二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ユメが叶う日まで。 (ポケモン)
日時: 2016/09/05 20:36
名前: 蘭 (ID: 31lZGh9F)

ある少女は、
ポケモンコンテストの頂点に立ちたいと。


ある少年は、
チャンピオンになることを夢見て。


ある少年は、
自分の目でポケモンを観察しに。


ある少女は、
ポケモンの気持ちを理解する。


ある少年は、
ポケモンを寄せつける。


ある少女は、
自由を求めて。



これは、そんな6人の少年少女の成長物語。







初めまして、蘭というものです。
更新は不規定です。




【Attention】

この物語は、ポケットモンスターダイヤモンド・パールを元に書いています。
完全に私個人の世界で、ゲームでは普通、有り得ないことが沢山あります。
ご了承ください。
コメントは大歓迎です。
ただし、荒らしや悪口を書く方はNGです。


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Re: ユメが叶う日まで。 (ポケモン) ( No.4 )
日時: 2016/09/11 16:06
名前: 蘭 (ID: TPmYcxrv)

図鑑を埋める。
つまり自分の目で見て、記録していく。
レンジはそう付け足した。
それが、彼の手伝いだという。


「任せろよ博士!俺が一番に図鑑見せにくるぜ!」


ソウタはそう言い放って外に飛び出していった。
私は、一礼してからソウタの後を追った。
レンジにも、外で待っているように伝えて研究所を出た。


「元気ですね子供は」


「お前さんも子供だろうに」


「そうですね。…まだまだ未熟です」


強くなって帰ってくる。
ナナカマド博士にそう言って、研究所を後にする。






「おせーぞー!」


ソウタはヒコザルと格闘していた。
なかなかモンスターボールに入ってくれないらしい。


「無理にボールに入れようとしないの!」


私はソウタを止め、ナエトルがヒコザルを止めてくれた。
やっぱりソウタとヒコザルは、似ていないようで似ている、と思う。


「まずは、コトブキシティかな」


レンジは地図を広げて歩き出したその時だった。
私の足に何かがぶつかった。
そしてその何かは、レンジの足元についた。


「クゥ!」


高めの声を上げるのは、さっきレンジがバトルに使っていたポケモンだった。
後ろからはナナカマド博士が出てきていた。


「そいつだけ、どうしても言うこと聞かないんだが」


ナナカマド博士がため息混じりに話す。
そのポケモンは、寂しそうに鳴き続けている。


「研究所に戻れって…」


レンジは歩き出した。
すかさずそのポケモンも追いつく。
そしてまた、足にくっついて…。
レンジは困っていたようだが、私はなんだか不思議な気持ちになった。


「凄いですね…ポケモンから愛されているんですね」


隣にいたナナカマド博士は言った。


「レンジは、ポケモンには優しいからな」


顔にはでないけれど、ポケモンが大好きなんだぞ、と話してくれた。
なんだか、意外だった。
私たちに対しても、初対面だからだろうけど、少し冷たいような態度だったから。


「連れてけばいいじゃん!」


ソウタは腕を伸ばしながらいった。
そのポケモンは離れようとしない。
ナナカマド博士は、静かにうなづいた。


「じゃあ…モンスターボール」


そのポケモンは喜んで自分のモンスターボールを取りに行ったようだ。
私たちより小さなポケモン。


「これから、どんなポケモンに出会うのかなぁ」


私は更に胸を膨らませた。
冒険は、これから始まる。
楽しみと同時に、危険が待っていることを、今の私たちは想像してもいなかった。

Re: ユメが叶う日まで。 (ポケモン) ( No.5 )
日時: 2016/09/11 16:55
名前: 蘭 (ID: TPmYcxrv)

「ねぇねぇレンジ。そのポケモンなんて言うの?」


ナナカマド博士と別れて、コトブキタウンに向かう途中。
私はあのポケモンが気になって聞いてみた。


「ぴ…フカマルのこと?」


「フカマルって言うんだ!」


最初の「ぴ」が気になったけれど、あえて突っ込まないことにする。
フカマルとは、研究所で出会ったらしい。
というのも、卵から生まれたという。
フカマルとは生まれた瞬間から一緒に行動していて、大切な存在だ、と語ってくれた。


「イロハさんは…ナエトルにニックネームとかつけた?」


「イロハでいいよ!私はね、リーフってつけた!」


私はさっきからずっと嬉しくてナエトル—。
リーフを抱いていた。


「素敵なニックネームだね」


「俺はヒータって名前を付けたぜ!」


ソウタも入ってくる。
私たちが話しているうちに、何回かバトルをしたようで、ポケモンに少し傷がついていた。


「レンジは?」


「…そうだなぁ…。ポッチャマ…ちゃま、かな」


ちゃま。
ポッチャマは嬉しそうにしていた。


「可愛いニックネームだね!あ!フカマルは?」


レンジの足が止まった。
…もしかして、聞いちゃいけなかった…?
そう思ったが、少しためらいながらもニックネームを教えてくれた。


「ぴ…ぴろ…」


あぁ、さっきの「ぴ」って、フカマルのニックネームのことだったんだ。


「お前案外可愛いな!」


ソウタが背中をバシン!と叩いた。
失礼だとは感じながらも、私もそう思った。
私とソウタが笑い合う中、突然草むらが揺れた。


「あ!コイツさっきのじゃね!?」


目の前に現れたのは、少し傷を負ったムックルだった。
傷があるにも関わらず、初めてあった時のあの鋭い目つきで、飛びかかろうとした。


「さっきのお返しに俺とバトルだ!頼むぜヒータ!」


もうバトルにはだいぶ慣れたのか、私はソウタの背中が大きく見えた。

Re: ユメが叶う日まで。 (ポケモン) ( No.6 )
日時: 2016/09/20 21:52
名前: 蘭 (ID: 31lZGh9F)

「ヒータ!ひっかく!」


ムックルは素早く攻撃をかわす。
また、ヒコザルも空中に浮かれては攻撃が当てにくい。
ムックルは体当たりをしてくる。


「かわせ!」


ヒータは、素早くかわしてみせた。
体勢を立て直し、相手を睨む。
すると、ムックルは必死にヒータに何かを話し始めた。
それに答えるように、ヒータも何かを言い返している。
私たちにはもちろん、ポケモンの言葉など分からなかった。


「何話してるんだろ…」


「おーい、ヒータ…」


ソウタの声にすら反応しなかった。
そしてついには喧嘩を始めた。
ムックルは羽をばたつかせ、ヒータはひっかく。


「おい!止めろって!」


レンジは頭を抱えてため息をついた。
その足元のポッチャマ—ちゃままで、ため息をついている。
ふと、私は後ろを振り向いた。


「あっ」


「!?」


謎の服装をした集団が、3人立っていた。
忍び足で来たのだろうか、足音は全くしなかった。
すると、後ろにいた人がいきなり声をあげた。


「アンタ!この前の!」


さされた指は、レンジに向いていた。
レンジは鋭い目つきに変わる。


「ギンガ団。人のポケモン奪ったり、変な実験してて…悪いヤツだよ」


ギンガ団。
聞いたことがある。
時折テレビのニュースになるまでの事件を起こしたこともある。


「今度こそ、ポケモン奪ってやる!」


「なんだぁ!?負けないぜ!」


「3人…ちょうど1人ずつかな」


ムックルとヒータも場を理解したようで、ソウタの前に立つ。
レンジはちゃまに前に出るように指示をする。


「勝負だ!」


戦わなくちゃいけないのは分かってる。
分かってはいるけど…。
リーフが心配そうに私を見た。


「…行くよ、リーフ…!」


私はリーフに声をかけた。
しかし、心の中は…まだ…。


「スバット!かみつく!」


目の前でリーフが攻撃を受ける。
私はすぐ駆けつけた。


「リーフ…!」


自分が指示をしなかったから…!
私が…迷っていたから…!
私は…昔から、バトルをするのが怖かった。

Re: ユメが叶う日まで。 (ポケモン) ( No.7 )
日時: 2016/09/24 23:38
名前: 蘭 (ID: vlOajkQO)

小さい頃、お母さんのポケモンを借りて、バトルしたことがある。
決してその攻撃は、私に向けられたものではないのに。
怖くなって、指示が出せずにポケモンを傷つけた。
それから、バトルを見るのは大丈夫になったものの、未だにバトルは—。


「ガァッ!」


その声に反応して、私は顔を上げた。
目の前には、レンジのフカマル—ぴろが立っていた。
私の正面にいた相手のポケモンを倒してくれたみたいだ。
気が付くと、ソウタもレンジも、目の前のポケモンを倒していた。


「…やるじゃん。そのフカマル…アンタの?」


ギンガ団はポケモンをモンスターボールの中に戻しながら言う。
レンジは素早くフカマルをモンスターボールに戻す。


「まぁ…そうだけど」


「レベルが随分と違うこと」


ギンガ団は、手になんらかの機械を持っていた。
おそらく—レベル測定装置だろう。


「なんたって、こいつは研究所の—」


「バカッ…!」


「…あぁ、研究所のガキだったり?」


レンジはソウタの口を塞いだが、遅かった。
ギンガ団は勘づいたようで、興味深そうに見る。
私はリーフをそっと両手に抱えた。
そして、立ち上がった瞬間だった。


「!」


私の首に、ナイフが向けられた。
後ろにギンガ団が1人、立っていたのだ。


「ガキ。交換条件だ」


「コイツを解放する代わりに、我々とついてきてもらおうか」


ソウタとレンジが唇を噛み締めたのが分かった。
私は怖くなってリーフを強く抱きしめる。
レンジが前に歩みでる。


「分かった」


ナイフは私から離れ、どん、と押される。
私はバランスを崩して転んでしまった。
—その隣を、レンジが凛々しい顔つきで通る。


「止めろよ…!」


ソウタの絞り出した声にも、何も言わない。
私も、必死に止めようと超えを出した。
ギンガ団とレンジが、小型の車の様なものに乗ろうとした時だった。


「うわっ…!!」


「なんだっ…!?」


突然、ギンガ団を大量のポケモン達が襲った。

Re: ユメが叶う日まで。 (ポケモン) ( No.8 )
日時: 2016/10/07 23:41
名前: 蘭 (ID: jQF4W0MP)

現れたのは、ムックルとビッパ、それにコリンク…。
ここら辺では珍しくもないポケモンだ。
5匹程度ではない。30匹はいるだろうか。
ギンガ団はパニックになり、そのまま飛び去って行く。
レンジはフカマルのぴろに引っ張られたのか、尻もちをついていた。


「大丈夫か!?」


ソウタはすぐに駆けつけた。
私もすぐに駆けつける。


「平気…」


レンジは立ち上がり、大量のポケモンが走っていった方に目をやった。
私達はその真ん中に、1人立っている人物が見えた。
その人は、帽子を深くかぶっており、押し寄せるポケモン達に押され、倒れる。


「なんだぁ?」


ソウタは一番に動いた。
ポケモン達はビックリしたようで、ソウタを避けるように動いた。


「あ…えと…こんにちは?」


「こっ、こんにちは…?」


ソウタも不思議に思いつつ、とりあえず挨拶をした。
私は気になって、声をかけた。


「この大量のポケモンは…あなたの?」


その人が大量のポケモンを見た。
すると1匹、また1匹と草むらに入っていった。


「んーと…なんて説明したらいいんだろ…」


「…この先のコトブキシティで少し話さないか?」


レンジは提案をした。
その人は少し戸惑ったようだが、レンジの冷ややかな目にやられたのか、首を縦に動かした。
私達は、コトブキシティに足を進めようと歩き出す。
すると、後ろから困り果てた声が聞こえた。


「何なんだよお前らー!」


ソウタだった。
ギンガ団が去って一件落着と思いきや、またヒコザルのヒージと野生のムックルがケンカしている。
ヒージはもはやソウタの指示すらも無視して、ムックルに飛びかかる。


「け、ケンカはやめっ…っあたっ!」


私は2人を止めようとしたら、ひっかかれ、たいあたりされた。


「イロハ!」


さらに追い打ちをかけるかのように、ムックルはたいあたりを繰り出してきた。
私は避ける事ができず、見事に技をくらった。
そして、目の前が…真っ暗になった。


「イロハ!オイ止めろって!」


今度はレンジに目がけてムックルがたいあたりしようとする。
レンジはポッチャマのちゃまに、はたくを繰り出させようとしたその時。


「えい」


ムックルに、大量のポケモンの真ん中にいたあの人のポケモンの、コリンクが押し付けられていた。
ムックルはコリンクの特性の静電気にやられたようで、その場に落ちた。


「危ないっ…!」


「ポチャッ…!」


繰り出された技は、予想外のことに対応できず—。
そしてその人は、はたくを頭にくらった。



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