二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜
- 日時: 2016/08/26 22:09
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
雨でビショビショになった春太郎だぞおおおおおおおおお!
謎テンション中です。許してください
なんか今頭痛いです。助けて
今日から書いていくのはですね!フレッシュプリキュアの作品ですよ!
また!
前に『フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜』という作品を書いており、あれからどれくらいか経ちました
今回は成り代わり的なものを書きたいと思います
楽しんで読んでもらえるよう頑張ります
それでは、よろしくお願いします
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- Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.4 )
- 日時: 2016/08/29 21:20
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
「祈里お姉ちゃーん」
僕が覚悟を決めた時、どこからか少年の声がした。
見ると、そこにはゴールデンレトリバーが逃げないように必死に引っ張る少年、タケシがいた。
「タケシ君!」
「じゃあ、俺たちは邪魔になるといけないし、帰ろうぜ」
祐喜がそう言うので、僕はそれに頷いた。
確かに、ここで無理に一緒にいるわけにはいかないだろう。
今は退こう。親睦を深める機会は、他にもあるだろうし。
まずは第一歩だ。
そう思って、最後にブッキーを一瞬見ようと振り返って、気付く。
「あれ……?」
ブッキーの鞄には、リンクルンが入ったケースが付いていなかった。
「……」
恐らくなのだが、彼女はまだプリキュアではない。
まぁ、気にすることはない。彼女はこれからプリキュアになるのだから。
たしか、この後河川敷でラッキー&タケシと遊んで、イースに襲われて、色々あって変身するんだっけか。
「どうしたんだ?麻人」
「……悪いんだけどさぁ、先に行っててくれない?僕、公園に忘れ物しちゃったからさぁ。また明日、学校で」
「おー。分かった。気を付けてな」
「あぁ」
僕は二人に手を振り、来た道を駆けた。
放っておけるかよ!よく考えたら、僕と出会ったせいで、すでにアニメとは大きく変わっているんだ。
まだこの世界がどういう仕組みなのかは分からない。
でもせめて、近くにいれば、何かあった時に対応できるはずだ。
「急がないと……ッ!」
僕は地面を蹴り、ブッキーが行ったであろう方向に向かった。
−−−
タケシ君とラッキーと共に、私は近所の河川敷に着いた。
そこの川は浅く、ラッキーは大喜びでザブザブと川を歩いていく。
病み上がりだから無理させてはダメなので、私はすぐに走って追いかけた。
「もう、ラッキーったら」
私が川に入って追いかけると、ラッキーは踵を返し、こちらに向かってくる。
安心したのもつかの間、ラッキーは濡れた体を震わせ水をかけてきた。
私の制服は、びしょ濡れというほどでもないが、少し湿ってしまった。
それからしばらくはタケシ君と話したり、ラッキーと遊んだりしていた。
「あははっ。本当に祈里お姉ちゃんは動物が大好きなんだね」
しばらく遊んだあとで、タケシ君はそう言う。
たしかに、私は動物が大好きだ。
「実はね、私にもどうしても好きになれない動物さんがいるの」
「えぇ!?なになに?教えて!」
私の言葉に、タケシ君がノリノリで聞いてくる。
そう。私は、ある動物だけがどうしても好きになれないのだ。
他の動物は本当に大好きなんだけど……。
「ふふっ、それはね……」
そこまで言った時、誰かが歩いてくるのが見えた。
顔を上げると、その姿は異常としか言いようがなかった。
銀色の髪に、赤い目。黒い皮の衣装に身を包んだ少女は、真っ直ぐ、無表情でこちらに近づいてきている。
身の危険を感じた私は、すぐにタケシ君とラッキーを連れて帰ろうとした。
しかし、そこでラッキーが少女に向かって走り出した。
「ラッキー!」
「ラッキー!ダメ!」
「戻ってきなさい!」
私やタケシ君の制止も聞かずに、ラッキーは少女に向かって吠え続ける。
その時、少女は胸の前で拳を擦り合わせ、赤いひし形の何かを作り出す。
「ナケワメーケ!我に仕えよ!」
そして、そのひし形の物はラッキーの額に付く。
「ラッキーッ!」
タケシ君が走り出しそうになるのを、咄嗟に私は止めた。
しばらくしてラッキーは、巨大な生物へと変貌した。
「ラッキーが……」
私もタケシ君も、言葉を失う。
ラッキーはすぐに、道路に向かい、暴れ始める。
「お姉ちゃん!ラッキーを助けて!」
その時、タケシ君がそう言って私の方を見る。
私は、それに後ずさる。
「そんな……私にはそんなの無理よ!」
「お願いだよ!お姉ちゃんしか頼れないんだ!」
タケシ君の必死な目に、私はたじろぐ。
でも、流石にこうなってしまったラッキーを戻す方法なんて、知らないし……。
「だ、誰か、大人の人を呼んでくるから……少し待ってて!」
私はタケシ君に背を向け、町に向かった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.5 )
- 日時: 2016/08/30 20:32
- 名前: 春太郎 (ID: YVCR41Yb)
「河川敷……どこ!?」
ブッキー達が住む商店街の中で、僕は途方に暮れていた。
そもそも、僕だってアニメを何度も見たり、ネットで情報を見たりしたりはしたが、この世界の地理なんてものには詳しくないのだ。
「誰かに聞いた方が早いかなぁ……?」
そう思って辺りを見渡した時だった。
やけに、周りの人間が一つの方向に走っていくのを感じた。
もしかして、もうナケワメーケが現れた!?
「やば……ッ!」
手遅れになる前にと、僕はまた走り出そうとした。
その時、人ごみの中で色々な人に声をかけているブッキーを発見した。
たしか、ブッキーは少年タケシに頼まれて、ラッキーを元に戻せという無茶ぶりを請け負うんだったか。
つまり、今はそのシーン!
「ブ……山吹さん!」
僕はすぐに、ブッキーに声をかける。
彼女は、今にも泣きそうな顔で僕を見て、「麻人君……」と掠れた声を出す。
「どうしたの?なに、この騒ぎ……」
「大変なの!ラッキーが……ラッキーが!」
「落ち着いて。支離滅裂になってるから」
僕は、一旦彼女を落ち着けるように言いつつ、話を聞く。
聞いた話はアニメで見たものと変わらず、ラッキーを助けてくれる人を探しているのだとか。
「どうしよう……このままじゃ、ラッキーが……」
「……山吹さんはさ、ドーナツカフェのカオルちゃんにアドバイスを貰ったりしなかった?」
「え……?」
キョトンとした彼女の表情から、とりあえずカオルちゃんからアドバイスを貰えてないことは分かった。
よりによって、僕のせいでその大事な部分をカットしていただなんて……。
「なんでカオルちゃんが……?」
「いや、さっきのは忘れて。山吹さんってさぁ……自分が引っ込み思案だなぁ〜とかって悩んだりしたことはある?」
我ながらかなり強引なアドバイスだと思う。
しかし、今は非常事態。とにかく、出来る限り早く彼女が自分で解決したいと思わせなければいけない。
「なんで、それを……」
「いや、なんとなく。それよりもさ、山吹さんは、変わりたいって……思ってるよね?悩んでるってことは」
「……うん」
ぎこちなく頷くブッキーを見て、僕の肩の力は抜ける。
ここまで来れば、後は簡単に動かせるはずだ。
動かせるっていう言い方は、ちょっと悪かったかな。
「だったらさ、自分から変わるしかないんじゃないかな」
「私、から……?」
「あぁ。今、僕は何が起こっているのかとかは分からない。でもさ、人に頼るのも大切だけど、自分から動くことも大切なんじゃないかな」
「……ありがとう、麻人君」
ブッキーはそう言って笑みを浮かべると、踵を返し、走っていった。
僕はそれを見て息をつき、少し間を置いてブッキーが行った方向に歩いて行った。
これで、彼女がラッキーを庇い、プリキュアに変身する未来はほとんど確定したようなものだ。
折角だから、彼女の初変身を見るために、僕は欲だらけの心を抑え込んで、河川敷に向かった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.6 )
- 日時: 2016/08/31 21:10
- 名前: 春太郎 (ID: YVCR41Yb)
結果として、ブッキーは無事にプリキュアに変身し、キュアピーチやキュアベリーと共に、ラッキーが変身したナケワメーケを浄化した。
僕は、充足感に満ち溢れた気持ちで、家に帰った(なぜか家にはスムーズに帰れた)。
「ただいま〜」
「へぇ〜。三人目見つかったんだ。分かった。次の練習からは祈里ちゃんを入れて三人になるのね」
玄関に立ったまま、桃色の髪に派手なダンス衣装を着た女が電話をしている。
しばらくして電話を切った彼女は、僕の方を振り返って笑いかけた。
「あ、おかえり麻人。学校どうだった?」
ラブ達にダンスを教えていて、人気アイドルユニット『トリニティ』のリーダーでもある、ミユキだ。
そういえば、今僕が成り代わっている大輔の姉なんだっけ。ミユキって。
「た、楽しかったよ……。姉ちゃんは仕事どうだったの?」
「おや。麻人から聞いてくるとは、珍しい」
ミユキが大層驚いた様子で言ってくるが、残念ながら僕は今までの大輔の私生活など微塵も興味が無かったので、曖昧に微笑む程度しかできない。
彼女は靴を脱ぎ、「そうね〜」と言う。
「順調よ。最近は、中学生のダンス練習も始めたから、結構忙しいんだけどね」
「もしかして、さっき電話もそう?」
「おっ。鋭いね〜」
そりゃぁ、三人目だの祈里ちゃんだの聴こえていてこの世界の知識が豊富な僕からすれば、むしろ分からない方がヤバいと思いますけどね。
ミユキは、それ以上は何も言わずに、奥にスタスタと歩いて行ってしまう。
僕は靴を脱ぎ、自室に行こうとしたところで気付く。
「僕の部屋、どこだよ……」
家の場所が分かったから油断していた。
あれは、きっと奇跡だったんだろう。僕は素直にミユキに部屋の場所を聞きに行くことにした。
−−−
「ふぅ……」
私は乾きたての髪を櫛で梳かしつつ、息をつく。
ラブちゃん達と、ダンスができるようになった。それが、純粋に嬉しかった。
「でも、やっぱり緊張するなぁ……」
人前でダンスをするなんて、初めての体験だ。
上手く踊れるか不安だし、ラブちゃん達の足手まといにならないようにと、気が焦ってしまう。
それでも、やっぱり皆と一緒に、一つのことに頑張れるというのはワクワクする。
そこで、私にアドバイスしてくれた麻人君の顔を思い出す。
出会ったばかりなのに、色々助けてくれた彼に、せめて恩返しがしたい。
私は携帯……もとい、リンクルンを取り出すと、ラブちゃんに電話を掛けた。
2回ほどのコールで、ガチャッと音がした。
『もしもしブッキー?どしたの〜?』
気の抜けた声が聴こえる。いつものラブちゃんだ。
私は、ホッと一息ついて、要件を話す。
「あ、ラブちゃん?あのね、春川麻人君って……知ってる?」
『知ってるけど、何?何か変なことされたとか?』
「違う違う!えっとね、今日、彼には色々とお世話になったんだ。だから、お礼がしたくて。ラブちゃんの学校の制服を着てたから、知ってるかなって」
『知ってるも何も、クラスメイトだよ〜。お礼ね?分かった。明日学校で伝えておくね』
「ありがとう。それじゃあ、また明日ね」
『うん。また明日』
電話が切れるのを確認すると、私はリンクルンを置いて軽く伸びをした。
お礼はどうしようかな。やっぱりドーナツかなぁ。彼、結構ドーナツ好きみたいだったし。
私は、また彼に会えることに、なぜか少しワクワクしながら、ベッドに向かった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.7 )
- 日時: 2016/09/01 21:31
- 名前: 春太郎 (ID: YVCR41Yb)
翌日の朝。僕は、ネットの地図でなんとか調べておいたおかげで、ぎこちなくではあったが中学校に行くことが出来た。
途中で健人や祐喜と合流し、アニメでは恒例であるメンバーで学校に行った。
そして、正門の前では桃園ラブがなぜか仁王立ちで僕を見ていた。
「おはよう、ラブ」
「麻人。ちょっと来て」
「へ?」
笑顔で挨拶をした俺の顔は、今頃かなりぎこちなく引きつっていることだろう。
祐喜や健人は、「お前何したんだよ」的なことを言いたげな様子で僕を見る。
いや、僕が知りたい。成り代わり二日目にして、いきなりアニメと違うんだもの。
とりあえず鞄を担ぎ直し、慌ててラブに付いて行く。
そもそも学校の描写が少なすぎるフレッシュプリキュア!において、この四つ葉中学校の構造というものは、俺にとっては未知のものだった。
そんな中を、大股で歩くラブについて行き、やがて、人目につかない、告白にはかなり向いていそうな体育館裏に連れていかれた。
おかしい。流れ的に、遊園地回すらまだなはずなのに、なぜこのような場所に連れていかれないといけないんだ。
「アンタ……ブッキーに何かした?」
開口一番に、ラブはこちらに背を向けたまま言う。
はて、僕にはさっぱり理解できない。今頃、僕の顔はかなり阿呆な表情をしていることだろう。
ラブは僕の方を見ると、「どうなの?」と聞いてくる。
声色や表情から、怒ってはいなさそうだ。口調は怒っているようなので、正直僕にはよく分からない。
しかし、僕がブッキーにしたこと?
膝枕してもらって、ドーナツを貰って、どちらかというと僕が尽くしてもらってるのだが。
強いて言うなら、ブッキーがプリキュアになれるように根回しをしたくらいか?
「いや、身に覚えはないけど……?そもそも、ブッ……山吹さんとは、昨日会ったばかりだし……」
「え?そんなハズは……」
僕の返答を聞いたラブは、そう言うと顎に手を当てて考え込む。
どうでもいいけどそろそろ解放してくれないかなぁ……。
ラブはしばらく云々と考え込んだ末に、キリッと僕の顔を見た。
「麻人。実は、ブッキーがアンタにお礼したいらしいの」
「え、なんの?」
「知らない」
えぇ……。
「知らないって……」
「だって、私だってそれ以上は聞いてないし。とにかく、そういうわけだから放課後ブッキーに会ってくれない?」
「いいよ」
自分でも驚くほどの即答だった。
それを聞いたラブは、「お、おう……」と、少し変な声で返事をした。
ん?僕変なこと言ったかなぁ?
「じゃあ、もう行ってもいいかな?」
「あ、うん。良いよ。ごめんね、こんな所まで連れてきちゃって」
「大丈夫だよ。山吹さんに会えるのは、僕だって嬉しいし」
僕はそう言いつつ、笑って見せた。
すると、ラブはなぜかピクッと一瞬固まった。
……?どうしたんだろう?
僕が首を傾げて見せると、彼女はかなりかしこまった様子で、「は、早く行こう!」と言って歩き出す。
しばらく考えた後で、僕は冷静に呟いた。
「まさかこれ……フラグ立っちゃった……?」
僕ラブフラグの折り方なんて知らないよ……。
立ってないと良いけど……アーメン。
- Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.8 )
- 日時: 2016/09/04 21:48
- 名前: 春太郎 (ID: YVCR41Yb)
放課後になると、すぐにラブに連れ出され、公園に連れていかれる。
そこでは、ドーナツカフェの袋を持ったブッキーが、ソワソワした様子で立っていた。
「えっと……?」
「ホラ、行ってあげて!」
困惑している僕の背中を押し、ラブは言う。
僕が近づくと彼女は顔を上げ、そして嬉しそうに笑みを浮かべた。
「良かった。来てくれたのね」
「来たというか、強引に連れてこられたというか……」
僕が言うと、ブッキーは離れたところにいるラブを見て、「あぁ……」と言った。
「ごめんね。何か用事とかあったんじゃない?」
「いや、例え用事があったとしても、山吹さんに会うためなら全て断ってでも来たよ。今日はどうせ暇だったし」
そういえば、知念大輔は野球部に入っていたけど、僕もそうなのだろうか。
二次オタだっただけあって、僕の運動神経なんてカス同然なのだが。
それとも、身体能力は引き継いでいるとかあるのかなぁ。
それだったら、大輔は、運動は抜群だったはずだから、結構ありがたいかも。
「そんな……そこまでしなくても……。あっ、これ、この前のお礼っ」
ブッキーはそう言うと、ドーナツの袋を僕に渡してくる。
嬉しいけど、あまりにも唐突だったので、僕はついたじろいでしまう。
「えっ、この前って……昨日?僕、昨日何かしたっけ?」
「あ、えっと、麻人君には大したことじゃないかもしれないんだけどね……?」
その後で話を聞いてみると、どうやら僕が、ブッキーがプリキュアになるために行った、アドバイスと言う名の根回しのおかげでダンスをラブ達と一緒にすることになったらしく、それが僕のおかげだと言うのだ。
僕からすれば、あれはあくまでブッキーがプリキュアになるためだけのことなのだが、結果としてブッキーのためになっていたのか。それならそれで嬉しいが。
「だから、麻人君は何が好きかとか知らないから、でも、昨日ドーナツを美味しそうに食べていたから、喜ぶかなって」
「嬉しいけど、そんな、受け取れないよ。こんなものを貰うほどのことじゃないし」
僕が否定すると、ブッキーは悲しそうな表情をする。
ブッキーの泣き顔は嫌いじゃないが、原因が僕なのは嫌だ!
「じゃ、じゃあさ。一緒に食べるのはどうかな?後で、これのお金の半分は僕が払うからさ」
「えっ、でもそれじゃあ、お礼にならな……」
「僕は山吹さんと一緒にいられるだけで十分嬉しいけど?」
「っ……」
僕は心からの本音を言ったのだが、ブッキーはそれに顔を耳まで真っ赤にした。
そして、しばらくして、「えっと……」と言う。
「麻人君が、それで良いなら、私は、それで大丈夫……です……」
「良かった。じゃあ、そこのベンチで食べようか」
僕の言葉に、ブッキーは小さく頷き、二人でドーナツを食べた。
そういえば、ラブの姿が見えないが、僕とブッキーを会わせて満足して帰ったのだろうか?
−−−
「ハァ、はぁ……ハァ……」
公園を出た私は、乱れた息を整えつつ、近くの壁に凭れ掛かる。
なんでかは分からない……ブッキーと麻人が話しているのを見た時、胸がすごく、痛くなった。
別に、二人が仲良くすることは、私には関係ないことなのに。
むしろ、ブッキーに男友達ができるのは、喜ばしいことだと思う。
ブッキーが通うのは女学院だから、あまり男子との関わりとかないし、引っ込み思案な性格のブッキーが自分から会いたいと思えるなんて、良い事だよ。
「良い事……だよね……?」
私は自分の胸に手を当て、息をつく。
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