと、魔界の弟のことを考えていた。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.9 )
- 日時: 2015/09/16 18:23
- 名前: 知火狐 (ID: IVyqriGF)
前回よりかなり時間が経ってしまい、申し訳ありませんでした。
『芸術が禁止され、色彩を失った無味乾燥の異界』
マギカ・ルーシュは奇術師と呼ばれている。
その幻想的な秘術は見るものすべてを感動させる。そして政府から目をつけられることになった。
しかし、ルーシュが捕まる気配はない。
煙のように消え去って、刺客を簡単にあしらっているからだ。
そしてルーシュはまた今日も秘術を披露していることだろう。
「おかげで引き込めそうにないわねぇ。ラピスラちゃんとはえらい違いだわ」
と、アフロの男(?)がつぶやいた。
「しょうがないですよ、立派なお尋ね者が、そう簡単に怪しい人についてくるわけありませんよ」
「あら、それってワタシがまるで怪しい人みたいじゃない!ワタシは心優しいオネェサンよ!」
ラピスラという少女は、そんなアフロ頭を呆れて見下げていた。
ここは、芸術が禁止された無味乾燥の世界。街は白と黒しか存在しない。音楽はどこへ行っても聞くことはできないし、色のついた服をきて外に出たら捕まってしまう。
自分たちは、そんな世界はつまらないと反政府として、こうして仲間になってくれそうな人物を日々探し、追いかけているのだが、
「まったく集まりませんね」
そう。
政府が芸術を禁じているために、腕のいい芸術家や音楽家はほとんど、監獄に入れられてしまったのだ。
いまある希望は、まだ若い、それも素晴らしい技術を使いこなせるような新しい芸術家たちだ。
だが、もちろん政府が見逃すはずはなく、これはと思ったものたちが次々に捕らえられてしまう。
政府に捕まっていない、それも腕の良い芸術家など、ほぼいないに等しい。
最後の希望とも言える、マギカ・ルーシュに願いを託しているのだ。
「彼女自身が私たちを警戒してしまうからね」
「ボブが説得したのは間違いだったわね」
ターニャ・フリシデはため息をついた。
ピアノの模様をした鎌を手入れしながら、ターニャはボブのアフロ頭を見つめた。
「敵じゃないって教えようにも、私たちが彼女のところへ着く前に、彼女が消えてしまうし・・・」
ルーシュの奇術を一目見ると、その素晴らしさに大抵の者は目を離せなくなってしまう。
ボブ一行が噂を聞きつけ、場所を探し当てた時には、すでにルーシュの姿は消えていたのだった。
「でも、ワタシたちは、彼女をこちら側に引き入れなければならないわ!楽しみがない世界の、どこが良いの!」
そう言って、ボブたち反政府派は今日も仲間になりそうな芸術家たちを探している。
この世界の革命は、間も無く始まる。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.10 )
- 日時: 2015/09/24 07:28
- 名前: 知火狐 (ID: IVyqriGF)
『奇しきオールドローズヴェレッド』
天井岬は今日も平和だ。
そこらじゅうから花々が咲き、いくら見ていても飽きることはない。私はその香りを嗅ぎながら、太陽の石を撫でる。
「・・・、懐かしいわね」
いつも太陽の石を入れているところには、最近咲いたとこしえの樹の花も入れてある。
太陽の石は、ソリッサに渡したことでエテルネを「開花」させた。
「結果、ファラフォリアの誤解も解け、エテルネは人として生きてゆくことができるわけだけれど」
ここも、寂しくなるのね、という言葉は飲み込んだ。
とこしえの樹は、元から意思を表現できない樹でもあるし、それは自分の主観でしかない。
また、とこしえの樹の意識はエテルネに移っていたが、エテルネが一度本来の姿に戻ったおかげで、樹に思考能力は残っているはずだ。
「ファラフォリア、良かったわね」
二つ名に常闇を持っているくせに、見方によってはとこしえの樹そのものであるエテルネの望みをかなえるとは。
恨みが消化し、とこしえの樹にはもう、結界を張る理由も気力もない。
「それでも私は、ここを離れるわけにはいかない」
結界が無くても、私の使命はとこしえの樹を守ること。
ファラフォリア、つまり夜と昼のバランスをとり、必要があれば自分で結界を張る。
とこしえの樹は、夜がなければ世界を滅ぼし、うまく使えばこの世界の安寧につながる。今は世界の平和の方に秤は傾いているが、少しでも狂えば、私でも、エテルネでも止められるかわからない。
「私は、この世界が好きだから」
他の世界から来た魔法使いも関係ない。
この世界を守る為に、私はとこしえの樹を守る。
誰にも、邪魔はさせない。
樹の花の香りを胸いっぱいに吸い込んでから、私は歩き始めた。
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