二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【東方project/短編集】本当は怖い幻想郷【アリス編】
- 日時: 2017/02/08 19:55
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
◆東方projectの二次創作物
◆2〜10レスが平均の短編集です
◆ホラー/ヤンデレ/グロテスク/死ネタ/意味怖/シリアス/ほのぼの/ギャグ要素有り
◆二次設定/解釈設定含む
◆キャラ崩壊注意
◆誤字/誤記/脱字は見つけ次第知らせてくれると有難いです
◆リクエスト受け付けています
*キャライメージが損なわれる場合が有ります
*軈てはやがてと読みます
*要望が有れば解説編書こうかなとか思ってます()
【目次】※番外編/特別編は○となっています
●博麗 霊夢編...>>1.>>2
●清蘭編...>>3.>>4.>>5
●アリス・マーガトロイド編...>>6.>>7.>>8.>>9
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- Re: 【東方project】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.5 )
- 日時: 2017/02/01 18:19
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
【清蘭編】(3)
−−−−−−−−−−−−−−−
「.....せ、清蘭さん?」
怯え、震えた声が上から飛び込んできた。
誰かと顔を上げると、顔馴染みのレイセンだった。
口を隠す様に手で覆い隠し、恐怖に直面したときの様に体は小刻みに震えている。
そんなレイセンの不安を取り除こうと、笑いかける。
すると突然、レイセンが怒号を放ってきた。
「清蘭さん!!な、何してるんですか!?鈴瑚さん死んでますよ!?....ま、まさか....」
「何でそう言い切れるの?........まだ、まだ鈴瑚は生きてるのに..」
どうしてそう言い切れるの?貴女は部外者ナノに。
レイセンの言うことはあってるけど、嘘なの。ミトメタクナイ。
レイセンの言い草が気に入らなくて、言い返す。
鈴瑚をチラリと見て、再びレイセンの方へ向くとレイセンは逃げ出した。
____それは、敵から逃げるように。
●○●
あくる日も、あくる日も清蘭は待ち続けていた。
「....鈴瑚」
ずっとこうして待っていればいつか目を覚ますんじゃないかって。
ずっとこうして待っていればいつか声を聞けるんじゃないかって。
ずっとこうして待っていればいつか笑顔を見ることが出来るんじゃないかって。
でも、何時来ても何時でも何時になっても_____
目を覚ますことはなかった。
それを見ることはなかった。
だって、清蘭なんて居なかったんだから。
End.
- Re: 【東方project/短編集】本当は怖い幻想郷【清蘭編】 ( No.6 )
- 日時: 2017/02/02 22:49
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
- 参照: 修正
【アリス・マーガトロイド編】(1)
−−−−−−−−−−−−−−−
_____あの子が居なくなったって本当?
_____本当だって。妖怪に食べられちゃったのかな
_____うっそ〜!!最近の世の中は怖いわねぇ...
_____何を年寄り臭い事言ってるんだよー。俺らまだ子供だぞ?
●○●
今日、人里は騒がしかった。
背の高い人間たちは睨み付けるように妖怪を見詰め、背の低い人間たちは怯えていた。
どうやら、ある男の子が居なくなったようで、それにより世間が敏感になっていると言う。
幸い、私は“害の与えない妖怪”として認識されていて、誰からも疑われることは無かった。
「......おお!!これは、人形遣いじゃないか」
「ああ、慧音さん。どうかした?」
前方からやって来るのは、半獣..というか、半妖の慧音。
慧音は私を見付けると、“待っていた”とでも言うかのように駆け付けてきた。
___だいたい、理由は察せるのだけれど..。
あまりにも分かりやすい笑みと共に白々し過ぎる質問を投げ掛けると、予想通りの回答が返ってきた。
「ああ、それがな....お前にも協力してほしいんだ。彼奴が居なくなったのは知ってるよな?」
「彼奴とは......居なくなった男の子の事?」
「そうだ」
●○●
私は、今日の記憶が此れぐらいしか無い。
ただただ、目の前に居る男の子に目を向けて、私は吃驚した。
「人形劇のお姉さん......匿って..」
昼間、あれだけ居ない居ないと騒がれていた男の子が目の前に居たのだ。
それだけでも十分不思議極まりないのだが、更に不思議なのは男の子の発言だ。
...............匿って、ってどういう事かしら?
「まぁ、良いけど...。明日には帰るのよ?」
「うん。ありがとうお姉さん」
結論を出した結果、私は男の子を匿う事にした。
- Re: 【東方project/短編集】本当は怖い幻想郷【アリス編】 ( No.7 )
- 日時: 2017/02/03 18:43
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
【アリス・マーガトロイド編】(2)
−−−−−−−−−−−−−−−
次の朝。
目を覚ますと、彼__昨日、匿った筈の男の子は死んでいた。
「.......えっと..あなた?」
不思議と恐怖感は無かった。
何故かは分からないけど、目を閉じて動かなくなったその様は見覚えがあるような気がしたからだろう。
死んでいると分かっているけれど、男の子の体を何度か揺さぶる。
何度揺さぶろうが、男の子は目を覚ますことは無かった。.......んまぁ、当然と言えば当然か。
●○●
今日も人里へ向かった。
昨日ほどの騒がしさは消えていたが、それでも騒がしいことには変わり無かった。
恐らく、男の子の事で持ちきりなのだろう。...気の毒だが、死んでいることは黙っていた方が良いのだろう。
「あ、おい、なぁ人形遣いさんよ」
「.....どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないだろう。昨日慧音から聞いただろ?」
私の傍に駆け寄り、話しかけてきたのは妹紅。
妹紅も男の子の事を探しているのか、妹紅らしくない顔を浮かべて問い掛けてきた。
本当の事は言ってはいけない。
言ってしまっては、駄目。
言ってしまったら、言ってしまったら..........私の居場所が無くなってしまう。
此処は逃げないと。
「...んーと、男の子のこと?私は見てないわよ」
「そうか、なら良い。ありがとうな」
それだけ言うと、妹紅はニカッと笑ってどっかに走っていった。
_____さてと、私も大事な用を済ませて家に帰るとするか。
- Re: 【東方project/短編集】本当は怖い幻想郷【アリス編】 ( No.8 )
- 日時: 2017/02/05 09:28
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
片手には重々しい重感覚。
現に、私の片手には少し大きめの透明袋が下げられている。
中身は......包帯、木の枝、接着剤...等の医療品や作業に使う物ばかりだ。
そう考えながら家路を辿っていると、いつの間にか家に着いていた。周りを見ると、もう真っ暗だ。
.......まぁ、時間の流れは早いわ...。
「..ただいま」
家に入り、奇妙な形をした瓶に炎を入れる。炎に照らされ、辺りは一気に明るくなった。
透明袋を作業机に置いて、男の子に近付き、頭を優しく撫でてみる。
やっぱり、男の子は動かなかった。.......死んでいる、から。
何故死んでいるかは分からないけど...この動かない姿には変な既視感があった。
途端、ふにゃりと男の子が笑う。
私はそれにびっくりして触れていた手を離し、辺りをキョロキョロと不審がるように見渡した。
「シャンハーイ」
「...ああ、上海がやったの?..吃驚したわ」
男の子の影からひょっこりと申し訳なさそうに顔を出す上海。
それを見て、さっきのは上海だったのかとホッとした。
ふと、透明な糸がちらりと灯りに照らされ、キラッと煌めく。
その糸の先は、男の子と上海。
男の子が笑ったのは、上海が糸を手繰っていたから..のようだ。
...成る程、此れは使えるかもしれない。
今朝は、男の子の存在を一生隠すつもりでいた。
だけど、この案は....一時の幸せを与える、私にしか出来ない事だ。
- Re: 【東方project/短編集】本当は怖い幻想郷【アリス編】 ( No.9 )
- 日時: 2017/02/08 19:55
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
空気に溶け込み、透き通るような色をしたカーテンがゆらゆら動いている。
カーテンの隙間から射し込むは、暖かい陽の光の雨。
私はそれを、遠くから自我を失ったように、ジーっと、ボォォっと見ていた。
「.........おはよう」
目を覚ます。
私は寝落ちしていたらしく、目の前に例の男の子がいた。
“おはよう”と声を掛けると、男の子はゆっくりと微笑み、首を少し傾げ、此方を見据える。
.......これらは全て、私の意図による動きだ。
私の指先から伸びている透明の細い糸は、男の子に繋がれている。
それにより、本来動く筈のない男の子が動くようになっているのだ。
ふふ、我ながら天才的な案ね。
「しかし....これでは、喋る事が出来ないわ..。声帯を操るなんて、流石の私でも無理だし...」
魔法を掛けるという案もあったが、“私が男の子から一定の距離を取ったあとはどうするのだろう”と
思い、魔法を掛けるのは止めた。
それに、糸で操るのも、距離や精度に限度があるし....。
声を出せないという事実は、適当な理由で誤魔化そうかしら。
●○●
「.....アリスさん。その子は..」
「..阿求」
阿求は私を見るやいなに、何かに怯えるように私を見つめた。
それから数秒後、阿求は何処か別の場所へと駆け出した。
恐らく、慧音や男の子の親を呼びに行ったのだろう。
..それにしても、周りが五月蝿い。
私の腕に収まっている男の子に吃驚やら恐怖やらで、騒がしくなっただけなのだろうが。
しばらくすると、顔も身も知らないが、親らしき二人と、慧音、妹紅、阿求がやって来た。
ただ、親らしき二人は私の事を知っているみたいで、私の名前を口に出していた。
親らしき二人は....多分、男の子の親だろうか?
「.......!!そいつは....」
「まさか、見つけてくれた....のか?」
慧音と妹紅が各々、口々に驚きの言葉を漏らす。
親らしき二人に至っては、再会を喜んでいるのか嗚咽を漏らしながら涙を流していた。
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