二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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黒猫δと愉快な仲間たちの日常
日時: 2017/01/01 18:17
名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)

8月2日開始

……はじめまして、ここでは黒猫δと仲間たちの日常を綴っていきたいと思います。

注意事項
・更新速度は不定期
・駄文の可能性あり
・誤字多数
・キャラ崩壊
・文章力皆無
・オリジナル設定多数


それでもよければ、私達の日常へどうぞ!


〜目次〜


>>2-4 ショートショート空想職業案内
>>5-9 夏祭りをしよう!(前編)
>>11 白黒の館日誌
>>13-15 夏祭りをしよう!(後編)
>>16-17 夏祭りをしよう!(エンディングと後日談編)
>>23-24 ドッキリ大作戦!(前振り)
>>30-34 ドッキリ大作戦! 前幕
>>40-43 ドッキリ大作戦! 中幕
>>47-53 ドッキリ大作戦! 終幕 specialepisode
>>68-71 特別編 雪空の思い出


〜黒猫δと依頼編〜
>>44 二つの魂 キャプション
>>54 二つの魂 予告編
>>58-63 二つの魂 本編

〜黒猫ラジオ!〜
>>18-19黒猫ラジオ!

〜オリジナルキャラクター紹介〜
>>10オリキャラ紹介part1
>>12オリキャラ紹介part2
>>57オリキャラ紹介part3

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ダンガンロンパ、文スト、ぷよぷよ、血界戦線、Dグレ、ポップン(にわか)、スマブラ……etc.(順次、増えていきます)


>>20 chaosdealer crisisへのリンク

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Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.93 )
日時: 2017/01/14 12:17
名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)


ラビ「……なぁ」

黒猫δ「ラビさん、どうしました?」

ラビ「いや、みっちゃんに一つ聞きたいことがあるんさ」



今まで、皆のようすを伺っていたラビが思案顔でふっと碧色の隼眼を上げる。そして、ほんの少しの躊躇の後、言葉を紡いだ。
その問い掛けにより、清水は不思議そうにラビの目を赤い瞳で見つめ返した。



清水「何が聞きたいの?」

ラビ「……やっちゃんって、ポニーテールの優しそうな顔した人か?」

清水「!!」



ラビが特徴を上げた人物は先程の白い靄のとった形、それを見て記憶したものだった。
清水はそれを聞いて驚いたように目を見開いた。そして、唇が微かに震える。

清水はこういったのだ。





『なんで、それを知ってんの』と





















★*★*★




















シュルクは一人、暗く閉ざされた部屋にいた。
いや、正確には一つ小さな天窓があり、そこから光が差し込んでいるものの、この部屋自体はとても薄暗く、気味が悪かった。


逃げたそうと思えば、逃げ出せた。しかし、シュルクはそこから逃げ出せずにいた。
それは……



シュルク「……あなたが、やっちゃんッスか?」



???「……そうだよ」




目の前には、凡そ人とは言えないものが立っていた。半分以上を分厚い氷で覆われ、左目も開かない。
彼はそれでも返事を返すと、足を引きずって、此方に向いた。


シュルクは一人、人ならざる異形と向き合っていた。




*★*★*




Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.94 )
日時: 2017/01/14 12:20
名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)

少し遡ろう。それは、シュルクが白い靄に取り憑かれ、部屋を出て走っている最中だった。



白い靄がシュルク自身の身体を何処かへと導く。何をせずとも、身体は自動的に前へ前へと進んでいく。
シュルクはその中でその白い靄の記憶を見た。




___それは、幼かった頃であろう清水と、優しげな印象を持つポニーテールの子供の記憶だった。



「ねぇねぇ、やっちゃん」

『どーしたの?みっちゃん。なんかよう?』

「うん。皆でさ、鬼ごっこやるんだって。お前もくる?」

『……僕は、いいや』



この子供が清水がいっていたやっちゃんか。そう思って、シュルクは二人をボーッと眺める。

不自然に辺りには、この二人しかいなかった。



「そういうと思ったよ」

『なに、みっちゃんは行ってこればいいでしょ。また、僕といると気味悪がられるよ?』

「別にいいじゃん。俺は好きでここにいるの!別にお前の為とかじゃないし!」

『……あっそ』



そういって二人は顔を見合せ、暫くするとクスクスと笑い始めた。このようすを見る限り、みっちゃんは本当にやっちゃんと仲が良かったようだ。それを知って、シュルクは少し頬を緩める。




そうしていると、辺りの映像が全て闇に溶け、新たに塗り替えられていく。


記憶が流れていくそれは、古くなったフィルムが写されていくように見えた。





『……なんで、貴女がいるの』

[なんでとは失礼ね、キョウ。特に深い理由はないわ。ただ、キョウを引き取りたいっていいにきたのよ]

「あれ?やっちゃん、知り合いの人?」

『どういうことなの?もう僕は高校生になるし、この施設から出て暮らす。なのにどうして?……それなら、最初から貴女がここにつれてこなければ良かったでしょ』



そこには先程までいなかった高圧的な態度の女性と、大きくなった二人がいた。施設を出なければならないと言う言葉から察するに、二人がちょうど中学校三年生の時の記憶だろうか。
どうやら、高圧的な態度の女性とやっちゃんが言い争っているように見えた。



[そんなの知ったことじゃないわ。キョウが卒業したら引き取るわ]

『絶対に嫌だ。……僕を捨てた貴女となんて、暮らしたくない』

「!!それはどういう……」

[私にそんなことが言えるの?キョウ。貴方なんてこの世界のゴミと同じだわ。貴方のせいで私の地位も男も……何もかもが全て無駄になったのよ?
それに、私がこうでもしなければ貴方は死んでたんでしょ?なら、今生きていることを感謝しなさいよね]

『だれがお前なんかに感謝するか!!』

[あらぁ?貴方にそんなこと言う権利あるの?殺人鬼の子なんだから、そんな権利あるわけないわよねぇ!!]

『!!____』



この高圧的な態度の女性はやっちゃんのことをどうおもっているのだろうか。
人がゴミと同じ?ふざけるな。シュルクは叫ぶ。しかし、なぜか声がでない。まるで水のなか必死で声を出しているような感覚だ。
そして、女性が殺人鬼の子と言った瞬間、彼は凍りついたように、目を見開いて固まった。身体はガタガタと震え、とても息が荒いように見える。


シュルクのなかに、怒りと、度を越えた恐怖が入り乱れる。きっと、コレが今のやっちゃんが抱えていた感情なのだろう。
身体が内側から冷えていく感じがして、シュルクは身体を震わせた。両手で抱き抱えようとしたが身体が恐怖で動かなかった。



「好き勝手いってんじゃねぇ!お前、誰なんだよ!」

[私?私はキョウの叔母よ。ふふ、じゃあね、またくるわ]

「二度とくるな!!」



みっちゃんは赤い瞳て鋭く睨み付けるように、女性を見た。それは人好きな笑みを見せる彼からは見たこともないような表情だった。



そして、また場面が変わる。
今度は……




『___!』





そこに写ったのは炎に包まれた建物の火の赤々とした火、もうもうと上がる黒煙。豪快に音をたて、崩れ落ちていく骨組み___




まるでそれは地獄だった。




赤と黒のマフラーの少年がその建物の前で両膝を地につけ、泣き叫んでいた。
声はかきけされ聞き取れない。何をいっているのかも、わからない。

それでも、一つだけ聞き取ることが出来た。




『__みっちゃん!』





*★*★*



Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.95 )
日時: 2017/01/14 12:23
名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)

シュルク「やっちゃん、ここは一体何処っスか?」

***「……ここは、清田孤児院……僕の記憶の中の、ね……ごめんね、こんなことして連れ出してしまって」

シュルク「いや、いいッスよ。……仕方無かったんスから、気にしないでください、やっちゃん……あれ、名前いってなかったッスね。俺はシュルク、よろしくッス!」

***「……僕は夜霧響弥。よろしくね、シュルク」



二人はほの暗い暗闇のなか、姿が見えるか見えないかギリギリの所で向かい合い話していた。
やっちゃん___夜霧響弥は申し訳なさそうに動かせる右目を細める。それにシュルクは大丈夫と笑顔で返した。すると夜霧は、動く顔半分を綻ばせ優しげに微笑み、此方を見た。
ここは自分の記憶、と夜霧は言ったが、彼がこの夢を造り出したとは、信じきれなかった。

シュルクは問う。



シュルク「えーと……この夢って、やっちゃんが作ったんスか?」

夜霧「……残念ながら、本当だよ」



夜霧は微笑んだままそう返した。でも、その微笑みは、先程よりは少し悲しげに見える。
ふっと息をはき、少し間を開けてから夜霧は話始めた。






夜霧「僕は、ただ愛されたかっただけなんだ。父親も母親もいなくて、世間からは殺人鬼の子供だからって、誰も愛してはくれなかった。しいたげられて生きてきたからね。
……孤児院に入ってからも、そうだと思っていた」



そういって夜霧は懐かしそうに目を閉じた。動く左手で首から提げられたパズルのピースを模したペンダントを握る、その手の動きも弱々しく感じた。



夜霧「それなのに、みっちゃんは僕に話し掛けてきてくれたんだ。
回りの子供も、大人も、みっちゃんを咎めたよ。でも、彼は僕といつも一緒に居てくれた……それだけで、嬉しかった……


いつしか、みっちゃんはいつも隣にいるようになった。まるで、双子でもないのに何を考えているか分かるようになったり、おんなじこと考えてたりしたなぁ。
___まるで双子みたいって言われてた」



思い出したかのように、夜霧はふわりと笑った。その笑顔はみっちゃんがする人好きな笑みと、どこかにている気がした。
あのずりずりと音をたてた扉の向こうの人物は、きっとこれを『精神的双生児』と称したのだろう。








夜霧「だけど、それは唐突に無くなったんだ」








Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.96 )
日時: 2017/01/14 12:26
名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)

先程までとは一転、夜霧はペンダントを強く握り締める。開かれた目は冷酷で、見たもの全てを凍らせてしまいそうなほどだった。



夜霧「中学三年の夏休みが終わる一週間前の日だったかな、その日に僕の叔母さんが僕を引き取りにきたって言ってきた。
……僕はそれまで『殺人鬼の子』って言う単語だけ、何処か記憶の端に忘れるようにしまってたんだと思う。
それなのに、叔母さんが、……そう僕に『殺人鬼の子』って、言ったんだ。

そのときは、みっちゃんが叔母さんを追い払ってくれたから、良かったんだけどね」



おそらく、あの記憶の事だろう。あの高圧的な態度の女性が彼の叔母さんってことだ。
夜霧はきつく目を閉じ、ペンダントから手を放した。動く右目からは涙がこぼれている。



夜霧「……そう、それだけなら良かったんだ。






叔母さんは、それから三ヶ月後の休日に孤児院を放火した」



唖然とした。
清田孤児院は聞いたことがあった。しかし、そのニュースを今の今まで忘れていた。
一ヶ月前の孤児院放火事件___それは、夜霧達の暮らしていた孤児院だったのだ。

しかも、その犯人さえも彼は知っていた。

だとすると、一つだけ不思議なところがあった。



シュルク「……これがやっちゃんの造った夢だとしたら、やっちゃんは今「ああ、多分そうだよ」……え?」


夜霧「僕は死んでないんだ。僕はあの放火事件の生き残り……今は姿を眩ませているから、行方不明ってことになってるけどね」



夜霧はシュルクに向かって微笑もうとしたのだろう。しかし顔は思い通りに動かず、ひきつったような涙でぐしゃぐしゃになった笑顔だった。
彼は続ける



夜霧「……その事件は、僕の何もかもを奪っていった。住んでいた場所は勿論、そこに住んでいた人の命も……
……みっちゃんの命さえも。だから、僕を愛してくれる人はいなくなった
……また、一人だった」

シュルク「やっちゃん……」



シュルクは夜霧に近づこうと一歩踏み出した。これはあまりにも残酷で、可哀想に思えたのだ。
一種の憐れみと同情、悲愴を込めた感情がシュルクの中で巻き起こっていた。更に一歩踏み出す。

すると


夜霧「……あまり、近づかないで」

シュルク「どうしてッスか?」

夜霧「僕、はそのあと、犯人だった叔母さんに『呪い』を掛けた。……この夢から永遠に出られない呪いを。
僕はいつしか叔母さんを恨んでた……憎かったのも本当だった。唯一、愛してくれた人も奪ったんだからね。
だから、こんな姿になってしまった。時たま、別の人がこの夢に落ちてきたけど、その人たちは皆、叔母さんに言いくるめられていて、僕を殺そうとしてきた。
……だから僕は……彼等を夢から追い払った。……でも、そうすると彼等は、起きると灰になって死んでしまっていた。
ごめんね……本当に。僕はやっぱり、殺人鬼の子だから、こんなことしかできない」




悲しげに夜霧は捲し立てた。動かせる左手で右目を擦り、泣きじゃくっていた。
それは、まるで小さな子供のようにも見えた。



Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.97 )
日時: 2017/01/14 12:29
名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)

シュルク「……いきなり近付いて悪かったッス」

夜霧「言わなかった僕も悪いよ……これで、僕の話したかったこと、時間迄に全部言えたから、良かった」

シュルク「時間?」

夜霧「……うん、僕は時々、自分の持っていた嫉妬とか憎悪とかの感情が抑えきれなくなって、暴走しちゃうから……呪い、とかってそう、いったものを媒体にしてたから……



ごめんね、早く、この部屋から出て。……もう、抑えきれなくなって、来た」



話していると突然、夜霧の声にノイズがかかり始める。それもそうだ、彼はこの夢___いや、この『呪い』の造った人なのだ。いつ、敵対するかなんて分からなかった。
夜霧は自身の造った呪いの元である、負の感情に飲まれながら、シュルクを巻き込まないよう、そういった。
そして、最後にあの人好きな笑みを見せた。



夜霧「早く、行って。きみたちが、最初いたところから、この夢、でられる」

シュルク「……もし、そうだとしても、やっちゃんはどうなるんスか!?」

夜霧「……僕は、いいから」



シュルクが夜霧に問いかけると、夜霧は一瞬、目を丸くしていた。
それから、またふわりと笑って答えた。

それを聞いて、シュルクは動き出した。























シュルク「……自己犠牲はダメッスよ、やっちゃん」
















その瞬間、夜霧はシュルクに抱き締められていた。夜霧は驚いたように目を此方に向ける。
夜霧の瞳は既に半分闇に染まっていた。もう抑えがきかなくなってきたのだろう。
弱々しく、唇が『どうして』と動いた後、夜霧の瞳は完全に闇に落ちてしまった。


突然、シュルクは夜霧突き倒され、首を絞められた。でも、その表情は何処か悲しげだった。
ノイズが音を紡ぐ



夜霧「ドウシテ、ニゲナカッタノ?」

シュルク「君が、しんぱい、だった、ッス」

夜霧「ナンデ……ドウシテ、ニゲナカッタノ」




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