二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【Splatoon】記憶のない世界
- 日時: 2016/06/26 11:11
- 名前: りんちゃん ◆gXIWJpzFXw (ID: N.eqDn/h)
- 参照: 執筆開始日2016.06.26
「3号!!」「3号!?」
2人がオレを呼ぶ声がした。
目の前でぼやけながらも見えるのはオクタシューター。
それを構えオレに突きつけるワカメをつけたタコゾネス。
彼女の口元は明らかにニヤついていた。
もう、逃げることは敵わない。
「ハハ…、ごめん。1号、2号。しくじっちまった」
紫色の有害なインクがオレをじょじょに浸食していく。
「マズ、ヒトリ」
最後にその言葉が頭の中で響き、周りには盛大に紫色のインクが飛び散った。
「さんごぉおおおおおおおッ」
「待って!アオリちゃ…ッ」
——タコツボバレーに叫び声が響き渡る。
*
「………」
目が覚めると真っ白な天井が目に入った。
にぶい痛みが走る体をゆっくりと起こし周りを見渡す。
ここは、病院の個室のようだ。
一体、オレは今まで何をしていたんだろうか。
それを考える前に扉がノックされる。
オレはただはい、と返事をしただけ。
すぐに扉が開き、そこには顔を隠した2人の女性。
「よかった!目が覚めたんだね!!」
「こらこら、ここは病院なんだから…」
落ち着いた雰囲気の持つ女性と“オレ”が起きたことに喜ぶ女性。
しかし、顔を隠しているのもあるだろうけども見覚えもないし心当たりもない。
「……あの、部屋を…間違えていませんか?」
何も考えずに放った一言だ。
だけど彼女たちは驚いたような反応を見せた。
顔を隠しているのだからオレが分からないのも無理がない気もするが…。
もし、知り合いなら顔くらい見せてくれるはず。
「サン…」
「そ、そうだよね!分からない、よね。アタシ達だけではしゃいじゃってごめん。
えっと…取りあえずは無事で良かった。」
落ち着いた女性はもう1人の女性の口を抑え、言う。
今の言葉からするにどうやらまったくの他人、ではなさそうだ。
「誰?」
「……と、友達の友達だよ。ちょっと君の友達が忙しいみたいだから変わりにお見舞いに」
「友達の友達…?」
そこでふと、気付いた。
“友達”の顔が思い出せない、ということに。
更には自分が何者なのか、家族がいるのか、ということまでも。
だけど不思議と混乱することはなく、この状況を受け入れている自分もいた。
「……そっか。友達の友達か。」
ほぼ他人も同じようなものだ。
その…オレの友達とは相当、仲がいいんだろう。
「……じゃあさ…1つそのオレの友達に伝言したいんだけど」
女性は抑えていた手を放し、2人ともこちらを黙って続きを待っていた。
「その友達に、もう、オレと関わらないでくれって伝えてくれないか?」
×
初めまして…。よろしくお願いします!
- Re: 【Splatoon】記憶のない世界 ( No.1 )
- 日時: 2016/06/30 22:18
- 名前: りんちゃん ◆gXIWJpzFXw (ID: N.eqDn/h)
第1戦目
「どうゆう…こと?」
最初に喜んでいた女性が言った。
「……その、さ。ほぼ他人の君たちだから言えるけど、なんか…記憶、ないみたいなんだよね」
更に驚く仕草を見せる。
「友達のこと、思い出せないの辛いし、その友達も思い出してくれないの辛いだろ…?だから距離をあえて置こうと思うんだ。
2人も伝える側としてはすごく辛いだろうけどさ…そうだ。なんだったら手紙で…」
「い、いいよ!大丈夫!ちゃんとに伝えておくよ!!!」
「ほんと?よかった、ありがとう。」
思い出すことがあるかどうかも分からない。
今、ここにオレの友達だと名乗る人がお見舞いに来なくてよかったってすごく思う。
「それじゃあ、アタシ達これで…」
「あ、待って。せめて名前だけ教えてくれないかな?」
部屋から出て行こうとする彼女たちに声をかける。
2人は顔を見合わせると落ち着いた雰囲気の女性はもう1人の女性の腕を強く握って言う。
「…サンだよ、君の名前。また、会えるといいね」
「あ、ちょっと待って、オレのじゃなくて君たちの………行っちゃった…」
“サン”か。
そういえば来た時に言っていたな。オレの名前だったんだ。
彼女達が出て行った扉を見つめる。
耳を澄ませばすすり泣くような、そんな声が聞こえた気がした。
オレは気のせいだともう一度、布団の中へと潜りこんだ。
——「ホタルちゃん…3号は、3号じゃなくなっちゃったの……?」
「お医者さんも言ってたでしょ、アオリちゃん。もしかすると記憶を失っているかも知れないって」
「でも…だって……私達はもう一緒に…チームも組めないの?」
「……アタシだって悲しいよ、でも決めたじゃん。
“もし3号の記憶が失われたら戦争にはもう関わらせない”って」———
*
「えっと…ここがヒラメヶ丘団地…」
記憶を失っているほかには得に異常はなく退院。
オレが持っていたらしい荷物を先生から貰って辿り着いたのがここ。
荷物の中には鍵が入っていてそこに303号室と書いてあって近くにあるマンションはここだけ、と話を聞いていたからここに来た。
果たして鍵があうかどうか。
他にも荷物の中には四角い端末が入っていたが(おそらくケータイ)壊れているのか反応がなかった。
後はめぼしいものはなく。
マンションの3階。303号室を見つけて鍵を回してみる。
「……開いちゃった…」
どうやらここがオレの住んでいた部屋…らしいが。
荷物を玄関先において部屋の中を探索する。
他人の部屋って感じがして仕方ないがここは自分の部屋だと言い聞かせ色々とあさるがこれもまためぼしいものはない。
強いていうなら生活感もない。
本当にここに住んでいたのだろうか…。
少し埃っぽいし。
冷蔵庫の中にも冷凍食品以外は何も入っていない。
(しかも冷凍されているものがイクラばかり)
食えるのかな…これ。
「…怖いから捨てよう……」
一通りの調理器具はそろっているみたいだし料理本とか仕入れて自炊は出来そうだ。
クローゼット、タンス、本棚。
ありとあらゆる場所を探してみたが自分がどうゆう人間だったのかわかるものが1つもない。
記憶を取り戻そうと考えるのはやめた方が無難だ。
取りあえず…
部屋の探索はこれくらいにして先生に勧められた“ナワバリバトル”でもやってみようか。
ハイカラシティ、イカスツリー前に行けば誰か教えてくれるって言ってたっけ。
そう思って特になんの準備もすることなく玄関先に置いておいた荷物を持って扉を開けた。
- Re: 【Splatoon】記憶のない世界 ( No.2 )
- 日時: 2016/07/02 06:41
- 名前: りゅーっち (ID: bU2Az8hu)
スプラ小説ではコメントありがとうございました!りんちゃんさんもスプラ小説書いてたんですね。お話の構成もかっこよくて、次が楽しみになります(*^^*)
更新頑張って下さい(^^)
コメント失礼しました。
- Re: 【Splatoon】記憶のない世界 ( No.3 )
- 日時: 2016/07/03 19:18
- 名前: りんちゃん ◆gXIWJpzFXw (ID: N.eqDn/h)
りゅーっちさん
コメントありがとうございます!
実は書いてたんですよ!
楽しみしていただきありがとうございます!
励みになります。
更新の方、遅くなりがちですが頑張りますね!
- Re: 【Splatoon】記憶のない世界 ( No.4 )
- 日時: 2016/07/03 19:52
- 名前: りんちゃん ◆gXIWJpzFXw (ID: N.eqDn/h)
「わわっ」
扉を開けると目の前にベルを鳴らそうとしていた女性が1人。
彼女はオレが出てきたことにびっくりしたのかボタンを押してしまったらしい。
誰もいないオレの部屋にチャイムが鳴り響く。
しばらくの沈黙。
「………」
オレは一度、パタン。と扉を閉めて数秒、すぐに扉を開けた。
「すみません、お待たせしました」
あくまでチャイムが鳴ってから扉から出てきた、という風に装ったのだ。
「あっあ、えっと……い、いえ!こちらこそ突然お邪魔してすみませんでした!!えっと…」
その様子からしてどうやら初対面のようだ。
記憶がないためにそれはうれしい。
「慌てなくていいですよ」
「でも…今どこかに出掛けようと…」
「ん?あぁ、別にかまいませんよ、大した用事でもないし」
「良かった…、いつも留守にしていたみたいだったから忙しいのかと思ってたんです。あの、これ…」
渡されたのは小さな箱だ。
中身は何だろうか。
「1ヵ月前くらいに隣に引っ越してきたんです。そのご挨拶に!やっと挨拶できたぁ…」
1ヵ月か…。
少なくとも、1ヵ月以上もの間、オレはほとんどこの部屋にいなかったらしい。
「そっか……すみません、ありがとうございます。
これからは暇になると思うので隣同士、仲良くしてください。あ、オレは“サン”って言います」
「はい!私はオレンジです。これからよろしくお願いしますね!」
オレンジ…。
おいしそうな名前だね、とは言わないでおこう。
「…そうだ、せっかくだからこれから一緒に“ナワバリバトル”にでも行きません?」
「! ご一緒していいんですか?その…フレンドとやるのでは…」
一瞬、心にその言葉が突き刺さる。
「あ、あぁ…オレ、今まで忙しくてその、“ナワバリバトル”を一緒にやるフレンドもいなかったんですよ」
「そうだったんですか!すみません…失礼なことを……」
「いえ。大丈夫。だから…そのオレとフレンドになってもらっていいですか?」
「もちろんです!」
そういって彼女はイカの形をした端末を取り出した。
フレンド登録するので端末、出してくださいと言われてハッとする。
そんな“登録”とかあるんだ。
「実はオレ、ナワバリバトル初めてなんです。だからその端末とかも持ってなくて…あ、でも…」
彼女の持っているものとは形は違う。
でも同じ端末…だと思う。壊れてるけど。
「これも、同じものですか?」
オレンジはびっくりした顔をしてすごいとボソリとつぶやいた。
「これ、ものすっごい古いやつですよ!よく持ってますね。
でもこれじゃあナワバトはできませんね。それじゃあ端末を買うところから行きましょう!」
なんで、そんな…すごい、と言われるほどの古い端末をオレは持っているんだろう。
- Re: 【Splatoon】記憶のない世界 ( No.5 )
- 日時: 2016/07/12 17:00
- 名前: りんちゃん ◆gXIWJpzFXw (ID: N.eqDn/h)
オレンジに連れられて着いたのはアロワナモールの端末ショップ。
いろんな端末が置いてある中でオレが持っていた四角い端末はどこにも置いてなかった。
すべて、イカの形をしているものばかりだ。
「…いろんなデザインがあるね」
「そうですねー。まぁ、それも機能はあまり変わらないんですが!」
「今人気のデザインとかってあるの?」
「! んー、ちょっとお高めなんですけど、このヒーローデザインとかですかね」
彼女の説明によると、かつて街を救ったヒーローが着ていたものに似せたデザインらしい。
他にも武士スタイルのやつだとか。
「へぇ…」
「こうゆうのはちょっとした特典がついてたりするんです。」
特典って何、とは聞いたもの買ってみないと彼女にも分からない、と。
…別にそこまで求めてないな…。
「普通ので…いいかな……」
そういうと端末はいくつでも買えますからね、と彼女がいった。
取りあえず無難なものをチョイス。
無事に購入を終えてこの端末に“プレイヤー登録”をするらしい。
「…この、ニックネームっていうのは?」
「そのままの意味ですよ。ナワバリバトルではそのニックネームがバトル上に表示されるんです。
詳しいことは知らないんですけど、本名を知られたくない、身バレしたくない人のために…だそうです」
「…へぇ。」
…例えば、今、人気のアイドル…シオカラーズが偽名を使って入れる、ということだ。
本名でもよければ空白でも大丈夫らしい。
“3号”にでもしておこうかな。なんとなく。
「これで大丈夫かな」
「はい!あとはその“とうろく”ってボタンを押してもらえれば!」
指示に従いボタンを押す。
しばらくするとプレイヤー登録が完了しました、との文字が出て自分のプロフィールが出る。
名前 : 3ごう
ランク : 1
ウデマエ:
ブキ : わかばシューター
そうび
アタマ:ヘッドバンド ホワイト
フク :わかばイカT
クツ :キャンバス ホワイト
「このそうびって…」
オレンジは笑っていろいろ説明してくれる。
ここに書かれているブキ、そうびがプレイヤー登録した時に無料でもらえるいわゆる初期ブキ、初期そうび。
今からブキチという人のお店に行くみたいだがそこで一式すべてもらえるらしい。
そうびは私服とはまた違い“ギア”という特別なもの。
それじゃないと普通の服では溶けだしてしまう。
ギアにはいろいろと能力が備わっているらしいけどそれはおいおい分かってくるだろうと省かれた。
「ランクがあがれば色んなブキ、ギアが買えるようになりますよ!
また、ナワバトには塗りポイントっていうのがあるんですけどそのポイント分だけオカネがもらえるんです!」
ナワバリバトル等だけでも充分オカネは稼げるってことか。
それは、いいね。
「何はともあれまずはバトル、ですよ!
フレンド登録は済ませてありますし……あ!」
端末をいじっていた彼女が何かに気づいたようで。
「私のフレンドも今、ナワバト中みたいです。
どうせだから私のフレンドも紹介しますね!ちょっと熟練の差は出ちゃうかもしれないですが。
サポートは全力でいたします!」
「フレンドが増えるのはオレにとっても嬉しいよ。
大丈夫。全力で楽しむよ、よろしく」
「はい!よろしくお願いします!」
×
端末に登録されるシステムは、“イカリング”と似たつくりになってます。
後々、オレンジやこれから出る新キャラのプロフはいつかのせようと思ってます。
辻褄を合わせるため、多少、矛盾点が発生するかもしれませんがお見逃しを…ダメか。
なんとか矛盾なく作っていければ、と思ってます。
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